映画監督 篠田正浩 レトロスペクティブ 横浜シネマリン篇
映画監督 篠田正浩
レトロスペクティブ
横浜シネマリン篇
12月19日(土)-25(金)
鋭い感性と知性により独自の映像世界で観客を魅了した篠田正浩
その圧倒的な映像美、戦争への強い思いを描き出した、選りすぐりの5作品一挙上映
映画監督 篠田正浩
レトロスペクティブ
横浜シネマリン篇
12月19日(土)-25(金)
鋭い感性と知性により独自の映像世界で観客を魅了した篠田正浩
その圧倒的な映像美、戦争への強い思いを描き出した、選りすぐりの5作品一挙上映
比類なき映像美と鋭い知性で世界を魅了した映画監督 篠田正浩。彼の残した作品を未来へとつなぐ特集上映【映画監督 篠田正浩 レトロスペクティブ】では、各劇場がセレクションした作品を上映します。
篠田正浩(しのだ まさひろ)
1931年岐阜県生まれ。1953年松竹撮影所に入社。1960年『恋の片道切符』で監督となる。その後、大島渚、吉田喜重らと共に松竹ヌーベル・バーグとして前衛的な作品を発表。1966年松竹を退社してフリーとなり、1967年独立プロ「表現社」を妻の岩下志麻と共に設立し自主制作を始める。以降、心中もの、歴史劇、ドキュメンタリーと幅広いジャンルを手がけ、独自の映像世界を確立していく。『心中天網島』(1969年)や『沈黙SILENCE』(1971年)は、国際的にも高い評価を獲得した。『はなれ瞽女おりん』(1977年)は、妻でもある俳優・岩下志麻を主演に迎えて圧倒的な映像美で描き出し、日本のアニミズムや土着の精神性を鋭く問い直し、篠田映画におけるひとつの到達点として今なお語り継がれている。その後も、叙情豊かな名作『少年時代』(1990年)などで多くの映画賞に輝き、鋭い知性と視覚美を兼ね備えた作品で観客を魅了した。2003年、日独合作の大作『スパイ・ゾルゲ』を最後に映画監督引退を表明。引退後も、日本文化や歴史に対する深い造詣を活かした執筆や講演活動を精力的に行った。日本映画の黄金期を支え、その精神を現代へと繋ぎ続けた知性派の映画監督である。2025年3月25日逝去。
公式ホームページhttps://www.cinemaclassics.jp/shinoda/
入場料一般1,600円/会員・大専・シニア1,300円/ハンディキャップ1,000円/高校生以下800円
※招待券、ポイント鑑賞、ミニシアター相互割、職能割、サービスデーによる割引鑑賞不可
トークイベント
12/19(土)『暗殺』上映後、春日太一さん(時代劇・映画史研究家)
上映スケジュール
| 12/19(土) | 12/20(日) | 12/21(月) | 12/22(火) | 12/23(水) | 12/24(木) | 12/25(金) |
12:20ー14:05心中天網島 |
12:20ー14:10あかね雲 |
12:05ー14:05少年時代 |
12:05ー13:55暗殺 |
12:05ー13:55あかね雲 |
12:05ー13:55心中天網島 |
12:05ー14:05はなれ瞽女おりん |
14:20ー16:05暗殺 トーク 春日太一さん |
14:25ー16:25はなれ瞽女おりん |
14:20ー16:10心中天網島 |
14:10ー16:10はなれ瞽女おりん |
14:10ー16:10少年時代 |
14:10ー16:05あかね雲 |
14:20ー16:10暗殺 |
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作品紹介
暗殺 Assassin
Ⓒ1964松竹株式会社
1964年/104分/モノクロ/35mm
原作:司馬遼太郎 脚本:山田信夫
撮影:小杉正雄 美術:大角純一 音楽:武満徹
出演:丹波哲郎、岡田英次、早川保、岩下志麻、木村功
司馬遼太郎の短編小説を松竹京都撮影所で撮った篠田初の時代劇。幕末動乱の京都を背景に、実在した幕末の策士・清河八郎(丹波)の謎に包まれた半生を描く。権謀術策から、勤皇派と佐幕派の両方を渡り歩き、ついには命を狙われることになる男を、独特の美学、鮮やかな映像美で描く。豪快な中にも滑稽味を加え、型破りな主人公を演じた丹波の代表作となった。
あかね雲 Clouds at Sunset
Ⓒ1967松竹株式会社
1967年/107分/パートカラー/35mm
原作:水上勉 脚本:鈴木尚之
撮影:小杉正雄 美術:戸田重昌 音楽:武満徹
出演:岩下志麻、山﨑努、佐藤慶、小川真由美
独立プロ「表現社」の第1回作品。昭和12年、能登の海を背景に、薄幸の中で必死に生きるまつの(岩下)は、小杉(山﨑)の勧めで仲居として山代温泉で働くようになる。二人は惹かれあうが、彼は軍隊に追われていた…。能登を舞台とした水上勉の同名小説を映画化したメロドラマ。二人の運命を象徴するかのように、真っ赤なあかね雲がパートカラーで描かれる。
心中天網島 Double Suicide
Ⓒ1969表現社
1969年/103分/モノクロ/35mm
原作:近松門左衛門 脚本:富岡多恵子、武満徹、篠田正浩
撮影:成島東一郎 美術:粟津潔 音楽:武満徹
出演:二代目中村吉右衛門、岩下志麻、河原崎しず江、左時枝
ATGと提携し製作された1千万映画でありながら、キネマ旬報ベストテン第1位、監督賞、女優賞など、この年の映画賞を独占した篠田の最高傑作。近松門左衛門の人形浄瑠璃をベースに、大阪天満御前町の紙屋治兵衛が、妻を捨てて遊女との情死行に至る狂おしく燃える愛の情念を描く。近松の“虚実の被膜”を、圧倒的な美術力、様式美、黒衣の登場で作り上げ世を驚かせた。
はなれ瞽女おりん Ballad of Orin
Ⓒ1977表現社
1977年/117分/カラー/35mm
原作:水上勉 脚本:長谷部慶次、篠田正浩
撮影:宮川一夫 美術:粟津潔 音楽:武満徹
出演:岩下志麻、原田芳雄、奈良岡朋子、樹木希林、西田敏行
水上勉原作をもとに、滅びゆく盲目の女芸人“瞽女”の姿を、北陸の美しい四季の景色を背景に描いた。ある男と一夜を共にしたことから一座を追われ“はなれ瞽女”となったおりん(岩下)は、憲兵隊に追われる脱走兵・平太郎(原田)と出会う…。『あかね雲』に続き、軍隊に追われる男を描く篠田の渾身の一本。ロケハンに2年、脚本に1年、映像美も素晴らしい。
少年時代 Takeshi
Ⓒ1990「少年時代」製作委員会
1990年/117分/カラー/35mm
原作:柏原兵三、藤子不二雄Ⓐ 脚本:山田太一
撮影:鈴木達夫 美術:木村威夫 音楽:池辺晋一郎
出演:藤田哲也、堀岡裕二、岩下志麻、細川俊之、河原崎長一郎
柏原兵三の小説「長い道」と藤子不二雄Ⓐの同名漫画を原作に、同じく疎開体験を持つ山田太一が脚色。戦争が激化する昭和19年の秋、東京から小学5年生の少年が富山県の田舎に縁故疎開してきた…。戦時中の都会と地元の少年同士の友情と確執を通して、戦争の体験と昭和とは何だったのかを問いかける。敗戦を迎え、東京に戻るラスト、かぶさる井上陽水の主題歌に涙。