現在上映作品

10/17(土)~

プーチンの愛国教室

プーチンの愛国教室

©2025 made in copenhagen Aps, Pink Productions s.r.o.

2025年/デンマーク、チェコ/90分/配給:トランスフォーマー
原題:Mr. Nobody Against Putin
監督:デヴィッド・ボレンスタイン、パヴェル・タランキン
日本語字幕:額賀深雪
字幕監修:廣瀬陽子
後援:デンマーク王国大使館
協力:チェコセンター東京

公式ホームページ

アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞受賞!
子どもたちが愛国プロパガンダに飲み込まれていく。
僕は、その片棒を担ぐのか?――ひとりの教師が記録した、今そこにある現実。

ロシア・ウラル山脈の麓の小さな田舎町にあるカラバシュ初等・中等学校。母校でもあるここでイベント企画・撮影担当の教員として勤めるパヴェル・タランキンは、子どもたちから“頼れるお兄さん”として慕われる人気者だ。彼らの何気ない日常や成長の瞬間をビデオカメラに収めながら、オフィスを開放して一緒にアートやおしゃべりを楽しむ、忙しくも穏やかな日々。自由と民主主義、そして自身の職業を心から愛する彼は言う。「この仕事の魅力は、生徒を支えられること」

しかし、2022年2月のウクライナ侵攻開始を機に、彼らの日常は一変する。プーチン大統領は子どもたちを<未来の兵士>として育てるため、戦争を賛美し参加するよう学校で教え込む「愛国教育」の導入を新たな国家方針として発令。和やかだった学校の雰囲気は、瞬く間に緊迫した「戦時中」のものへと塗り替えられていく――。

タランキンは変容していく学校と人々の姿を約2年間かけてつぶさにカメラに収め、デンマークを拠点に活動するアメリカ人ドキュメンタリー作家デヴィッド・ボレンスタインと共同で、極秘裏に本作を制作。当事者視点でプロパガンダ教育を捉えた異例の映像は、世界中で大きな注目と絶賛を集め、アカデミー賞®をはじめ多数の映画賞を受賞した。しかし、その影響力をみたロシア当局は国内での上映禁止を決定。タランキンは国家反逆者として事実上の国外追放を言い渡されるという、徹底的な弾圧にさらされている。

国家はどのようにして反対意見を封じ、戦争へと突き進むのか――いま世界に蔓延する現在進行形の現実を突きつける、必見のドキュメンタリーだ。


プーチンの愛国教室 プーチンの愛国教室 プーチンの愛国教室

上映日時

10/17(土)、10/18(日) 10/19(月)~10/23(金) 10/24(土)~10/30(金) 10/31(土)~
14:10-15:45 13:50-15:25 10:00-11:35 未定

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1900 ¥1300 ¥800
会員 ¥1300 ¥1300 ¥800
オンラインチケット購入

10/17(土)~

ナウ・アンド・ゼン

ナウ・アンド・ゼン

© 2026 ML9

2026年/日本/72分/製作・配給:ML9
監督・撮影・編集・プロデューサー:西原孝至
プロデューサー:増渕愛子
撮影:山崎裕、飯岡幸子、井手口大騎ダグラス
音響:黄永昌
録音:川上拓也
編集:大川景子
音楽:篠田ミル

公式ホームページ

イベント情報
▼10/17(土)上映後、宮島ヨハナさん(出演/NGOスタッフ)、西原孝至監督監督の舞台挨拶がございます。
▼10/18(日)、24(土)上映後、西原孝至監督の舞台挨拶がございます。

百年前の死は、今日も繰り返されている

2023年、日本の国会では難民についての法改正が議論を呼んでいた。政府による難民認定を更に厳格化しようというものだ。不認定となった者が収容される入管施設では死者も出ており、その環境は長年、問題視されている。この現状を変えようと、多くの市民が声を上げはじめた。
日本人による外国籍の人々への迫害は今に始まったことではない。1923年、関東大震災の混乱の中で、警察や自警団などが朝鮮人や中国人を虐殺するジェノサイドが起きた。犠牲者は6,000名とも言われている。しかし、いまだ日本政府はこの問題を公式に認めていない。そして2026年、排外主義を掲げる政党が躍進をしている。

私たちは、何を見ないことにしてきたのか。
過去と今の“声”を繋ぐドキュメンタリー

過去の虐殺と、現在の入管問題は、未だ精算されていない「植民地主義」で繋がっている。カメラは、様々な立場の人間たちの思いを記録する。登場するのは、難民支援をつづけるアクティビスト、仮放免中の当事者、朝鮮人虐殺の証言を継承する市民グループやドキュメンタリー監督、そして研究者。それらの断片が全体を構成し、「今とあの時」が浮かび上がってくる。
本作の監督を務めるのは『百年と希望』『わたしの自由について』の西原孝至。10年来、若い世代の社会運動を記録しつづける映画監督は、百年前の大虐殺と日本の難民制度の根底にある「差別」の歴史を掘り起こし始める。やがて東京の風景には、植民地主義の歴史と向き合うという未解決の課題が響き渡るようになる。


ナウ・アンド・ゼン ナウ・アンド・ゼン ナウ・アンド・ゼン

上映日時

10/17(土)~10/23(金) 10/24(土) 10/25(日)~10/30(金)
12:20-13:40 19:20-20:32 19:05-20:20

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1900 ¥1300 ¥800
会員 ¥1300 ¥1300 ¥800
オンラインチケット購入

10/9(金)~

遥かな町へ

遥かな町へ

©︎2026 映画「遥かな町へ」BARCOS

2026年/日本/126分/配給:ムービー・アクト・プロジェクト/配給協力:渋谷プロダクション
脚本・監督:錦織良成
原作:谷口ジロー
音楽:瀬川英史
エグゼクティブプロデューサー:山本敬
企画プロデュース:結城豊弘(ANOSA)
プロデューサー:安川唯史
出演:大谷亮平、及川桃利、磯谷萌々子、戸田菜穂、滝藤賢一

公式ホームページ

イベント情報
▼10/10(土)上映後、大谷亮平さん、滝藤賢一さん、及川桃利さん、磯谷萌々子さん、安川唯史プロデューサー、錦織良成監督の舞台挨拶がございます。

1963年――
14歳の“あの日”が甦る

48歳の建築デザイナーの中原博史は、仕事の出張帰りにふと故郷・鳥取の倉吉を訪れ、母の墓前でなぜか彼は1963年の町へと迷い込み、“14歳の自分の身体”に戻ってしまう。だが意識は48歳のまま。彼は思春期の少年として、再び家族と向き合うことになる。そこには若き日の母、妹、祖母、そして、やがて突然家を出て失踪する父の姿があった――。

「孤独のグルメ」「神々の山嶺」漫画家・谷口ジローの世界的名作が日本初実写化
中年男が中学時代へタイムスリップ…人生の選択を見つめ直す“大人の青春物語”

映画『遥かな町へ』は、⼈⽣の折り返し地点を迎えた⼀⼈の男が、中学⽣時代にタイムスリップし、友⼈や初恋の⼈との再会、そして家族との時間を通して、⾃らの⼈⽣の選択を⾒つめ直す⼤⼈の⻘春物語。原作は、⿃取県出⾝の漫画家・⾕⼝ジローが1998年に発表した漫画「遥かな町へ」。「孤独のグルメ」(作・久住昌之)や「神々の⼭嶺」(作・夢枕獏)などで知られる⾕⼝が、⾃⾝のオリジナルストーリーによって描き上げ、フランスのアングレーム国 際漫画祭をはじめ、イタリア、ドイツなど数々の漫画賞を受賞。2010年には、ルクセンブルク、フランス、ドイツの合作で映画化もされた世界的名作が、このたび⽇本⼈の監督とキャストにより新たに実写映画化された。

主⼈公・博史を演じるのは、韓国で俳優のキャリアを築き、“逆輸⼊”のルートを経て⽇本で活動する⼤⾕亮平。“ミッドライフ・クライシス(中年の危機)”を迎えた中年男性を体現した。1963年に⽣きる14歳の博史役に及川桃利、博史の初恋相⼿・⻑瀬智⼦役に磯⾕萌々⼦。ともにオーディションで抜擢された2010年⽣まれの若⼿2⼈が、瑞々しい存在感を放つ。さらに、博史の両親役に、実⼒派俳優の滝藤賢⼀、⼾⽥菜穂が名を連ね、作品に深みを与えている。 脚本と監督は、『RAILWAYS 49歳で電⾞の運転⼠になった男の物語』、『たたら侍』、『⾼津川』など、地域に根ざした物語を通して、そこに住む⼈々の⼼の交流を描き続けてきた錦織良成。何気ない⽇常をとらえる描写⼒と柔らかな映像センスを発揮している。撮影は、昭和30年代の町並みが今も残る倉吉市でロケを敢⾏。三池崇史監督や⾹港のイー・トンシン監督とのタッグで知られる撮影の北信康が、懐かしい味わいと慕情にあふれる光景をカメラに収めた。⽇本の⽚隅の⼩さな町から世界へ、誰もが⼼の奥で求めている「ふるさと」のような原⾵景に織り込まれた⼈間ドラマは、世代や国を超えて誰の⼼にも眠る普遍的なノスタルジーに訴えかける。


遥かな町へ 遥かな町へ 遥かな町へ

上映日時

10/9(金) 10/10(土)~10/22(木)
20:00-22:10 10:00-12:10

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1900 ¥1300 ¥800
会員 ¥1300 ¥1300 ¥800
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10/10(土)~

パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭

パフォーマンス・アート:身体と空間をめぐる映画祭

パフォーマンス・アート:

身体と空間をめぐる映画祭

10/10(土)-10/23(金)

パフォーマンス・アート:

身体と空間をめぐる映画祭

10/10(土)-10/23(金)

現代美術において最もエネルギッシュで、不可欠なジャンルへと進化を遂げたパフォーマンス・アート。
シーンを創造し、革新してきた先駆者たちのドキュメンタリーをラインナップ。
自由すぎて深すぎる、パフォーマンス・アートの世界へようこそ。

いま、パフォーマンス・アートへの関心が世界的に高まっている。
パフォーマンス・アートは、伝統的な芸術観の否定と過激な実験精神に端を発した20世紀前半の前衛芸術運動(未来派、ダダ、シュルレアリスム、構成主義、バウハウスなど)を源流とした出自と、「一回性の表現」を残す難しさから、⾧らく美術界の片隅に配されていたが、それは過去のものとなった。
現代美術の国際的祭典として最新の動向を世界に発信するヴェネチア・ビエンナーレでは、2017年と2019年の2期連続で、パフォーマンス・アート作品が金獅子賞(最高賞)を受賞。また、2017年にはキャロリー・シュニーマンが金獅子賞(生涯功労賞)を受賞。芸術界のノーベル賞と称される高松宮殿下記念世界文化賞においても、2023年にロバート・ウィルソン、2025年にマリーナ・アブラモヴィッチとアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルというパフォーマンス・アートの巨匠たちが受賞。その躍進ぶりを象徴している。
パフォーマンス・アートは身体を核としながら、文学、演劇、戯曲、音楽、建築、詩、映画など、あらゆる表現媒体を縦横無尽に横断する、融通無碍、不確定性のアートである。そして、不定形であるがゆえに、時代の先端にあるメディアやテクノロジーも積極的に取り込みながら、根源的な生々しい感情や、その時代に存在する社会への問いを表現する。
本映画祭では、芸術表現の周縁から中心へと躍り出たパフォーマンス・アートのシーンを創造し、革新してきた先駆者たちのドキュメンタリー5作品(4プログラム)をラインナップ。その底知れぬ世界を紐解く。

公式ホームページhttps://trenova.jp/paff/

企画・配給トレノバ

企画協力深川雅文、江口正登

入場料 一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円

トークイベント
▼10/10(土)『ナム・ジュン・パイク 月は最古のTV』上映後、日比野民蓉さん(横浜美術館主任学芸員)、佐藤小百合さん(メディア論/美術批評/韓国現代美術)のトークイベントがございます。

オンラインチケット購入

上映スケジュール

10/10(土) 10/11(日) 10/12(月) 10/13(火) 10/14(水) 10/15(木) 10/16(金)
ある日、ピナは尋ねた…12:45ー13:55
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
カニングハム12:20ー13:55
A:カニングハム
ナム・ジュン・パイク12:20ー14:15
D:ナム・ジュン・パイク
ある日、ピナは尋ねた…12:20ー13:35
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
ブレイキング・ザ・フレーム12:20ー14:05
B:ブレイキング・ザ・フレーム
カニングハム12:20ー13:53
A:カニングハム
ある日、ピナは尋ねた…12:20ー13:35
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
ナム・ジュン・パイク14:05ー15:55
D:ナム・ジュン・パイク
トーク
日比野民蓉さん
佐藤小百合さん
ブレイキング・ザ・フレーム14:05ー15:50
B:ブレイキング・ザ・フレーム
ある日、ピナは尋ねた…14:25ー15:40
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
カニングハム14:00ー15:40
A:カニングハム
ある日、ピナは尋ねた…14:15ー15:30
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
ナム・ジュン・パイク14:00ー15:50
D:ナム・ジュン・パイク
ブレイキング・ザ・フレーム14:00ー15:45
B:ブレイキング・ザ・フレーム

予定表 横にスクロールできます

10/17(土) 10/18(日) 10/19(月) 10/20(火) 10/21(水) 10/22(木) 10/23(金)
カニングハム17:40ー19:13
A:カニングハム
ある日、ピナは尋ねた…17:40ー18:50
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
ナム・ジュン・パイク17:20ー19:10
D:ナム・ジュン・パイク
ブレイキング・ザ・フレーム17:20ー19:05
B:ブレイキング・ザ・フレーム
カニングハム17:20ー18:53
A:カニングハム
ナム・ジュン・パイク17:20ー19:15
D:ナム・ジュン・パイク
ある日、ピナは尋ねた…17:20ー18:35
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
ブレイキング・ザ・フレーム19:20ー21:01
B:ブレイキング・ザ・フレーム
ナム・ジュン・パイク19:00ー20:50
D:ナム・ジュン・パイク
カニングハム19:20ー20:53
A:カニングハム
ある日、ピナは尋ねた…19:15ー20:30
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
ナム・ジュン・パイク19:00ー20:50
D:ナム・ジュン・パイク
ある日、ピナは尋ねた…19:25ー20:40
C:ある日、ピナは尋ねた…+ピンク・シュレンマー
カニングハム18:45ー20:25
A:カニングハム

予定表 横にスクロールできます

Program A

カニングハム★日本劇場初公開

カニングハム

2019年/ドイツ、フランス、アメリカ/93分
原題:Cunningham
監督・脚本・編集:アラ・コフガン
撮影:ムコ・マルハシアン
音楽:フォルカー・ベルテルマン
出演:マース・カニングハム、キャロリン・ブラウン、ジョン・ケージ、アシュリー・チェ ン、ロバート・ラウシェンバーグ

ダンスの概念を根本から再定義した革命家マース・カニングハム。「音楽と振付は独立して存在する」という画期的な哲学や、偶然性を振付に取り入れる手法などにより、ダンスの新領域を切り開くパフォーマンスで世界に衝撃を与えてきた。本作は彼の生誕100周年を記念し、活動の軌跡を追ったドキュメンタリー。未公開のアーカイブ映像を通して、彼の哲学や肉声に触れ、生涯のパートナーであった前衛音楽の巨人ジョン・ケージや、ロバート・ラウシェンバーグ、アンディ・ウォーホルら20世紀を代表する芸術家たちとの協働の裏側に迫る。そして、無名だった1942年から名声を確立する1972年までの30年間に生み出された14の代表作を現代のダンサーたちが再演。ビルの屋上や深い森の中など、規格外のロケーションで、空間と身体が躍動する。

*2023年イタリア賞(テレビ・パフォーミングアーツ部門)
*2019年バーデン=ヴュルテンベルク映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞
*2019年ハンプトンズ国際映画祭ゴールデン・スターフィッシュ賞特別賞

Program B

ブレイキング・ザ・フレーム★日本初公開

ブレイキング・ザ・フレーム

©Marielle Nitoslawska

2012年/カナダ/101分
原題:Breaking the Frame
監督・脚本・撮影:マリエル・ニトスラウスカ
編集:モニーク・ダルトン
出演:キャロリー・シュニーマン、ジェームズ・テニー

パフォーマンス・アートやフェミニズム・アートの先駆者として50年以上にわたり活動し、現代の身体芸術やジェンダー表現に多大な影響を与えたキャロリー・シュニーマン。本作は、その生涯と芸術世界を実験的アプローチで描いたポートレート・ドキュメンタリー。抽象画家としてキャリアを開始した彼女は、やがて自らの身体を素材として用い、1975年にフェミニズム・アートにおける極めて重要で過激なパフォーマンス≪Interior Scroll(体内の巻物)≫を発表。女性への身体的抑圧に抵抗した作品群は、男性優位の美術界で女性のセクシュアリティや肉体性を生々しく提示し、世間に大きな衝撃を与えた。タブーに挑み続けたシュニーマンが感じた孤独や怒り、作品への情熱が、彼女の作品記録や絵日記、そして語る言葉によって浮き彫りになる。

Program C

ある日、ピナは尋ねた…〈2Kレストア版〉★日本劇場初公開

ある日、ピナは尋ねた…

©INA

1983年/フランス、ベルギー、ドイツ/58分
原題:Un jour Pina a demandé…
監督:シャンタル・アケルマン
撮影:リュック・ベナムー、バベット・マンゴルト
編集:ドミニク・フォルジュ、パトリ ック・ミモーニ
出演:ピナ・バウシュ、シャンタル・アケルマン、ヤコブ・アナセン、アンヌ=マリー・ベ ナティ、ベネディクト・ビリエ、市田 京美

ドイツ表現主義舞踊の流れを汲み、ダンスと演劇を融合した“タンツテアター”を現代に確立した、コンテンポラリー・ダンスの巨匠ピナ・バウシュ。本作は、映画史に名を刻む名匠シャンタル・アケルマンが、バウシュ率いるヴッパタール舞踊団の欧州ツアーに同行して作り上げたドキュメンタリー。説明的な手法を最小限に抑え、アケルマンの特徴である静謐な固定カメラと長回しを中心に構成。『コンタクトホーフ』や『カーネーション』といったバウシュの代表作の断片とともに、リハーサル時のダンサーの身体の躍動や息遣いや、舞台裏の何気ない時間が切り取られている。タイトルの『Un jour Pina a demandé…(ある日、ピナは尋ねた…)』は、バウシュがダンサーに個人的な質問や課題を与え、そこから動きを引き出していく独自の振付手法に由来する。

ピンク・シュレンマー★日本初公開

ピンク・シュレンマー

©Oliver Husain

2025年/カナダ/12分/カラー
原題:Pink Schlemmer
監督・撮影・編集・アニメーション:オリバー・フサイン
出演:タンヴィール・アラム

2024年、トロントのゲーテ・インスティトゥートの保管庫から『マン・アンド・マスク:オスカー・シュレンマーとバウハウスの舞台』の古いプリントが発見された。1969年に制作されたこの作品は、1925年頃にバウハウスでオスカー・シュレンマーが試みた前衛的な舞台・ダンス作品を再現し映像として記録した作品で、フィルムは経年劣化で鮮やかなピンクとマゼンタに染まっていた。本作はこの華やかな色調を手がかりとし、パフォーマンス・アートの源流の一つとして位置付けられるバウハウスの舞台工房を率いたシュレンマーのダンス、舞台表現、思想、そしてその影響を再解釈する。

*第76回ベルリン国際映画祭フォーラム・エクスパンデッド部門上映

Program D

ナム・ジュン・パイク 月は最古のTV★日本初公開

ナム・ジュン・パイク 月は最古のTV

©NamJune LLC

2023年/アメリカ/110分
原題:Nam June Paik: Moon Is the Oldest TV
監督:アマンダ・キム
撮影:ネルソン・ウォーカー
編集:タリン・グールド
テーマ音楽:坂本龍一
出演:ナム・ジュン・パイク、スティーヴン・ユァン(朗読)、ジョン・ケージ、ヨーゼフ・ ボイス、シャーロット・モーマン、マリーナ・アブラモヴィッチ、久保田成子

“ビデオ・アートの父”と称されるナム・ジュン・パイク。彼はアートとテクノロジーの境界を破壊し、インターネット普及のはるか前にデジタル社会の到来を予見した。本作は、彼のパフォーマンス映像や手記(俳優スティーヴン・ユァンの朗読)などの膨大なアーカイブを紐解きながら、韓国から日本、ドイツ、アメリカへと渡り歩いたその生涯と、先駆的な活動やビジョンに迫る。彼が生み出した人々の想像を超えるアートがいかにして当時の大衆文化と交差したかが描かれるとともに、彼の人生を変えたジョン・ケージとの出会い、ヨーゼフ・ボイスやシャーロット・モーマンらとの過激なコラボレーションなど、フルクサスをはじめとした60年代から70年代にかけてのパフォーマンス・アートのムーブメントとの深い関わりも描かれる。

*サンダンス映画祭2023正式出品
*2023年MoMA Doc Fortnight 選出
*2023年ガーディアン誌ベスト映画

10/3(土)~

ヒンド・ラジャブの声

© MIME FILMS — TANIT FILMS

2025年/チュニジア、フランス/アラビア語・英語/89分/シネスコ/5.0ch/提供:ニューセレクト/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
原題:The Voice of Hind Rajab
監督・脚本:カウテール・ベン・ハニア
製作総指揮:ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、ジェレミー・クライナー、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、ジョナサン・グレイザー、アルフォンソ・キュアロン、マイケル・ムーア、スパイク・リー
プロデューサー:ナディム・シェイクルーハ、オデッサ・レイ、ジェームズ・ウィルソン
エグゼクティブ・プロデューサー:エリザベス・ウッドワード
撮影監督:フアン・サルミエント・G
編集:クタイバ・バルハムジ、マキシム・マティス、カウテール・ベン・ハニア
プロダクション・サウンド・ミキサー:アマル・アティア
サウンドエディター:エライアス・ブーゲディール
サウンドデザイン:グウェノレ・ルボルヌ、マリオン・パピノー
リレコーディング・ミキサー:ラース・ギンツェル
音楽:アミネ・ブハファ
美術:バッセム・マルズーク
衣装:カディア・ゼガイ
協力:パレスチナ赤新月社
日本語字幕:松浦美奈
字幕監修:高橋和夫

公式ホームページ

2024年1月29日。世界が傍観した”6歳の少女の声”
その”叫び”に懸命に向き合った人たちがいたー
魂が震える[89分]

2024年1月29日。イスラエルからの攻撃が激化していたパレスチナ・ガザ地区で、7人の市民が乗る車両が占領軍に銃撃される事件が起きた。親族の遺体に囲まれながら、ひとり生き延びた6歳の少女ヒンド・ラジャブは緊急通報の電話で必死に助けを求めたが、その後消息を絶ち、12日後に遺体で発見された。彼女の乗っていた車両には、355発の弾痕が残っていたという。
この悲痛な出来事は、ヒンドの通話音声とともにニュースやSNSで瞬く間に拡散され、世界中の人々に大きな衝撃を与えた。その一人が『皮膚を売った男』(20)や『Four Daughters フォー・ドーターズ』(23)でアカデミー賞にノミネートされるなど、国際的な評価を受けるチュニジアの映画監督、カウテール・ベン・ハニア監督である。誰も応えることのできなかったヒンドの「助けて」という叫びに突き動かされた彼女は、ヒンドの声を伝えるべく映画化を決意。パレスチナ赤新月社やヒンドの母親との連絡を取り、徹底したリサーチを重ねた上で、事実に即したかたちで物語を構築していった。

パレスチナ・ガザ地区から届いた、助けを呼ぶ少女の声——。
世界はそれにどう応答するのか。いかなる暴力でも消し去れない記録が、私たちに問いかける。

物語の舞台となるのは、ヨルダン川西岸地区にある人道支援組織「パレスチナ赤新月社」の緊急通報センター。電話越しに助けを求める幼い少女を救出するため、心を擦り減らしながら奮闘するボランティアスタッフたちの献身的な姿が描かれる。ハニア監督は実際の音声記録や現地の映像を用いながら、パレスチナ人俳優を起用して撮影を行い、現実と映画が渾然一体となった表現で徹底したリアリティを追求。社会派映画の枠にとどまらない、観る者を強く揺さぶる傑作ドキュフィクションが誕生した。
第82回ヴェネチア国際映画祭では、同映画祭史上最長となる23分のスタンディングオベーションで迎えられ、銀獅子賞<グランプリ>受賞含む驚異の8冠を達成。その後も世界中の映画祭で賞賛を浴び、第98回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートを果たした。ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、アルフォンソ・キュアロン、ジョナサン・グレイザー、マイケル・ムーア、スパイク・リーといった錚々たる面々がハニア監督の想いに賛同し、本作のプロデューサーとして名乗りを挙げているほか、多くの映画人たちが本作を賞賛。「今、最も重要な映画だ(ヨルゴス・ランティモス)」、「全人類が観るべき映画にちがいない(ジェシー・バックリー)」、「こんなにも胸が熱くなる作品は長い間観ていない。映画を超越したものである(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)」といった絶賛コメントが寄せられている。
2025年10月10日にガザ地区での停戦が発行されてからも、いまだイスラエル軍の攻撃は継続し、軍事支配が進んでいる。ヒンド・ラジャブに起きた悲劇は、現在もガザ地区において決して特別なものではないだろう。だからこそ、世界は彼女の声に耳を澄まさなければならない。必死に生きようとした、あの声に。『ヒンド・ラジャブの声』は、その声に触れた私たちがどう応答するのかを、静かに、そして力強く問いかけている。


上映日時

10/3(土) 10/4(日)~10/9(金) 10/10(土) 10/11(日)~10/16(金) 10/17(土)、10/18(日) 10/19(月)~10/23(金)
13:25-14:55 13:10-14:45 20:20-21:55 19:35-21:05 15:55-17:30 15:35-17:10

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1900 ¥1300 ¥800
会員 ¥1300 ¥1300 ¥800
オンラインチケット購入

10/3(土)~

セックス・ピストルズ 破壊の設計図

© 2025, I WAS A TEENAGE SEX PISTOL PRODUCTION, LLC ALL RIGHTS RESERVED

2025年/アメリカ/英語/96分/提供:ニューセレクト/配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
原題:I Was A Teenage Sex Pistol
監督:アンドレ・レリス、ニック・ミード
編集:ヴァネッサ・ローワース、ジャスティン・ウィリアムズ
製作:グレン・マトロック、ニック・ミード、アンドレ・レリス、ジェシカ・ルッソ
原作:グレン・マトロック著『I Was a Teenage Sex Pistol』
出演:グレン・マトロック、ジョニー・ロットン、シド・ヴィシャス、スティーヴ・ジョーンズ、ポール・クック、クリス・スペディング、デボラ・ハリー、ビリー・アイドル、ウェイン・クレイマー、ケニー・ジョーンズ、ファット・マイク、トレイシー・ガンズ、リチャード・ストレンジ

公式ホームページ

入場者プレゼント情報
特典ポストカードをプレゼント!
※先着順、数量限定、なくなり次第終了

―1970年代イギリス・ロンドン―
“パンクロック”の誕生―
「パンクだね!」その精神は、ここから始まった。

“セックス・ピストルズ“-その名は、誰しも一度は耳にしたことがあるだろう。1970年代後半のロンドン、停滞したロックシーンを全否定しながら、突如現れた“パンク”ロックバンドだ。今では「パンクだね」と日常会話で使われているが、その精神はここで生まれたのだ。テレビに出れば放送禁止用語を連発、下手くそな演奏、破壊的なライブパフォーマンス。髪を逆立て、切り裂かれたシャツに破れたジーンズに安全ピン。パンクファッションを世界中に広めたのも彼らだ。驚くほどポップなデビューアルバム『勝手にしやがれ‼』は、全世界で大ヒットを記録し、後のパンクロックの原型を作った。何もかもが発明だった。しかし、アルバム発売から間もなく、最後のライブで「だまされた気分になったことはないか?」と言い放ち、ヴォーカルのジョニー・ロットンが脱退、バンドは解散に。ベースのシド・ヴィシャスは、恋人ナンシー殺害容疑の渦中に、薬物の過剰摂取により21歳の若さで死去。その刹那的な生涯は伝説となり、永遠のパンク・アイコンとなる。

―“策士”マルコム・マクラレンד異端”のファッションデザイナー ヴィヴィアン・ウエストウッド―

しかし、この物語には、“策士”マルコム・マクラレンと、後に世界的デザイナーとなるヴィヴィアン・ウエストウッドによる“台本”が存在したことをご存じだろうか。そして、アルバム収録曲、実に12曲中10曲を手掛けたにもかかわらず、この“台本”から消された男、初代ベーシストグレン・マトロックの存在を。

―人生の本当の勝者とは―悲運の男グレン・マトロック―

悲運の男グレン・マトロックが、全てを語りつくした、衝撃のアナザーストーリー。当時のライブ映像やインタビュー、そしてグレン・マトロックの貴重なライブも収録。ショービジネスにおける虚と実、表現と商業主義のせめぎ合いを描きながら、「人生の本当の勝者とは?」という普遍的な問いを投げかける傑作ドキュメンタリー。


上映日時

10/3(土) 10/4(日)~10/8(木) 10/9(金)、10/10(土) 10/11(日)~10/16(金) 10/17(土) 10/18(日)~10/23(金)
20:45-22:25 20:00-21:40 休映 21:15-22:51 21:10-22:50 21:00-22:40

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1900 ¥1300 ¥800
会員 ¥1300 ¥1300 ¥800
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