現在上映作品

4/27(土)~

ビル・エヴァンス タイム・リメンバード

ビル・エヴァンス

©2015 Bruce Spiegel

2015年/アメリカ/84分/ドキュメンタリー/配給:オンリー・ハーツ
原題:BILL EVANS TIME REMEMBERED
監督:ブルース・スピーゲル
字幕:行方 均
提供:タムト
協力:ディスクユニオン、ユニバーサルミュージック

公式ホームページ

「美と真実だけを追求し、他は忘れろ」
悲劇に満ちた“ジャズピアノの詩人”51年の人生と魂の音楽に迫る

数々の名盤を残し、後世のジャズに多大な影響を与えたジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンス。その出自、キャリアのスタートから人間模様、死の間際までを8年の歳月をかけて追い、貴重な証言・映像・写真で構成したドキュメンタリーである。その美しい音楽の源は?「時間をかけた自殺」とも言われた人生の裏にある真実とは?本作は、エヴァンスの生誕90周年を記念して世界で初劇場公開される。

世界の13の映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞 
*本年度英国アカデミー賞ドキュメンタリー賞ノミネート 
*第70回全米監督組合賞 ドキュメンタリー監督賞 
*第24回シェフィールド国際ドキュメンタリー映画祭 審査員大賞 
*サンダンス映画祭2017正式出品作品
*CPH:DOX 2017 観客賞受賞
*モントクレア映画祭 審査員特別賞 
*国際ドキュメンタリー協会 IDAアワード 戦火の勇気賞 
*ダラス国際映画祭 シルヴァー・ハート賞
*ゴールウェイ・フラー映画祭 観客賞(アムネスティ・インターナショナル人権部門)
*トラバース・シティ・映画祭 市民ジャーナリズム特別「設立者」賞


共演者、ジャズの巨匠たちによる貴重な証言の数々!

トニー・ベネット(ヴォーカル)やジョン・ヘンドリックス(ヴォーカル)ら当時の共演者はもちろん、伝説のファースト・トリオ~死の間際のラスト・トリオのメンバーらが、ビル・エヴァンスとの出会いや人物像、彼の音楽について証言している。
また、既に亡くなったレジェンド達もインタビューに多数登場する。ジム・ホール(2013年逝去)、ポール・モチアン(2011年逝去)、ジョン・ヘンドリックス(2017年逝去)、オリン・キープニューズ(2015年逝去)、ボブ・ブルックマイヤー(2011年に逝去)、ビリー・テイラー(2010年逝去)など、公開前に鬼籍に入っている出演者も多く、彼らの晩年を捉えた記録映像としても貴重な内容である。

もちろん本人も多数登場。そして、誰もが名前を知るあの人も!

もちろん、ビル本人の肉声や映像・写真も多数収録。演奏シーンや仕事のインタビューはもちろんのこと、幼少期の愛らしい姿や、麻薬に蝕まれながらも家族を大切にする姿など、貴重なプライベート・ショットの数々が収められている。 また、ジャズ史に燦然と輝くタイトル曲「ワルツ・フォー・デビイ」のモデルとなった姪のデビイら親族も証言者として登場するほか、「ワルツ・フォー・デビイ」で伝説的な演奏を披露し、その翌週に25歳で事故死した幻のベーシスト、スコット・ラファロら共演者の往時のプライベート写真や恋人のインタビューも収録されている。
58年、マイルス・バンド在籍時の名盤制作秘話から、薬物依存をはじめ、内縁の妻、兄の自殺など、これまで周知の事実の裏に隠されてきたスキャンダル、そして死の間際の様子までもが、親族や近しいミュージシャンの口から明らかにされる貴重な映像の数々は、ジャズファンのみならず、多くの音楽ファン必見の映画である。

ビル・エヴァンス ビル・エヴァンス ビル・エヴァンス

上映日時

4/27(土)~5/3(金) 5/4(土)~5/10(金) 5/11(土)~
12:10~13:50 13:50~15:15 未定

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1100 ¥800
会員 ¥1500 ¥1100 ¥800

4/27(土)~

クイーン ヒストリー UNDER REVIEW 1973-1980

クイーン ヒストリー

© CHROME DREAMS MEDIA 2005. ALL RIGHTS RESERVED

2005年/イギリス/103分/配給:ジェットリンク/配給協力:エレファントハウス
原題:QUEEN UNDER REVIEW 1973-1980
監督:ロブ・ジョンストーン
製作:トム・アルジェント
出演:フレディ・マーキュリー、マルコム・ドーム、サイモン・ブラドリー、ポール・ガンバッチーニ

公式ホームページ

伝説から、社会現象へ…
1973年のデビューから最大のヒット「地獄へ道づれ」をリリースした1980年までを追ったライヴ&ドキュメンタリー、ついに劇場公開決定!

映画『ボヘミアン・ラプソディ』の特大ヒットによって人気復活した史上最高のライブバンド=クイーン。映画では紹介されなかった、革新的な作品の数々に秘められたエピソードと当時の音楽シーンを、クイーンを熟知する有識者たちと共に年代順に検証。クイーンをもっと知りたい、もっと愛したい全ての方に送る珠玉のドキュメンタリー!
「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」「愛という名の欲望」など代表曲のライブ、スタジオ・パフォーマンス、貴重なフレディ・マーキュリーのインタビュー映像が続々登場。全ての登場曲に日本語対訳入り。
監督は『ボブ・ディラン/我が道は変る』『ブライアン・ウィルソン/ソングライター』シリーズ等、音楽ドキュメンタリー映画の第一人者であるロブ・ジョンストーン。

【主な登場曲】
「炎のロックン・ロール 」「キラー・クイーン」「ボヘミアン・ラプソディ」「愛にすべてを」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」「バイシクル・レース」「ドント・ストップ・ミー・ナウ」「愛という名の欲望」「地獄へ道づれ」他

クイーンヒストリー クイーンヒストリー クイーンヒストリー

上映日時

4/27(土)~5/3(金) 5/4(土)~5/10(金) 5/11(土)~
14:00~15:50 15:25~17:10 未定

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1100 ¥800
会員 ¥1500 ¥1100 ¥800

4/27(土)~

きばいやんせ!私

きばいやんせ!私

©2018「きばいやんせ!私」製作委員会

2018年/日本/116分/DCP/配給:アイエス・フィールド
監督:武正晴
脚本:足立紳、山口智之
音楽:山元淑稀
主題歌:花岡なつみ「Restart」
出演:夏帆、太賀、岡山天音、坂田聡、眼鏡太郎、宇野祥平、鶴見辰吾、徳井優、愛華みれ、榎木孝明、伊吹吾郎

公式ホームページ

人生に迷う女子アナが南の町で見つけたものは、復活を待つ祭りと頑張る元気。

フリン騒ぎで週刊誌に叩かれて左遷され、仕事にやる気も目標も見いだせず、投げやりな日常を送る女子アナ、児島貴子。そんな彼女が命じられたのは、九州本島最南端の町、南大隅町に伝わる祭りの取材。ここは、貴子が子供時代の一年を過ごした町でもあった。かつての同級生・太郎をはじめとする人々の町に対する熱い思いや、子供時代の思い出によって、今の自分を見つめ直す羽目になる貴子。そして、ついに彼女は、目標を見出す。なんとそれは、人々を巻き込んで、伝統の姿を失っていた祭りを昔の姿に“復活”させること。果たして祭りは“完全復活”できるのか? そして、迷走中の貴子の人生の“復活”は?

笑いと涙の”復活”エンターテイメント!

主人公・貴子には、『海街diary』(15)の他、『友罪』(18)、『ビブリア古書堂の事件手帖』(18)と話題作への出演が続く夏帆。気が強くて投げやりで仕事もプライベートも迷走中、でも自分に嘘はつかない一人の女性の奮闘を、スカッと魅力的に演じる。そして、父親の営む畜産場で働き、この地に根を下ろして生きる、貴子のかつての同級生・橋脇太郎を好演するのは、『海を駆ける』(18)、『50回目のファーストキス』(18)、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』(18)、『十年 Ten Years Japan』(18)と、出演作が目白押しの若手男優注目度No.1の太賀。この若手実力派の共演に加えて、ベテラン演技陣や個性派俳優が個性豊かな人々に扮して脇を固める。
舞台となる鹿児島県南大隅町は、NHK大河ドラマ「西郷どん」のオープニングクレジットの映像で知られる絶景「雄川の滝」で注目を浴びる町。そして、本作で描かれる御崎祭りは、九州本島最南端に位置する佐多岬の御崎神社の妹神が、近津宮神社の姉神に会いにいき、空を飛んで帰っていくといういわれの歴史ある祭りだ。山々や海、野を渡る風。祭りのいわれがリアルに感じられるような大隅半島の豊かな自然もまた、貴子の成長をおおらかに見守る。

「きばいやんせ」とは、鹿児島弁で「がんばれ」の意味。日常に疲れ、明日を見失ってしまったとき、映画『きばいやんせ!私』が、頑張る元気を連れて来る!

きばいやんせ!私 きばいやんせ!私 きばいやんせ!私

上映日時

4/27(土)~5/3(金) 5/4(土)~5/10(金) 5/11(土)~
10:00~12:00 11:45~13:41 未定

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1100 ¥800
会員 ¥1500 ¥1100 ¥800

4/27(土)~

天皇と軍隊

天皇と軍隊

広島市民と昭和天皇 © 英王立戦争博物館

2009年/フランス/90分/BD/配給: きろくびと
原題:Le Japon, l’Empereur et l’Armée
監督: 渡辺 謙一
プロデューサー: オリヴィエ・ミル、渡辺クリスティーヌ
撮影: エマニュエル・ヴァレット
編集: ファブリス・タブリエ
音楽: ジェローム・クレ

公式ホームページ

平成から令和へ――節目のスペシャルアンコール上映

9条はなぜ必要だったのか?なぜ天皇制は存続したのか?

天皇制、戦争放棄、靖国、東京裁判、自衛隊、日米安保…、 日本の戦後史で議論され続ける問題に、貴重なアーカイブ映像とインタビューでストレートに切り込んだ異色作
冷戦期アメリカの庇護のもとで、日本は第二次世界大戦の荒廃から経済的復興を遂げた。ソ連の崩壊、中国の市場開放、欧州統合とグローバリゼーションの波は、日本の政治に舵を切らせた。世界の中の日本のプレゼンスを高めるための“国際貢献”である。 日本は矛盾と曖昧さの国であるとよく言う。憲法一つをとってもその矛盾は見てとれる。自衛隊の存在と、戦争および軍の保持を禁じた9条。主権在民と天皇の地位の曖昧さ。本作はこれら3本の軸と言える、9条、天皇そして軍隊について、天皇の貴重な映像をはじめ世界中から集めたアーカイブと、いまや鬼籍に入った政治家の田英夫氏や中川昭一氏など国内外の論客による秘蔵インタビューを交え、日本の戦後史を問い掛ける。

*2010年 FIGRA映画祭歴史部門コンペティション参加作品

【主な登場人物】
田 英夫(でん・ひでお)
ジョン・ダワー John W. Dower
樋口 陽一(ひぐち・よういち)
小森 陽一(こもり・よういち)
五百旗頭 真(いおきべ・まこと)
高橋 哲哉(たかはし・てつや)
ベアテ・シロタ・ゴードン Beate Shirota Gordon
鈴木 邦男(すずき・くにお)
葦津 泰國(あしず・やすくに)

【監督のことば】
わたしたちは今どこにいるのか、歴史認識としてのFILM(映画)
冷戦の二極対立時代は、国際政治のうえでも国内においてもいわば、わかり易い政治の時代だったといえます。半世紀続いた冷戦のたがが緩んだとき、民族主義や国家主義が台頭したのは世界的流れです。そこにさらに宗教というやっかいな問題が絡み世界は混沌とした様相を示しています。その流れを抑制する思想を含みながら欧州は政治統合をめざしています。これは冷戦戦後処理のひとつの方法といえます。もう一方の極、旧ソ連、中国、東欧も苦悩しつつ冷戦戦後処理の渦中にいます。冷戦ひとり勝ちのアメリカは、力の論理と経済が破綻し、外交力による安全保障へ転換しようとしています。このときアメリカの庇護のもと、復興と驚異的経済成長を達成した日本は、どこへ向かおうとしているのか。これがヨーロッパから日本への視角です。
敗戦に終わり冷戦で始まった「戦後」の分水嶺に「天皇」と「広島」がある
この仕事を準備する過程で小熊英二著「<民主>と<愛国>」を手にしたとき表紙の写真に打たれなんとしても使いたいと思いました。1947年12月7日天皇が広島に巡幸しドームと市民の前に立つ瞬間です。写真の所在はわかりましたが、映像もあるはずです。ワシントンを中心に手を尽くしましたが、結局アメリカではなくロンドンで見つかりました。 原爆ドームと2万人の市民を前に手を振る天皇。この構図の意味をつき詰めていく過程がこのドキュメントを構成する過程でもありました。 天皇を抜きに戦後政治は語れません。動機こそ違え日米の政治的エネルギーが「天皇免責」のために大いに費やされました。冷戦が天皇を救った、と言えばこれはアメリカ側の動機です。国体護持は当然日本側のものですが、そのためになにがどう動いたのか、これを見つめるのが歴史認識の根本です。国体護持(一条)のためには「九条」も止むなしとした日本側の論理をアメリカ側の視点から描きました。その結果、視点を日本側に移せば意味が逆転する「意味の二重性」を歴史に織り込みたいと考えました。
昭和天皇とマッカーサーが敷いた講和・安保路線と戦後ナショナリズムの矛盾
1945年9月27日の天皇・マッカーサー会見にあらためて光を与えます。通算11回におよぶ二人のトップ会談は、新憲法下であってもマッカーサーがいる限りにおいて天皇が政治的影響力を行使した軌跡を示しています。朝鮮戦争の最中、皇軍なき天皇の悲願は制度的保障でした。沖縄を売り渡しても、準占領状態がつづこうとも、皇祖皇宗を共産主義の脅威から守護する保障が講和条約と日米安保でした。今日の日本を規定するこの2つの条約こそ戦後の新・国体と呼ぶべきではないでしょうか。しかるに、一部ナショナリストは「東京裁判」、「九条」が国体護持の重要なファクトだったことには目をつぶり、一気に「侵略戦争」を否定してしまうという無知と矛盾を堂々とさらします。彼らえせナショナリストこそ「三島事件」と「昭和天皇の戦後」を相対化すべきです。
没後20年-昭和天皇を歴史の遠近法に置く
三島由紀夫の昭和天皇に対する「恨み」をナショナリズムへの試金石とするなら、昭和天皇の戦争感を歴史の文脈に収めることが「戦後」に終止符打つため必要ではないか、そのように考えてラストシーンを創りました。わたしにとっては、昭和天皇の死こそ「戦後」の終わりであり「冷戦の終わり」です。冷戦の、どちらかといえば恩恵を受けた日本は、冷戦終結の意味、湾岸戦争後の世界の相対化に鈍感であるように見えます。昭和天皇の死から20年、冷戦終結から20年。この機に、異なる3種の戦争と戦争の世紀を生き抜いた特異な「昭和天皇」が、多方面から語られることを期待しつつ。
EMBRACING JAPAN
MIT(マサチューセッツ工科大学)教授ジョン・ダワーのEMBRACING DEFEAT(敗北を抱きしめて)をなぞってEMBRACING JAPANという心意気です。左右の政治的立場にこだわることなく、その言質に判断を下すのではなく、影響力の観点から、言説と言説をぶつけることで論点を際立たせる方法をとりました。発言者がそれぞれの立場で活性していることが客観性につながり、ひいては「開かれたFILM」になって欲しいと意図しています。

天皇と軍隊 天皇と軍隊

上映日時

4/27(土)・4/29(月)・4/30(火)・5/2(木)・5/3(金) 5/5(日)・5/6(月)・5/8(水)・5/9(木)・5/10(金)
20:30~22:05 9:50~11:35

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1500 ¥1100 ¥800
会員 ¥1200 ¥1100 ¥800

4/27(土)~

国家主義の誘惑

国家主義の誘惑

©Crescendo Media Films – Kami Productions – ARTE France – 2017

2017 年/フランス/54 分/BD/配給:きろくびと
監督:渡辺謙一
プロデューサー:セルジュ・ゲズ、クリスティーヌ・渡辺
撮影:エマヌエル・ヴァレット
編集:マチュー・オーギュスタン
録音:渡辺 顕、岸本崇史
歴史監修:クリスチャン・ソテール
音楽:ジェローム・クレ
語り:ブリジット・ベルジュ
協賛:フランス議会TV
制作:アルテ・フランス、クレッシェンド・メディア・フィルム、カミ・プロダクション
出演:ピエール=フランソワ・スイリ、バラク・クシュナー、ミカエル・リュッケン、白井聡、山本太郎、山田宏、金平茂紀、宋文洲、喜納昌吉、喜納千代(喜納昌吉の母)

公式ホームページ

トークイベント
5/4(土)上映後 小森陽一さん(日本文学研究者、全国九条の会事務局長)のトークイベントがございます!

平成から令和へ――節目のスペシャルアンコール上映 第2弾!

国益・国家の名の下に秘密裏に決裁、反対意見には耳を貸さず、新造語を連発し、嘘を通す─
日本社会の“いま”を浮き彫りにした、フランス発ドキュメンタリー

明治維新から今日までに見られる日本人の天皇・憲法・戦争観は歴史的にどのように“熟成” されてきたのか? 世界にナショナリズムの風が吹き荒れる中、2015年の公開作『天皇と軍隊』(2009年)で話題を呼んだフランス在住の渡辺謙一が、国際関係史・地政学の観点から国内外の論客によるインタビューも交え、日本社会を誘う政治の正体、日本人にとってのナショナリズムを問いかける。果たして、取り戻さなければならないものは何なのか。本当に知らなければいけないことは何か。日本社会を俯瞰することで見えてくるものとは――

*2018年 フランスFIGRA映画祭 歴史部門コンペティション参加作品

監督のことば 『国家主義の誘惑』日本上映に寄せて
<作品の動機>
どうして?どうして!と、つぶやいてる間に日本の政治は常軌を逸して行きます。政治不信という形容を凌駕して、政治への破壊願望がどこかにあると思えてきます。私の経験に照らしここまで地に落ちた日本の政治を見たことがありません。個人的経験を超え歴史という鏡を覗いてみましょう。例えば1930年代半ば。天皇機関説が議会で攻撃の的となり、呼応して国体明徴運動が起き、軍の皇道派が天皇親政を求めて決起し、政党政治が弱体化する。立憲主義が終わりを告げ、天皇の統帥権を盾に軍人が主導する政治に変容し、文部省は「国体の本義」を編み出し教育目標に据える。日中戦争前夜の日本と今、どこか似ていないでしょうか。“政治”というよりむしろ“人々の政治に対する意識が醸し出す空気”です。これを国家主義の誘惑と呼んでみました。
<制作の背景>
ちょうど10年前、私は「天皇と軍隊」の撮影の真っ只中でした。戦後の歩みを、憲法9条を切り口として天皇制の護持と関連付け、戦後史を紐解く仕事でした。このテーマは戦後史だけで語り切れるのか、近代史の枠で語るべきではと自問しましたが、放送局の注文は日本戦後史で決まりました。その後、2011年の東日本大震災を機に再び日本の近代を映像にしたい欲望が湧き、ヨーロッパ人の関心を引くため“欧州との対立を軸とする日本近代史”を企画書に仕立て持ち歩きましたが、キー局はなかなか通してくれません。情報メディアが肥大した今日もなお、ヨーロッパから日本へのまなざしは、依然として“遠い国”です。しかし、近年中国の存在感が増すにつれ相対的に日本への言及機会も増え、ジェオポリティクス(geopolitics)のアプローチができれば放送枠があるという提案がきました。正直なところ私にとっては、地政学とはなんぞや、でした。中東紛争、ウクライナ、パレスチナなど領土紛争を読み解くのが地政学です。日本の今を読むために、近代化の歩みを戦争の歴史として紡ぎ、今日に響くように引用すること。これがヨーロッパで流行る地政学的アプローチの私流の解釈でした。
<天皇メッセージの衝撃>
撮影は2016年7月と9月。7月は参議院選挙が目当てでした。この2度の撮影の間にその時はさほどの衝撃はなく、しかし後々考えれば考えるほど衝撃的な事件と受け止めたのが天皇のビデオメッセージです。結果的にこの天皇メッセージは、現政権の改憲プログラムを少なくとも1年遅らせました。9月の撮影時この天皇メッセージの意味を解析すべく、ある法学者に長時間のインタビューを行いました。しかし彼は「メッセージの意味を私が解説してはいけない。国民一人ひとりが受け止めて考えなきゃならない。」と頑として譲りません。設問と応答を繰り返すうちに私はなぜ彼が天皇のメッセージを解説できないと主張するのかわかった気がして、その主張そのものを編集に残していたのですが、フランス人スタッフには通用せず割愛しました。私は天皇メッセージひいては平成天皇は、戦後憲法の“権化”とみなしています。地に落ちた政治、虚偽が堂々まかり通るのを見逃し、数合わせに走る政治家たちが天皇ビデオの日本語の美しさに気づく日が来れば政治は再び軌道に乗ると思います。天皇の真意を理解しない、理解しようとしない人たちが来る退位、即位、大嘗祭などの儀式を最大限利用しようと図るでしょう。“国家主義の誘惑”に対する唯一権威ある防壁が“天皇”であるというパラドクス。この観点から日本の政治をさらに掘り下げる仕事を続けていければと考えています。        2018年5月 渡辺謙一
監督プロフィール
渡辺謙一(わたなべ・けんいち)
1975年、岩波映画入社。1997年、パリに移住、フランスや欧州のテレビ向けドキュメンタリーを制作。『桜前線』で2006 年グルノーブル国際環境映画祭芸術作品賞受賞。近年は『天皇と軍隊』(2009)のほか、『ヒロシマの黒い太陽』(2011)、『フクシマ後の世界』(2012)、『核の大地・プルトニウムの話』(2015)など、欧州において遠い存在であるヒロシマやフクシマの共通理解を深める作品制作に取り組んでいる。

国家主義の誘惑 国家主義の誘惑 国家主義の誘惑

上映日時

4/28(日)・5/1(水) 5/4(土)・5/7(火)
20:30~21:30 9:50~11:00

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1500 ¥1100 ¥800
会員 ¥1200 ¥1100 ¥800

4/20(土)~

月夜釜合戦

月夜釜合戦

©映画「月夜釜合戦」製作委員会

2018年/日本/115分/16mm/配給:映画「月夜釜合戦」製作委員会
監督・脚本:佐藤零郎
出演:太田直里、川瀬陽太、門戸紡、渋川清彦、カズ、西山真来、デカルコ・マリィ、緒方晋

公式ホームページ

月釜特製手拭いお取扱い中!
【月釜特製手拭い】2,000円 絶賛発売中!売り上げは製作資金に充当されます。
【月釜特製手拭い割】ご鑑賞時に手拭いご持参の方は、当日一般料金、会員料金よりに500円引きに!

入場者プレゼント
🌸川瀬陽太祭🌸開催期間中、『おっさんのケーフェイ』『月夜釜合戦』『天然☆生活』のうち2作品の横浜シネマリン入場券半券提示のお客様に【@陽ちゃんブロマイド】差し上げます!3つの絵柄から、お好きな柄1つをお選びください!

トークショー&舞台挨拶
◉初日4/20(土)上映後、栗原康さん(政治学者)、佐藤零郎監督のトークショーが決定!
◉二日目4/21(日)上映後、佐藤零郎監督の舞台挨拶がございます!

追加トーク
◉4/27(土)上映後、ゲスト寺岡裕治さん(映画ライター/編集者)、『月夜釜合戦』梶井洋志プロデューサーに製作過程の表も裏も洗いざらい聞いて頂きます!
◉4/28(日)上映後、「月釜って一体何だ!?」梶井プロデューサーに素朴な疑問をぶつけます!聞き手八幡温子(横浜シネマリン支配人)
◉4/29(祝・月)上映後、「侵入角度は平岡正明!」後藤護さん(暗黒批評)による”暗黒トーク”!鋭い角度から『月夜釜合戦』に切り込んで頂きます!

釜の底力みせたるで!
再開発に揺れる大阪・釜ヶ崎を舞台に繰り広げられる嘘と真の大混戦人情喜劇!

ある日、飛田遊郭をしきる釜足組の大事な代紋入りの「お釜の盃」が盗まれた。大慌てで釜を探す釜足組のチンピラは、街中の釜を買い漁り始める。釜の値は高騰し、「釜が売れる!」という噂を耳にした街の人たちは、釜泥棒に躍起となった。泥棒の大洞(川瀬陽太)は、この儲け話にしたり顔で参加する。私娼のメイ(太田直里)、孤児の貫太郎(門戸紡)も、あれよあれよとこの騒動に巻き込まれていく。釜足組の親分の息子タマオ(渋川清彦)は、二代目を継ぐことを嫌がっていたが、ひょんなことから襲名に必要な「お釜の盃」を探すことになるのだが……。泥棒、娼婦、ヤクザ、日雇い労働者、活動家に地上げ屋ら一癖も二癖もある面々の“釜”を巡って繰り広げられる一代争奪戦!いまその幕が切って落とされた!

16mmのフィルムに焼き付けた
釜ヶ崎の現在・過去・未来―

日本最大の「寄せ場」・釜ヶ崎(西成・あいりん地区)。戦後の高度経済成長期、炭坑で働いていた者や土地を失った農民たちが使い捨ての労働力としてこの地に集められ、日雇労働者となった。また、芸人や私娼や孤児など市民社会からはじき出された者たちも、この街に寄せ合い暮らしてきた。そんな街が、再開発の下で、いま失われつつある――
決してデジタルでは捉えられないこの街の臭いや息吹きを焼き付けるのはフィルムしかないと、困難を承知で、16mmフィルムによる釜ヶ崎オールロケーション撮影を敢行。ドヤ街の街並みをドキュメンタルに活写した。
監督は『長居青春酔夢歌』(2009)の佐藤零郎。撮影過程で出会った仲間や街の人々と、川瀬陽太・渋川清彦・西山真来らプロの俳優が共演し、『太陽の墓場』『(秘)色情めす市場』など数々の映画の記憶を内包しながら、全く新しい人情喜劇を誕生させた。
タイトルは「月夜の晩に釜を抜かれる」という諺(月夜の晩は明るいから盗まれる心配はないだろうと高をくくっていたら、煮炊きの必需品である釜を盗まれてしまうという事から、ひどく油断をすると一番大切なものを盗まれるという意)を元に作られた古典落語の演目『釜泥』に由来する。

いま、ここでしか観られない!
4Dを超える「16mmフィルム体感上映」!

映画館からフィルムがどんどん無くなっていく昨今。制約が厳しくなることを承知で「上映も16mmフィルムでやりたい!」という制作陣の思いに応えた気骨のあるミニシアターが上映に名乗りを上げた。劇場公開時には、大阪から16mmフィルム映写機を持ち込んで上映。期間中は、技師が連日フィルムに最適な温度・湿度まで配慮して映写をする。観客は、最後まで無事にフィルムは回り続けるのか!?という緊張感を共有し、場内で映写機の鼓動とフィルムの瞬きを同時に体感する事となる。このような見世物小屋的な上映は、「興行」の原点回帰といえるだろう。

月夜釜合戦 月夜釜合戦 月夜釜合戦

上映日時

4/20(土)~4/26(金) 4/27(土)~5/3(金) 5/4(土)~5/10(金)
13:45~15:45 18:05~20:05 21:00~22:55 レイトショー割レイト割

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1100 ¥800
会員 ¥1500 ¥1100 ¥800
いよいよ川瀬陽太祭はじまります!紹介画像

4/20(土)~

洗骨 せんこつ

洗骨

©『洗骨』製作委員会

2018年/日本/111分/DCP/配給:ファントム・フィルム
監督・脚本:照屋年之
音楽:佐原一哉
主題歌:古謝美佐子「童神」
出演:奥田瑛二、筒井道隆、水崎綾女、大島蓉子、坂本あきら、鈴木Q太郎、筒井真理子

公式ホームページ

家族をひとつにしてくれたのは、骨になった母でした―。
世界各国で絶賛されたユーモアと感動のヒューマンドラマ。

監督は、照屋年之ことガレッジセール・ゴリ。12年に渡り短編映画や自主映画の制作を積み重ねてきた彼が、国際的な短編映画祭で数々の賞を受賞した短編映画『born、bone、墓音。』を原案に、長編映画として新たに生まれ変わらせたのが本作『洗骨』である。

最愛の人を失くすのは誰しも悲しい。だが数年後、その人にもう一度会える神秘的な風習、“洗骨”。死者の骨を洗うことで、祖先から受け継がれた命の繋がりを感じる。

洗骨───。沖縄諸島の西に位置する粟国島などに残された風習。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになると言われる。

沖縄の離島、粟国島・粟国村に住む新城家。長男の新城剛(筒井道隆)は、母・恵美子(筒井真理子)の“洗骨”のために、4 年ぶりに故郷・粟国島に戻ってきた。実家には、剛の父・信綱(奥田瑛二)がひとり暮らしをしており、恵美子の死をきっかけにやめたはずのお酒を隠れて飲むなど、生活は荒れ果てていた。そこへ、名古屋で美容師として活躍している長女・優子(水崎綾女)も帰って来るが、優子の様子に家族一同驚きを隠せない。様々な人生の苦労とそれぞれの思いを抱え、家族が一つになるはずの“洗骨”の儀式まであと数日、果たして 彼らは家族の絆を取り戻せるのだろうか。

*2018ニューヨークJAPAN CUTS観客賞受賞
*上海国際映画祭 アジア新人賞部門 正式出品
*モスクワ映画祭 正式出品
*ハワイ国際映画祭 正式出品

洗骨 洗骨 洗骨

上映日時

4/20(土)~4/26(金) 4/27(土)~5/3(金) 5/4(土)~5/10(金)
11:35~13:30 16:00~17:55 17:20~19:11
PAGE TOP ▲