近日上映作品

1/25(土)~

ブルースの魂

ブルースの魂

©︎1973-2022 NEYRAC FILMS

1973年(2022年2K修復版)/フランス/88分/配給:オンリー・ハーツ
原題:LE BLUES ENTRE LES DENTS
監督:ロバート・マンスーリス
出演ミュージシャン:B.B.キング、バディ・ガイ、ジュニア・ウェルズ、ルーズヴェルト・サイクス、ロバート・ピート・ウィリアムズ、マンス・リプスカム、ブッカ・ホワイト、ソニー・テリー、ブラウニー・マギー、ファリー・ルイス、ジミー・ストリーター
出演俳優:ローランド・サンチェス、オニケ・リー、アメリア・コルテス、ウィリアム・L・エヴァンス
字幕:福永詩乃

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,300円(税込)を当館受付にて発売中!特典:オリジナルポストカードをプレゼント!

B.B.キング生誕100周年記念公開
制作から50年を経て、アメリカで、そして日本で初の劇場公開
2022年デジタル修復版

ニューヨークのハーレムに住む若いカップルの愛と苦闘の物語。フレディは子供のころ生活のためノースカロライナ州から母親に連れられてニューヨークに出てきた。だが武装強盗の罪で5年間服役、出所後ハティと結婚し二人で母親の家に居候している。フレディは刑務所の病院で働いた経験を生かして看護助手をやろうと職探しをする毎日だがうまくいかない。街をうろつきハティに金を無心してはビリヤード場に出入りし鬱とした日々をやり過ごしている。そんなフレディに嫌気がしたハティは、仕事帰りに立ち寄るなじみのバーでブルースを歌う男と駆け落ちを図るが…。

ブルースの核心が浮かび上がる。
伝説的なブルース・ミュージシャンたちの衝撃的なパフォーマンスと、ハーレムに住む若いカップルの愛と苦闘。

1970年代初頭、デルタ・ブルースへの関心が再燃していた。音楽ドキュメンタリー作家ロバート・マンス―リスは、本物のアメリカン・ブルースの名残をフィルムに収めようとミシシッピ・デルタを旅し、B.B.キングをはじめとする伝説的なミュージシャンたちの率直なインタビューや親密な演奏を撮影。彼の目的は、音楽を記録するだけでなく、ブルースをこれほどまでに表現豊かで心揺さぶる音楽形式にしている、文化的・政治的要因を探ることだった。並行して、ハーレムに住む若いカップルの波乱含みの関係をドラマチックに描き(カップルは貧困や偏見との闘いをナビゲートしている)、ドキュメンタリーとフィクションの境界線をあえて曖昧にして、見るものをブルースの核心へと誘うことに成功した。


ブルースの魂 ブルースの魂 ブルースの魂

1/25(土)~

ブラックバード、ブラックベリー、私は私。

ブラックバード、ブラックベリー、私は私。メイン画像

(C) – 2023 – ALVA FILM PRODUCTION SARL – TAKES FILM LLC

2023年/ジョージア=スイス/ジョージア語/110分/配給:パンドラ
監督:エレネ・ナヴェリアニ
原作:タムタ・メラシュヴィリ 「Blackbird Blackbird Blackberry」
出演:エカ・チャヴレイシュヴィリ/テミコ・チチナゼ
原題:Shashvi shashvi maq’vali 英題:Blackbird Blackbird Blackberry
協力:大阪アジアン映画祭
日本版字幕:草刈かおり
宣伝デザイン:日用

公式ホームページ

これが私の生きる道──
中年女性が新しい人生を踏み出す葛藤をオフビートに描く、異色の青春物語

ジョージアの小さな村に暮らす48歳の女性エテロは、いままで結婚したいと思ったことは一度もない。両親と兄を亡くし、日用品店を営みながら一人で生きてきた彼女は、自分で摘んで作るブラックベリーのジャムと同じくらい、いまの独身の暮らしを愛している。しかし彼女が未だに一人でいることは村の女たちの噂の的だ。そんなある日、エテロは崖から足を踏み外し危険な目に遭う。死を意識したエテロは、突発的に人生で初めて男性と肉体関係を持ってしまう。そこから、彼女の人生が変わりはじめる・・・。自分の正直な気持ちと向き合うエテロが歩む道とは─。人生の後半戦を前に、突然動き出した運命に、静かに力強く挑んでいく、愛さずにはいられないエテロの姿を、ポップにオフビートに描きだす。世界の映画賞を席巻した小さな大傑作がついに公開!
誰しもがそれぞれ自分のなかに持っている“自由”のかたち。はたしてエテロはどんな将来を選択するのだろうか? 原作「Blackbird Blackbird Blackberry」はジョージア人作家でありフェミニスト活動家のタムタ・メラシュヴィリによる大ヒット小説。また、1985年ジョージア生まれのエレネ・ナヴェリアニ監督が、自らの作品を「抵抗のことば」だと語るように、エテロが自分の「自由」を貫こうとする姿からは、多様な人間を肯定する強いメッセージ性が感じられる。またそれは、「性」や「老い」についての従来の価値観に囚われず「自分らしく生きたい」と願うすべての人を祝福する。

中年、重量感のあるボディ、鋭いまなざし、無愛想・・・
これまでにない女性のキャラクターが
抜群の存在感でスクリーンに登場!

エテロを演じるのは、ジョージアで主に舞台を中心に活躍してきた俳優エカ・チャヴレイシュヴィリ。淡々と日々の生活を送りながらも、村の女たちとは一線を引き、自分の生活を守ろうとする寡黙で独特な愛すべきキャラクターを、圧倒的な存在感で演じている。自分の欲求にまっすぐなエテロは、豊満な身体で自分自身に満足し堂々としている。そして恋人ムルマンにも媚びることはない。これまで描かれることがなかったこのような女性像は、「映画における女性のポートレートの最高傑作のひとつ」(Film Review Daily)と評された。
集まっては悪口に興じる村の女たち、都会の女性同士のカップル、ロック音楽にはまるティーンエイジャーなど、それぞれ個性ある様々な女性が登場。カラフルでかわいいジョージアのケーキや、素朴なインテリアなどが全体をポップな印象で包んでいる。ナヴェリアニ監督の劇映画すべてで撮影監督を務め経験豊富なアグネス・パゴスディ(TV「ピッチ・パーフェクト」シリーズ等)が撮影監督を務め、アキ・カウリスマキを彷彿とさせる、微妙な距離感やテンポで中年の「性」を正面から大胆に描きつつ、一人の女性の「生き方」に焦点を当て、共感できる作品に仕上げている。

*第73回カンヌ国際映画祭正式出品
*スイス映画賞2024作品賞・脚本賞他
*サラエボ映画祭2023作品賞・最優秀主演女優賞
*大阪アジアン映画祭2024上映作品


ブラックバード、ブラックベリー、私は私。サブ画像 ブラックバード、ブラックベリー、私は私。サブ画像 ブラックバード、ブラックベリー、私は私。サブ画像

2/1(土)~

ベット・ゴードン エンプティ ニューヨーク

ベット・ゴードンメイン画像

©1983 Variety Motion Pictures. All Rights Reserved. ©Kino Lorber, Inc. All Rights Reserved.

米国インディペンデント映画の先駆者の一人、ベット・ゴードン。
長編第一作『ヴァラエティ』に併せて、中編『エンプティ・スーツケース』+短編『エニバディズ・ウーマン』を一挙劇場公開!

ベット・ゴードン、1970年代末から80年代にニューヨークのアンダーグラウンドでおこった音楽やアートのムーブメント「ノー・ウェイブ」周辺で活動し、「セクシャリティ」「欲望」「権力」をテーマにした大胆な探求と創作を行っている映画作家である。

監督からの言葉
『ヴァラエティ』と二つの短編『エンプティ・スーツケース』『エニバディズ・ウーマン』を日本の皆さんにご覧頂けることは、とても特別で意義深いことです。私の映画制作の実践は、小津安二郎、黒澤明、溝口健二、大島渚といった日本の偉大な映画監督たちにも影響を受けてきました。また、現代の日本の若い映画作家の作品に感嘆しており、それらと私の映画的ビジョンを共有できることに興奮しています。
『ヴァラエティ』は、私のニューヨークに対する感性を映し出した作品です。それは、ザラザラしていて、爆発しそうで、何世代にも渡って映画監督たちが舞台にしてきたタイムズスクエアの眩いネオンの光と暗い通りに溢れています。

公式サイトhttps://www.punkte00.com/gordon-newyork/

前売券:全国共通特別鑑賞券1,400円(税込)を当館受付にて発売中!特典:《2枚同時》購入で、「特製ステッカー&ポストカードセット」プレゼント!(数量限定)

入場料一般1,800円、会員1,500円、大専・シニア1,200円、高校生以下800円

イベント情報
2/2(日)13:20『ヴァラエティ』上映後、トークイベントがございます。
ゲスト:斉藤綾子さん(映画研究者、明治学院大学文学部教授)、高崎郁子さん(映画研究者、映画上映者)

作品紹介

 ヴァラエティ 国内劇場初公開

ヴァラエティメイン画像

©1983 Variety Motion Pictures. All Rights Reserved. ©Kino Lorber, Inc. All Rights Reserved.
photo by Nan Goldin

1983年/米国/100分/2K修復/配給:プンクテ
原題:Variety
監督・原案:ベット・ゴードン
脚本:キャシー・アッカー
製作:ルネ・シャフランスキー
撮影:トム・ディチロ、ジョン・フォスター
編集:イラ・フォン・ハスペルク
音楽:ジョン・ルーリー
出演:サンディ・マクロード、ウィル・パットン、リチャード・デヴィッドソン、ルイス・ガスマン、ナン・ゴールディン、クッキー・ミューラー 日本語字幕:西山敦子(C.I.P.Books)

タイムズ・スクエア近くのポルノ映画館「Variety」。チケットを売るクリスティーン(サンディ・マクロード)は、ある日一人の男性客と言葉を交わす。以来、彼女はその男を追いかけるようになる……。アルフレッド・ヒッチコック『めまい』(1958)に想を得た物語。脚本は実験的な小説家のキャシー・アッカ―(『血みどろ贓物ハイスクール』)が担当。撮影をジム・ジャームッシュ監督『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)などで知られるトム・ディチロ。写真家のナン・ゴールディン、ルイス・ガスマン(『ブギーナイツ』1997)、ジョン・ウォーターズ作品常連のクッキー・ミューラーらが出演。そして、音楽を当時「ラウンジ・リザーズ」で活動していたジョン・ルーリーが担当している。ニューヨークのアンダーグラウンドなアートシーンから生まれた、ゴードンの代表作。

 エンプティ・スーツケース 国内劇場初公開

エンプティ・スーツケースメイン画像

1980年/米国/52分/配給:プンクテ
原題:Empty Suitcases
監督:ベット・ゴードン
撮影補:デヴィッド・ワーナー
録音補:ヘレン・カプラン
脚本補:カリン・ケイ
出演:ローズマリー・ホックシールド、ロン・ヴォーター、ヴィヴィアン・ディック、ナン・ゴールディン、ヤニカ・ヨーダー、ジェイミー・マクブレイディ、ベット・ゴードン
声:リン・ティルマン、カリン・ケイ、アネット・ブレインデル、ドロシー・ザイドマン、マーク・ブーン・ジュニア
日本語字幕:西山敦子(C.I.P.Books)

職場のあるシカゴと恋人がいるニューヨーク。2つの都市を行き来する女性が抱える疎外感と孤立感が考察される実験的で闘争的な作品。国際映画祭などで上映され高い評価を得た。

 エニバディズ・ウーマン 国内劇場初公開

エニバディズ・ウーマン メイン画像

1981年/米国/24分/配給:プンクテ
原題:Anybody’s Woman
監督:ベット・ゴードン
出演:ナンシー・レイリー、スポルディング・グレイ、マーク・ブーン・ジュニア、トム・ライト
ナレーション:カリン・ケイ
日本語字幕:西山敦子(C.I.P.Books)

長編『ヴァラエティ』に先駆けて、ニューヨークのポルノ映画館「Variety」を舞台に作られた短編作品。タイトルは、サイレント期から活躍した女性映画監督ドロシー・アーズナーによる1930年製作の同名のハリウッド映画作品に由来する。

2/1(土)~

ゲームの規則 4Kデジタルリマスター版

ゲームの規則 4Kデジタルリマスター版

Copyright 1939, Les Grands Films Classiques

1939年/フランス/106分/モノクロ
監督・脚本:ジャン・ルノワール
脚本協力:カルル・コッホ、カミーユ・フランソワ
助監督:アンドレ・ズヴォパダ、アンリ・カルティエ=ブレッソン
撮影:ジャン・パシュレ
美術:ユージェーヌ・ルリエ
音楽:ロジェ・デゾルミエール
衣裳:ココ・シャネル
編集:マルグリット・ルノワール
製作:クロード・ルノワール
キャスト:マルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン、ジャン・ルノワール、ミラ・バレリー、オデット・タラザック、ポーレット・デュボスト、ガストン・モド、ジュリアン・カレット
提供:マーメイドフィルム
配給:コピアポア・フィルム

公式ホームページ

世界中の映画ファンが選ぶオールタイムベストの名作が美しい映像でスクリーンに!ジャン・ルノワール監督作品

イギリスの「サイト&サウンド」誌で第2位(1972年、1982年、1992年)、フランスの「フィガロ」誌で第2位(2008年)、「カイエ・デュ・シネマ」誌で第3位(2008年)など、オールタイム・ベストテンを選出すると必ず最上位にランクインし、フランソワ・トリュフォーが「これぞ映画狂のバイブル。何度見ても新鮮で至福の時を与えてくれる傑作」と絶賛する映画、『ゲームの規則』。フランスの巨匠ジャン・ルノワールの代表作にして世紀の問題作でありながら、そんな大仰な惹句をあざ笑うようなおおらかさ、身軽さ、陽気さをまとって、製作から90年近く経っても世界中の映画ファンに愛される傑作中の傑作がよみがえる。アルフレッド・ド・ミュッセの戯曲「マリアンヌの気まぐれ」から着想を得て、ある侯爵の別荘に集う人々の一夜の出来事を中心に繰り広げられる大騒動。公開当初は興業的に惨敗の上、風俗を乱すとの理由で上映禁止、その上空襲でネガが消失し<呪われた映画>として語られていた。しかし戦後、1959年になって奇跡的に復元、1982年に日本でもやっと公開された。そこからさらに40年以上が過ぎた今、暗部のディティールや登場人物たちの繊細な表情の変化までが鮮やかに浮かび上がる4Kデジタルリマスター版でスクリーンに帰還する。
今回、フランスの4K版ビジュアルのデザインを踏襲したメインビジュアルと予告編も解禁。ココ・シャネルの衣装に身を包んだブルジョワたちが館の中で、外にと動き回りながら男女の友情や不倫について語り合い、恋の駆け引きを繰り広げる。予告編には劇中もっとも刺激的な一幕である狩りのシーンや「死の舞踏」に合わせて骸骨たちが踊るシーンなどがおさめられており、ひとたび足を踏み入れれば瞬く間に引き込まれてしまいそうな、めまぐるしく狂騒的な本作のエネルギーにいち早く触れることができる。今冬、美しく生まれ変わった映画史に残る<新作>ともいえる本作と出会えるのは、2024年最大の事件と言えるだろう。

ラ・シュネイ侯爵の領地コリニエールで狩猟の集いが開催されることになった。侯爵と夫人のクリスティーヌが迎えるのは、大西洋を23時間で横断するという偉業を成し遂げたばかりの飛行士アンドレ、その友人にしてクリスティーヌのよき相談相手オクターヴ、侯爵の愛人ジュヌヴィエーヴをはじめ一癖も二癖もある者ばかり。アンドレとクリスティーヌが恋仲なのは社交界では周知の事実。ただでさえ波乱が予想されるものの、侯爵は来る者は拒まずの広い心の持ち主。狩猟から仮装パーティへと続く中、小間使い、彼女の夫の密猟監視員、さらには小間使いにちょっかいを出す密猟人まで加わって、それぞれの思惑はこんがらがり、とんでもない事態へと発展していく。


ゲームの規則4Kデジタルリマスター版 ゲームの規則4Kデジタルリマスター版 ゲームの規則4Kデジタルリマスター版

2/1(土)~1週間限定

顔(イェン)さんの仕事

顔(イェン)さんの仕事

©映画「顔さんの仕事」製作委員会

2024年/日本/64分/配給:MAP/配給協力:ミカタ・エンタテインメント
企画・制作・監督:今関あきよし
撮影:三本木久城
録音・音楽:種子田博邦
制作:太田明子、杉山亮一
編集:鈴木理
台湾地図挿絵・題字:ヤマサキタツヤ
出演:顔振発、三留まゆみ、柏豪

公式ホームページ

台湾国宝級 映画看板絵師 顔振発(イェン・ジェンファ)を追ったドキュメンタリー

現在の台南市下営区に生まれ、幼い頃から絵を描くのが好きだった顔振発(イェン・ジェンファ)。絵に対する才能を感じた家族は、看板職人の陳峰永の弟子に送り出した。1970年代は台湾映画界が盛り上がり、顔は1ヶ月に100~200枚もの映画看板を手描きし、台南の映画館「全美戯院」の看板を制作から設置まで一手に引き受けた。だが生涯にわたる制作は、視力に大きな負担をかけ、医師が何年も前に、彼の網膜がひどく傷ついていることに気付き、右目はほぼ見えない状態に。それでも顔振発は描き続ける。

台湾国宝級絵師。映画館の手書きの大型看板から、ファッションブランド「グッチ」の巨大アートウォール、英国のロックバンド「コールドプレイ」の宣伝壁画まで、台湾で映画館の前に飾る絵看板を50年以上描き続け、本年の台北映画祭(台北電影節 / TaipeiFilm Festival)で貢献賞を受賞した、顔振発(イェン・ジェンファ)のドキュメンタリー。インタビュアーとして本映画をナビゲートするのは、イラストレイターで今関あきよしとは8mm映画時代からの盟友でもある三留まゆみ。そして通訳として、台湾の俳優・柏豪も参加している。


顔(イェン)さんの仕事 顔(イェン)さんの仕事 顔(イェン)さんの仕事

2/7(金)~

ヒプノシス レコードジャケットの美学

ヒプノシス レコードジャケットの美学

(C) BMG Rights Management (UK) Ltd and Hipgnosis Songs Fund Ltd 2022.

2022年/イギリス/英語/101分/配給:ディスクユニオン/配給協力:アルファズベット
監督:アントン・コービン
出演:オーブリー・パウエル、ストーム・トーガソン(ヒプノシス)、ロジャー・ウォーターズ、デヴィッド・ギルモア、ニック・メイスン(ピンク・フロイド)、ジミー・ペイジ、ロバート・プラント(レッド・ツェッペリン)、ポール・マッカートニー、ピーター・ガブリエル、グレアム・グールドマン(10cc)、ノエル・ギャラガー(oasis)他

公式ホームページ

アントン・コービン監督最新作にして、初の長編ドキュメンタリー作品
アートワークでロックを芸術に昇華した伝説のデザイン集団の物語

1968年、ストーム・トーガソンとオーブリー・“ポー”・パウエルが共同で創立したイギリスのデザイン・アート集団「ヒプノシス」は、ケンブリッジでピンク・フロイドのメンバーと出会い、ジャケットやツアーポスターの制作を開始。後にピーター・クリストファーソンが加わり、1970年代を中心に、ピンク・フロイド、ジェネシス、レッド・ツェッペリン、ポール・マッカートニーら数々のアーティストのカバーアートを創作した。斬新・奇抜・洗練…あらゆる言葉が相応しいその独創的なデザインは、それまで宣伝用パッケージにすぎなかったアルバム・ジャケットを芸術の域に高めた。 本作では、ストームとオーブリーが語る制作秘話、ふたりを支えたカメラマンやグラフィックのスタッフ、レジェンドアーティストら本人による証言はもちろん、貴重なインタビューや写真・映像の数々が映し出される。 半世紀の時を超え、今なお音楽史に燦然と輝く彼らのジャケットデザインの真相に迫るドキュメンタリー。


ヒプノシス レコードジャケットの美学 ヒプノシス レコードジャケットの美学

2/8(土)~アンコール

小学校~それは小さな社会~

小学校〜それは小さな社会〜

©Cineric Creative / NHK / Pystymetsä / Point du Jour

2023年/日本・アメリカ・フィンランド・フランス/99分/配給:ハピネットファントム・スタジオ/宣伝:ミラクルヴォイス/宣伝協力:芽inc
監督・編集:山崎エマ
プロデューサー:エリック・二アリ
撮影監督:加倉井和希
録音:岩間翼
エグゼクティブ・プロデューサー:安田慎、杉江亮彦、國實瑞恵
コープロデューサー:ウーティ・ロウス、リュック・マルタン=グセ、金川雄策
音楽:パイビー・タカラ
ミキサー:アンドリュー・トレイシー
共同編集:井手麻里子、鳥屋みずき
特別撮影:ジョン・ドニカ
カラーリスト:佐藤文郎
製作・制作:シネリック・クリエイティブ
国際共同製作:NHK
共同制作:PystymetsäPoint du JourYLEFrance Télévisions
協力:世田谷区世田谷区教育委員会
製作協力:鈍牛俱楽部

公式ホームページ

いま小学校を知ることは、未来の日本を考えること。
私たちは、いつどうやって日本人になったのか?
ありふれた公立小学校がくれる、新たな気づき。

英国人の父と日本人の母を持つ山崎エマ監督は、大阪の公立小学校を卒業後、中高はインターナショナル・スクールに通い、アメリカの大学へと進学した。ニューヨークに暮らしながら彼女は、自身の“強み”はすべて、大阪で過ごした公立小学校時代に学んだ“責任感”“や勤勉さ”などに由来していることに気づく。「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には、日本の子どもは“日本人”になっている。すなわちそれは、小学校が鍵になっているのではないか」との思いを強めた彼女は、日本社会の未来を考える上でも、公立小学校を舞台に映画を撮りたいと思った。
公立小学校での、しかも⻑期にわたる撮影は前代未聞のことで、許可が下りる学校を見つけるまでには6年を費やし、ようやく東京は世田谷区の協力の下、撮影が可能となった。ところがコロナウィルス感染拡大によるパンデミックが世界を襲う。撮影は延期を余儀なくされた。そして、パンデミックがまだ完全には収まりきらない2021年4月、コロナ禍の懸念はあるものの、むしろこの時期だからこそ撮れるものがあるかもしれないと、山崎監督は塚戶小学校にカメラを入れた。撮影は1年間、150日、700時間(監督が現場で過ごしたのは4000時間)に及び、編集には1年を要した。
日本の公立小学校では、児童自らが学校を運営するためのさまざまな役割を担い、その役割をまっとうすることで集団生活における協調性を身につける。教室の掃除や給食の配膳などを子どもたち自身が行う国は少なく、日本式教育「TOKKATSU(特活)」は、海外で注目を集めている。いま、小学校を知ることは、未来の日本を考えることだと作品は投げかける。

春夏秋冬、そしてまた春。

春夏秋冬、そしてまた春桜が満開の4月。新年度は入学式から始まる。授業が開始し、1年生は挙手の仕方や廊下の歩き方、掃除や給食当番など、集団生活の一員としての規律と秩序について初めて学ぶ。1年生が学校生活に馴染むよう手助けするのは6年生だ。6年生は、校内放送の運営、手洗い用ハンドソープの補充、士気を高めるためのスローガンの考案などを行い、下級生の模範になるのを誇りにしている。小さくてまだ何もわからない1年生も、わずか6年の間に自分が何者であるかという自覚をしっかりと持ち、6年生にふさわしい行動を取るようになる。主人公は学校そのもの。カメラは、1年生と6年生に焦点を絞り、彼らの学校生活を追い始める。撮影は一学年度にわたり、悲喜こもごもの日々を追った。

*第24回ニッポン・コネクション 最優秀ドキュメンタリー賞受賞
*第21回ミレニアム・ドッグス・アゲインスト・グラビティ映画祭正式上映作品
*第17回ジャパン・カップ 観客賞受賞
*第21回EBS国際ドキュメンタリー映画祭 審査員特別賞


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2/8(土)~

いもうとの時間

いもうとの時間

©東海テレビ放送

2024年/日本/89分/製作・配給:東海テレビ放送/配給協力:ポレポレ東中野/宣伝:ブライトホース・フィルム
ナレーション:仲代達矢
プロデューサー:阿武野勝彦
監督:鎌田麗香
音楽:本多俊之 鈴木よしひさ
音楽プロデューサー:岡田こずえ
編集:奥田繁
撮影:坂井洋紀 米野真碁
音効:久保田吉根

公式ホームページ

兄の無罪を信じて64年-
いつか真実が分かるその日まで、「いもうと」は生きる。

1961年、三重と奈良にまたがる集落・葛尾で凄惨な事件が起こった。村の懇親会で振舞われたぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡。世にいう名張毒ぶどう酒事件である。犯人と目されたのは、奥西勝(当時35歳)。客観的証拠はなく、あるのは自白調書のみ。一審判決では無罪を勝ち取ったが、二審では一転して死刑判決が言い渡される。以降、無実を訴え続けるも、奥西は89歳で獄中死した。再審請求を引き継いだのは妹の岡美代子。弁護団を結成し、新証拠を出し続けるが、再審の扉は開かない。遂に10度目の再審請求も幕を閉じ、棄却され続けた月日はなんと半世紀。再審請求は配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹しかできない。美代子は現在94歳。美代子がいなくなれば、事件は闇の彼方に消える。残された時間はそう長くはない。それでも兄の無罪を信じ、長生きを誓う。あまりにも長く辛い「いもうとの時間」は果たしていつまで続くのか。

冤罪事件の理不尽さと、その苦悩を炙り出す。
東海テレビ「名張毒ぶどう酒事件」シリーズ“最終章”

1977年より名張事件を取材開始した東海テレビは、テレビだけでなく映画作品としても本事件を多く題材にしてきた。本作は、『約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~』(13)、『ふたりの死刑囚』(16)、『眠る村』(19)に続く4作目となる。事件発生以来、東海テレビが撮り続けてきた映像が惜しみなく使われている本作は、冤罪の理不尽さ、それによる当人や周りの人間の長きに渡る苦悩を炙り出す。
同じく冤罪事件としては、1966年に発生した通称、袴田事件がある。2024年9月26日に再審の判決が出たばかり。判決後の袴田巌(87歳)の姿も映画に挿入されているのも見逃せない。
そして、今作は名物プロデューサー阿武野勝彦の東海テレビ最後の作品となった。様々な話題作を手掛けた阿武野が、自らの退職前の最後の題材に選んだのが名張事件だった。『人生フルーツ』『ヤクザと憲法』『さよならテレビ』を生んだ東海テレビドキュメンタリー劇場の第16弾。取材を引き継いできたディレクターたちの思いを結集させ、裁判の非道ぶりを叫ぶ。
2024年2月に東海テレビローカルで放送された番組を追加取材・再編集した劇場版。


いもうとの時間 いもうとの時間 いもうとの時間

2/8(土)~1週間限定

Retake リテイク

リテイク画像

©湘南市民メディアネットワーク

2023年/⽇本/110分/配給:ミカタ・エンタテインメント/宣伝:ムービー・アクト・プロジェクト
監督・脚本・撮影・編集:中野晃太
撮影:柳田修平
録音:飯塚了、土佐香理、庄司華菜、石井優輝
  照明:金内直文
音楽:れんぴ(チョーキューメイ)
主題歌:チョーキューメイ「また、夏になる」
出演:麗(チョーキューメイ)、武藤優汰、タカノ アレイナ、大原奈子、千葉龍青

公式ホームページ

繰り返す夏の日、映画づくり。
まだどこにもない、驚きにあふれた青春‟映画”が始まる。

高校3年生の景はある日、遠い存在と思っていた同級生の遊から映画づくりに誘われる。遊が撮りたい映画は「絵描きの男の子と落ち着きのない女の子が『時間の流れない世界』を目指して旅をする」という物語。友人のアリサ、海、二郎も集い、撮影が始まる。共に創作をする喜び、ほのかな恋心、過去の行き違い..さまざまな思いを抱える彼らの関係が、映画づくりとともに移り変わっていく—
繰り返す彼らの夏が辿り着くラストシーンとは?


高校最後の夏、同級生の遊から映画づくりに誘われる景たち。
撮影の時間とともに、彼らの関係は深まり、そして変化していく…

手探りで映画をつくる高校生たちの姿を、虚実を横断する驚くべき手法で見つめ、創作の喜びと痛み、そして時間がもたらす変化を優しく、鮮明に描き出す『Retake リテイク』。
監督を務めたのは学生時代から映像制作を始め、現在は映像作品制作ワークショップを多数開催しつつ映画制作を行っている中野晃太。高校の映像制作の授業で講師としてキャストたちと出会い、彼女たちの表現へのパッションと、悩みつつも楽しみながら協働して作品を創り上げていく姿勢に触発され、本作の制作に至った。 ヒロインの遊に扮するのは、大躍進中のバンド・チョーキューメイのメンバーとしても活躍する麗。高校時代に中野監督の映像制作のワークショップを受講、監督として映画制作を行なった経験をもとに、バンド活動から一転映画づくりに目覚めるアグレッシブな高校生を自然体で演じ切った。
主人公の高校生・景を演じるのはCMから自主制作映画まで幅広く活躍する武藤優汰。中野監督の「彼しかしない」という直感で、キャストの中で唯一の公募で主演を務めた。
ほか出演は中野監督・麗と一緒に映画制作の経験があるアリサ役のタカノアレイナ、麗の専門学校の友人でもあった海役の大原奈子、大学で映画を学んでいた二郎役の千葉龍青という、限りなく役柄とその関係性に近い顔ぶれ。キャスト/スタッフという枠にとらわれず、全員がシナリオや役柄について対話を重ねた、さながら全員で創り上げた作品とも言える。
主題歌は麗が高校時代に制作しており、チョーキューメイのバンド形式として蘇った「また、夏になる」。本作のテーマと図らずも重なるという、小さな奇跡を起こした楽曲が作品世界に彩りを添える。
流れ続ける時間の中で切り取られた、ささやかでかけがえのない、ひと夏の物語。

*第45回ぴあフィルムフェスティバル PFFアワード2023グランプリ
*第17回ニューヨーク ジャパンカッツ 大林賞
*第24回ハンブルク日本映画祭最優秀独立作品審査員賞


リテイク画像 リテイク画像 リテイク画像

2.15[土]&2.16[日]

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.14 與太者シリーズ 『女學生と與太者』

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.14

與太者シリーズ女學生と與太者じょがくせいとよたもの

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏

2025.2.15[土]&2.16[日] 各日12:00

映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

(1933年/日本/98分[24fps]予定/35mm/サイレント/配給:松竹)
監督:野村浩将/原作・脚色:池田忠雄/撮影・編集:高橋与吉/フィルム提供:国立映画アーカイブ
出演:磯野秋雄、三井秀男、阿部正三郎、水久保澄子、若水絹子、滝川玲子、斎藤達雄、飯田蝶子、吉川満子、坂本武

松竹の人気映画、與太者シリーズは『愛染かつら』で娯楽映画のヒットメーカーとして知られた野村浩将監督が手がけた名物シリーズ。磯野秋雄、三井秀男(後の弘次)、阿部正三郎が役柄や状況を替えてマドンナを巡って繰り広げるライトコメディ。

第8作は3人が小悪党(阿部)、タクシー・ドライバー(三井)、看板書き(磯野)に扮して恩師の娘と奥さんのために奮戦する。女學生役は元祖アイドル水久保澄子。同年、小津安二郎監督、成瀬巳喜男監督作品に立て続けに出演、人気が沸騰していた。

アフタートークイベント

2.15[土]太田和彦さん(デザイナー・作家)
2.16[日]長谷川康志さん(酒豆忌「中川信夫監督を偲ぶ集い」実行委員)

料金一般・シニア2,000円/会員1,700円/ユース(25歳以下)1,000円

チケット購入情報

2.12[水]より、9:30より劇場受付、10:00より横浜シネマリンオンラインチケット予約サイトにて、座席指定券を販売いたします。詳細は劇場Webサイトにてご確認ください。


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年 山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。 以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アー カイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料 院、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地 域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、タイ無声映画祭、 ポルデノーネ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ) などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された 『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。音楽で見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館に ピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、 サイレント映画週間“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

次回予告
2025年6.21[土]、22[日]にvol.15を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご覧ください。

2/15(土)~

2040 地球再生のビジョン

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© 2019 ALL TERRITORIES OF THE WORLD © 2019 GoodThing Productions Pty Ltd, Regen Pictures Pty Ltd

2019年/オーストラリア/92分/ドキュメンタリー/配給:ユナイテッドピープル/後援:オーストラリア大使館/提供:Screen Australia/制作:GoodThing Productions、Regen Productions Film/協力:Shark Island Institute、Good Pitch Australia、Diamond Docs、Film Victoria
監督・脚本:デイモン・ガモー
製作総指揮:イアン・ダーリン、マリンダ・ウィンク、マーク・モンロー、ポール・ウィーガード、 ウィル・ギャモン、ジャスティン・ベアード プロデューサー:ニック・バッツィアス、アナ・カプラン、ヴァージニア・ウィットウェル、デイモン・ガ モー
撮影監督:ヒュー・ミラー
編集:ジェーン・アッシャー
視覚効果:Cumulus Visual Effects
プロダクション・デザイナー:ルーク・バブ、キャリー・ケネディ
音楽:ブライオニー・マークス
衣装デザイナー:クロエ・グリーヴス
キャスティング:アリソン・テルフォード CGA
登場人物:デイモン・ガモー、エヴァ・ラザロ、ゾーイ・ガモー、ジェネビーブ・ベル、フレーザー・ポー グ、アマンダ・ケーヒル、リアン・ポーグ、ポール・ホーケン、ケイト・ラワース、ブライン・フォン・ハ ーゼン、トニー・セバ、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ、コリン・セイス、シャロン・ピアソン、ニール・タ ムハネ、エリック・テーンスマイヤー、インタビューした子どもたち(オーストラリア、シンガポール、ス ウェーデン、イギリス、アメリカ)

公式ホームページ

急速に悪化する地球環境、
2040年の地球はどうなっているのだろうか?

4歳の娘を持つオーストラリアの映画監督デイモン・ガモーは、娘たちの世代には希望を持てる未来に生き てほしいと願っている。悪化する地球環境を懸念する中で、もし地球環境を再生できるようなアイデアや解 決策が今後急速に世界中に広がったら、娘が大人になる2040年にはどんな未来が訪れるだろう?と、現実的 な解決策の実行者や専門家に会うため欧州各国やアジア、アフリカ、米国と世界11ヶ国を巡る旅に出る。そ の中で取り組むべき問題の数と同じくらい、すでに実践可能な解決策が沢山あることを知る。また、各地で 約100人の子どもたちに理想の未来についてインタビューし、彼らの“希望”に刺激を受ける。

娘には「こんな未来に生きてほしい」
事実に基づく夢の構想

バングラデシュでは自家用の太陽光発電システムをつなぎ電気を取り引きし、シェアするマイクログリット の実践と恩恵を目にし、経済学者ケイト・ラワースには経済成長に依らず持続可能な社会を目指す理想的な 経済モデル「ドーナツ経済学」について、オーストラリアでは土壌を修復し自然環境の回復に繋げるリジェ ネラティブ(再生型)農業について学ぶ。栄養価の高い食物であり、魚の棲みかでもある海藻で海洋環境を 改善させる海洋パーマカルチャーに希望を見出し、言語学者でローカリゼーション運動のパイオニアである ヘレナ・ノーバーグ=ホッジの「マスコミの報道でなく現実に目を向ければ、いたるところに驚異的な希望 の光が見えるはず」という言葉に勇気づけられる。2040年までに今ある解決策を拡大することで、私たちの 生活と地球にどのようなプラスの影響を与えることができるだろうか。CGやポップな映像を交え、未来の世 代のためにどのように地球を再生させることができるか、ワクワクするような未来予想図を描く。


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2/15(土)~

ハイパーボリア人

ハイパーボリア人

© Leon & Cociña Films, Globo Rojo Films

2024年/チリ/スペイン語・ドイツ語/71分/提供:ザジフィルムズ、WOWOWプラス/配給:ザジフィルムズ
原題:Los Hiperbóreos
監督:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
脚本:クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ、アレハンドラ・モファット
出演:アントーニア・ギーセン
字幕翻訳:草刈かおり
字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン

公式ホームページ

この人たちどうかしてる
『オオカミの家』より難しく、『オオカミの家』より面白い!
チリの鬼才アーティスト、レオン&コシーニャが放つ長編第二弾!

『オオカミの家』レオン&コシーニャ監督、待望の長編2作目が早くも公開。第77回カンヌ国際映画祭監督週間正式出品。 実写、影絵、アニメ、人形、16mmフィルム、ビデオ、デジタル……と何が飛び出すかわからない”闇鍋”映画!

女優で臨床心理学者でもあるアントーニア(アント)・ギーセンは、謎の幻聴に悩まされるゲーム好きの患者の訪問を受ける。彼の話を友人の映画監督レオン&コシーニャにすると、2人はその幻聴は実在したチリの外交官にして詩人、そしてヒトラーの信奉者でもあったミ ゲル・セラーノの言葉であることに気づき、これを元にアントの主演映画を撮ろうと提案する。2人に言われるがまま、セラーノの人生を振り返る映画の撮影を始めるアントだったが、いつしか謎の階層に迷い込み、チリの政治家ハイメ・グスマンから、国を揺るがすほどの脅威が記録された映画フィルムを探す指令を受ける。カギとなる名前は“メタルヘッド”。探索を始めるアントだったが、やがて絶対の危機が彼女を待ち受ける……!


【同時上映】名前のノート

名前のノート

© Leon & Cociña Films, Globo Rojo Films

原題:Cuaderno de Nombres
監督:クリストバル・レオン&ホアキン・コシーニャ
脚本:アレハンドラ・モファット、クリストバル・レオン、ホアキン・コシーニャ
字幕翻訳:草刈かおり
字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン

ピノチェト軍事政権下で行方不明になった未成年者たちを追悼する重厚な「描き」アニメーション。映像、音響(合唱)ともに、こちらも若者たちとのワークショップによって生み出された。

2/15(土)~

MR.JIMMYミスター・ジミー レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男

ミスター・ジミー画像

©One Two Three Films

2023年/アメリカ・日本/114分/配給:アルバトロス・フィルム/提供:ニューセレクト
英題:Mr. Jimmy
製作・監督・編集:ピーター・マイケル・ダウド
撮影:アイヴァン・コヴァック&マシュー・ブルート
音楽録音&ミキシング:ジェフリー・ジュサン
出演:ジミー桜井

公式ホームページ

“大好きなこと”を手放さなければ、人生は突然に転がり出す。
ジミー・ペイジ絶賛!奇跡と感動の傑作ドキュメンタリー!

ロック史に燦然と輝くスーパーバンドレッド・ツェッペリン。そこで数々の名演を残してきたレジェンドギタリストジミー・ペイジ。そのプレイは世界中のギター少年を一瞬にして虜にしてしまう。その一瞬のトキメキに、永遠に憑りつかれ、ペイジになりきる事をライフワークとする日本人、ジミー桜井をご存じだろうか。ギタープレイは勿論の事、アクション、衣装、機材、その全てを完璧に再現し“リバイバル”する。ツェッペリンのレコードに初めて出会った高校時代から、サラリーマンの傍ら30年以上も、その再現を極限まで、ひたすら追求し続ける毎日。同じ曲でもライブ毎に全く異なるアレンジ、フレーズを奏でるレッド・ツェッペリン。膨大な海賊版音源を頼りに、その日毎のフレーズ、そしてその瞬間のステージに宿るケミストリーまでをも完璧に再現させてしまう、異様なまでの探求心は、常軌を逸している。

「僕自身はもともと無いからね。ジミー・ペイジのギターを弾いて来ただけだから。」
個性を“封印”し、“再現芸術”を‟異様”なまでに追求し続けた
日本人ギタリストが世界を席巻!

その活動はいつしかジミー・ペイジ本人の耳に入り、遂には来日時に桜井のライブにお忍びで訪れ、ペイジ本人が大絶賛、正式に “公認”してしまうという“奇跡”を起こす。そこから桜井の人生は一気に動き出す。渡米を決意、本場のトリビュートバンドに加入、怒涛のライブ活動を開始。しかし、そこに待ち受けていたのは、言葉の壁、過酷を極めるツアー、メンバーとの軋轢…。かつては単なるツェッペリンファンだったアマチュアギタリストが、“オリジナリティ”を封印し、ひたすら“再現”を“表現”する“再現芸術”で、本場のオーディエンスを熱狂させてしまう。好きな事をとことん追求し続けた事で、人生が一変してしまった、ちょっと奇妙なサクセスストーリー。極限まで細部に拘る日本人の誇るべき“気質”が世界を席巻する瞬間を捉えた、胸躍る傑作ドキュメンタリー。

ジミー・ペイジ公認! 全30曲ものレッド・ツェッペリン楽曲使用が正式許諾された奇跡!

Dazed and Confused/The Song Remains the Same/Since I’ve Been Loving You/Whole Lotta Love/The Rain Song/Custard Pie Rock and Roll/I Can’t Quit You Baby/Bron-Y-Aur Stomp/Ramble On/Stairway to Heaven/Celebration Day/Achilles Last Stand Black Dog/Moby Dick/Bron-Yr-Aur/The Lemon Song/Communication Breakdown/Good Times Bad Times/Going to California The Ocean/Heartbreaker/Kashmir/Babe I’m Gonna Leave You/Over the Hills and Far Away/Misty Mountain Hop/No Quarter Thank You/Immigrant Song/How Many More Times


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2/22(土)~

映画を愛する君へ

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© 2024 CG Cinéma / Scala Films / Arte France Cinéma / Hill Valle

2024年/フランス/88分/原題:Spectateurs! 英題:Filmlovers!/配給:アンプラグド
監督・脚本:アルノー・デプレシャン
脚本:ファニー・ブルディーノ
製作:シャルル・ジリベール 
共同製作:オリヴィエ・ゴリア
音楽:グレゴワール・エツェル
撮影:ノエ・バック
衣裳デザイン:ジュディット・ドゥ・リュズ
出演:ルイ・バーマン 、レマン・エルヴュー=レジェ、フランソワーズ・ルブラン、ミロ・マシャド・グラネール(『落下の解剖学』)、サム・シェムール、ミシャ・レスコー、ショシャナ・フェルマン、ケント・ジョーンズ、サリフ・シセ、マチュー・アマルリック(『フレンチ・ディスパッチ』)
日本語字幕:福家龍一
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!特典:フィルム風ステッカーをプレゼント!

アルノー・デプレシャン監督が映画ファンに贈る
映画と映画館への愛に溢れたシネマ・エッセイ

19世紀末に誕生してから現在に至るまでの映画の魅力と魔法を語り尽くす、映画への深い愛と映画館への賛美に満ち溢れたシネマ・エッセイ。デプレシャン監督は、『キングス&クイーン』(04)や『クリスマス・ストーリー』(08)などで、数々の映画賞にノミネートされ、日本の映画ファンからも人気高い名匠。本作も、第77回カンヌ国際映画祭で特別上映され、最優秀ドキュメンタリー賞にあたるゴールデン・アイ賞にノミネートされた。映画ファンから絶賛の声が上がった話題作。デプレシャン監督の過去作『そして僕は恋をする』(96)や『あの頃エッフェル塔の下で』(15)でマチュー・アマルリックが演じる主人公ポール・デュダリスに、監督自身を投影した自伝的映画になっている。初めて映画館を訪れた幼少期、映画部で上映会を企画した学生時代、評論家から映画監督への転身を決意した成人期を、映画史と共に描く。マチュー・アマルリックは本人役として出演。祖母役をジャン・ユスターシュ監督の傑作『ママと娼婦』(73)で知られるフランソワーズ・ルブランが、14歳のポール役を『落下の解剖学』(23)の視覚障害のある息子役で注目を浴びたミロ・マシャド・グラネールが演じている。

映画の魔法にかかった私たちの人生を
50本以上の世界中の名作と共に辿る

本編には、映画史に功績を残した50本以上の名作が登場。リュミエール兄弟による映画の発明から、アベル・ガンスの『ナポレオン』(27)、フランク・キャプラ『或る夜の出来事』(34)、アルフレッド・ヒッチコック『北北西に進路を取れ』(59)、黒澤明『乱』(85)、クロード・ランズマン『SHOAHショア』(85)、ジェームズ・キャメロン『ターミネーター2』(91)、『ノッティングヒルの恋人』(99)など、世界中の様々なジャンルの映画が洪水のようにスクリーンを駆け巡る。そのほか、フランソワ・トリュフォー、ジャン=リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマンらの映画も登場。デプレシャン監督が尊敬するアメリカの哲学者スタンリー・カヴェルやフランスの批評家アンドレ・バザンの言葉も借りながら、“映画とは何か”に迫る。
さらに、ドラマとドキュメンタリーを融合したハイブリッドな構成で綴られる。フィクションのシーンには、一般の観客が映画体験エピソードを語るインタビューシーンが挟まれる。「本作の主題は“私たち”映画の観客」と監督が語るように、観客の視点で映画愛が描かれる。シネ・ヌーヴォ(大阪)やアンスティチュ・フランセ(東京)など、日本の映画館の登場も見逃せない。映画は私たちの人生にどれほどの影響をもたらすのか——。デプレシャン監督が贈る映画と映画館へのラブレターを、ぜひ映画館で受け取って欲しい。


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2/22(土)~

蝶の渡り

蝶の渡り

©STUDIO-99

2023年/ジョージア/89分/配給:ムヴィオラ
原題:პეპლების იძულებითი მიგრაცია
英語題:Forced Migration of Butterflies
監督:ナナ・ジョルジャゼ
出演:ラティ・エラゼ、タマル・タバタゼ、ナティア・ニコライシュヴィリ
字幕:磯尚太郎
字幕監修:児島康宏
後援:在日ジョージア大使館

公式ホームページ

かつて、輝いていた若者たち——その27年後の姿ときたら!!
心に残る戦争の痛み、ディアスポラの悲しみ。それでも、笑って生き抜いていく。

ソ連からの独立が近づき、希望に満ちた<どんちゃん騒ぎ>で新年を迎える若者たち。しかし、独立はしたものの、喜びは、戦争ですぐに消えてしまう……そして27年後。彼らの姿ときたら!!
笑いあふれるドタバタ的展開を交えながらも、未来に行き詰まり、生き抜くために「渡り」をするジョージア人の姿を蝶に託して。戦争の痛みやディアスポラ(民族離散)の悲しみをも、ジョージア独特の「陽気な悲劇性」で描ききる。悲しいはずなのに明るく祝祭的で、共感と未来への希望が、国を越えて伝わってくる感動作。

ジョージア映画初のカンヌ映画祭受賞&アカデミー賞ノミネートに輝く女性監督ナナ・ジョルジャゼ集大成的な傑作!

2022年に日本公開されたラナ・ゴゴベリゼ監督の『金の糸』(2019)の主演で知られるナナ・ジョルジャゼだが、本来は映画監督。1986年の『ロビンソナーダ 私の英国人の祖父』がジョージア初のカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督)賞を受賞し、1996年の『シェフ・イン・ラブ』もジョージア初の米アカデミー賞外国語映画賞にノミネート。現在に至るまで、数々の国際共同作、国際映画祭受賞作で高く評価され、世界三大映画祭はじめ100以上もの国際映画祭で審査員も務めている、まさに“映画の王国”ジョージアを代表する監督だ。

数々のジョージア現代絵画やギヤ・カンチェリ・トビリシ青年オーケストラの音楽、トビリシ、ムツヘタ、トゥシェティ…ロケ地も魅力。

映画の中で、主人公画家コスタの半地下の部屋に飾られた数々の絵画は、無造作に置かれているが、イラクリ・スティゼやメラブ・アブラミシュヴィリら美術館に展示される著名な画家の作品ばかり。また音楽のダト・エヴゲニゼの曲を、ギヤ・カンチェリの名を冠したトビリシ青年オーケストラ(主席指揮者がミリアン・フフナイシュヴィリ)が演奏しているのも聴きどころだ。「ジョージアの母」の像が見えるトビリシの古い街並みや、ムツヘタの修道院、トゥシェティの田園などのロケ地も魅力的で、ジョージアの文化・風景の素晴らしさが堪能できるだろう。


蝶の渡り 蝶の渡り 蝶の渡り

2/22(土)~1週間限定

悠優の君へ

悠優の君へ画像

© 2023「悠優の君へ」製作チーム

2023年/⽇本/58分/カラー/配給:ミカタ・エンタテインメント
脚本・監督:福原野乃花
出演:⽔崎涼花 ⼩⾕慈
撮影:宮川眞伍
⾳声:⾦⼜⽞ ⽩⽯彪 佐藤遥⾹
サポートスタッフ:中村優花 ⼤神ありす 森⼭綾⾹ ⽬⿊英恵 栗⼭剛 たかやまはるき 前⽥晏歌 ⼊江葉⾳

公式ホームページ

100人に1〜2人がその悩みを抱えていると言われている〈強迫症〉
当事者である監督が“もっと多くの人に病気のことを知ってほしい”と作った物語

小さなことや目に見えないことが気になって頭から離れず、何度も確認を繰り返したり、馬鹿馬鹿しい考えと知りながらその不安と恐怖に耐えられず、不安を消すための行動をしてしまう<強迫症>。しかし、悩みを抱える人はそのことを隠す傾向にあり、意外と多い病気の割に知名度は低い。
本作の監督をつとめた福原野乃花は、7歳の頃に<強迫症>を発症。しかし「普通ではない自分は気持ち悪がられるのではないか」という恐怖から誰にも相談することができなかった。20歳の時、勇気を出して悩みを打ち明け、「もう一人ではないんだ」と肩の荷が降りたという。人に頼ることの必要性を知った経験から、いまなお苦しみの渦中にいる人たちに向けて、また<強迫症>をもっとたくさんの人に知ってほしいとの思いで本作を企画。多くの人の賛同を得て、映画を完成させた。

人との間に壁を感じ、学校や家で一人で過ごしている高校生の悠(水崎涼花)。4月になり、女子バスケ部のマネージャーをしている優乃(小谷慈)と同じクラスになる。いつも明るく友だちと楽しく過ごしている優乃は、時々「定休日」と称して学校を休んでいた。
ある朝、悠が遅刻して登校しようとすると、近くのベンチにうずくまっている制服姿の優乃を見かける。別の日の朝も、公園で時間を持て余している優乃に出会う。「学校に行きたくない」という優乃を、悠は近くの海辺へと誘う。悠は、入学した頃から優乃のことが気になっていた。いつも同じ時間に人けのない手洗い場で手を洗い続けている優乃の姿を偶然見ていたのだ。優乃は、抱えている悩みを誰にも悟られないよう必死に隠して生きていたが、悠に知られていたことを知り、打ち明けることを決める。


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2/28(金)~

TATAMI

TATAMI

© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved

2023年/アメリカ、ジョージア/英語、ペルシア語/103分/配給:ミモザフィルムズ
原題:TATAMI
監督:ガイ・ナッティヴ、ザーラ・アミール
脚本:ガイ・ナッティヴ、エルハム・エルファニ
出演:アリエンヌ・マンディ、ザーラ・アミール、ジェイミー・レイ・ニューマン、ナディーン・マーシャル
字幕:間渕康子

公式ホームページ

ただ、勝ちたかった。
迫力満点の柔道アクション×手に汗握るサスペンス
あなたならどうする?実話に基づいた、金メダル候補の女子柔道選手の不屈の戦い
観る者を興奮の渦に巻き込んだ注目作がついに公開!

ジョージアの首都トビリシで開催中の女子世界柔道選手権。イラン代表のレイラ・ホセイニと監督のマルヤム・ガンバリは、順調に勝ち進んでいくが、金メダルを目前に、政府から敵対国であるイスラエルとの対戦を避けるため、棄権を命じられる。自分自身と人質に取られた家族にも危険が及ぶ中、怪我を装って政府に服従するか、自由と尊厳のために戦い続けるか、レイラは人生最大の決断を迫られる……。2019年、日本武道館での世界柔道選手権で実際に起こった事件をベースに映画化。オープニングからラストまでスリリングな展開に目が離せない。

映画史上初!イスラエル出身監督×イラン出身監督による合作
「スポーツと政治」の問題を鋭く深く問う、ポリティカルスポーツエンターテインメント

監督は、『SKIN 短編』(18)で第91回アカデミー賞短編実写映画賞を受賞したイスラエル出身のガイ・ナッティヴと、『聖地には蜘蛛が巣を張る』(22/アリ・アッバシ監督)で第75回カンヌ国際映画祭女優賞を受賞し、本作で監督役を演じたザーラ・アミール。映画史上初めて、イスラエルとイランをルーツに持つ2人が映画で協働し、大きな話題を集めた。撮影は全て秘匿状態で行われ、映画に参加したイラン出身者は全員亡命。当然ながらイランでは、上映不可のままとなっている。個人と権力の関係を問いかけ、悲惨な争いが続く世界の中で平和への祈りが込められた注目作が、第36回東京国際映画祭での大絶賛を受け、満を持して公開!


3/15(土)~

逃走

©「逃走」制作プロジェクト2025

2025年/日本/110分/配給・制作:太秦/製作:LOFT CINEMA、太秦、足立組
英題:ESCAPE
撮影監督:山崎裕
美術:黒川通利
編集:蛭田智子
音楽:大友良英
挿入曲:「DANCING古事記」(山下洋輔トリオ)
出演:古舘寛治、杉田雷麟、タモト清嵐、吉岡睦雄、松浦祐也、川瀬陽太、足立智充、中村映里子

公式ホームページ

【前売券】全国共通鑑賞券 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!

安倍晋三元首相銃撃犯を描いた問題作『Revolution+1』の 足立正生監督が新作映画『逃走』を完成させた!!

本作で語られるのは半世紀に及ぶ逃亡の末に、末期がんで孤独に亡くなった、東アジア反日武装戦線「さそり」の元メンバー・桐島聡。 1974年、東京・丸の内で発生し死者8人、負傷者約380人を出した三菱重工ビル爆破事件を口火に、社会を震撼させた連続企業爆破事件で重要指名手配された男である。 関わったのは同戦線の「狼」「大地の牙」「さそり」の3グループとされ、その後リーダーなどメンバーが逮捕されていく中、桐島は名前をかえ、別人として逃げ続けた。数十年前から“内田洋”という偽名を使い、神奈川県藤沢市南部の土木工事会社に住み込みで働いていた。そして逃亡から約49年後の2024年1月25日、病院に担ぎ込まれ4日後に死亡した。死の間際、担当医師に本名である「桐島聡」として死にたいと語ったという——。
本作監督の足立は映画監督・若松孝二作品の脚本を量産、大島渚作品にも参加するなど異色の世界観を多数書き上げてきた。その後、日本赤軍に身を投じ、27年間日本を離れ、帰国後再び映画監督として活動を再開した。「偽名で生きた内田洋から桐島聡への回帰、そこには多くの謎があり、逃亡生活の終焉と自らの死を予感した“革命への確信”その証は、映画でしか描けない」と始まった本作のプロジェクトは、足立監督が自ら脚本も担当し、程なくしてクランクイン、そして荒々しいスピードで劇場公開となる。
主演の桐島聡には、今回、足立監督が出演を熱望した古舘寛治。名バイプレイヤーとして数々の映画・ドラマに出演し、近年では、マーク・ギル監督『レイブンズ』(2025)やピエール・フォルデス監督『めくらやなぎと眠る女』(2024)、レオス・カラックス監督『アネット』(2022)、一木正恵監督『アナウンサーたちの戦争』(2024)など国内外の監督からの信頼も厚い。本作では謎の多い桐島を寡黙に佇む立ち姿からも、さまざまな感情を想起させるような奥行きのある演技で魅せる。そして、『半世界』(2019)で第41回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、第34回高崎映画祭最優秀新進男優賞を受賞し、話題作への出演が続く杉田雷麟が若い頃の桐島を演じた。また、桐島と恋仲になる女性に中村映里子、桐島と共に逃走する宇賀神寿一にはタモト清嵐、そのほか吉岡睦雄、松浦祐也、川瀬陽太、足立智充など個性的な面々が脇を固める。撮影監督を務めたのは、足立監督と日本大学芸術学部映画学科からの学友であり、是枝裕和監督作品や多くのテレビドキュメンタリー、記録映画などのカメラマンとして知られる山崎裕。足立監督とは『断食芸人』以来9年ぶりとなる。エグゼクティブプロデューサーには、「ライブハウスを創った男」と称され、1970年代以降の日本ロック史を語るうえで切り離すことのできない、ロフトグループの創業者・平野悠。音楽はノイズ的な作品からポップスに至るまで数々の映画・ドラマ音楽を手掛ける大友良英。挿入曲には、1969年にバリケード封鎖された早稲田大学構内で行なわれた山下洋輔トリオによる壮絶なフリージャズライブ音源「DANCING古事記」が使われている。足立正生、御年85歳。どこまでも時代と向き合い、映画を通して発せられるメッセージ。集まったキャスト・スタッフともに、超・硬派な面々が、一人の男が迎えた最期に対峙する。

わたしが桐島聡です——偽名で生きた49年間

社会運動が高揚していた1970年代の日本、新左翼過激派集団「東アジア反日武装戦線“さそり”」のメンバーであった桐島聡。若き桐島は重要指名手配犯とされ、いつ逮捕されるかわからない緊張感の中、逃亡を続けていた。生活を繋ぐため日雇い仕事を転々とし、数十年前からは「内田洋」という偽名を使い、神奈川県藤沢市内の工務店で住み込みの仕事に就くようになる。1960〜1970年代のブルースやロックを好み、月に一度、音楽好きが集まる藤沢市内のライブバーに足を運んでいた。趣味を楽しむ一面があったものの、かつての仲間たちの存在が常に脳裏に影を落としていた。メンバーの獄中闘争、超法規措置により国外に出る仲間たち、自ら命を絶った者――。桐島はそうした仲間たちの姿を思い浮かべながら、日本社会の欺瞞や凋落を孤独に見つめ続けていた。2024年、70歳となった桐島は末期がんと診断され、病院のベッドで生死の狭間を彷徨う。薄れる意識の中で浮かんでくるのは、東アジア反日武装戦線としての活動、仲間と逃亡を続けていた当時の記憶。彼が生涯を賭けて追い求めたものは何だったのか。半世紀にわたる逃亡生活の果てに、彼は何を得ようとしたのか。死の間際に「私は桐島聡です」と名乗り出て何を表現しようとしたのか。足立正生監督が自らの半生と重ね合わせながら、桐島の苦悩と決意を描き出す。


逃走 逃走 逃走

4/5(土)~

彼方の家族

彼方の家族

©︎坂内映介 川崎たろう

2023年/日本/81分/配給:MAP
監督:川崎たろう、坂内映介
製作・脚本:坂内映介
音楽:小山和生
プロデューサー:大崎章、川崎たろう、坂内映介
撮影・照明:小倉和彦
音響:黄永昌
編集:川崎たろう
出演:相澤幸優、山内大翔、渡辺友貴、渡邊祐太、深谷和倫、早瀬瑠衣、下永正虎、木村知貴

公式ホームページ

覚え続ける あの時のことを
東日本大震災から14年
“あの日”から生きてきた家族たちの物語

幼い頃に震災で父を亡くした奏多にとって父親は遠い存在であり、残された自分にできることは何なのか、わからないまま過ごしていた。そんな奏多が転校先の高校で、担任教師の息子・陸と出会う。奏多は陸の明るさに最初は戸惑っていたが、次第に距離が近づいていき、お互いに初めて父親に対する思いを打ち明け合うのだった。しかしある日、奏多が学校にいくとそこには陸はおらず・・・

本作は東日本大震災で父親を亡くし、現在も喪失感を抱えたまま生きる高校生・奏多と、父親との間に問題を抱える同級生・陸の交流を通し、あの日から現在まで続く震災の記憶と、再生を静かに描き出す物語。東北芸術工科大学に研究生として在籍していた坂内映介が自身の震災体験を元に脚本を執筆、同大学の卒業生である川崎たろうと共同でメガホンをとり、日常の機微を積み重ねた丁寧な演出で孤独を抱えたまま生きる高校生たちの心情を優しく、せつなさを込めて浮き彫りにした。また、『お盆の弟』『無限ファンデーション』などの大崎章がプロデューサーを務めている。
キャスティングは主演の奏多役・相澤幸優、山内大翔含め、東北地方でのオーディションで決定。バイプレイヤーとして『室井慎次 敗れざる者』など多くの映画に顔を見せる秋田出身の木村知貴も父親役として出演し、それぞれの役柄に血を通わせている。


彼方の家族 彼方の家族 彼方の家族

4/12(土)~

いきもののきろく

いきもののきろく

©︎シネマスコーレ/ドッグシュガー

2014年/日本/モノクロ/47分/配給:ドッグシュガー
監督・脚本:井上淳一
原案:永瀬正敏
音楽:PANTA
主題歌:「時代はサーカスの象にのって」(作詞:寺山修司・高取英/作曲:PANTA)
企画プロデュース:木全純治
プロデューサー:片嶋一貴
撮影:鍋島淳裕
編集:細野優理子
出演:永瀬正敏、ミズモトカナコ

公式ホームページ

「瓦礫、瓦礫って言うけど、みんな、生活の一部だったんだ」
原案 永瀬正敏が贈る“喪失と再生の物語”

人っ子一人いない廃墟のような街で男は運河に流れ着いたゴミを拾い集める。そこに現れる女。男の日常に微かにひびが入り始める。

『戦争と一人の女』の舞台挨拶で監督の井上淳一とシネマスコーレを訪れた永瀬正敏は、支配人の木全純治よりとある企画の監督依頼を受ける。それは名古屋市内を流れる中川運河という今はもう使われていない運河を舞台とした短篇映画だった。すぐに訪れたロケハンで、永瀬は映画の舞台となる鉄屑工場と出会い、シャッターを切りまくる。その二日後、井上のもとに永瀬から一本のプロットが届く。それは、誰もいない街の廃工場でひとり筏を作り続ける男の話だった。そこにひとりの女が訪れる――。井上は永瀬のプロットに、東日本大震災後のイメージをプラスし、脚本を執筆。原発事故後の誰もいなくなった世界に取り残されたような男と女の話を作り上げた。
女を演じるのは、『福田村事件』のミズモトカナコ。当時、まだ京都造形大学の学生だったミズモトは永瀬相手に一歩も引けを取らない堂々たる演技を見せている。撮影は、『極悪女王』の鍋島淳裕。過去とも未来ともつかない世紀末的風景をモノクロ映像で見事に捉えている。プロデュースは木全純治。これは『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』コンビの初タッグでもある。そして主題歌は、2023年に亡くなった「頭脳警察」のPANTA。寺山修司と高取英による詩にPANTAが曲をつけた「時代はサーカスの象にのって」がせつなく流れる。
本作は2013年に撮影。当時は47分の短篇を上映する環境になく、翌14年にシネマスコーレのみで公開。24年、井上の師である若松孝二13回忌イベントで上映。そこでの絶讃を受け、ついに全国公開となる。幻の傑作が今ここに蘇る。


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