近日上映作品

8/6(金)~8日間限定上映

ひろしま-1945年8月6日、原爆雲の下の真実-

ひろしま

©奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト]

1953年/日本/104分/35ミリ→DCP/モノクロ/提供:独立プロ名画保存会/配給:奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト]
監督:関川秀雄
製作:菊池武雄、伊藤武郎
撮影:中尾駿一郎、浦島進
音楽:伊福部昭
編集:河野秋和
出演:岡田英次、月丘夢路、加藤嘉、山田五十鈴

イベント情報
初日8/6(金)14:30回上映後と、二日目8/7(土)12:45回上映後、小林開さん(配給:奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト])の舞台挨拶がございます。

<月丘夢路生誕100年記念上映> 奇跡への情熱[核廃絶プロジェクト] 長きを経て、多くの方々の想いを込めて、幻の映画が、奇跡のリマスター

1945年8月6日午前8時15分、みち子の姉・町子は警報が解除され疎開作業の最中に、米原先生を始めクラスの女生徒達と一緒に被爆した。みち子は爆風で吹き飛ばされ、弟の明男も黒焦げになった。遠藤幸男の父・秀雄は、妻・よし子が梁の下敷きで焼死ぬのをどうすることも出来なかった。陸軍病院に収容された負傷者は、手の施しようもなく、狂人は続出し、死体は黒山のごとく転がり、さながら生き地獄だった。しかし軍部は、ひたすら聖戦完遂を煽るのだった。
自らも広島で被爆した教育学者・長田新が編集した「原爆の子~広島の少年少女のうったえ」を日教組が映画化、広島市民ら約8万8千人が出演し、原爆が投下された直後の惨状を再現した。

*1955年ベルリン国際映画祭 長編映画賞 受賞


ひろしま ひろしま

8/7(土)~1週間限定上映

メイキング・オブ・モータウン

メイキング・オブ・モータウン

©2019 Motown Film Limited. All Rights Reserved

2019年/アメリカ、イギリス/112分/配給:ショウゲート
原題:Hitsville: The Making of Motown
監督:ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー
出演:ベリー・ゴーディ、スモーキー・ロビンソン
字幕翻訳:石田泰子
監修:林剛

公式ホームページ

ビートルズとローリング・ストーンズが憧れた音楽レーベル“モータウン”
創立60周年記念ドキュメンタリー映画
創設者ベリー・ゴーディが初めて明かす”伝説を生むノウハウ”

ビートルズやローリング・ストーンズもその影響の大きさを公言する、日本を含む世界の音楽に影響を与え続けているモータウン。愛称はヒッツヴィルUSA。
創設者ベリー・ゴーディは、米ミシガン州デトロイトの西グランド通り2648番地にある一軒家を拠点に、若者に向けたポップな音楽を発信し、アメリカン・ドリームを実現させた。上昇志向が強く大金を掴むことを夢見ていた彼は、新聞販売員を経てジャズのレコード店を経営し、実業家としての一歩を踏み出す。ジャッキー・ウィルソンの曲を作って音楽業界に参入。1959年、家族から借りた800ドルを資金にタムラ・レーベルをスタートさせ、モータウンの歴史は幕を開けた。
黄金期を彩ったのは、ミラクルズ、テンプテーションズ、ダイアナ・ロス&スプリームス、フォー・トップス、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ジャクソン5、マーサ&ザ・ヴァンデラスといったスターたち。ダンスやエチケットも含め徹底した管理体制を敷き、全米No.1ヒットを連発していく様は、かつてゴーディが働いていた自動車工場の組み立てラインをヒントにしていた。特にクオリティ・コントロールと呼ばれた品質管理会議は、ソングライターやプロデューサーたちの競争心を煽り、ブランドに磨きをかけていく。
一方で苦難にも直面した。人種差別や暴動、作家の離脱。それでも、人種や性別に分け隔てのない社風同様、モータウンの音楽には分断した社会をひとつにする力があった。やがて反戦などの社会的メッセージを含んだ革新的な楽曲も登場。時代を作った数々の伝説の楽曲によって、軌跡を辿っていく。
本作は、創設者ベリー・ゴーディが初めて自身への密着を許可したドキュメンタリー映画にして、モータウンが映画ビジネスに参入すべくLAに本社を移すまでの歴史や名曲誕生秘話を、親友であり戦友のスモーキー・ロビンソンと旧交を温めながら説き明かしていく。関係者やスティーヴィー・ワンダー等の所属アーティストの回想や証言も交えた貴重なエピソードと映像の数々。これはベリー・ゴーディが語る創業一代記であり、20世紀に最も影響力を持った独立レーベルの正史である。また、ベリー・ゴーディは昨年89歳で引退することも発表し、本作がモータウン在職中に密着した最初で最期の作品となっている。


メイキング・オブ・モータウン メイキング・オブ・モータウン メイキング・オブ・モータウン

8/7(土)~

土手と夫婦と幽霊

土手と夫婦と幽霊

© 2021 zampanotheater

2018年/日本/モノクロ/16・9/ステレオ/59分/DCP/配給宣伝:アルミード
監督・脚本・撮影・録音・編集:渡邉高章
原作:日下部征雄「土手と夫婦と幽霊」
主題歌:中嶋定治『菫』
音楽:押谷沙樹
製作:ザンパノシアター
出演:星能豊、カイマミ、佐藤勇真、小林美萌、由利尚子、舟見和利、狗丸トモヒロ、中嶋定治、松井美帆、渡邉帆貴

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,500円(税込)を当館受付にて発売中!

イベント情報
【舞台挨拶】決定!連日16:50回上映後
◉8/7(土) ゲスト:渡邉高章監督、星能豊さん、カイマミさん
◉8/8(日) ゲスト:渡邉高章監督、星能豊さん
◉8/9(月) ゲスト:渡邉高章監督、星能豊さん
◉8/10(火) ゲスト:渡邉高章監督、星能豊さん、カイマミさん
◉8/11(水) ゲスト:渡邉高章監督、星能豊さん

世界に見つかった――

『土手と夫婦と幽霊』ーとある小説家が執筆した同名小説の映画化である。いや、ここにあるのは、彷徨う男の日常のモノローグか、それとも、どこかにいる一組の夫婦の再生の物語か。鍵盤のメロディに導かれるように、モノクロームの世界で男と女は再会する。
監督は、毎年国内映画祭で受賞作品を撮り続ける渡邉高章。主演は、インディーズ映画に愛されてきた星能豊とカイマミ。そして、これまでも渡邉作品において重要な役割を果たしてきた舟見和利、小林美萌、狗丸トモヒロ、佐藤勇真、由利尚子、そして、松井美帆が脇を固める。音楽は、映像や舞台のみならず「ドラゴンボール改」などTVアニメにも楽曲提供をしている音楽家の押谷沙樹。
第10回日本芸術センター主催映像グランプリでグランプリ受賞、「湖畔の映画祭2019」で主演俳優賞(星能豊)を受賞。その後、海外映画祭を巡業、アメリカ、ロシア、イギリス、ルーマニア、フィリピン等で上映され、受賞を重ねている。

この世界にはルールがあった。

小説家の私(星能豊)は、葬式の帰りに「高橋」(佐藤勇真)に誘われて、土手沿いに住む「女」(カイマミ)の元に行く。「私」は目覚めると、帰る場所もわからず、「女」の家に居座ることになる。思い出せない記憶、不味い食事、ぬるい風呂ー輝きを失ったこの世界にはルールがあった。


土手と夫婦と幽霊 土手と夫婦と幽霊 土手と夫婦と幽霊

8/14(土)~1週間限定

東京裁判 4Kデジタルリマスター版

東京裁判

©講談社2018

1983/日本/モノクロ/277分/DCP/配給:太秦
監督:小林正樹
原案:稲垣俊
脚本:小林正樹、小笠原清
音楽:武満徹
ナレーター:佐藤慶

※当館の上映は2K版となります

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券2,000円を当館受付にて発売中!特典:ポストカード

有隣堂伊勢佐木店全国共通特別鑑賞券

イベント情報
8/14(土)12:15回上映後、小笠原清さん(監督補・脚本)の舞台挨拶がございます!

戦後76年、最後の劇場公開
敗戦の混乱、それに匹敵する未曾有のコロナ危機に直面した2021年。
時を超えて問いかけてくる…
君たちは、なぜに繰り返す。歴史から何を学んだのかと。

1945年日本はポツダム宣言を受諾し、8月15日に全面降伏の旨を国民に伝えた。戦後の日本を統治する連合軍最高司令官マッカーサー元帥は、戦争犯罪人の処罰を早急に実施するよう望み、1946年1月22日に極東国際軍事裁判所条例を発布。俗にいう“東京裁判”である。
満州事変に始まり、日中戦争の本格化や太平洋戦争に及ぶ17年8カ月の間、日本を支配した指導者の中から、太平洋戦争開戦時の首相・東條英機ら28名が被告に指定された。一方、国の内外から問われ、重要な争点となった天皇の戦争責任については、世界が東西陣営に分かれつつあるなか米国政府の強い意志により回避の方向へと導かれていく。
同年5月3日より東京裁判は開廷。まずは「平和に対する罪」など55項目に及ぶ罪状が読み挙げられるが、被告は全員無罪を主張した。検察側は日本軍の非道の数々を告発。弁護側は「戦争は国家の行為であり、個人責任は問えない」と異議申し立てするが、「個人を罰しなければ、国際犯罪を実効的に阻止できない」と、裁判所はこれを却下した。1948年11月12日、残る25名のうち東條ら7名が絞首刑、他18名は終身刑もしくは有期刑の宣告が下された。

巨匠、小林正樹が遺したかった戦後日本への重い問いかけ

アメリカ国防総省が撮影していた50万フィートに及ぶ膨大な裁判記録のフィルムをもとに、『壁あつき部屋』(56)や『人間の條件』シリーズ(59~61)などで戦争の非を訴えた、反骨の巨匠・小林正樹監督が5年の歳月をかけて編集、制作した。客観的視点と多角的分析を施しながら「時代の証言者」としての“映画”を完成させたのである。83年に公開され、単に裁判の記録といった域を越え、日本の軍国主義の歩みと激動の世界情勢を照らし合わせながら、戦後38年当時の日本人に人類がもたらす最大の愚行「戦争」の本質を巧みに訴え得た本作は、第35回ベルリン映画祭国際批評家賞をはじめ国の内外で絶賛された。

初公開から36年、故小林正樹監督に代わり、脚本・監督補の小笠原清とエグゼクティブプロデューサー杉山捷三の全面協力のもとで完成した4Kフィルムスキャン&2K修復デジタルリマスター版。音響もブラッシュアップされ、特に昭和天皇の玉音放送のシーンでは詔書全文の完全字幕化も実現。鮮明な画像と音響がもたらすリアルな臨場感とともに蘇った本作は、再び「戦争と平和」なる言葉の重みとともに、昭和から平成そして令和へと時代が移り変わっても戦争がもたらした負の遺産を改めて観る者に知らしめていく。


東京裁判 東京裁判 東京裁判

8/14(土)~

生きろ 島田叡-戦中最後の沖縄県知事

生きろ 島田叡

© 2021 映画『生きろ 島田叡』製作委員会

2021年/日本/118分/配給:アーク・フィルムズ
監督:佐古忠彦
プロデューサー:藤井和史、刀根鉄太
撮影:福田安美
音声:町田英史
編集:後藤亮太
主題歌:『生きろ』小椋佳(ユニバーサルミュージック)
語り:山根基世、津嘉山正種、佐々木蔵之介 

公式ホームページ

イベント情報
8/15(日)17:35回上映後、佐古忠彦監督の舞台挨拶がございます!

玉砕こそ美徳、という考えに抗い、
一人でも多くの命を救おうと力を尽くした官吏の記録

アジア太平洋戦争末期。すでに日本軍の敗色濃厚だった1945年1月31日、一人の男が沖縄の地を踏んだ。戦中最後の沖縄県知事・島田叡(しまだ・あきら)である。前年の10月10日、米軍による大空襲によって那覇は壊滅的な打撃を受け、行政は麻痺状態に陥っていた。そんな中、内務省は新たな沖縄県知事として大阪府の内政部長、島田叡に白羽の矢を立てた。辞令を受けた島田は、家族を大阪に残し、ひとり那覇の飛行場に降り立ったのである。
知事就任と同時に、島田は大規模な疎開促進、食料不足解消のため自ら台湾に飛び、大量のコメを確保するなど、さまざまな施策を断行。米軍が沖縄本島に上陸した後は、壕(自然洞窟)を移動しながら行政を続けた。だが、戦況の悪化に伴い、大勢の県民が戦闘に巻き込まれ、日々命を落としていく。また、島田自身も理不尽極まりない軍部からの要求と、行政官としての住民第一主義という信念の板挟みになって苦渋の選択を迫られる―。
戦時下の教育により、捕虜になるよりも自決や玉砕こそが美徳とされた時代、島田はしかしそれに反し、周りの人々に何としても「生きろ」と言い続けていた。その考え方はどのように育まれてきたのか?

島田叡(しまだ・あきら)
沖縄戦の渦中にいた、知られざる男の姿が今、明かされる

沖縄戦を生き延びた住民、軍や県の関係者、その遺族らへの取材を通じ、これまで多くを語られることのなかった島田叡という人物の生涯と、語り継ぐべき沖縄戦の全貌に迫ったこの長編ドキュメンタリーは、『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』2部作で沖縄戦後史に切り込んだ佐古忠彦監督が、牛島満・第32軍司令官から島田にあてた手紙など、新たに発掘された資料も交え、沖縄の知られざる戦中史に迫った野心作だ。
語りは、山根基世、津嘉山正種、そして佐々木蔵之介が島田叡の語りを担当。小椋佳の主題歌『生きろ』はオリジナルで作られ、自身のラストアルバム「もういいかい」にも収められている。
権力者への忖度(そんたく)、資料の改竄(かいざん)や隠蔽(いんぺい)が常態化し、政治不信が蔓延する21世紀・令和の時代に生きる私たち日本人の眼に、後に「官僚の鑑」(かがみ)、「本当に民主的な人」と讃えられた島田叡という人物の生き方はどのように映るだろうか。


生きろ 島田叡 生きろ 島田叡 生きろ 島田叡

8/14(土)~

なんのちゃんの第二次世界大戦

なんのちゃんの第二次世界大戦

©なんのちゃんフィルム

2020年/日本/112分/配給:なんのちゃんフィルム
脚本・監督:河合健
撮影:向山英司
助監督:塩﨑竜朗
音楽:今村左悶
出演:吹越満、大方斐紗子、北香那、西めぐみ、西山真来、髙橋睦子、藤森三千雄、きみふい、細川佳央、河合透真

公式ホームページ

【前売券】特別ご鑑賞券1,300円(税込)を当館受付にて発売中!

有隣堂伊勢佐木店全国共通特別鑑賞券

イベント情報
初日8/14(土)10:00回上映後、西山真来さん(出演者)、河合健監督の舞台挨拶がございます。
8/15(日)10:00上映後、井上淳一さん(脚本家・映画監督)、蔦井孝洋さん(カメラマン)、河合健監督のトークイベントがございます!

平和記念館設立を目指す市長と反発する戦犯遺族の攻防劇が始まる!
現代人と太平洋戦争との距離感に触れる新感覚の映画体験

平成最後の年。外来種である亀の大量繁殖問題に悩まされている架空の街、関谷市。そんな関谷市の市長、清水昭雄は太平洋戦争の平和記念館設立を目指していた。そこに一通の怪文書が届く。
『平和記念館設立を中止せよ。私は清水正一を許さない』
送りつけてきたのは、街で石材店を営む BC 級戦犯遺族の南野和子。そこから始まる、市長 VS 南野家の攻防劇。思想とは無縁の長女・えり子、国際ボランティア活動を行う孫の紗江。もう一人の孫で石材店を共に営む光。そして、紗江の娘の幼子マリ。思想もバラバラの南野家がそれぞれの思惑で昭雄にぶつかっていく。被害者と加害者の境を見失い、物語は奇想天外なラストへと駆け抜けていく―

吹越満ら実力派が集結!
オール淡路島ロケ、オーディションで選ばれた新人・西めぐみが注目の怪演ぶり!

本作品は、太平洋戦争の平和記念館を設立させることで、ある人物の過去を改竄しようとする市長と、それに反対する戦犯遺族の物語。登場人物が、バラバラの思惑で対立し錯綜していく様は、フィクションでありながらも現代社会“そのもの”をあぶり出す。平成生まれの監督が描く、現代と戦争の不透明な距離感を表現した他にはない作品が誕生した。
主人公の市長を演じるのは、数々の作品に出演している名バイプレーヤー・吹越満。記念館設立に反対する一家には、大方斐紗子、北香那、西山真来が出演。また現地オーディションで選ばれた西めぐみが新人ながら怪演。オール淡路島ロケを慣行し、キャストの8割は現地住人が演じた。監督は新鋭・河合健監督。


なんのちゃんの第二次世界大戦 なんのちゃんの第二次世界大戦 なんのちゃんの第二次世界大戦

8/21(土)~

華のスミカ

華のスミカ

©2020 記録映画「華僑」製作委員会

2020年/日本/98 分
監督・企画 : 林 隆太
プロデューサー・撮影・編集 : 直井 佑樹

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,400円(税込)を当館受付にて発売中!

中国と台湾『二つの中国』でゆれた横浜中華街

横浜中華街には日本で最大規模の中国人コミュニティーがある。その歴史は約160年前にまで遡り、彼らは団結することで中華街を発展させ、日本社会で独自の地位を築いた。しかし、その道のりは平坦なものではなかった。1952年、横浜中華学校で毛沢東を支持する教育が行われているとして、教師が学校から追放されるという事件が起きた。この「学校事件」の結果、横浜中華街は大陸系と台湾系に学校と華僑総会が分裂。長きに渡り対立が続いた。日中台の政治に翻弄されてきた華僑の苦難と葛藤の歴史。そして、共生の時代を歩む現在。映画は横浜中華街の観光地ではない知られざる一面を映していく。

日本人だと思っていた父は、紅衛兵だった
中国語を話せない華僑四世がルーツをめぐる物語

華僑四世の監督・林隆太 (37) は、十五才の時に父・学文が中国人だと初めて知った。しかし、中国嫌いだった隆太は、家族の中の「中国」を避けるように生きてきた。それから十年以上経ったある日、一枚の写真と出会う。「台湾解放」というスローガンを声にし、横浜中華街を練り歩く紅衛兵の写真。 そこには、若かりし日の学文の姿があった。日本人として育った隆太は、なぜ同じ日本で暮らす中国人同士で対立するのか理解できなかった。「台湾は中国の一部。毛沢東は親父のようなもん」と言う学文。中国籍のまま晩年を迎え、認知症になった祖母・愛玉。ずっと避けて来た家族の過去 に触れたことをきっかけに、隆太は家族が過ごした横浜中華街と向き合う決心をする。中国・華僑のことを何も知らない華僑四世の監督は、家族や父の友人・知人に出会いながら、 時代に翻弄された華僑の人生と複雑な想いに気づいていく。


華のスミカ 華のスミカ 華のスミカ

8/21(土)~

食の安全を守る人々

食の安全を守る人々

©心土不二

2021年/日本/103分/配給:きろくびと
監督・撮影・編集:原村政樹
プロデューサー:山田正彦
語り:杉本彩
音楽:鈴木光男
企画・制作:一般社団法人 心土不二

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,200円(税込)を当館受付にて発売中!

有隣堂伊勢佐木店全国共通特別鑑賞券

トークイベント情報
8/21(土)10:00回上映後、山田正彦プロデューサー、8/29(日)12:55回上映後、原村政樹監督の舞台挨拶がございます!

アグリビジネスは日本に幸せをもたらすのか-
それとも日本は世界の潮流に逆行しているのか?
日本で、海外で農と食の持続可能な未来図を描く人たち

種子法廃止、種苗法の改定、ラウンドアップ規制緩和、そして表記無しのゲノム編集食品流通への動きと、TPP に端を発する急速なグローバル化により日本の農と食にこれまで以上の危機が押し寄せている。しかし、マスコミはこの現状を正面から報道することはほとんどなく、日本に暮らすわたしたちの危機感は薄いのが現状である。
この趨勢が続けば多国籍アグリビジネスによる支配の強まり、食料自給率の低下や命・健康に影響を与えることが懸念される中、弁護士で元農林水産大臣の山田正彦が、長年、農業をテーマに制作を続けている原村政樹監督との二人三脚で撮影を進め、日本国内だけでなく、アメリカでのモンサント裁判の原告や、子どものために国や企業と闘う女性、韓国の小学校で普及するオーガニック給食の現状など幅広く取材。果たして日本の食の幸せな未来図はどこに・・・。

日本映画復興奨励賞受賞、キネマ旬報文化映画第 7 位の『タネは誰のもの』の元となった、クラウドファンディングでも話題を呼んだドキュメンタリー!

2020 年第 94 回キネマ旬報文化映画ベスト・テン第 7 位に選出され、同年の第 38 回日本映画復興奨励賞を受賞した『タネは誰のもの』のベースとなり、クラウドファンディングでも 1600 人以上から支援が集まり話題を呼んだ本作。山田正彦プロデューサーと原村政樹監督のタッグに加えて女優で作家、ダンサーの杉本彩がナレーションを担当。前作と本作を通して、農と食のあるべき姿が見えてくる


食の安全を守る人々 食の安全を守る人々 食の安全を守る人々

8/21(土)~

ココ・シャネル 時代と闘った女

ココ・シャネル

© Slow Production-ARTE France

2019年/フランス/55分/配給:オンリー・ハーツ
原題:Les Guerres de Coco Chanel
監督・脚本:ジャン・ロリターノ
出演:ココ・シャネル、フランソワーズ・サガン他
  ナレーション:ランベール・ウィルソン
字幕:松岡葉子
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,000円(税込)を当館受付にて発売中!
特典:オリジナルポストカードをプレゼント!

有隣堂伊勢佐木店全国共通特別鑑賞券

没後50年、そしてNo.5誕生100年記念公開ドキュメンタリー
その死に至るまで、自由で自立した女性を先導し鼓舞し続けた世紀の女ココ・シャネル
21世紀をも照射する、その大いなる光、そして影・・・

2021年はココ・シャネル没後50年、そして世界で最も売れた香水「No.5」誕生100年にあたる。まさに世紀を生き抜いた最強ブランドCHANEL。
第一次世界大戦後、「皆殺しの天使」と称されるほど19世紀的な価値観を葬り去り女性を因習から解放して、女性として史上初の世界的実業家となったシャネル。
ピカソ、ストラヴィンスキー、ディアギレフ、コクトーなどの芸術家、チャーチルやウィンザー公などの政治家や王侯貴族との交流、めくるめく幾多の恋を通じて得たインスピレーションと人脈を駆使し、第二次世界大戦前すでに一大モード帝国を築き上げた。
ところが、ナチスドイツによるパリの占領が解けた1944年、彼女は突如としてパリを脱出しスイスへ向かう。以後、齢70歳にして劇的な復活を遂げる1957年まで、10年あまりもの長きにわたり沈黙する。なぜ?
シャネル自身により、また評伝や映画などで虚実ないまぜのさまざまな物語が語られてきたが、それらのほとんどは、沈黙の謎が確証を持って暴かれた2011年以前のものだ。本作は、実証を踏まえた上で、毀誉褒貶の激しい多面的で孤独な、しかしなんとも魅力的でスケールの大きいシャネルの生涯と実像に迫った最新ドキュメンタリー。

目くるめく時代の肖像たち

ココ・シャネル本人、ジャン・コクトーやフランソワーズ・サガン、シャネルの評伝を書いたエドモンド・シャルル=ルー、ポール・モラン、マルセル・へードリッヒ、そしてシャネルの下で働いた職人などの証言、若いころのシャネルを知る女優ガブリエル・ドルヴァ、シャネルスーツ姿のロミー・シュナイダーやジャクリーン・ケネディ、そしてサルバドール・ダリ、アラン・ドロン、ウィンザー公や晩年親しくしたダンサーのジャック・シャゾ…多数の関係者とともに19世紀末から2度の大戦をはさんで1970年に至る、パリやリゾート地の風俗やニュース映像も駆使。ナレーションはランベール・ウィルソン。


ココ・シャネル ココ・シャネル ココ・シャネル

8/28(土)~

脳天パラダイス

脳天パラダイス

©2020 Continental Circus Pictures

2020年/日本/95分/R15+/配給:C・C・P
監督 : 山本政志
脚本:金子鈴幸、山本政志
出演:南果歩、いとうせいこう、田本清嵐、小川未祐、玄理、村上淳、古田新太、柄本明

公式ホームページ

それは、ささいなツイートから始まった
あらゆる厄(わざわい)吹き飛ばす、脳天直下の楽園(パラダイス)!

東京郊外、高台にある一軒の大豪邸。あとは引越し業者のトラックに荷物を積み込むだけとなった部屋を、やさぐれた表情で見わたす笹谷修次。家長でありながら、この家を手放す原因を作った張本人である。引きこもり気味の息子・ゆうたは淡々と現実を受け止めている。一方、生意気盛りの娘・あかねは不甲斐ない父親にイラつきながら、ヤケクソ気分でTwitterに「今日、パーティをしましょう。誰でも来てください。」と地図付きツイートをし、そのままフテ寝してしまう。投稿がリツイートされまくり、瞬く間に拡散している状況を示す通知が鳴り響いていることも知らずに……。
やってきたのは、数年前、恋人を作って家を出たはずの自由奔放な元妻・昭子。借金まみれになり、一家離散目前の笹谷家に、ツイッターを見て、次々にパーティ客がやってくる。インド人のゲイカップル、やる気のない運送業者、手癖の悪いあかねの友人、台湾から来た観光客の親子、酔っ払いのOL、恋人を探しているイラン人、謎のホームレス老人……。そんな中、来客を頑なに追い返そうと一人奮闘する修次だったが、珍客はどんどん増え続ける。しだいに豪邸は、ドンチャン騒ぎを超えた、狂喜乱舞の縁日の境内状態になっていく。笹谷一家の引越しは!? いやいや、もうそれどころじゃない!客たちによって一家の運命はめくるめく奇々怪々と狂喜乱舞へと導かれていく……!
これは現実か、それとも幻覚か、果たして彼らの行く末は!? もう誰も逃げられない。『脳天パラダイス』への扉が今、開いてしまったのだ!

「観たら、キマる」。この鮮烈なキャッチフレーズとともに、コロナ禍吹き荒れる大厄年に放たれる『脳天パラダイス』。
『ロビンソンの庭』(87)、『JUNK FOOD/ジャンク フード』(97)、『リムジンドライブ』(00)、『水の声を聞く』(14)など独創的な作品で常に時代を先行してきた山本政志監督の最新長編映画。これまで5作品が選出されたベルリン映画祭を始め、カンヌ映画祭、ロカルノ映画祭など、国際的評価も高い山本監督にとっては5年ぶり待望のメガホンとなった。本作も、今年のローザンヌ映画祭(スイス)のオープニング上映作品に決定!併せて、同映画祭では山本監督の特集上映が行われるなど、注目が集まっている。
とにかく、理屈抜きにブッ飛んだ映画を撮ろう――。そんな執念のもと、村岡伸一郎プロデューサーとの二人三脚で、想いを作品に昇華させた天才・山本監督。脚本は、現実と虚構を縦横無尽に渡り歩く斬新な舞台で演劇界の注目を集める金子鈴幸(劇団「コンプソンズ」主宰)とともに書き上げた。

穏やかな家族ドラマかと思う間も無く、矢継ぎ早に観客の脳天をブッ飛ばす物語が襲いかかってくる!コメディー、SFX、ミュージカル、動物、ワイアーアクション・・・あらゆる映画要素が目まぐるしく投入され、しだいに、頭の中はパラダイス化され、多幸感に包まれてくる。そして、劇場を出て帰路につくアナタは、なにかと息苦しい〝今〟から解き放たれたような爽快感、今までと何かが違う自分に気づくことになる。

豪華キャストが、どういうつもりか緊急集結!!

そんな前代未聞の映画は、キャスティングも空前絶後の豪華さ。主人公の昭子役に南果歩、昭子の元夫・修次役にいとうせいこうのほか、謎のホームレス役に柄本明、さらに玄理、村上淳、古田新太らが脇を固める。小川未祐、田本清嵐ほか、オーディションや選考ワークショップを経て抜擢された期待の新星たちのタダ者ではない演技も見ものだ。新旧入り乱れた役者たちの共演も本作の大きな魅力となっている。
映画の枠組みを完全超越し、超絶体験の連発!あらゆるわざわいを吹き飛ばす「脳天パラダイス」へ、ようこそ!!


脳天パラダイス 脳天パラダイス 脳天パラダイス

8/28(土)~

山本政志脳天映画祭

なぜ、監督山本政志は日本映画界の“突然変異”なのか!
イキ過ぎた全作品一挙上映‼

山本政志脳天映画祭

デジタルリマスター版8作を含む 全14作品一挙上映!!

8/28(土)▶9/17(金)

唯一無二のボーダーレス映画道

ある時は都市の裏街を静かな暴力性で描き(『闇のカーニバル』『JUNK FOOD)、ある時は、目に見えない世界の扉を開こうとし(『ロビンソンの庭』『熊 楠 KUMAGUSU』『水の声を聞く』)、また、ある時は、笑いと共に、軽々と国境を越えてしまう(『てなもんやコネクション』『アトランタ ブギ』『リムジンドライブ』)。『破壊』『神秘』『笑い』と、全く違うアプローチながら、全ての作品は頭で組み立てられたものではなく、あくまでも直感に支えられている。その結果、山本作品は“映画”の“常識”から逸脱していく。娯楽とアートの境界を越え、素人と 役者が入り交じり、フィクションとノンフィクション、メルヘンとリアリズムが交差し、香港・タイ・アメリカ・韓国…と、軽いフットワークで国境を越え、清と濁、 善と悪、無知と知、上品と下品…あらゆるを境界を突破する。ジャパニーズスタンダードから遥かに外れた作品群は、表面的な意味ではなく、底深くPOP。徹底して自由。だからこそ、観るものの感覚に直接作用し、解放してくれるのだ。

入場料

AK 一般1,300円/会員・大専・シニア1,100円/高校生以下800円
L 脳天パラダイス 一般1,800円/会員1,500円/大専シニア1,100円/高校生以下800円

  • 『脳天パラダイス』半券提示で(各作品共通):1,100円
  • 前売3回券提示で:『脳天パラダイス』1,500円
  • 前売3回券:劇場受付にて絶賛発売中!3,000円 ※Web予約ではご利用いただけません。※『脳天パラダイス』には使用いただけません。

上映スケジュール

8/28(土) 8/29(日) 8/30(月) 8/31(火) 9/1(水) 9/2(木) 9/3(金)
脳天パラダイス14:50-16:25
L脳天パラダイス
トークイベント
脳天パラダイス15:10-16:45
L脳天パラダイス
脳天パラダイス14:50-16:30
L脳天パラダイス
脳天パラダイス14:50-16:30
L脳天パラダイス
脳天パラダイス14:50-16:30
L脳天パラダイス
脳天パラダイス14:50-16:30
L脳天パラダイス
脳天パラダイス14:50-16:30
L脳天パラダイス
ロビンソンの庭17:00-19:00
Cロビンソンの庭
闇のカーニバル16:55-18:45
B闇のカーニバル
てなもんやコネクション16:40-18:45
Dてなもんやコネクション
聴かれた女16:40-18:10
I聴かれた女
熊楠16:40-18:10
E熊楠/アルクニ/漂流者
JUNK FOOD16:40-18:10
GJUNK FOOD
アトランタ🌀ブギ16:40-18:25
Fアトランタ🌀ブギ
JUNK FOOD19:10-20:35
GJUNK FOOD
アトランタ🌀ブギ18:55-20:35
Fアトランタ🌀ブギ
リムジンドライブ18:55-20:35
Hリムジンドライブ
スリー☆ポイント18:20-20:25
Jスリー☆ポイント
水の声を聞く18:20-20:35
K水の声を聞く
ロビンソンの庭18:20-20:25
Cロビンソンの庭
闇のカーニバル18:35-20:30
B闇のカーニバル

予定表 横にスクロールできます

9/4(土) 9/5(日) 9/6(月) 9/7(火) 9/8(水) 9/9(木) 9/10(金)
熊楠18:00-19:35
E熊楠/アルクニ/漂流者
脳天パラダイス18:00-19:40
L脳天パラダイス
脳天パラダイス18:00-19:40
L脳天パラダイス
闇のカーニバル18:00-19:55
B闇のカーニバル
ロビンソンの庭18:00-20:05
Cロビンソンの庭
アトランタ🌀ブギ18:00-19:40
Fアトランタ🌀ブギ
JUNK FOOD18:00-19:30
GJUNK FOOD
聖テロリズム19:50-22:05
A聖テロリズム
てなもんやコネクション19:50-21:55
Dてなもんやコネクション
聴かれた女19:50-21:20
I聴かれた女
脳天パラダイス20:15-21:55
L脳天パラダイス
脳天パラダイス20:15-21:55
L脳天パラダイス
脳天パラダイス19:50-21:30
L脳天パラダイス
スリー☆ポイント19:50-21:55
Jスリー☆ポイント

予定表 横にスクロールできます

9/11(土) 9/12(日) 9/13(月) 9/14(火) 9/15(水) 9/16(木) 9/17(金)
脳天パラダイス20:00-21:40
L脳天パラダイス
熊楠20:00-21:35
E熊楠/アルクニ/漂流者
てなもんやコネクション20:00-22:05
Dてなもんやコネクション
水の声を聞く20:00-22:15
K水の声を聞く
闇のカーニバル20:00-21:55
B闇のカーニバル
ロビンソンの庭20:00-22:05
Cロビンソンの庭
脳天パラダイス20:50-22:30
L脳天パラダイス

予定表 横にスクロールできます

8/28(土)~1週間限定

フィア・オブ・ミッシング・アウト

フィア・オブ・ミッシング・アウト

© Crashi Films

2020年/36分/日本/日本語・韓国語/配給:Cinemago
監督・脚本・編集・撮影:河内 彰
協力:金子尚景
音楽:mu h
  韓国語翻訳:スニョン
英語翻訳:西山沙樹 Josh Gates 
出演:Yujin Lee、高石 昂、小島彩乃、スニョン、サトウヒロキ、リベニカ、藤岡真衣、横尾宏美、安楽涼、鏑木悠利、三田村龍伸

公式ホームページ

一緒にいれなくて悲しい。
それは、ここにいない誰かを思うという
あたたかな気持ちでもある

親友のイ・ソンを亡くしたユジンは、彼女の残したボイスレコードを発見する。ここにいない友と通じ触れながら、ユジンは思い出と現在の時空を行き交い始める。街のネオン、夜のとばり、彼女の車が向かう先は——。

光と闇、記憶と実相が重なり、結ばれる場所──
「いつかの今日」を、映画は辿る。

アートセンターでの仕事を通じて、人と映像の関わりをみつめてきた映画作家・河内彰。映像を「縫合」するという、普遍的とも全く新しいとも受け取れる独自の感性は、瀬々敬久・真利子哲也らをはじめ各映画祭で高く評価され続けてきた。
SNSスラングを題した本作は、親友を亡くしたとある女性の物語を通じて、人の心に現れる「とり残される怖さ」と悲しみ、その先に見えてくる光景を描き出す。
キャストは本作が初演技・初主演のYujin Lee、『誰もいない部屋』の小島彩乃、『なみぎわ』のサトウヒロキら。人物たちの感情の震えを繊細に表現する。

*うえだ城下町映画祭 自主制作映画コンテスト 審査員賞(大林千茱萸賞)
*ぴあフィルムフェスティバル 入選
*福岡インディペンデント映画祭 入選


フィア・オブ・ミッシング・アウト フィア・オブ・ミッシング・アウト フィア・オブ・ミッシング・アウト

同時上映『IMAGINATION DRAGON』

2020年/15分/日本
監督・脚本・編集・撮影:河内彰
CAST:YUUJI KIKUTA、YUUNA KANEOYA、KEISUKE KAWASAKI、A-BOW、NONO
協力:3331 Arts Chiyoda
英訳:Emily McDowell
音楽:mu h

創造はどんな場所、世の中でも無限に広がり芽吹く。
東京都によるコロナ禍における映像企画として採択され制作されたショートフィルム。
休館を余儀なくされたアート施設を舞台に、 創造・想像に対する願いをこどもたちの純粋な行動に託し、カメラが追う。
想像の竜はどんな時、どんな場所にでも、静かに眠っている。


9/4(土)~

映画で見る現代チベット チベット映画特集

映画で見る現代チベット

チベット映画特集

映画で見る現代チベット

チベット映画特集

世界的なチベット映画人の作品を中心に、日本プレミア上映を含む貴重な7作品を特集。
全7作品を通して現代のチベット社会を見つめ、同時に、21世紀に誕生したチベット映画のこれまでの歩みを振り返る特集です。

トークイベント

9.4[土]10:00『ラモとガベ』上映後 ゲスト:松尾みゆきさん

松尾みゆき (字幕翻訳者、映像プロデューサー)
中国の青海省で日本語を教えながら中国語とチベット語を学んでいた時に、ソンタルジャ監督と出会う。『草原の河』、『巡礼の約束』、『ラモとガベ』の字幕を手がける。現在は、自身でドキュメンタリーを製作。

上映日時

9/4(土) 9/5(日) 9/6(月) 9/7(火) 9/8(水) 9/9(木) 9/10(金)
ラモとガベ10:00-11:50
ラモとガベ
トークイベント
巡礼の約束10:00-11:55
巡礼の約束
ラモとガベ10:00-11:55
ラモとガベ
巡礼の約束10:00-11:55
巡礼の約束
ラモとガベ10:00-11:55
ラモとガベ
巡礼の約束10:00-11:55
巡礼の約束
タルロ10:00-12:10
タルロ
オールド・ドッグ12:30-14:00
オールド・ドッグ
陽に灼けた道12:10-13:55
陽に灼けた道
オールド・ドッグ12:10-13:45
オールド・ドッグ
陽に灼けた道12:10-13:55
陽に灼けた道
オールド・ドッグ12:10-13:45
オールド・ドッグ
陽に灼けた道12:10-13:55
陽に灼けた道
オールド・ドッグ12:20-13:55
オールド・ドッグ

予定表 横にスクロールできます

9/11(土) 9/12(日) 9/13(月) 9/14(火) 9/15(水) 9/16(木) 9/17(金)
草原の河13:40-15:25
草原の河
ラモとガベ13:40-15:35
ラモとガベ
草原の河13:40-15:25
草原の河
陽に灼けた道13:40-15:35
陽に灼けた道
草原の河13:40-15:25
草原の河
オールド・ドッグ13:40-15:15
オールド・ドッグ
ラモとガベ13:40-15:35
ラモとガベ
タルロ15:45-17:50
タルロ
ラサへの歩き方15:45-17:50
ラサへの歩き方
タルロ15:45-17:50
タルロ
ラサへの歩き方15:45-17:50
ラサへの歩き方
タルロ15:45-17:50
タルロ
ラサへの歩き方15:45-17:50
ラサへの歩き方
タルロ15:45-17:50
タルロ

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

ラモとガベ(原題) <日本プレミア上映>

©GARUDA FILM

2019年/110分/カラー 原題:拉姆与嘎贝(英語題:Lhamo an)
監督・脚本:ソンタルジャ
撮影:王猛
美術:ツェラン・トンドゥプ, タクツェ・トンドゥプ
エンディング曲:ヤンシクツォ
サウンドデザイン:李涛, ダゲン・ゾンディ・ジャムツォ
編集: マチュー・ラクラウ, サンダクジャプ
出演:ソナム・ニマ(ガベ)、デキ(ラモ)、スィチョクジャ(ジャシ)

詳細 https://note.com/moviola/n/ne5414579373d

ソンタルジャ監督の長編第4作。東チベットで生まれた世界最長の英雄叙事詩「ケサル王物語」に若い男女の運命を重ねて描いた意欲的な最新作。

ラモとガベは婚姻届を出しに行ったところ、ガベが以前結婚しており、まだ離婚が成立していないことを知る。元妻とは4年前に結婚の約束をしたものの、間際で破談となり、ガベは自分が結婚していたことを知らなかったのだ。ガベは離婚するために元妻を探し始め、元妻が世俗を捨て、出家していたことを知る。尼僧となった元妻を寺院に訪ねるが、会うことさえままならず、ガベの離婚話は一向に進まない。一方ラモは、正月に行われる歌舞劇「ケサル王物語」で、罪のために地獄に落ちた女性の役で稽古に取り組んでいたが、その役にわだかまりを感じ、次第に結婚への恐れを感じ始める。ラモは、人に言えない秘密を抱えていた…。

*2019年サンセバスチャン映画祭公式出品

巡礼の約束

©GARUDA FILM

2018年/109分/カラー
監督:ソンタルジャ
プロデューサー:ヨンジョンジャ(容中爾甲)
脚本:タシダワ、ソンタルジャ
撮影:ワン・ウェイファ
出演:ヨンジョンジャ(容中爾甲)、ニマソンソン、スィチョクジャ
字幕:松尾みゆき
字幕監修:三宅伸一郎

公式 http://moviola.jp/junrei_yakusoku/

ある出来事から、前夫との約束を果たそうと巡礼にでる妻ウォマ。その妻を心配し、後を追ってくる夫ロルジェ。こころを閉ざしていた前夫との息子ノルウも母に会いにやってくるのだが……。 ウォマの意志を引き継ぐ、血のつながらぬ父と息子。ふたりはある日、母を亡くした一頭の仔ロバと出会い、ともに聖地ラサへと巡礼の道を歩きつづける。 夫役には、この映画の舞台であるチベット高原の東にあるギャロン出身の国際的歌手ヨンジョンジャ。民族衣装も美しい妻役は人気女優ニマソンソン。多くの候補者の中から「目」の魅力で選ばれた息子役スィチョクジャ、そして仔ロバの名演も忘れがたい。

本作を企画したのは、夫役も演じるチベット人歌手ヨンジョンジャ(中国名:容 中 爾 甲)。世界的ダンサーであるヤン・リーピンの舞台「蔵謎」のプロデューサーでもあり、チベット文化の普及・継承を担っている。監督は、『草原の河』の感動も記憶に新しいソンタルジャ。共同脚本はチベットを代表する作家タシダワが手がけている。 悲しみ、後悔、嫉妬、それらを超えようとする夫と妻、なさぬ仲の父と息子に生まれる絆。チベット仏教の聖地ラサへの五体投地の巡礼から、死者とともに生きるチベットの祈りのこころが伝わってくる。誰もが道に迷う現代に、新鮮な感動が風のように胸を吹き抜けていく名作である。 突然、聖地ラサへの巡礼にでると決めた妻。いったいなぜ?夫は旅立った妻の後を追った……。山あいの村で、夫のロルジェ、ロルジェの父と暮らすウォマ。病院である事実を告げられたウォマは、聖地ラサへの五体投地での巡礼旅に、一人で行くと決意する。半年以上もかかる巡礼の旅に、初めは反対していたロルジェだが、ウォマの固い決意にラサ巡礼を受け入れる。しかし妻の決意にはある秘密があった。旅に出た妻を追ってくる夫。そして妻の実家に預けられ、心を閉ざしていた前夫との息子もやってきた。後悔、嫉妬、わだかまりを抱えながらも、少しずつ結びついていく三人。しかし、そんなある日、ウォマがついに倒れてしまう…。

*上海国際映画祭審査員大賞・最優秀脚本賞

草原の河

©GARUDA FILM

2015年/98分/カラー
原題:河(英題:River)
監督・脚本:ソンタルジャ
出演:ヤンチェン・ラモ、ルンゼン・ドルマ、グル・ツェテン

公式 http://www.moviola.jp/kawa/

2015年ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門でのワールド・プレミアを皮切りに、数々の国際映画祭で上映されて高い評価を受けた本作。上海国際映画祭では主演の少女を演じるヤンチェン・ラモ(撮影開始時6歳)がアジア新人賞・最優秀女優賞を最年少で受賞し、話題を呼んだ。また東京国際映画祭では『河』という原題でワールド・フォーカス部門にて上映され、公開が熱望されていた作品である。

監督は、2011年に発表した長編デビュー作『陽に灼けた道』がバンクーバー国際映画祭でヤング・シネマ賞グランプリを受賞するなど、その第一作から独特な映像感覚によって映画的に物語を語る傑出した才能で、世界的な注目を集めた俊英、ソンタルジャ。これまでチベットを舞台にした映画は数々公開されて来たが、チベット映画人の監督作は本作が初めてとなる。同じチベットを舞台にしながら、外からの視点と内なる視点の相違を考えるのも興味深い。

海抜3000メートルを超えるチベット高原で半農半牧の暮らしを営む一家を主人公にした本作は、父親へのわだかまりをいまだ捨てきれない男グルと、その幼い娘ヤンチェン・ラモがやがて生まれてくる赤ん坊に対して抱く葛藤とを重ね合わせて描く。素人の俳優を使いながら、それぞれの心のうちを見事に描ききったソンタルジャ監督の演出力は卓越している。わけても6歳の少女ヤンチェン・ラモと子羊ジャチャの名演は観客を驚かせるだろう。

陽に灼けた道 <劇場未公開>

©GARUDA FILM

2011年/89分/カラー
監督・脚本:ソンタルジャ
プロデューサー:ヨンジョンジャ(容中爾甲)
撮影:王猛
美術:パクパジャプ
録音・作曲・歌:ドゥッカル・ツェラン
編集:ソンタルジャ、銭冷冷
芸術指導:ペマ・ツェテン、李興
脚本顧問:ツェラン・トンドゥプ、孫亮
出演:イシェ・ルンドゥプ(ニマ)、ロチ(老人)、カルザン・リンチェン(ニマの兄)

詳細 https://note.com/moviola/n/nfb850b89e4d9

ソンタルジャ監督の長編デビュー作。バンクーバー国際映画祭アジア部門新人監督賞はじめ数々の映画賞を受賞して、一躍世界中に注目された。自分の過失で母を死なせてしまい、心を閉ざした青年が、ある老人との出会いから心を溶かしていく物語を、極端に少ない台詞と映像で物語っていき、ソンタルジャの個性が強く表れている。主人公を演じたイシェ・ルンドゥプの表情の切り取り方や、老人の存在を狂言回しのように配した語り口も独特で、デビュー作の荒々しさはあるものの、ソンタルジャ監督の才気を感じさせる必見作である。

自分の過失で母を死なせてしまった青年ニマは自責の念にとらわれ、聖地ラサへ巡礼の旅に出るが、苦しみは消えない。心の傷を抱えたまま故郷へ帰るバスに乗ったニマは、そのバスの中で不思議な老人と出会う。故郷が近くにつれ、ニマは自らを孤独に追いやるように途中でバスを降りるが、老人はニマ気がかりで、バスを降り、ニマとともに旅を続ける。老人の温かい語りかけにニマは少しずつ心を開いていくが、老人もまた家族の問題を抱えていることが明らかになる……。
協力:福岡市総合図書館

*2011年バンクーバー国際映画祭タイガー&ドラゴン賞受賞
*2011年福岡国際映画祭アジア・フォーカス正式招待
*2011年香港国際映画祭特別賞受賞

ラサへの歩き方 ~祈りの2400km 

2015年/118分/カラー
監督:チャン・ヤン(「胡同のひまわり」「帰郷」)
出演:チベット巡礼をする11人の村人

公式 http://www.moviola.jp/lhasa/

中国で300万人動員の大ヒットとなった巡礼ロードムービー。実際の村人に自身と重なる役を演じさせるという独特のスタイルで描く。カム地方から聖地ラサ、そしてカイラス山へ巡礼旅に出た11人の村人、追突事故、出産、資金不足、様々な困難に直面するが……。外の目だからこその感嘆の視点で丹念に日常が描かれ、生活の中にある祈りの心を感じさせる秀作。
五体投地ごたいとうちで2400kmもの距離を巡礼する。その驚き。

五体投地とは、両手・両膝・額(五体)を地面に投げ伏して祈る、仏教でもっとも丁寧な礼拝の方法。チベットには今も聖地巡礼を、五体投地で礼拝しながら、長い時間をかけて進んでいく人々がいる。「しゃくとり虫のように進む」と説明されるように、やってみれば、いかに進むのが大変かがわかる。本作は、チベットの小さな村の11人の村人が、聖地ラサへ、そして最終目的地の聖山カイラスへ、2400kmもの距離を、なんと五体投地で行く巡礼旅を描いた驚くべきロードムービーである。

チベット、カム地方マルカム県プラ村。ニマの家では、父親が亡くなり、まだ四十九日が明けず、法事が行われていた。父の弟のヤンペルは、兄のように思い残すことなく自分は死ぬ前に聖地ラサ行きたいと願っていた。ニマは叔父の願いを叶え、叔父を連れ、ラサへ巡礼に行く決意をする。彼らの巡礼のことを知ると、次々と同行を願う村人が集まり、老人、妊婦、そして幼い少女タツォを含め一行は総勢11人になった。村から五体投地で1200km離れた聖地ラサへ、さらにそこから1200kmあるカイラス山への巡礼の旅がはじまる。

オールド・ドッグ <劇場未公開>

©Mani Stone Pictures

2011年/89分/カラー
監督:ペマ・ツェテン
脚本:ペマ・ツェテン
撮影:ソンタルジャ
録音・音楽:ドゥッカル・ツェラン
製作:サンジェ・ジャンツォ
出演:ロチ(老人)、ドルマキャプ(息子)、タムディンツォ(息子の嫁)

詳細 https://note.com/moviola/n/n95c0d61f96ab

長編第一作『静かなるマニ石』がバンクーバー国際映画祭やプサン国際映画祭はじめ数々の映画祭で受賞し、名匠アッバス・キアロスタミ監督に「心から感動を覚えた」と称賛されたペマ・ツェテン監督の純チベット語映画の長編第3作。1990年代末、中国富裕層の間で起きたチベットのマスチフ犬ブームを背景に、「犬を通じてチベット族の現状を表現したかった」と監督が語るように、中国富裕層が象徴する経済発展がチベット高原の牧畜民の生活にも容赦なく入り込んでくる状況をストレートに描き出している。それまでのペマ・ツェテン作品と大きく異なり、怒りや絶望を鋭く投げかけ、特にそのラストは、観客に大きな衝撃を与えた。製作は、ペマ・ツェテン監督同様、世界にチベット語映画を送り出した重要人物で、詩人としても有名なチベット人映画プロデューサーのサンジェ・ジャンツォ。撮影はペマ・ツェテン監督の4歳下の後輩にあたる『巡礼の約束』のソンタルジャ監督が担当している。第12回東京フィルメックスグランプリ受賞。

広々とした草原に生きる牧畜民の老人。彼は老マスチフ犬を飼っている。中国の大都市に暮らす富裕層の間に起きたマスチフ犬ブームから、犬泥棒が現れたり、しつこく付きまとう仲買人がやってきたり、心の休まる暇がない。老人の息子までも、大金を得ていい暮らしがしたいと願い、犬を高値で売り飛ばそうとするのだが、老人は「犬は民族の誇り」と手放すことを頑なに拒む……。

タルロ <劇場未公開>

©Mani Stone Pictures

2015年/123分/モノクロ
監督:ペマ・ツェテン
脚本:ペマ・ツェテン
撮影:呂松野
美術:タクツェ・トンドゥプ
録音:ドゥッカル・ツェラン
編集:宋氷
編集顧問:寥慶松
製作:高宏、佳琳
出演:シデ・ニマ、ヤンシクツォ

詳細 https://note.com/moviola/n/n2b2c24fdfddf

小説家としても知られるペマ・ツェテン監督自身による漢語小説『タルロ』を映画化。社会の変化に翻弄されて自身のアイデンティティを見失うチベット牧畜民を、寓話的でありながらも鋭く鮮烈に描いた。全編モノクロで、テーマに対するシンプルで深い洞察、洗練されたフレーミング、ユーモアを含んだ重層的な演出、編集に至るまでペマ・ツェテン芸術を代表する一作として国内外で高い評価を得た。『オールド・ドッグ』に続いて、東京フィルメックスグランプリ受賞をはじめ、チベット人監督の作品として台湾・金馬奨で初めて最優秀作品賞にノミネートされた作品でもある(同年の最優秀作品はホウ・シャオシェン『黒衣の刺客』だった)。

孤児として育ち、家族のいない羊飼いのタルロ。ある日、役所からID(身分証明書)を作れと言われ、タルロはIDに必要な写真を撮りに町へ。すると写真館で、そんなボサボサ髪ではダメだと言われ、今度は髪を切るために入った理髪店へ。理髪師の女はタルロに親しげに話しかけ、女性を知らないタルロはいとも簡単に籠絡され……。

9/4(土)~

トゥルーノース

トゥルーノース

© 2020 sumimasen

2020年/94分/日本・インドネシア合作/配給:東映ビデオ
原題:True North
監督・脚本・プロデューサー:清水ハン栄治
製作総指揮:ハン・ソンゴン
制作:アンドレイ・プラタマ
撮影監督:メリータ・ブディマン
美術:ディアン・レスタリス・スパンディ
音楽:マシュー・ワイルダー
声の出演:ジョエル・サットン、マイケル・ササキ、ブランディン・ステニス、エミリー・ヘレス

公式ホームページ

それでも、生きていく。
北朝鮮強制収容所。世界で最も過酷な場所で、希望を捨てずに生き抜こうとする者たち。

絶望の淵で、人は「生きる意味」を見つけられるのか? 1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後、家族全員 が突如悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い他者を欺く一方、母と妹は人間性を失わず倫理的に生きようとする。そんなある日、愛する家族を失うことがキッカケとなり、ヨハンは絶望の淵で「人は何故生きるのか」その意味を探究し始める。やがてヨハンの戦いは他の収監者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。

世界の映画祭で絶賛された真実の物語

北朝鮮の政治犯強制収容所で、過酷な毎日を生き抜く日系家族とその仲間たちの姿を3Dアニメーションとして完成させた衝撃作。
レオナルド・ディカプリオも激賞したドキュメンタリー映画「happy – しあわせを探すあなたへ」のプロデューサーの清水ハン栄治の初監督作品。収容体験をもつ脱北者や元看守などにインタビューを行い10年もの歳月をかけて作り上げた。本作はアニメ映画の世界最高峰を選ぶ権威ある映画祭・アヌシー国際アニメーション映画祭「長編コントルシャン部門」にノミネート、第33回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」ほか、名門レインダンス映画祭では異例の2部門での招待作品となり、伝統あるワルシャワ国際映画祭ではフリースピリット部門の審査員特別賞、ナッシュビル映画祭では長編アニメ部門グランプリ。韓国のプチョン国際アニメーション映画祭では長編部門の特別賞に輝くなど世界中で話題となっている。
日本国内では本作が紹介されるや否や数多くの日本のマスコミがとりあげ話題となり、日本国内の映画配給権は争奪戦となった。
強制収容所内の恐るべき実態を描きつつ、家族愛、仲間との絆・ユーモア、死にゆく者への慈しみの心情などが表現され、ラストにはひとつの希望を見い出せる内容となっている。衝撃的な内容を実写でなく、あえて優しいタッチの寓話的なアニメーションにすることで、より多くの観客が自身を投影しやすい表現が可能となった。音楽監督はディズニー長編アニメ映画『ムーラン』(1998年)のマシュー・ワイルダー。日本童謡「赤とんぼ」と北朝鮮の民謡以外は全てオリジナルサントラとなっている。


トゥルーノース トゥルーノース トゥルーノース

9/11(土)~

ブラックバード 家族が家族であるうちに

ブラックバード

© 2019 BLACK BIRD PRODUCTIONS, INC ALL RIGHTS RESERVED

2019年/97分/アメリカ・イギリス/配給:プレシディオ、彩プロ
原題:Blackbird
監督:ロジャー・ミッシェル
脚本:クリスチャン・トープ
プロデューサー:シェリル・クラーク、デヴィッド・べルナルディ
撮影:マイク・エリー
編集:クリスティーナ・ヘザーリントン
出演:スーザン・サランドン、ケイト・ウィンスレット、ミア・ワシコウスカ、サム・ニール、レイン・ウィルソン、ベックス・テイラー=クラウス、リンゼイ・ダンカン、アンソン・ブーン

公式ホームページ

母の決意が、私を変える。

ある週末、医師のポールとその妻リリーが暮らす瀟洒な海辺の家に娘たちが集まってくる。病が進行し、次第に体の自由が効かなくなっているリリーは安楽死する決意をしており、家族と最後の時間を一緒に過ごそうとしていた。長女ジェニファーは母の決意を受け入れているものの、やはりどこか落ち着かず、夫マイケルの行動に苛立ちがち。家族だけで過ごすはずの週末にリリーの親友リズがいることにも納得がいかない。詳しい事情を知らなかった15歳の息子ジョナサンも、この訪問の意味を知ることに。
長らく連絡が取れなかった次女アナも、くっついたり離れたりを繰り返している恋人クリスと共にやってくるが、姉と違い、母の決意を受け入れられておらず、ジェニファーと衝突を繰り返す。
大きな秘密を共有する家族がともに週末を過ごすなか、それぞれが抱えていた秘密も浮かびあがる。ジェニファーとアンナの想いは揺れ動き、リリーの決意を覆そうと試みる…。

2大オスカー俳優が演じる本年最高の感動作

病状が進むなか、安楽死の選択をした母を看取るために家族が集まった最後の週末。スーザン・サランドンとケイト・ウィンスレットというアカデミー賞受賞2大女優が初共演した本作は、母の決意によって残された家族の生き方を考えさせてくれる濃密なヒューマンドラマである。
わだかまりや自分の思いが一気にあふれ出し、大きな秘密を共有することになる“家族”を演じる顔ぶれもまた実力派揃い。サランドン演じる気丈なリリーを医師としても支える夫に、サム・ニール。ウィンスレット演じる生真面目な長女と反目し、母の愛にすがる次女にミア・ワシコウスカ。リリーの親友リズを舞台女優としても評価の高いリンゼイ・ダンカンが演じている。さらには長女の夫にはレイン・ウィルソン、次女の恋人にはベックス・テイラー=クラウスと個性的な顔ぶれが集い、長女の息子を演じる新鋭アンソン・ブーンも輝きを放っている。
ビレ・アウグスト監督によるデンマーク映画『サイレント・ハート』(14/未)を、その脚本家クリスチャン・トープ自身がアメリカでの映画化に向けて脚色。『ノッティングヒルの恋人』(99)『ウィークエンドはパリで』(13)のロジャー・ミッシェル監督が、静謐さの中に時にユーモアを交えながら、秘密を共有する家族の物語を紡ぎ出した。海辺の家で8人の登場人物だけで繰り広げられる物語が、深く静かに心に刻まれる映画だ。


ブラックバード ブラックバード ブラックバード

9/17(金)~

由宇子の天秤

由宇子の天秤

© 2020 映画工房春組

2020/日本/152分/配給:ビターズ・エンド
脚本・監督・編集:春本雄二郎
プロデューサー:春本雄二郎、松島哲也、片渕須直
出演:瀧内公美、河合優実、梅田誠弘、松浦祐也、和田光沙、池田良、木村知貴、前原滉、永瀬未留、河野宏紀、根矢涼香、川瀬陽太、丘みつ子、光石研

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正しさとは何なのか?
女子高校生自殺事件を追うドキュメンタリーディレクターの由宇子が、 父から明かされた衝撃の事実――
由宇子は究極の選択を迫られる。

女子高生いじめ自殺事件を追っていたドキュメンタリーディレクターの由宇子は、テレビ局の方針と対立を繰返しながらも事件の真相に迫りつつあった。 そんな時、由宇子は学習塾を経営する父が起こした”ある行動”を知り、衝撃を受ける。「“正しさ”とは何なのか?」ドキュメンタリー作家として常に真実を明らかにしたいという信念に突き動かされてきた由宇子は、究極の選択を迫られる・・・。

主演は、『火口のふたり』(19)で第93回キネマ旬報ベスト・テン主演女優賞に輝き、本作でスペインのラス・パルマス国際映画祭で最優秀女優賞に輝いた瀧内公美。脇を固めるのは『佐々木、イン、マイマイン』(20)の河合優実、『かぞくへ』(16)の梅田誠弘、さらに日本映画界屈指のバイプレイヤー・光石研ら。監督・脚本は、日本の片隅で生きる若者たちの葛藤と不器用な優しさを描いた『かぞくへ』の春本雄二郎。そして、長編アニメーション『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の片渕須直がプロデューサーとして参加。

息もつけないほどの緊迫と衝撃
世界の映画祭席捲!

超情報化社会を生きる私たちが抱える問題や矛盾を真正面から炙り出し、三大国際映画祭のベルリン国際映画祭をはじめ、世界の映画祭を席巻中!先日大盛況で終えたベルリン公式上映の熱気冷めやらぬ中、次いでスイスで開催の第35回フリブール国際映画祭のメインコンペティション部門、さらには第9回ヘルシンキシネアジア映画祭、第20回ニューヨーク・アジアン映画祭にも立て続けに招聘が決定している。

*第71回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門正式出品
*第25回釜山国際映画祭 ニューカレンツアワード受賞
*第4回平遥国際映画祭 審査員賞&観客賞W受賞
*第20回ラス・パルマス国際映画祭 最優秀女優賞&CIMA審査員賞W受賞
*第21回東京フィルメックス 学生審査員賞受賞
*第23回台北映画祭インターナショナル・ニュータレント・コンペティション部門正式出品
*第24回上海国際映画祭 パノラマ部門正式出品


由宇子の天秤

9/18(土)~

バケモン

バケモン

©DENNER systems

2021年/日本/120分/配給協力:アスミック・エース/製作・配給:デンナーシステムズ
監督・撮影・編集・構成・演出:山根真吾
ナレーション:香川照之

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笑福亭鶴瓶と共に 日本の17年間に没入し
さまよい、立ち止まり、時に江戸や明治の時代にまでさかのぼる
終わりなきドキュメンタリー

私たちはいま 毎日の暮らしが過酷で、どう楽しんでいけばいいのか不安になることがある。ドキュメンタリー映画「バケモン」には それを解決するヒントが隠されていると思う。

映画のはじまりは2020年。 一時期 テレビ番組の収録が中止になった頃、鶴瓶のマネージメントを手がけてきた千佐隆智が「コロナ禍のさなか いまは役に立てていないエンターテイメントで、鶴瓶という芸人で、 “なんか できへんか”」という奇妙な思いつきを テレビ番組の構成演出家である山根真吾に話したことがきっかけだった。

山根は2004年から17年間、自主制作で 落語家 鶴瓶を撮影してきた。ただし その目的を千佐や鶴瓶に明かしたことはなく 鶴瓶も「俺が死ぬまで世に出し たらあかん」と念押ししていたと聞いた。

千佐と山根と鶴瓶という、よく理解できない不思議な三角関係のなか、山根は「バケモン」と題したドキュメンタリー映画を作った。制作の途中、山根は鶴瓶から 「信用してるけど 本気にならんとあかんで」と言われ、ムッとして 「これまで作ってきた番組の100倍おもしろい」と言い返したとも伝わる。

映画は 2020年、鶴瓶が四ヶ月ぶりの小さな舞台に立つところから始まる。この年鶴瓶は 1時間をこえる上方落語の最高傑作「らくだ」をひっさげ 全国ツアーを始めた。奇しくも「らくだ」は20 04年 山根が 鶴瓶と千佐に撮影を申しこんだきっかけとなった古典落語で、鶴瓶は2007年にも「らくだ」で全国ツアーを行なっていた。山根によれば13年ぶりの「らくだ」は 別モノに化けていた。なぜ 「らくだ」は変わったのか‥ そこには 鶴瓶という芸人の生き様と 鶴瓶の師匠 松鶴と、「らくだ」を完成させた桂文吾と、、、実にさまざまなモノが 入り乱れ 交錯し 一度見ても、正直‥ よくはわからない。鶴瓶の現場マネージャー宇木正大は試写会のあと「なんか ひとつも覚えてないですわ」と言いながら JR 大崎駅から電車に乗った 。映画のタイトルを書いた書家 大木明子は「なんか‥ いっぱい笑って そして泣けました」と山根にメールを送った。

果たして 千佐の「鶴瓶という芸人で “なんか できへんか”」という思いつきは何かの役にたったのか。山根の言った「100倍おもしろい」はハッタリではないのか。 みなさんに 判断していただくしかない映画である。 しかし私は映画を何度か見て 一日一日を、前を向いて暮らしている。


バケモン バケモン バケモン

9/25(土)~

カウラは忘れない

カウラは忘れない

©瀬戸内海放送

2021年/日本/96分/配給:太秦
監督:満田康弘
撮影:山田寛

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【前売券】全国共通特別鑑賞券1,500円(税込)を当館受付にて発売中!
特典:オリジナルポストカードをプレゼント!

オーストラリアのカウラ収容所
1000人を超える日本軍人たちは集団で脱走を試みた
それは生きるためか、それとも死ぬためか

太平洋戦争中の1944年8月、オーストラリア東部の田舎町カウラにあった第十二捕虜収容所で近代戦史上最大1104人に及ぶ集団捕虜脱走事件が起こった。正確に言えばそれは脱走ではなく、「死ぬため」だった。

“このまま生きて祖国には帰れない――”当時の日本軍人、そして民間人の精神をも支配していた「戦陣訓」に象徴される「捕虜を恥」とする教義がその背景にはあった。一方、収容所で手厚い保護を受けた生活を送るうち、捕虜たちの間には生への執着が確実に芽生えていた。“生きたい、生きて帰りたい”。事件の生存者は当時の正直な心情を吐露する。だが、捕虜たちの生きることへの願いは「貴様らそれでも帝国軍人か!」のひと言でかき消されてしまった。
同じ状況に置かれたとき、私たちは大きな声に、まわりの圧力にあらがうことができるだろうか?

生存者たちに今なお残る悔恨、その思いを受け止めようとする若者や演劇人、事件を教訓に和解への道を歩んできたカウラの人々―。 “カウラ事件”がコロナの時代を生きる私たちに問いかけるものは何か。
「クワイ河に虹をかけた男」で旧日本軍の贖罪と和解に生涯をささげた永瀬隆を20年にわたって取材し続けた満田康弘監督のライフワークともいうべき題材を取り上げた渾身の第2作。知られざる戦争の歴史をひも解くドキュメンタリー。


カウラは忘れない カウラは忘れない カウラは忘れない

9/25(土)~

太陽と踊らせて

太陽と踊らせて

© Pure in the Moon

2020年/日本/71分/配給:オンリー・ハーツ
監督:リリー・リナエ
出演:ジョン・サ・トリンサ

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「踊ってる時はみんな恋に落ちている・・・」
自由の島イビサの吟遊詩人DJジョン・サ・トリンサ
ひとりひとりの人生を祝福するように
今日も音を紡いでいく
いつもの時間 いつもの場所で
水平線を眺めながら

スペインの東、地中海に浮かぶ世界遺産イビサ島は、世界一のパーティアイランド。夏場はヨーロッパの有名ナイトクラブが店を開け、世界中からスターDJが集まる。しかし、イギリスから移住したDJジョン・サ・トリンサは、島の最南端サリナスビーチで25年間、パーティサウンドとは異なる音楽を紡いでいる。それが、ジャンルレスで物語にあふれたバレアリック・ミュージック。あまりにも自由で垣根のない生き方をする彼の精神そのもの。映画は、そんな風のような伝説的おじさんDJの生きざまを、島に息づく多彩な、しかし時代の波の中で変容もする文化とともに、息をのむような映像とバレリアックな音楽にのせて描き出す。

台南生まれ新宿歌舞伎町育ちで、TV局や広告代理店に勤めながらも日本社会での自らの立ち位置に窮屈さを感じていた映像作家リリー・リナエは、旅行中に出会った、物語と色彩に溢れるDJジョン・サ・トリンサの音楽に衝撃を受け、居ても立っても居られずイビサとジョンの懐に飛び込んだ。ジョンの誠実で自由な生きざま、イビサの包み込むような風土、流れるバレアリックな音楽。20代の貯金と日米のクラウドファンディングで集めたお金、そして3年間の月日をつぎ込みリナエ監督が全力で作り上げた初めての長編ドキュメンタリー。

ジョン・サ・トリンサ 

毎日一畳半ほどの海小屋から音楽を奏でるイビサのローカルDJ。アジア・アフリカ音楽好きにも愛されヨーロッパを中心に多くの熱狂的なファンをもつ伝説的なDJアーティスト。1987年ロンドンでDJのキャリアをスタート、1994年イビサ島へ移住。以来四半世紀、サリナスビーチにあるサ・トリンサというレストランに併設された小さなチリンギート(海小屋)で正午から夕日が落ちるまでの8時間あまりDJをする。昼食と夕飯はレストランからウェイターが持ってきてくれ、お気に入りはバジルパスタ。サリナスビーチは世界各地からジョンの音楽を求めにやってくる人々で埋まり、ジョンは気ままに極上の時間を届けている。イビサの繁忙期である夏が終わると、世界中を旅しながら当地の海辺でDJを続ける。


太陽と踊らせて 太陽と踊らせて 太陽と踊らせて

9/25(土)~

湖底の空

湖底の空

©️2019MAREHITO PRODUCTION

2019年/111分/日本・韓国・中国合作/配給:ムービー・アクト・プロジェクト
英題:SORA
監督・脚本・編集:佐藤智也
撮影:野﨑明広
照明:大久保礼司
録音:弥栄裕樹
編集:亀山愛明
出演:イ・テギョン、阿部力、みょんふぁ、武田裕光、アグネス・チャン、ウム・ソヨン、ジョ・ハラ、早川知子

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海と空、双子の姉弟が抱えた秘密。

空(そら)と海(かい)は、日本人の父・高志と韓国人の母・チスクの間に生まれた一卵性双生児の姉弟。大きな湖があり、民俗芸能が盛んな韓国・安東(アンドン)で生まれ育った。
現在、28歳となった空は中国・上海に暮らしている。イラストレーターとして仕事を得ようとするが、作品の売り込みはなかなかうまくいかない。出版社に勤める日本人の男性、望月が何かと空の絵を気にかけ、仕事を提供しようとする。異郷の地で暮らす二人は、似たような境遇から親密な関係を築きつつあった。
空のもとに双子の弟が訪ねてくる。インターセックスだった海(かい)は性別適合手術を受けて女性となり、名前を海(うみ)と変えていた。
海(うみ)は空と望月の恋愛を後押ししようとするが、空は「絵が本当にうまかったのは海(かい)だ」と思いながら、恋愛に積極的になろうとしない。絵のこと以上に問題になっているのは、空と海(うみ)が幼少時代から抱えたある秘密だった。空は何かに追い詰められ、精神的に不安定になっていく……。

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020
グランプリ&シネガーアワード
第3回中韓国際映画祭 特別賞

韓国、中国、日本にまたがるロケを企画。安東の民俗芸能、上海の近代都市など、それぞれの風土を利用して、国に関係なく人間に共通するサバイバーズ・ギルト、裏返せば〈誰かを思慕する気持ち〉を描く。
監督は『マレヒト』(95)、『L’Ilya〜イリヤ〜』(00)、『舌〜デッドリー・サイレンス』(04)などインディペンデントで映画を作りつづけてきた佐藤智也。2010年には本作の試作として、双子の女優を起用して短編『三つ子』(10)を製作。韓国の大邱(テグ)インディペンデント短編映画祭、アメリカのドラゴン・コン映画祭で上映された。それから10年をかけて作られた本作『湖底の空』は、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020において、審査員の満場一致でグランプリに選出され、シネガーアワードと合わせてW受賞となった。
空と海を一人二役で演じるのは、韓国インディペンデント映画のミューズ、イ・テギョン。その二人に振り回される望月に「花より男子」の美作あきら役で注目を集め、その後台湾の映画に出演するなどワールドワイドに活躍する阿部力。空と海の両親役に、日韓の演劇・映画などで活躍中のみょんふぁ、武田裕光。そして70年代にアイドルとして一世を風靡し、現在はユニセフのアジア親善大使としても活動の幅を広げているアグネス・チャンが特別出演しているのも話題。
国境のみならず、あらゆる境界を超えて傷ついた人々の心をつなぐ、ファンタスティックムービーが誕生した!


湖底の空 湖底の空 湖底の空

10/2(土)~

日常対話

日常対話

©Hui-Chen Huang All Rights Reserved.

2016年/台湾/88分/配給:台湾映画同好会
原題:日常對話
英題:Small Talk
監督・撮影:ホアン・フイチェン(黃惠偵)
製作総指揮:ホウ・シャオシェン(侯孝賢)

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カメラの前なら「言える」「聞ける」こともある
台湾発・娘がカメラを手に母の本音に迫る
入魂のドキュメンタリー

6歳で母アヌの営む葬式陣頭<牽亡歌陣>の仕事を手伝い始め、10歳で小学校中退を余儀なくされたチェン。暴力を振るう夫から身を守るために、アヌはチェンとその妹を連れて家を逃げ出す。学校に通うことが出来なかった子供時代。弔い業に対する世間の冷ややかな視線、そして周囲に隠すことなく「女性が好きな女性」として奔放に振る舞うアヌへの偏見。さらに娘たちよりも恋人を優先するアヌに、チェンは次第に不信感を募らせ、母娘関係はいつしか他人同士のように冷え切ってしまう。やがて自らも一児の母となったチェンは家族の姿を映画に撮ることでアヌの本音を聞き出し、自分の秘密を打ち明けようと決心する。

”見合い結婚した相手は、博徒で酒乱のDV男だった”
───母 アヌ・死者の魂を鎮める道士
“母の稼業を手伝うため、私は10歳で小学校を退学した”
───娘 チェン・映画監督

2019年にアジアで初めて同性婚が合法化された台湾。だが、1950年代の農村に生まれた母アヌが過ごしてきたのは、父親を中心とした「家」の制度が支配する、保守的な社会だった。娘チェンは消えゆく台湾土着の葬送文化とともに、レズビアンである母の、ありのままの姿を映像に収め続ける。多くを語りたがらない母に、娘が口に出せずにいた想いをぶつける時、世代や価値観を越えてふたりが見つけ出した答えとは──?

巨匠ホウ・シャオシェン(侯孝賢)が製作総指揮を務め、ホウ作品をはじめ、中華圏の名だたる映像作家に楽曲を提供しているリン・チャン(林強)が音楽を担当。2017 年にベルリン国際映画祭のパノラマ部門でテディ賞に輝き、台湾のドキュメンタリー映画としては初めてアカデミー賞®外国語映画賞(現・国際長編映画賞)に台湾代表作品として正式出品された。また、日本ではシニア女性映画祭、東京ドキュメンタリー映画祭等で上映されたほか、NHK国際との共同制作でテレビ向けに編集された『母と私(原題:我和我的 T 媽媽)』(2015)が<BS 世界のドキュメンタリー>で放映されている。


日常対話 日常対話 日常対話

10/9(土)~

ミッドナイト・トラベラー

ミッドナイト・トラベラー

©2019 OLD CHILLY PICTURES LLC.

2019年/アメリカ・カタール・カナダ・イギリス/87分/配給:ユナイテッドピープル
監督:ハッサン・ファジリ
プロデューサー:エムリー・マフダヴィアン、スー・キム

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アフガニスタンからヨーロッパまで5600km。
安住の地を求めて旅する難民家族が3台のスマホで自らの旅を撮影した前代未聞のセルフドキュメンタリー!

2015年、映像作家のハッサン・ファジリはタリバンから死刑宣告を受ける。自身が制作したアフガニスタンの平和に関するドキュメンタリーが国営放送で放送されると、タリバンはその内容に憤慨し、出演した男性を殺害。監督したハッサンにも危険が迫っていた。彼は、家族を守るため、アフガニスタンからヨーロッパまで5600kmの旅に、妻と2人の娘たちと出発することを決意する。そしてその旅を3台のスマートフォンで記録した。妻も元々映画制作に関わっていたし、娘たちには映像教育を行っていた。

ハッサンと家族は、スマートフォンを手に、タジキスタン、トルコ、ブルガリアを経て、安全な場所を求めて命がけの旅を敢行する。砂漠や平野、山を越え、荒野をさまよい辿りついた先で、難民保護を受けられずに苦労することも。ヨーロッパへの脱出は、想像以上に困難を極めていた。人としての尊厳を傷つけられるような境遇を経験しながらも、一家は旅の記録を続けていく。撮影することが、まだ生きているということを確認することであるかのように──。本作は、故郷を追われて難民となるとはどういうことか、その現実が観る者に容赦なく迫ってくるドキュメンタリーだ。


ミッドナイト・トラベラー ミッドナイト・トラベラー ミッドナイト・トラベラー

10/9(土)~

トムボーイ

トムボーイ

© Hold-Up Films & Productions/ Lilies Films / Arte France Cinéma 2011

2011年/フランス/82分/配給:ファインフィルムズ
監督:セリーヌ・シアマ
出演:ゾエ・エラン、マロン・レヴァナ、ジャンヌ・ディソン

きみの名前は?
『燃ゆる女の肖像』セリーヌ・シアマ監督 長編2作目

夏休み、家族と共に新しい街に引っ越してきた10歳の少女ロール。引っ越し先で「ミカエル」と名乗り、新たに知り合った少女リザたちに自分を男の子だと思い込ませることに成功する。やがてリザとは2人きりでも遊ぶようになり、ミカエルとしての自分に好意を抱かれていることに葛藤しつつも、お互いに距離を縮めていく。しかし、もうすぐ新学期。夏の終わりはすぐそこまで近づいているのだった…。

ジェンダーとアイデンティティーを行き来する主人公に寄り添った目線とユーモアをもって、ひと夏の挑戦が描かれる。ロール/ミカエルを演じるのはゾエ・エラン。オーディションの初日に彼女と出会った監督をして「逸材だった」と言わしめる、唯一無二の存在感でスクリーン中を駆け回り、我々を魅了する。ロール/ミカエルの愛らしい妹ジャンヌをマロン・レヴァナ、大人びた雰囲気の少女リザをジャンヌ・ディソンが演じる。
長編デビュー作『水の中のつぼみ』が高い評価を得たセリーヌ・シアマ監督は、「前作とは別の方法を試したい」という志のもと20日間で撮影を行った。ベルリン国際映画祭でのプレミア上映では絶賛と共に迎えられ、テディ賞審査員特別賞を受賞。低予算のインディペンデント作品ながら、本国フランスでの劇場公開時には30万人を動員する大ヒットを記録した。


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