近日上映作品

5/3(金)~

無名

無名

Copyright2023© Bona Film Group Company Limited All Rights Reserved

2023年/中国/131分/配給:アンプラグド
監督:チェン・アル
出演:トニー・レオン、ワン・イーボー、ホアン・レイ 森博之 チャン・ジンイー ジョウ・シュン
字幕:渡邉一治

公式ホームページ

【前売券】ムビチケカード第1弾、第2弾2種、各 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!特典:特製ポストカードをプレゼント!

2大スター競演!映像美に浸るスパイ・ノワール
トニー・レオン VS ワン・イーボー
信じるか、裏切るか。究極の心理戦

二次世界大戦下の上海を舞台に、中国共産党、国民党、日本軍の間で繰り広げられる名もなきスパイたちによる一進一退の攻防戦を描いたスパイ・ノワール。
主演は、『花様年華』(00/ウォン・カーウァイ監督)で第53回カンヌ国際映画祭 最優秀主演男優賞を受賞し、近年は『シャン・チー/テン・リングスの伝説』(21)への出演で若い世代からも注目を集めている香港スター、トニー・レオン。そして、もう一人の主役として出演するのは、中韓合同ユニット「UNIQ」のメンバーとしてデビュー、さらに俳優としてTVドラマ「陳情令」(19)でブレイクし、いま中国で最も注目を集める若手俳優のワン・イーボー。本作でついに映画初主演の座をつかみ、次々と主演作が公開され、第20回映画チャンネル メディア大賞にて、主演2作目となった『長空之王』(23)と共に主演男優賞を受賞している。スタント無しで取り組んだ迫真のアクションで対決シーンを演じた二人の圧倒的な緊張感と比類なき美しさに目を奪われる。
監督は、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・上海』(16)を手掛けたチェン・アル。本作では、脚本と編集も担当し、わずか長編4作目にして手がけたこの脚本にトニー・レオンも惚れ込み出演を決めた。
そして、去年の11月に行われた、中国映画界最高の賞とされる第36回中国映画金鶏賞にて作品賞、主演俳優賞を始め8部門にノミネート。今回が、映画初出演となったワン・イーボーは、助演男優賞にノミネートされた。そして、トニー・レオンが主演俳優賞、チェン・アル監督が監督賞と編集賞の3冠受賞へと輝いた。

スパイ同士がしのぎを削る心理戦の応酬。信頼と裏切りの果てに待つものとは……。激動の時代を背景に描く、麗しくも哀しき宿命のドラマがいま、始まる。


無名 無名 無名

5/3(金)~

悪は存在しない

悪は存在しない

© 2023 NEOPA / Fictive

2023年/106分/日本/配給:Incline/配給協力:コピアポア・フィルム
監督・脚本:濱口竜介
音楽:石橋英子
撮影:北川喜雄
美術:布部雅人
出演:大美賀均、西川玲、小坂竜士、渋谷采郁、菊池葉月、三浦博之、鳥井雄人、山村崇子、長尾卓磨、宮田佳典、田村泰二郎

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『ドライブ・マイ・カー』から3年――
監督:濱口竜介 × 音楽:石橋英子 の新たな試みに世界が騒然。

きっかけは、石橋から濱口への映像制作のオファーだった。『ドライブ・マイ・カー』(21)で意気投合したふたりは試行錯誤のやりとりをかさね、濱口は「従来の制作手法でまずはひとつの映画を完成させ、そこから依頼されたライブパフォーマンス用映像を生み出す」ことを決断。そうして石橋のライブ用サイレント映像『GIFT』と共に誕生したのが、長編映画『悪は存在しない』である。自由に、まるでセッションのように作られた本作。濱口が「初めての経験だった」と語る映画と音楽の旅は、やがて本人たちの想像をも超えた景色へとたどり着いた。
第80回ヴェネチア国際映画祭では銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞、濱口に世界3大映画祭制覇の快挙をもたらしたのち、各国での上映や映画祭へと広がり、世界中から絶賛の声が止まない。
主演に、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜擢。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。
穏やかな世界から息をのむクライマックスまでの没入感。途方もない余韻に包まれ、観る者誰もが無関係でいられなくなる魔法のような傑作が誕生した。

これは、君の話になる――
観る者誰もが無関係でいられない、心を揺さぶる物語

長野県、水挽町(みずびきちょう)。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)の暮らしは、水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に町内は動揺し、その余波は巧たちの生活にも及んでいく。

*第80回 ヴェネチア国際映画祭 銀獅⼦賞(審査員グランプリ)、 国際批評家連盟賞
*第67回 BFIロンドン映画祭 最優秀作品賞
*第16回 アジア太平洋映画賞 審査員特別賞
*第15回 ウランバートル国際映画祭 観客賞
*第28回 ケララ国際映画祭 最優秀作品賞


悪は存在しない 悪は存在しない 悪は存在しない

5/11(土)~

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター

ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター

ⓒ1992 JAN CHAPMAN PRODUCTIONS&CIBY 2000

1993年/オーストラリア・ニュージーランド・フランス/英語/121分/提供:カルチュア・エンタテインメント/配給:カルチュア・パブリッシャーズ
原題:The Piano
監督・脚本:ジェーン・カンピオン
音楽:マイケル・ナイマン
出演:ホリー・ハンター、ハーベイ・カイテル、サム・ニール、アンナ・パキン
※当館での上映は2K版

公式ホームページ

本作はUDCast対応作品となっております

レッスンと引き換えに手に入れたのは、世界にひとりだけの「私」。
「私」らしくありのままに生きようとするヒロイン像の原点が観る者の魂の深奥を激しく揺さぶる物語

19世紀半ば、ニュージーランドの孤島。エイダ(ホリー・ハンター)は父親の決めた相手と結婚するために、娘のフロラ(アンナ・パキン)と1台のピアノと共にスコットランドからやって来る。「6歳で話すことをやめた」エイダにとって、ピアノは声の代わりだった。ところが、夫になるスチュアート(サム・ニール)はピアノを重すぎると海辺に置き去りにし、先住民との通訳を務めるベインズ(ハーヴェイ・カイテル)の土地と交換してしまう。エイダに惹かれたベインズは、ピアノ1回のレッスンにつき鍵盤を1つ返すと提案する。渋々受け入れるエイダだったが、レッスンを重ねるうちに彼女も思わぬ感情を抱き始める――

レッスンジェーン・カンピオン監督の不朽の名作が30年の時を超えて4Kの美しい映像で蘇る

1993年、ジェーン・カンピオンの名前が一夜で映画史に劇的に刻まれた。ヴィム・ヴェンダース、ケン・ローチ、マイク・リー、ホウ・シャオシェン、スティーヴン・ソダーバーグと錚々たる巨匠&奇才の新作が競い合うカンヌ国際映画祭のコンペティションで、女性監督初のパルム・ドール受賞を成し遂げたのだ。2021年には『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でアカデミー賞監督賞に輝いたカンピオンの最高傑作『ピアノ・レッスン』が今、4K映像によって繊細かつ壮麗に蘇る。
ホリー・ハンターが演じた主人公のエイダは、近年大きな共感を呼んでいる、抑圧や生きづらさから解き放たれ、ありのままの自分を肯定し「私」らしい生き方と幸せを探すヒロイン像の原点。本作で名声を得たマイケル・ナイマンによる、秘めた情熱が香り立つ哀切なピアノ曲「楽しみを希(こいねが)う心」、エイダの激しい想いと彼女が自ら切り開く運命の物語が、観る者の心に永遠に刻まれる、感動を超越した映像体験。


ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター ピアノ・レッスン 4Kデジタルリマスター

5/18(土)~1週間限定

あずきと雨

あずきと雨

©2023 BOTA Inc.

2023 年/日本/70 分/配給:BOTA
監督:隈元博樹
脚本:久保寺晃一
プロデューサー:永山正史、隈元博樹
撮影:神野誉晃
編集:冨永圭祐
音楽:重盛康平
出演:加藤紗希、嶺豪一、秋枝一愛、望月綾乃、篠田諒、宮本行、立川らく人

公式ホームページ

わかっていたけど、わかりあえなかった
――そんな些細で、ささやかな二日間のはなし。

別れても未だに同棲を続けているノブとユキ。ノブは今日も、大好きな“ あずきアイス” が生産中止になることを阻止するため、生産会社へ抗議の手紙を書き続けている。ユキはそんなノブにあきれつつ同居を続けているが、ある日、恋人ができたことを彼に告げ、家を出て行くように促す。そこへひょんなことから家出少女のリコがやってきて…。
そんな三人の二日間の“ 小さなできごと” を通じて、繊細に揺れ動く男女の交流を丁寧に掬い上げた本作。監督はこれが長編初となる隈元博樹。脚本・久保寺晃一のオリジナルシナリオに惚れ込み映画化へ乗り出した。

主人公・ユキを演じたのは昨今俳優だけでなく『距ててて』など監督としての活躍も著しい加藤紗希。リコは『天然☆生活』で映画デビューを果たした秋枝一愛、ユキの同僚・カナコは演劇集団ロロを中心に活動する望月綾乃が演じ、篠田諒、宮本行、立川らく人など個性に富んだ俳優陣が脇を固めている。そして印象的な存在感を放つノブを演じたのは、主演作『風のゆくえ』『almost people』が立て続けに公開されるなど、今後の活躍から目が離せない嶺豪一。『あずきと雨』のふたつの“ 粒” が紡ぎ出す、ちょっと切なく明日を彩る、瑞々しい作品が誕生した。


あずきと雨 あずきと雨 あずきと雨

5/18(土)~

走れない人の走り方

走れない人の走り方

©2023 東京藝術大学大学院映像研究科

2023年/82分/宣伝協力:平井万里子/配給:イハフィルムズ
監督:蘇鈺淳
脚本:上原哲也、石井夏実
プロデューサー:黄申知、大槻美夢、小池悠補
撮影:齊藤夏寛
照明:織田知樹
美術:茅蘅
サウンドデザイン:城野直樹
録音:浪瀬駿太
編集:張馨予
音楽:スカンク/SKANK
出演:山本奈衣瑠、早織、磯田龍生、BEBE、服部竜三郎、五十嵐諒、荒木知佳、村上由規乃、谷仲恵輔、綾乃彩、福山香温、齊藤由衣、窪瀬環、平吹正名、諏訪敦彦

公式ホームページ

私はどこだ。
前はどっちだ。

ロードムービーを撮りたい映画監督の小島桐子。だが、理想の映画づくりとは裏腹に、予算は限られ、キャスティングは難航するなど、問題は山積みだ。
ある日桐子は、プロデューサーの滝本千夏に内緒でロケハンに向かうが、その途中で車が故障。さらにその夜に飼い猫が家から逃げ出した上、妊娠中の同居人が産気づく。様々なトラブルに見舞われ動揺した桐子は、翌朝の大切なメインキャストの打合せを反故にしてしまう。キャストが決まらず車を直す金もない中で、撮影を実現させるための方法を模索する桐子は、あるアイデアを思いつく――。

PFFアワード2021審査員特別賞(『豚とふたりのコインランドリー』)の蘇鈺淳(スーユチュン)監督による初長編作品『走れない人の走り方』。新人映画監督として葛藤する主人公・キリコ役に、モデルとしての活動だけでなく『猫は逃げた』以降俳優としての活躍も目覚ましい山本奈衣瑠。プロデューサー役に『辻占恋慕』などの早織、カメラマン役に磯田龍生、キリコの同居人役にBEBE、制作部役に服部竜三郎など多彩なキャストが脇を固めているほか、キリコの映画に出演する俳優役として五十嵐諒、荒木知佳、村上由規乃、キリコの父親役に谷仲恵輔、そして蘇監督の恩師でもある諏訪敦彦がチャーミングな役どころで出演を果たしている。2023年3月に実施されたユーロスペースでの修了展での上映が全回満席となるなど好評を博し、2024年3月に開催される第19回大阪アジアン映画祭インディ・フォーラム部門への出品も決定した本作。悩みながらも理想の映画を追い求め、奔走する主人公はもちろん、映画に関わるあらゆる登場人物たちの切実さとおかしみが切り取られた一編となっている。


走れない人の走り方 走れない人の走り方 走れない人の走り方

鏡 5/25(土)-27(月)限定上映

鏡

2022年/18分/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー
監督:蘇鈺淳
脚本:末吉恵
プロデューサー:徐梅、趙瀛洲
撮影:温少杰
照明:費嘉潤
美術:周子軒
録音・サウンドデザイン:浪瀬駿太
音楽:三浦良明
編集:張馨予
出演:佐々木詩音、山本奈衣瑠、石田健太、三井康太、豊島晴香

鏡を禁止された施設の収容者ユウリの前に、異端児ナオミが現れた。ナオミが指先に怪我をすると、ユウリも指先に傷ができる。ナオミと意識を共有し始めたユウリは、自身の葛藤が蘇り苦しむ。しかし、ナオミと対話し、心が通じ合うことで救われる。そしてユウリは、ついに本当の自分と対面するのだった。

5/18(土)~1週間限定

光る鯨

光る鯨

©️studio solars

2023年/日本/127分/製作・配給・宣伝:studio solars
監督・脚本:森田博之
撮影:上川雄介
照明:大西辰弥
録音:濱田耕司 望月亮佑 三塚俊輔
出演:関口蒼、佐野日菜汰、古矢航之介、中神円、瀧石涼葉、小吹奈合緒、西巻大翔、下鳥時穏、田中里念、宮本行、渡辺力、ミネオショウ、山口友和、水沢朋美、影山祐子、桐生コウジ

公式ホームページ

一冊の小説をめぐるSFヒューマンストーリー

元TEMPURA KIDZの関口蒼が主人公・イト役で映画初主演。イトの幼馴染み・はかるを『明ける夜に』の佐野日菜汰、イトの姉・冬海を『空の瞳とカタツムリ』の中神円、謎多き女子高生・直子を瀧石涼葉、カフェのマスターを『馬の骨』の桐生コウジが演じている。ほかに古矢航之介、山口友和、水沢朋美、宮本行らが出演。監督は『ラストラブレター』でヒューマノイドによるSFラブストーリーを描いた森田博之。同作に主演した影山祐子(『さすらいのボンボンキャンディ』)、ミネオショウ(『MAD CATS』)も存在感あるキャラクターで登場する。

深夜2時の“異世界エレベーター”に乗って彼女が降り立った先はパラレルワールドだったー

幼少期に両親を亡くした23歳のコンビニ店員、志村イトは姉と二人で暮らしている。 幼馴染の新進作家、高島はかると音信不通となり数ヶ月が過ぎていた。 イトは彼への密かな想いを断ち切ることが出来ず、 かつて家族で暮らした高層団地へと向かう。はかるの処女作「光る鯨」を手に古いエレベーターに乗り込むと、上昇と下降を繰り返す。彼女の記憶は深く深く潜っていく。深夜2時、誰もいない11階に止まった時、ついに《異世界エレベーター》が発動する。イトはいなくなった人に会える世界=パラレルワールドへと足を踏み入れるー。


光る鯨 光る鯨 光る鯨

5/25(土)~

若武者

若武者

Copyright 2023 “若武者” New Counter Films LLC. ALL RIGHTS RESERVED

2024年/⽇本/103分/製作:コギトワークス、U-NEXT/制作プロダクション・配給:コギトワークス
監督・脚本:⼆ノ宮隆太郎
エグゼクティブ・プロデューサー:堤 天心、関 友彦
プロデューサー:鈴木徳至
撮影:岩永 洋
録音・整音・効果:松野 泉
美術:福島奈央花
出演:坂東龍汰、髙橋里恩、清水尚弥、木越明、冴木柚葉、大友律、坂口征夫、宮下今日子、純乃あみ、土屋陽翔、新名基浩、小林リュージュ、須森隆文、島津志織、大河内健太郎、五頭岳夫、矢野陽子、矢島康美、木野花、豊原功補、岩松了

公式ホームページ

北野武監督・是枝裕和監督とともにカンヌ国際映画祭に正式出品された⼆ノ宮隆太郎監督の最新作。
〝人間の生き様に独自の視点から光を当てる新たな映画〟

工場に勤める寡黙な渉、飲食店員の血の気の多い英治、介護士の一見温厚そうに見える光則は、互いに幼馴染の若者である。
「不幸はドラマになるからよ」ある晩秋の昼下がり、3人は首切り地蔵が見下ろす墓地を目指して歩いていく。そこには数年前に事故で亡くなった4人目の幼馴染が眠っていた。「嫌気、恐れ、怒り、悲しみ。その全てのドラマを”楽しみ”に変えて生きていけたら、そんなことできたら、最高の人生になると思えねえ?」「革命だよ。革命。革命起こそうぜ」
そうして彼らは”世直し”と称して街の人間たちの些細な違反や差別に対して無軌道に牙を剥いていく。その”世直し”は、徐々に”暴力”へと変化してしまうのだった。これは、寄る辺ない日常の中で、人生への疑問を問い続けながら、未来に抵抗する若者たちの物語。

前作『逃げきれた夢』が北野武監督『首』、是枝裕和監督『怪物』とともに、日本の長編映画として2023年第76回カンヌ国際映画祭に正式出品された、二ノ宮隆太郎監督。カンヌ映画祭上映会場では満席の観客が喝采を送った。世界中で新作が待ち望まれる二ノ宮隆太郎が監督・脚本を手掛けた最新映画が本作『若武者』だ。
二ノ宮隆太郎監督は一貫して、普遍的な日常を鮮やかなリアリズムで描き出している。本作はそのリアリズムを武器に、独特の言語表現の応酬と予測不能な展開で新境地を描き出した。
本作では、二ノ宮監督が幼馴染である三人の若者を描写している。渉は無表情ながら、義父に対する深い憎しみを秘めている。英治は居酒屋で働きながら、他人の負の感情に愉悦を覚える傾向がある。光則は介護職員として真面目に働きながら、周囲を鈍い視線で見つめている。
彼らは会話の中で「この世の人間」という言葉を頻繁に使用する。まるで自分が彼岸の人間のように。しかし実際は、自分も「この世」に包含され影響され、影響を与えていることを恐れながら深く考察しているのだ。


若武者 若武者 若武者

5/25(土)~1週間限定

青すぎる、青

青すぎる、青

©2023「青すぎる、青」製作委員会

2023年/日本/103分/配給・宣伝:アイエス・フィールド
原案・監督:今関あきよし
脚本:小林弘利
音楽・MA:種子田博邦
エグゼクティブ・プロデューサー:嶋田豪、肥後潮一郎
プロデューサー:星野晴美、西田建一
撮影・編集・VFX:三本木久城(JSC)
出演:上大迫祐希、原愛音、肥後遼太郎、松元裕樹、まっぴーさくらじま、森優稀、三浦結愛、穂原康博、新名真郎、田中千枝子、逢澤みちる、窪塚俊介、佐伯日菜子

公式ホームページ

その涙の先に、きっとわたしは私をみつける

唯一の家族だった父親を亡くし、心に穴があいたままの美巳。父の代わりに店を切り盛りする為にやって来た伯母・嘉子との向き合い方もわからず、訳もなく当たり散らしてばかり。目前に控えた美大の卒業制作も手を付けられず自分を見失いそうになっていた。 親友の希良は、何事も前向きな性格ながらも、そんな自分自身を持て余している。 美巳との向き合い方がうまくいかない嘉子もまた人には言えない深い秘密を抱えていた…。 そんな美巳に不可思議な変化が起こり始める。見えないはずのモノが見え、聴こえないはずの声が聴こえるようになってしまう…。

監督はウクライナ、ロシア、台湾など様々な国で現地の人々と向き合い、美しい風景を映像に閉じ込め、その地域ならではの人間模様を独特な感性で描き続けることで注目される今関あきよし。彼が次に見つけた美しい風景は、日本・鹿児島。
大林宣彦監督に師事し、大林イズムを継承する彼が、紡ぎだしたのは大人のためのファンタジー。脚本家に『江ノ島プリズム』の小林弘利、撮影は今関と何度もタッグを組み、自身も大林作品の参加経験を持つ三本木久城が参加。壮大な桜島を背景に、昔ながらの懐かしい風景と近代建物が共存する町、鹿児島市を中心にその美しい風景の中で繰り広げられる、心はぐれたあなたの心に寄り添う優しい物語が誕生した。


青すぎる、青 青すぎる、青 青すぎる、青

6/1(土)~

ボンゴマン ジミー・クリフ デジタルリマスター

ボンゴマン

© 2022 Stefan Paul All Rights Reserved

1981年/ジャマイカ・ドイツ/英語/93分/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
原題:Bongo Man
監督:ステファン・ポール
編集:ヒルデガルト・シュレーダー
撮影監督:マイク・コンデ、ウド・ヒッツラー、ハインツ・レクサー、ヘリベルト・シュースター
出演:ジミー・クリフ、ナディーン・サザーランド、ムタバルーカ、バーバラ・ジョーンズ、ミリアム・マケバ、ボブ・マーリー

公式ホームページ

沸き踊る情熱のリズム、永遠なる魂の歌声。
キース・リチャーズ、ジョー・ストラマー、マッドネス、ランシド・・・ ロックレジェンド・パンクスからも愛される、不滅のレゲエヒーロー!

パトカーのサイレンが鳴り響き、燃えさかる街並みを前に「欲をかくものは、全てを失う」と高らかとアジテートするジミー・クリフ。映画は、二大政党JLPとPNPによる激しい抗争の最中、混沌とした熱気に包まれるジャマイカの風景からはじまる。1980年、故郷サマートンでのフリーライブ。丘を重機でならし、ステージを一から作る、ボランティアによる手作りのライブだ。地元愛に溢れた素晴らしい演奏を聴かせてくれる。そして南アフリカのソウェト、ドイツのハンブルグと続くツアーにクルーが密着。16ミリフィルムにその熱狂を収めていく。カルト的人気を得たジミー主演同名映画の大ヒット曲「ザ・ハダー・ゼイ・カム」のほか、日本では車のCM曲で馴染み深い名曲中の名曲「遥かなる河」などセットリストも強力だ。ボブ・マーリーへの敬愛を込めて歌う「ノー・ウーマン・ノー・クライ」も実に美しい。数多くのヒット曲を放つ、ポップなメロディセンスと伸びやかな歌声。そしてキース・リチャーズ、ジョー・ストラマー等々ロック界からも溺愛される反骨精神とドライヴ感。絶頂期ジミー・クリフのパフォーマンスを捉えた傑作音楽ドキュメンタリー。


ボンゴマン ボンゴマン ボンゴマン

6/1(土)~

ニナ・メンケスの世界 NINA MENKES

知られざるアメリカの女性監督、ついに日本初公開

ニナ・メンケスの世界

NINA MENKES

6/1(土)-6/14(金)

知られざるアメリカの女性監督、ついに日本初公開

ニナ・メンケスの世界

NINA MENKES

6/1(土)-6/14(金)

自らプロデューサーや撮影を務め、過激なまでに独自の美学を貫き通し、ガス・ヴァン・サントをはじめ多くの映画人から愛されるアメリカの孤高の映画監督、ニナ・メンケス。手掛けた作品は数々の国際映画祭に招聘され、シャンタル・アケルマンやケリー・ライカートらを引き合いに称賛されてきたものの、我が国では長い間劇場公開されることはなかった。近年、初期作品がアカデミー・フィルム・アーカイヴとマーティン・スコセッシ設立の映画財団(The Film Foundation)によって修復されるなどさらに評価の気運が高まり、このたびついに代表作3本が初の日本公開決定。

ニナ・メンケス Nina Menkes

「わたしにとって、映画は魔術。観客とわたし自身双方の知覚を再編成し、意識を拡げて世界と触れ合う創造的な方法」

1963年(55年、65年の説もある)、ナチスの迫害から逃れたユダヤ人の両親の元、ミシガン州アナーバーで生まれる。カリフォルニア州バークレーで育ち、UCLA在学中の1981年に初の短編“A Soft Warrior”を手掛ける。主演は妹のティンカ・メンケスで、以降も多くの作品で協働する。83年にイスラエルと北アフリカで撮影した中編“The Great Sadness of Zohara”を発表、アリソン・アンダース監督から「この10年でベストの作品のひとつ」と評される。91年の初長編作『マグダレーナ・ヴィラガ』はサンダンス映画祭に出品、ロサンゼルス映画批評家協会賞で最優秀インディペンデント/実験映画賞を獲得するなど高い評価を得た。その後もLAを拠点に、ユダヤ系としてのアイデンティティを色濃く反映させながら、女性たちが対峙する内面世界や孤独、暴力、セックスといったテーマを見事に昇華させ、寡作ながら商業主義とは一線を画した妥協のない映画作りを続けている。

入場料 当日一般1,800円/会員¥1,500/大専・シニア1,200円/高校生以下800円

作品紹介

ある娼婦が生きる世界と内面を描いた初長編

マグダレーナ・ヴィラガ2Kレストア版 

Magdalena Viraga

©1986 Nina Menkes ©2024 Arbelos

1986年/カラー/90分
監督・製作・脚本・撮影:ニナ・メンケス/編集:ティンカ・メンケス、ニナ・メンケス
出演:ティンカ・メンケス、クレア・アギラール

殺人の容疑で、ひとりの娼婦が捕まった。彼女の名前はアイダ、そしてこうも呼ばれる──マグダレーナ・ヴィラガ。刑務所を、ネオンがきらめくダンスホールを、プールサイドを、彼女が長い時を過ごす寝室(ブドワール)を横断し、時系列を曖昧にしながら、映画は女の肉体的、精神的な細部をとらえ、孤独な<囚われの女>アイダが生きる血濡れた世界と、内なる心の世界を描き出してゆく。静かに沈んだブルーの映像のなか、いくつかの言葉は何度も祈りのように繰り返され──私はここにいる、私はここにいない、私を絶対に縛らないで──突き刺すような美しさとなって燃え上がる。主演は、メンケスの5本の映画に出演した最大の協力者にして実の妹、ティンカ・メンケス。

※アルべロス・フィルムとアカデミー・フィルム・アーカイヴによるレストア版。
共同提供:EOS ワールド・ファンド

ラスベガスのディーラーの日常を追った代表作

クイーン・オブ・ダイヤモンド※4Kレストア版 

Queen of Diamonds

©1991 Nina Menkes ©2024 Arbelos

1991年/カラー/75分
監督・製作・脚本・撮影:ニナ・メンケス/編集:ティンカ・メンケス、ニナ・メンケス
出演:ティンカ・メンケス、エメルダ・ビーチ

ラスベガスで生きる女性ディーラー、フィルダウス(インドネシア語で“楽園”の意)の倦怠に満ちた日常を描いた傑作。昼間は瀕死の老人を介護し、夜はカジノでカードを配る。時には砂漠に浮かぶ湖に友人と出かけたり、恋人に手を上げる隣人に悪態をついたり、行方不明になった夫の消息を探ろうと施設に足を運ぶものの、放たれる言葉や歌声は誰にも届かず、何も変容しないまま一日が過ぎる。眩暈がするほど煌びやかなネオン、無機質なアパートメント、純白のシーツやウェディングドレス、業火に焼き尽くされる大木。大胆な構図でとらえたショットがことごとく美しく圧倒的で、永遠に続くかのような反復とそこかしこに横たわる暴力に感覚が麻痺していく。

※アカデミー・フィルム・アーカイヴと映画財団によるレストア版。
資金提供:ホブソン/ルーカス・ファミリー・ファウンデーション/共同提供:EOSワールド・ファンド

「男性のまなざし」を解き明かすドキュメンタリー

ブレインウォッシュ セックス-カメラ-パワー

BRAINWASHED: Sex-Camera-Power

© BRAINWASHEDMOVIE LLC

2022年/カラー/107分
製作・監督:ニナ・メンケス/撮影:シェイナ・ヘイガン/作曲:シャロン・ファーバー
出演:リアノン・アーロンズ、ロザンナ・アークエット、キャサリン・ハードウィック

映画というメディアがいかに「Male Gaze=男性のまなざし」に満ち、当然のこととして受け止められてきたか、そして、その表現がいかに我々の実生活に影響を及ぼしているか。この事実と問題点を、ラング、ヒッチコック、スコセッシ、タランティーノといった有名監督の名作から2020年代の最新作まで大量の映画のクリップを用いて、メンケス自ら解き明かしていく傑作ドキュメンタリー。フェミニスト映画理論のパイオニア、ローラ・マルヴィをはじめ業界で活躍する女性陣も次々とインタビューに登場、彼女たちの真摯な闘いの言葉が力強く響きわたる。本作を見終わったあとは、あなたの映画へのまなざしも永遠に変わるかもしれない。

6/1(土)~

リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング

リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング

© 2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserved

2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP
原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズほか
字幕:堀上香/字幕監修:ピーター・バラカン 提供・配給:キングレコード/宣伝:ポイント・セット

公式ホームページ

ディランもビートルズもストーンズも!ボウイもフレディもプリンスも!
JBもジミヘンも!そしてプレスリーまでもが彼に憧れ、敬愛し、真似た!!

リトル・リチャード。1950年代半ばに彗星のごとく音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えたレジェンド級黒人アーティスト。ミック・ジャガーは「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」と語り、エルヴィス・プレスリーは「彼こそロックンロールの真のキングだ」と称賛。ビートルズのデビュー前から親交があったジョン・レノンは「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と言い、ポール・マッカートニーは「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」と語る。彼はいったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか?豊富なアーカイヴ映像、本人およびその親族や関係者、識者に加え、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、デイヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンによる証言映像とともに明らかにする感動ヒューマンドキュメンタリー!

現代ロックの誕生を導き、あらゆる困難と闘った偉人、その知られざる史実と素顔とは?

1955年、デビュー・シングル「トゥッティ・フルッティ」の大ヒットで世に出ると、ヒット曲を連発して反権力志向の若者の心をつかみ、まさにイナズマのような活躍をみせるも突如引退を宣言。そこから5年の「教会への回帰」を経て、復帰後はイギリス・ツアーを通じて無名時代のビートルズやローリング・ストーンズに決定的な刺激と影響を与えていく。立ったままピアノを弾き、左手でブギウギを、右手では打楽器的打鍵を披露。激しいリズムを背景に、叫ぶように歌ったかと思えば、ピアノの上に立ち、衣服を脱ぎ捨てステージを縦横無尽に駆けめぐる。今ではすっかり当たり前になっているパフォーマンスの数々が約70年前にひとりの黒人シンガー・ソングライター/ミュージシャンによって創造された事実を再確認する興奮と感動は大きく、アーカイヴ映像に残されたリチャードの演奏は今見ても全く色あせていない。さらに近年ではLGBTQ+(クイア)の先駆者としても再評価されている。

迷い、苦しみながらも前へ進み、最後に報われた人生。これは不屈で繊細な彼の魂の軌跡

当時のアメリカでは南部を中心に人種差別がまだまだ激しかった。音楽活動における”認められたい“という欲求も長い間満たされずにいた。また、ゲイを公言する性的マイノリティーであった彼は、陽気な言動とは裏腹に、あまりに壊れやすい繊細な心を持った人物だった。これはドキュメンタリーの形を借りて描かれた、ひとりのミュージシャンの「魂の軌跡」。差別や偏見、時代や権力、そして信仰と音楽。様々な岐路で迷い、苦しみながらも、最後にはあらゆる壁を壊し、自分自身を解放した初期ロックの雄のための鎮魂歌にして讃歌。すべては彼から始まった!彼がいなければ、現代に繋がる扉は開かれなかったのだ!!


リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング リトル・リチャード アイ・アム・エヴリシング

6/1(土)~

りりィ 私は泣いています

りりィ 私は泣いています

2023年/日本/108分/配給:渋谷プロダクション
監督・撮影:髙間賢治
出演:りりィ、齊藤洋士、高橋和也、根岸季衣、山崎ハコ、JUON、寺本幸司、研ナオコ、深沢剛、谷口幸生、豊川悦司、岩井俊二

公式ホームページ

りりィとはなんだったのか
彼女を失った者たちの想いを紡ぐドキュメンタリー

2016年に64歳でこの世を去るまで、シンガーソングライターとして、また女優として活動し続けたりりィ。映画撮影監督の髙間賢治はその「りりィ+洋士」のライブを見て感動、10年撮り続けようとライブ公演を独力で記録。しかし、りりィの体調悪化により2015年に中断を余儀なくされる。映像は数年間放置されたが、熊谷達文の編集により《りりィに会いたい》というDVDに結実し、ユニバーサルミュージックから発売された。本作は今なお輝きを放つ歌声のライブ映像に加え、生前りりィと交流のあった研ナオコ、豊川悦司、岩井俊二ら関係者、りりィを発掘した音楽プロデューサー寺本幸司の証言映像を交えて、在りし日のりりィの音楽性・人物像とその魅力を浮き彫りにする。
またこの作品は、愛するパートナーを失い、絶望、挫折、果てしない喪失感を乗り越えようと苦闘する一人の男(齊藤洋士)の物語ともなった。

りりィ(1952年2月17日〜 2016年11月11日)
16~17歳から新宿を中心に路上ライブを重ね、1972年20歳でアルバム「たまねぎ」でメジャーデビュー。シングル「私は泣いています」が87万枚を越える大ヒットを記録。資生堂春のキャンペーンに採用された「オレンジ村から春へ」や「残そう」「心が痛い」など多くのヒット曲がある。また女優としては『夏の妹』(72/大島渚監督)や『処刑遊戯』(79/村川透監督)などに出演するが80年代半ばよりしばしば活動休止。1997年のドラマ『青い鳥』をきっかけに数々の映画、ドラマに出演。『パークアンドラブホテル』(07/熊坂出監督)では主演を果たし、岩井俊二監督作品『リップヴァンウィンクルの花嫁』(16)では高崎映画祭助演女優賞を受賞した。『なぞの転校生』『半沢直樹』などのドラマも記憶に新しい。1999年からは齊藤洋士とユニットを組み「りりィ+洋士」としてライブ活動を続け、『火火』(高橋伴明監督)の主題歌を提供するなど活動を広げていた。


りりィ 私は泣いています りりィ 私は泣いています りりィ 私は泣いています

6/8(土)~

革命する大地

革命する大地

©2019 Autocinema

2019年/ペルー/111分/配給:ブエナワイカ/宣伝:スリーピン
原題:LA REVOLUCIÓN Y LA TIERRA
日本語字幕:比嘉世津子
監督:ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
脚本:グレシア・バルビエリ、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
撮影:エラルド・ロブレス
編集:チノ・ピント、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
後援:在日ペルー大使館、日本ペルー協会

公式ホームページ

社会の変遷を記憶し、抗う映像たちが問い直すものとはーー 革命が取り戻す私たちの誇り

2019年にペルー本国で公開され、9万人以上を動員し、ドキュメンタリー史上最大のヒット作となった本作は、2021年の総選挙前にテレビ放映も予定されていた。しかし、この映画が大衆に及ぼす影響を恐れた保守派が放送の延期を求めたとも言われている。 1969年にベラスコ大統領率いるいわゆる軍部革命政権によって公布された農地改革法は、それまでのペルーの土地と市民権をめぐる闘争に大きな変革をもたらした。ベラスコ大統領は先住民を半奴隷状態から解放した英雄と見る人と、彼が解体した地主寡頭制に不満を持ち独裁者と見る人とで、ペルー国内を二分する存在である。

アーカイブ映像、インタビュー、映画・・・ 数々の映像から紐解く革命の歴史

ペルー革命前夜として、スペインからの独立を宣言してもなお続くスペイン植民地時代からの半封建主義的なペルーの社会構造が、アーカイブ映像と多数のインタビューや引用作品によって丁寧に語られていく。ペルーの国民的作家あるマリア・ホセ・アルゲダスや農民リーダーらが当時を振り返り告白する。 そして舞台は徐々に運命の1968年へと加速する。ペルー革命からベラスコ政権の瓦解まで、社会の変化を映画は鮮明に映し取った。この変化は、日本で初めて公開されたペルー映画の『みどりの壁』や『革命児トゥパク・アマル』、『豚と天国』など数々のペルー映画に反映され封じ込められた。それは、当時の映画をはじめとするペルーの文化形成における形式的・美的変化を浮き彫りにするアンソロジーとしても見て取れる。

現代へ脈々と受け継がれる、革命の記憶

知識人たちは「農地改革は全員が市民になれる手段だった」と証言する一方で、農地改革後にペルーを待っていたのは暴力の時代だったのも確かだ。そして、「民主的であるなら多様性への寛容さが必要だ」と警鐘をならす。現代ペルーの知識人や政治家、文化人へのインタビューによって“ペルー革命”が再構築されていく。ペルー革命から約50年、今も政治的混迷が続くペルー。この先、ペルーはどこへ向かうのか? 暴力や銃以上に記憶された映像や物語が私たちの味方であることを問い直す。本作は革命によって社会に、民衆に何をもたらすのかを突き付けるドキュメンタリーなのだ。


革命する大地 革命する大地 革命する大地

6/15(土)~

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.12 『人生劇場』『愛の一家』

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.12
『人生劇場』[無声版] 『愛の一家』[無声版]

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏

2024.6.15[土]& 6.16[日] 各日13:50

映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

1936年/日本/49分[24fps]予定/35mm/モノクロ/サイレント/日活多摩川
監督:内田吐夢/原作:尾崎士郎/フィルム提供:国立映画アーカイブ
出演:小杉勇、山本礼三郎、吉田一子、古谷久雄、村田宏寿、村田知栄子

尾崎士郎の「人生劇場 青春篇」を映画化した文芸映画。1932年に日活を脱退した内田吐夢の復社第1作で、初のトーキー作品ともなった(現存するのは無声短縮版)。多摩川撮影所は、震災後京都で活動していた現代劇部の新たな拠点として1934年に設置され、とりわけ根岸寛一所長と牧野満男企画部長時代の重厚なドラマで一時代を画すこととなったが、本作もその代表作の一つ。(国立映画アーカイブ 日活映画の100年より転載)

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

(1941年/日本/61分[24fps]予定/35mm/モノクロ/サイレント/日活多摩川)
監督:春原政久/原作:アグネス・サッペル/フィルム提供:国立映画アーカイブ
出演:小杉勇、村田知栄子、大泉滉、豊田耕兒、北龍二、竹久夢子

東北の小都市にある音楽教師一家の暮らしを朗らかなユーモアで描いた家庭喜劇。監督の春原政久は本作を含め25作の監督歴を持つ中堅ながら、山中貞雄の没後、新人推奨のために制定された「山中賞」の第1回の受賞者となった。サクラグラフの16mmプリントから復元された無声短縮版。(国立映画アーカイブ 日活映画の100年より転載)

アフタートークイベント

6.15[土]山口博哉さん(映画史家)
6.16[日]椎名早苗さん(小杉勇さんの孫) 山口博哉さん(映画史家)


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

チケット購入情報

6.12[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。詳細は劇場Webサイトにてご確認ください。

次回予告
2024.11.16[土]、17[日]にvol.13を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご覧ください。

6/15(土)~

暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE

暮らしの思想

佐藤真 RETROSPECTIVE

6/15(土)-6/28(金)

暮らしの思想

佐藤真 RETROSPECTIVE

6/15(土)-6/28(金)

17年前、49歳で突然この世を去った稀代のドキュメンタリー作家、佐藤真。
映画史に燦然と輝く傑作の数々が今蘇る。

暮らしの中にある もうひとつの世界の入り口 言葉にからめとられる前の 世界の感触
90年代~00年代にかけて数々の傑作を生み出したドキュメンタリー映画作家、佐藤真。彼は社会運動と映画を=(イコール)にしてきた日本ドキュメンタリーの系譜とは異なる独自のスタイルを探求した。ありきたりの「日常」を撮り、その中に潜むもうひとつの世界への入り口を探し、言葉にからめとられる前の世界の感触を伝えた。2007年に突然この世を去ったが、その革新的な手法と映画哲学は高く評価されており現代映画作家を始め多くの人たちに今なお影響を与え続けている。

佐藤 真
1957年青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大学在学中より水俣病被害者の支援活動に関わる。1981年『無辜なる海』(香取直孝監督)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家に住み込みながら撮影を始め、1992年『阿賀に生きる』を完成。ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞など、国内外で高い評価を受ける。以降『まひるのほし』(98)、『SELF AND OTHERS』(00)、『花子』(01)、『阿賀の記憶』(04)『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(05)など映画監督として数々の作品を発表しながらテレビ作品の編集・構成の他、映画論の執筆など多方面に活躍。主な著書に『日常という名の鏡 ドキュメンタリー映画の界隈』『ドキュメンタリー映画の地平 世界を批判的に受けとめるために』『映画のはじまるところ』『まどろみのロンドン 映画作家の妄想スケッチ』(以上凱風社)『ドキュメンタリー映画の修辞学』(みすず書房)。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任教師として後進の指導にも尽力した。2007年9月4日逝去。享年49歳。

前売券 全国共通特別鑑賞券1,300円(税込)
    【1枚ご購入特典】ポストカード【3枚ご購入特典】トートバッグ+ポストカード(数量限定)

入場料 一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円

作品紹介

まひるのほし 4K

©1998「まひるのほし」製作委員会

1998年/93分/カラー/スタンダード/DCP(4Kレストア)
監督:佐藤真|製作:山上徹二郎、庄幸司郎|撮影:大津幸四郎|撮影監督:田島征三|録音:久保田幸雄

知的障害者と呼ばれる7人のアーティストの世界を旅しながら、人と映画はゆっくりと自由になっていく。

表現の快楽、芸術表現の根底に迫る傑作。
登場するのは7人のアーティストたち。彼らは、知的障害者と呼ばれる人たちでもある。『まひるのほし』は神戸・武庫川すずかけ作業所、平塚・工房絵、信楽・信楽青年寮で、創作に取り組む彼らの活動を半年以上追い続け、アートと人の間を旅したドキュメンタリー映画である。無我夢中でパステルを画布に走らせるシュウちゃん、「ナサケナイ」とつぶやきながら陶器を作り続ける伊藤さん。そして一人の女性にあてて、あるメッセージを1 年間、書き続けたシゲちゃん。撮影したフィルムは40時間にも及んだ。そこには言葉にできない思いが⿁気迫るメッセージとなって溢れてくる。タイトルの『まひるのほし』には“真昼には見えなくてもそこに燦然と輝いている星がある”という思いがこめられている。

エドワード・サイード OUT OF PLACE 4K

©2005 シグロ

2005年/137分/カラー/スタンダード/DCP(4Kレストア)
監督:佐藤真|撮影:大津幸四郎、栗原朗、佐藤真|企画・製作:山上徹二郎|協力プロデューサー:ジャン・ユンカーマン整音:弦巻裕|編集:秦岳志

私の人生を表現するなら、出発と帰還の連続です。出発は常に不安で、帰りはいつも不確かなのです。——エドワード・サイード

パレスチナの窮状を、真実を、和解と共生の地平を、探る。
2003年9月、パレスチナ出身の世界的知識人であるエドワード・サイードが亡くなった。後半生を過ごしたニューヨークでもなく、生誕の地であるエルサレムでもないレバノンのブルンマーナに、2004 年春、サイードの墓はつくられた。
彼の複雑な背景を物語るその墓所のエピソードから、映画は始まる。
荒れ狂う濁流のような歴史の中を流されるパレスチナの土地と人々の暮らし。周辺のアラブの国々で難民として暮らすパレスチナの人々。他方、ディアスポラとして⾧年迫害の歴史を生きてきたユダヤ人達。世界中からイスラエルに帰還してきたそのユダヤ人達が抱える、被害と加害の混在する深い矛盾。世界の核心に迫ろうとしていたサイードの精神の在り処を求めて始まった映画の旅は、イスラエル・アラブ双方の知識人たちの証言を道標に、サイードが求め続けた和解と共生の地平を探る。サイードの遺志と記憶を辿る渾身のロードムービー。

花子 4K

©2001 シグロ

2001年/60分/カラー/スタンダード/DCP(4Kレストア)
監督:佐藤真|製作:山上徹二郎|撮影:大津幸四郎|音楽:忌野清志郎、ラフィータフィー|録音:弦巻裕|編集:秦岳志

花子と母のアートする毎日 アーティスト今村花子と、彼女を取り巻く家族の物語。

アートを入り口にしたこの映画の出口には家族の日常が広がっていた。
今村花子は家族4人で京都に暮らしている。知的障害者のためのデイセンターに通う毎日を送る一方、週末には油絵描きに熱中し、夕食後には畳をキャンバスにたべものを絵の具のように並べるという日課を欠かさない。 花子に寄り添うのは母、知左。花子の「たべものアート」を6年前から毎日写真に撮り始め、その数は2000枚を超えた。そんな母娘の傍らで、定年退職後の父は芝居に三味線にと忙しい。姉の桃子は微妙な距離を保ちながらそんな3人を見守っている。時には花子に手を焼きつつも、日々くり返される今村家の日常。その中で、花子はひとり毎日変わることなく「たべものアート」を作り続ける。 一人のアーティスト今村花子と家族が緩やかにつながって暮らす姿が、ときにユーモアをにじませながら淡々と描かれる。

〈特別上映作品〉
阿賀に生きる

©1992 阿賀に生きる製作委員会

1992年/115分/カラー/スタンダード/DCP
監督:佐藤真|製作:阿賀に生きる製作委員会|撮影:小林 茂|音楽:経麻朗|録音:鈴木彰二

知的障害者と呼ばれる7人のアーティストの世界を旅しながら、人と映画はゆっくりと自由になっていく。

人間の命の讃歌をまるごとフィルムに焼き付けたドキュメンタリー映画の金字塔。
新潟県を流れる阿賀野川。新潟水俣病の舞台ともなった川。川筋に住む人びとは愛情を込めて「阿賀」と呼ぶ。七人のスタッフがその川筋に住み込み、そこに住む人びとを三年間にわたって撮影した。 阿賀に暮らす人と風土をまるごとフィルムに収めた⾧編デビュー作。

阿賀の記憶 2K

©2004 カサマフィルム

2004年/55分/カラー/スタンダード/DCP
監督:佐藤真|撮影:小林 茂|録音:菊池信之| 音楽:経麻朗|編集:秦岳志|プロデューサー:矢田部吉彦|製作:カサマフィルム

不在と人と風景。過去と現在を結びつける映画の不思議さ。

『阿賀に生きる』から10年。映画に登場した愛すべき人びとの多くはこの世を去ってしまった。今は荒れ果ててしまった田んぼや、主を失った囲炉裏などにキャメラを向け、人々が残した痕跡に記憶を重ねていく。過去と現在を繊細かつ大胆に見つめた詩的ドキュメンタリー。

SELF AND OTHERS 2K

©牛腸茂雄

2000年/53分/カラー/スタンダード/DCP
監督:佐藤真|撮影:田村正毅|録音:菊池信之|音楽:経麻朗|声:西島秀俊|製作:堀越謙三|製作協力:映画美学校|製作:ユーロスペース

36歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。遺された草稿や手紙と写真そして肉声。

「もしもし、きこえますか。もしもし、きこえますか……」写真家の評伝でもない作家論でもない、ドキュメンタリー映画の新たなイメージを提示する衝撃の映画。孤独な命が全世界へ向けて声を発しているような生々しさ が胸を打つ。

6/15(土)~

コザママ♪歌って!コザのママさん‼︎

コザママ

© 2023年 SOUTHEND PICTURES © コザ十字路通り会

2023年/日本/116分/配給:ミカタ・エンタテインメント
原案・監督・脚本:中川 陽介
脚本:山田 優樹
音楽:沢田 穣治
撮影・編集:砂川 幸太
録音:横澤 匡弘
ゼネラルプロデューサー:森 寛和
プロデューサー:上里 忠司
音楽プロデューサー:森脇 将太
出演:新垣美竹、畠山尚子、上門みき、jimama、芳野友美、田島龍、ジョーイ大鵞、ナオキ屋、ゆっきー(キャン×キャン)、謝花 喜司(さんさんず)、石川 賢(さんさんず)、喜瀬 剛(さんさんず)、K ジャージ、仲座健太、山内千草、玉城満、ジョニー宜野湾

公式ホームページ

今こそ青春と人生を取り戻せ!

ベトナム戦争時、コザ照屋地区には黒人が集い、ソウルやR&Bを聴かせる店が数多く存在した。その空気の中で育った少女たちは本格R&Bバンド「銀天ガールズ」を結成。そして「銀天ママサンズ」として復活した!作中では、ポップでキュートな沢田穣治のオリジナルR&Bが炸裂する!

音楽と街と家族の物語、これは、あなたの物語。
魂揺さぶるミュージックエンターテインメント誕生

かつて一世を風靡したJK バンド「銀天ガールズ」。時は過ぎ、それぞれが家庭を持つ中で、街起こしイベントで再結成することに。だが、そこには大きなハードルが待っていた!
厳しい現実の中で、夢を追い明るく逞しく生きる女性たちと、それを支える家族と仲間たちの物語。笑いと涙の中で沖縄の現実を逞しく生きる女性たちの生き様を描く。美しいメロディーとノスタルジックな沖縄の風景が織りなす、極上のうちなーエンターテイメント映画がここに誕生!
これは、夢を追う全ての女性たちの物語だ。監督・脚本は、これまで数々の沖縄映画を手がけ、ベルリン映画祭などで活躍してきた名匠・中川陽介、音楽は、アニメ『ARIA』などを手がける盟友・沢田穣治が担当。


コザママ コザママ コザママ

6/22(土)~

青春

青春

2023年/フランス=ルクセンブルク=オランダ/215分/配給:ムヴィオラ
監督:ワン・ビン
撮影:前田佳孝、シャン・シャオホイ、ソン・ヤン、リウ・シェンホイ、ディン・ビーハン、ワン・ビン
編集:ドミニク・オーヴレイ、シュー・ビンユエン、リヨ・ゴン
字幕:磯尚太郎

公式ホームページ

これは、アクション映画で、恋愛映画で、経済の映画で、そして何より青春映画
ワン・ビンの視線が一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる

上海を中心に大河・長江の下流一帯に広がる、長江デルタ地域。ここだけで日本のGDPをはるかに上回る大経済地域だ。しかし、映画が描くのは、長江デルタの大企業でも大工場でもない。織里という町の小さな衣料品工場で働く10代後半から20代の若い世代の労働と日常だ。世界は彼らに注目しない。しかし、そこには驚くほどにみずみずしい青春がある。

猛烈なスピードでミシンをかける姿はアクション映画で、振り付けられたダンスのよう。恋愛をめぐる駆け引きはボーイ・ミーツ・ガール。あちこちで起こる言い争いは、暴力への沸点をはらむ。5元をめぐる経営者とのささやかな攻防。彼らがここで生きていることを徹底的に肯定し、それぞれの人物を注意深く見つめ、共感を寄せること。ワン・ビンの視線は、やがて中国という巨大な国に生きる一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる。様々な題材に取り組んできたワン・ビンが、初めて若者にフォーカスした必見のドキュメンタリー体験。

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥2000 ¥1500 ¥1000
会員 ¥1500 ¥1500 ¥1000

『青春』公開記念

ワン・ビン傑作選

WANG BING

6/22(土)-7/12(金)

『青春』公開記念

ワン・ビン傑作選

WANG BING

6/22(土)-7/12(金)

被写体の行動を左右しない距離。じっと注意深く見つめる視線。
不可視の人びとに共感を寄せながら、歴史として記録するキャメラの奇跡を、その代表作でたどる。

トークイベント

6/30(日)14:00『青春』上映後、18:30『鳳鳴 中国の記憶』上映前
土屋昌明さん(専修大学教授/中国文学・思想史/編著「ドキュメンタリー作家 王兵 現代中国の叛史」)

入場料

『鳳鳴』『収容病棟』『苦い銭』
一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円
『鉄西区』『死霊魂』
特別興行3,600円均一/会員のみ3,000円 

上映スケジュール

6/22(土) 6/23(日) 6/24(月) 6/25(火) 6/26(水) 6/27(木) 6/28(金)
青春12:20-16:00
青春
青春12:20-16:00
青春
青春12:20-16:00
青春
青春12:20-16:00
青春
青春12:20-16:00
青春
青春12:20-16:00
青春
青春12:20-16:00
青春

予定表 横にスクロールできます

6/29(土) 6/30(日) 7/1(月) 7/2(火) 7/3(水) 7/4(木) 7/5(金)
死霊魂13:50ー22:50
死霊魂
途中2回休憩あり
青春14:00-17:40
青春
14:00回上映後トーク
青春14:00-17:40
青春
青春14:00-17:40
青春
青春14:00-17:40
青春
青春14:00-17:40
青春
青春14:00-17:40
青春
鳳鳴 中国の記憶18:30-21:40
鳳鳴 中国の記憶
収容病棟18:00-22:05
収容病棟
苦い銭18:00-20:50
苦い銭
鳳鳴 中国の記憶18:00-21:10
鳳鳴 中国の記憶
収容病棟18:00-22:05
収容病棟
苦い銭18:00-20:50
苦い銭

予定表 横にスクロールできます

7/6(土) 7/7(日) 7/8(月) 7/9(火) 7/10(水) 7/11(木) 7/12(金)
鉄西区13:10ー22:50
鉄西区
途中2回休憩あり
苦い銭15:00-17:50
苦い銭
鳳鳴 中国の記憶15:00-18:10
鳳鳴 中国の記憶
収容病棟15:00-19:00
収容病棟
苦い銭15:00-17:50
苦い銭
鳳鳴 中国の記憶15:00-18:10
鳳鳴 中国の記憶
収容病棟15:00-19:00
収容病棟
青春18:20-22:00
青春
青春18:20-22:00
青春
青春19:10-22:50
青春
青春18:20-22:00
青春
青春18:20-22:00
青春
青春19:10-22:50
青春

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

鉄西区

[1999-2003年|第一部工場4時間+第二部街2時間55分+第三部鉄路2時間10分=上映時間9時間5分(途中2回の休憩あり)]

廃れゆく工場地域・鉄西区を記録し、ワン・ビンの名前を世界に轟かせた伝説的作品。

山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞受賞

鳳鳴 中国の記憶

[2007年|上映時間3時間3分]

反右派闘争で夫を亡くした女性・鳳鳴が詳細な記憶でキャメラに語り続ける現代中国史。

山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞受賞

収容病棟

[2013年|上映時間3時間57分]

雲南省の精神病院を記録。キャメラは異常/正常の境を消し、患者たちの愛と孤独が画面を満たす。

ナント三大陸映画祭銀の気球賞受賞

苦い銭

[2016年|上映時間2時間43分]

『青春』から生まれたスピンオフ。1元の金に一喜一憂する出稼ぎ労働者たちの記録

ドキュメンタリーなのにベネチア国際映画祭脚本賞受賞

死霊魂

[2018年|上映時間8時間28分(途中2回の休憩あり)]

反右派闘争を記録し続けるワン・ビン版『ショア』と言うべき集大成

山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞&観客賞受賞


6/29(土)~

ありふれた教室

ありふれた教室

©ifProductions_JudithKaufmann

2022年/ドイツ/99分/配給:アルバトロス・フィルム
原題:Das Lehrerzimmer
英題:The Teachers’ Lounge
日本語字幕:吉川美奈子
提供:キングレコード、ニューセレクト
監督・脚本:イルケル・チャタク
出演:レオニー・ベネシュ、レオナルト・シュテットニッシュ、エーファ・レーバウ、ミヒャエル・クラマー、ラファエル・シュタホヴィアク

公式ホームページ

現代社会の縮図<学校>に潜む“光”と“闇”――。
これは、不寛容な世界で生きる<わたしたち>の物語

第73回ベルリン国際映画祭で上映されW受賞を果たしたのを皮切りに、ドイツ映画賞主要5部門受賞、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネートなど、世界の映画祭を席巻。教育現場のリアルな現実に根ざし、世界中の学校やあらゆるコミュニティーでいつ暴発しても不思議ではない“今そこにある脅威”を見事にあぶり出す。現代社会の縮図というべき“学校”を舞台に描く、極限のサスペンス・スリラーが誕生した。

新任教師の前に立ちはだかる学校の歪んだ教育システム
彼女の行き着く先にあるものとは―

仕事熱心で正義感の強い若手教師のカーラは、新たに赴任した中学校で1年生のクラスを受け持ち、同僚や生徒の信頼を獲得しつつあった。そんなある日、校内で相次ぐ盗難事件の犯人として教え子が疑われる。校長らの強引な調査に反発したカーラは、独自の犯人捜しを開始。するとカーラが職員室に仕掛けた隠し撮りの動画には、ある人物が盗みを働く瞬間が記録されていた。やがて盗難事件をめぐるカーラや学校側の対応は噂となって広まり、保護者の猛烈な批判、生徒の反乱、同僚教師との対立を招いてしまう。カーラは、後戻りできない孤立無援の窮地に陥っていくのだった……。
観る者の[倫理観]が試される破格の映画体験-驚愕のラスト、あなたは何を見出すのか―?

*第73回ベルリン国際映画祭2冠
*本年度米アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート
*2023ベルリン国際映画祭(パノラマ部門)  2冠(C.I.C.A.E. Award、Label Europa Cinemas)
*2023ドイツ映画賞 主要5部門受賞(作品賞・主演女優賞・監督賞・脚本賞・編集賞)


ありふれた教室 ありふれた教室 ありふれた教室

6/29(土)~

#つぶやき市長と議会のオキテ

つぶやき市長と議会のオキテメイン写真

© 広島ホームテレビ

2024年/日本/106分/配給:きろくびと
監督:岡森 吉宏
プロデューサー:⽴川 直樹
編集:⽥中 実⽣
音楽:前⽥ 陽⼀(BRIO)
製作:広島ホームテレビ

公式ホームページ

“つぶやき”が巻き起こした騒動――
新市長の政治改革は、議会や市民、そして未来へつながるのか?

広島県北部に位置する人口26,000人余りの安芸高田(あきたかた)市。過疎・高齢化が進む小さな地方都市で、2019年参議院議員選挙の際の河井克行・案里夫妻による大規模買収事件で、現金を受け取った当時の市長と市議3人が辞職した。2020年8月に急きょ実施された市長選で、市民が選んだのは、政治経験ゼロ、元銀行員の37歳・石丸伸二だった。石丸市長は、「政治の見える化」を掲げ、ツイッター(現X)での情報発信を積極的に行い、市民からの期待も高まるが、最初の議会から紛糾する。効率的で持続可能な市政を目指し、非合理的と判断した事業の中止や新しい政策を次々と打ち出す新市長と、従来の手順を重んじる議員たちとの溝が深まるなか、石丸市長のある投稿をきっかけに、議会は思わぬ方向へ展開していく――。

ネットをざわつかせ900万回以上再生された番組の劇場版

地元ローカル局・広島ホームテレビが石丸市長当選から数百時間にわたって安芸高田市政に密着取材を行い、2021年11月にテレビ朝日系列の「テレメンタリー」で30分番組を放送。番組は好評を博し、翌年の春に50分版を放送すると、その後アーカイブ配信が900万回以上の再生回数を記録した。
「是々非々で」といいながら、どうして市長と議会に軋轢が生まれたのか。なぜ“広島県安芸高田市議会の騒動”が、ここまで全国的な注目を集めたのか。 満を持しての劇場版となる本作は、TV放送では入らなかった市民の動きや、その後の取材を大幅に加え再構成した。いち地方議会の問題から見えてくる、この国のいたるところにはびこる”オキテ”とは?
*是々非々…「良いことは良い」「悪いことは悪い」と言って公平な立場で物事を判断すること


#つぶやき市長と議会のオキテ つぶやき市長と議会のオキテ #つぶやき市長と議会のオキテ

7/6(土)~

ドクちゃん -フジとサクラにつなぐ愛-

ドクちゃん

©2024 Kingyo Films Pte. Ltd.

2024年/日本/73分/配給:ギグリーボックス
監督・編集:川畑耕平
撮影:池田俊己
音楽:原摩利彦
プロデューサー:リントン貴絵ルース、吉岡フローレス亜衣子
後援:ベトナム社会主義共和国外務省プレスセンター、ホーチミン日本商工会議所
出演:グエン・ドク、グエン・トゥエン、グエン・フーシー(フジ)、グエン・アンダオ(サクラ)

公式ホームページ

本作はUDCast対応作品となっております

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!

“ベトちゃんドクちゃん”前代未聞の分離手術から35年…
ドクちゃんの半生と家族の絆を捉えたドキュメンタリー

現在のドクさんは夫として、父として、今年2月25日で43歳を迎え、結婚18年目を迎える妻のトゥエンさんと、双子の子供であるフジくんとサクラさん、そして闘病中の義母を自宅介護しつつ、自身も入退院を繰り返しながら一家の唯一の稼ぎ手として暮らしています。
日本とベトナムの「友好の絆」を象徴するドクさんの軌跡を辿り、現在を刻み未来の命の輝きを共に見つめるこの映画は、日越外交関係樹立50周年記念事業として認定されています。

僕の人生には2つの大きなチャレンジがあります。
1つは『生きること』。
2つ目は『生き続けること』。

43年前、結合双生児として生まれた僕と兄ベトは、7歳の時にベトナムや日本のたくさんの人々の支援のもと分離手術を受けました。この映画で少しでも恩返しができればと思い、全てを見せる覚悟をしました。僕のありのままの姿から、家族の大切さ、命の尊さを感じ、皆さんが人生を前向きに生きる原動力となること、そしてこの映画が“記憶”となり未来へ繋がることを願っています。僕自身の使命として、この映画が世界を平和へ導くきっかけとなりますように。

グエン・ドク
1981年に結合双生児として生誕。88年、ホーチミン市内の病院で分離手術に成功。兄ベトさんは手術前に患った脳症で、寝たきりの状態が続き2007年天国へ。ドクさんは高等職業学校で学び、現在は病院事務、非営利団体“DUC NIHON”代表として活躍中。


ドクちゃん ドクちゃん ドクちゃん

7/13(土)~

男女残酷物語/サソリ決戦

男女残酷物語/サソリ決戦

©1969 – Cemo Film (Italia) – Surf Film All Rights Reserved –

1969年/イタリア映画/ビスタ/90分/提供:キングレコード/配給:アンプラグド
原題:Femina Ridens|英題:The Laughing Woman / The Frightened Woman
監督・脚本:ピエロ・スキヴァザッパ
製作:ジュゼッペ・ザッカリエーロ
撮影:サンテ・アキーリ
美術:フランチェスコ・クッピーニ
衣装:エンリコ・サバティーニ
編集:カルロ・リアリイ
音楽:ステルヴィオ・チプリアーニ
出演:フィリップ・ルロワ、ダグマー・ラッサンダー、ロレンツァ・グェッリエリ、バロ・ソレリ、マリア・クマニ・クアジモド、ミレッラ・パンフィーリ

公式ホームページ

イタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラーが本邦初上陸!
終わりなき男女の戦いを描いた途方もない傑作が、いま、目の前に姿をあらわした!

これまで一切日本に紹介された形跡のない、1969年のイタリア製ウルトラ・ポップ・アヴァンギャルド・セックス・スリラー『FeminaRidens』(原題)が、邦題『男女残酷物語/サソリ決戦』として、日本劇場初公開。
本作は、終わりなき男女の対決を描き、『華麗なる殺人』(65)、『バーバレラ』(67)、『女性上位時代』(68)といった時代を象徴する作品に匹敵する内容ながらも50年以上もの間埋もれ、海外でようやく近年その存在と価値を発見された作品だ。日本ではほとんど誰にも知られることなく、知られていないが故に誰にも待たれることもなく、存在自体が確認されていなかった。この上映で初めて、我々はこの傑作を発見することとなる。
主演は『黄金の七人』(65)、『女性上位時代』、『愛の嵐』(73)の名優フィリップ・ルロワと、マリオ・バーヴァやルチオ・フルチ作品にも出演したドイツの女優ダグマー・ラッサンダー。音楽は『ベニスの愛』(70)『夜行性情欲魔』(71)『血みどろの入江』(71)等を手掛けるイタリア映画音楽の巨匠ステルヴィオ・チプリアーニ。エンニオ・モリコーネの影響も垣間見える極上のラウンジ・ミュージックをベースにポップ、サイケデリック、ジャズを縦横無尽に駆け巡るチプリアーニの美しいメロディは映画を飛び越えて独立した存在感を発揮、本作の「メアリーのテーマ」は世界的な人気を誇る。また、美術面では射撃絵画や女性性を強調する巨大像<ナナ>で知られるフランスの芸術家ニキ・ド・サンファルが1966年にストックホルム近代美術館で展示した巨大娼婦像≪ホン≫のレプリカが使われ作品に忘れ得ぬ印象を刻むほか、記号の繰り返しによる空間構成で平面を造形するイタリアの抽象画家ジュゼッペ・カポグロッシ作品へのオマージュが劇中に施されている。

STORY

精巧な拷問技術の達人という裏の顔を持つ慈善財団大幹部セイヤーは、ジャーナリストのメアリーを拉致監禁、ハイテク装備満載の秘密のアジトで、想像を絶する肉体的、精神的凌辱の限りを尽くす。だが、言葉にできない恥辱を受けても微笑むメアリーはセイヤーの想像を遥かに超えていた。弱音を吐き始めるセイヤー。いま、洗練と野蛮が表裏一体の、性の対決がはじまる。


男女残酷物語/サソリ決戦 男女残酷物語/サソリ決戦 男女残酷物語/サソリ決戦

8/17(土)~

アイアム・ア・コメディアン

アイアム・ア・コメディアン

© 2022 DOCUMENTARY JAPAN INC.

2022年/日本・韓国/108 分/配給:SPACE SHOWER FILMS
監督:日向史有
撮影:金沢裕司
編集:斉藤淳
プロデューサー:石川朋子、植山英美、秦岳志、ゲーリー・ビョンソク・カム
製作:株式会社ドキュメンタリージャパン
出演:村本大輔(ウーマンラッシュアワー)、中川パラダイス (ウーマンラッシュアワー)他

公式ホームページ

嫌われ芸人、炎上芸人……
政治的な発言をきっかけにネットで炎上し、ついにはテレビから消えた
お笑いコンビ“ウーマンラッシュアワー”村本大輔。

テレビに居場所を失った村本大輔は劇場、ライブに活路を見出し、自分の笑い《スタンダップコメディ》を追求する。本場アメリカへの武者修行、韓国での出会い、パンデミックの苦悩、知られざる家族との関係。世間から忘れ去られた芸人の真実に『東京クルド』の新鋭ドキュメンタリスト日向史有が迫った3年間の記録。

世間は彼の事を、嫌われ芸人、炎上芸人と揶揄する。彼のことが大嫌いなアンチ村本も多数存在する。テレビで政治的なネタを繰り返したことで、テレビ局が使いにくいから干されたのだと言うと、いや単に面白くないからでしょ、と返される。 本当にそうだろうか?彼が独演会を開催するとLINE CUBE SHIBUYA(旧渋谷公会堂)が札止めとなる。そう言えば最近テレビで見ないな…。本当にそこにメディアの忖度は働いていなかったのだろうか。
しかし、もはやそんな事はどうでも良いようだ。テレビに居場所を失った彼は日本ではなく世界に目を向けたのだ。世界は広い。そう言うと今度は、日本で通用しなかったから逃げたんでしょ?とまたもや返されるかもしれない。アンチの皆さん、それももうどうでも良いのです。間違いないことは村本が世界に出てお笑いを追求している。自身がメディアとなって日本ではタブーとされていることを表現するためにもがいている。
そしてもう一つ間違いないことは、彼は日本のテレビから、消えた=言葉を消された。この国ではミュージシャンやタレントが政治的な発言をするとメディアから消えることがある。 お茶の間に問題提起の声は届かなくなる。
彼を毛嫌いしている皆さん、是非スタンダップして、この映画で彼のコメディ=言葉に触れてみませんか。


アイアム・ア・コメディアン アイアム・ア・コメディアン アイアム・ア・コメディアン

近日上映

イーちゃんの白い杖 特別編

イーちゃんの白い杖

©テレビ静岡

2023年/日本/108分/配給:浜松市民映画館シネマイーラ/配給協力:コピアポア・フィルム
監督:橋本真理子
撮影:杉本真弓
編集:大澤裕也
音楽:川口カズヒロ(DATSUN320)
語り:春風亭昇太
プロデューサー:日比野雅彦・永井学
制作:テレビ静岡

公式ホームページ

「命は、ひとつ」そう教えてくれたのは、重い障がいをもつ弟でした。
家族、友だち、恋人……すべての出会いが、イーちゃんを強くする。

静岡県に暮らす、生まれつき目が見えないイーちゃん(小長谷唯織)と、重い障がいをもつ2歳下の弟・息吹。遡ること25年前、盲学校に通うイーちゃんは次第に「どうして自分だけ違うのか」と疑問を抱き始める。たくさんの友だちと離れ離れになり、いじめを経験し、大好きなピアノに触れても晴れない心……。自殺という二文字が頭をよぎったとき、隣には病と向き合い前進し続ける弟がいた。次々にやってくる挫折や苦難、数えきれないほど立ちはだかる壁をひとつずつ乗り越えた先に、幸せはやってくる。

2018年に静岡3映画館で公開後、翌年には東京でも公開され観客を感動の渦に包み込んだ『イーちゃんの白い杖』。新たな映像も追加された『特別編』は2024年1月から2月にかけフジテレビ系列28局で放送されるやいなや、「涙が止まらない」「勇気をもらえた」「感銘を受けた」と絶賛の声が続々と上がった。2023年日本民間放送連盟賞 テレビ・グランプリを受賞した心震わすTVドキュメンタリーがいま、スクリーンで上映される。


イーちゃんの白い杖 イーちゃんの白い杖 イーちゃんの白い杖

近日上映

アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家

アンゼルム

© 2023, Road Movies, All rights reserved.

2023年/ドイツ/93分/配給:アンプラグド
原題:Anselm
監督:ヴィム・ヴェンダース
エグゼクティブプロデューサー:ジェレミー・トーマス
撮影:フランツ・ルスティグ
出演:アンゼルム・キーファー、ダニエル・キーファー、アントン・ヴェンダース

公式ホームページ

ナチス、戦争、神話をテーマに創作活動を続ける戦後ドイツ最大の芸術家、アンゼルム・キーファーのすべてをヴェンダース監督が描く

戦後ドイツを代表する芸術家であり、ドイツの暗黒の歴史を主題とした作品群で知られるアンゼルム・キーファーの生涯と、その現在を追ったドキュメンタリー。監督は、『PERFECT DAYS』(23)で第76回カンヌ国際映画祭 主演俳優賞(役所広司)を受賞し、第96回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされたことも記憶に新しい、ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダース。

アンゼルム・キーファーは、ナチスや戦争、神話などのテーマを、絵画、彫刻、建築など多彩な表現で壮大な世界を創造する、戦後ドイツを代表する芸術家。1991年、高松宮殿下記念世界文化賞・絵画部門を受賞。ヴェンダース監督と同じ、1945年生まれであり、初期の作品の中には、戦後ナチスの暗い歴史に目を背けようとする世論に反し、ナチス式の敬礼を揶揄する作品を作るなど“タブー”に挑戦する作家として美術界の反発を生みながらも注目を浴びる存在となった。1992年からは、フランスに拠点を移し、わらや生地を用いて、歴史、哲学、詩、聖書の世界を創作している。彼の作品に一貫しているのは戦後ドイツ、そして死に向き合ってきたことであり、“傷ついたもの”への鎮魂を捧げ続けている。

キャストには、アンゼルム・キーファー本人の他、自身の青年期を息子のダニエル・キーファーが演じ、幼少期をヴェンダース監督の孫甥、アントン・ヴェンダースが務めている。本作は『PERFECT DAYS』が出品された第76回カンヌ国際映画祭で、ヴィム・ヴェンダース監督作品として2作同時にプレミア上映された。


アンゼルム

公開日未定

クローズ・アップ

© 1990 Farabi Cinema

1990年/イラン/98分/配給:ノーム、東風
原題:CLOSE-UP
監督・脚本・編集:アッバス・キアロスタミ
撮影:アリ=レザ・ザリンダスト
出演:ホセイン・サブジアン、ハッサン・ファラーズマンド、アボルファズル・アーハンハー、メフルダード・アーハンハー、モフセン・マフマルバフ

公式ホームページ

J・L・ゴダールに、「映画はグリフィスに始まりキアロスタミで終わる」と言わしめたアッバス・キアロスタミ監督、魔法的大傑作!

『友だちのうちはどこ?』やカンヌでパルムドールを受賞した『桜桃の味』などで知られる巨匠アッバス・キアロスタミ。その美しく独創的なフィルモグラフィにおいてもひときわ異彩を放ち、いまなお数多くのシネアストを魔法のように魅了し続けている本作『クローズ・アップ』。 ある男が映画監督のモフセン・マフマルバフになりすまし、裕福な一家を騙したという詐欺事件を知ったキアロスタミ監督は、すぐに裁判所を訪れ、その公判の模様をカメラに収めることに成功する。さらに、事件に至る過程を当事者たち自身に演じさせて再現することで、事の次第を明らかにしていく。ドキュメンタリーと再現、虚構と現実を精巧に織り上げていった果てに、ついに映画は詐欺容疑で逮捕された青年の心の奥に秘められた真実を探り当てる。めくるめくサスペンスと不意打ちをくらわされたような衝撃的な感動。時代を超えても色褪せない稀代の大傑作が、HDリマスター版でスクリーンに甦る!

嘘からはじまる、本当のはなし

バスで隣に座った婦人から声をかけられた映画青年サブジアン。持っていた映画の本について尋ねられ、思わず自分は本の著者である映画監督のモフセン・マフマルバフだと名乗ってしまう。すんなりとその嘘を信じた婦人は、家族全員が映画好きだと言って彼を家へ招き入れる。嘘に嘘を重ね、一家を架空の映画製作に巻き込んだサブジアンは、ついには詐欺罪で逮捕されてしまう。そして迎えた判決の時、サブジアンが明かす真実とは…。


クローズ・アップ クローズ・アップ クローズ・アップ
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