近日上映作品

1/29(土)~

ペルー映画祭

ペルー映画祭

Festival de Cine Peruano

2022年1月29日(土)-2月18日(金)

ペルー映画祭

Festival de Cine Peruano

2022年1月29日(土)-2月18日(金)



ペルーに出会う。

2021年は、1821年7月28日にスペインから独立して200年になります。
スクリーンを超えて人々に出会う作品を集めました。
どうぞこの節目に多くのペルー映画に触れてください。

日本人が行きたい世界遺産第一位の“マチュピチュ”があるペルーから、日本未公開の映画をはじめ、厳選された傑作映画が日本に上陸!
知られざるディープなペルー音楽に触れるドキュメンタリーや、サッカーワールドカップにおけるペルーの政治・経済の暗黒時代を耐えてきた国民の希望と熱狂の日々、ペルーという国ならではの様々なドラマ映画など多種多様なフィルムが現代を映し出す。
新たな映画に、そして文化に触れ、私たちに出会いや感動を呼ぶ3週間が始まる。

上映作品
  • 忘却 El Olvido
  • アンダーグラウンド・オーケストラ Het Ondergronds Orkest
  • わたしはここにいる Sigo Siendo
  • ある詩人への旅路 El Viaje De Javier Heraud日本初公開
  • わが町の映画館-ペルー映画館の記(き)跡(せき)- Cines de Video日本初公開
  • ペルーの叫び~36年ぶりW杯出場の表と裏~ Identidad日本初公開
  • クッキング・アップ・ドリームス De ollas y Sueños
  • 残されたぬくもり Nada Queda Sino Nuestra Ternura日本初公開
  • Supa Layme(スーパ・ライメ)
  • ローサ・チュンベ 奇跡の一日 Rosa Chumbe日本初公開
  • くもり空の下で Climas日本初公開
  • ユートピアクラブ 消えた真実 Utopía, La Película日本初公開

公式ホームページ: https://www.peru-film-festival.com/

入場料

当日:一般1,500円/会員1,200円/大専・シニア1,100円/高校生以下800円

【前売券】全国共通回数券(3回券)3,300円(税込)を当館受付にて発売中!

初日来場者プレゼント
先着でペルー映画祭オリジナル缶バッヂをプレゼント!数量限定、なくなり次第終了!
来場者プレゼント
先着で「明治 ザ・チョコレートペルーカカオ70」をプレゼント!数量限定、なくなり次第終了!

イベント情報
  • 1/30(日)11:30『くもり空の下で』上映後
  • ミニライブ〉フォルクローレ・グループ「ルセリート」

  • 2/6(日) 11:25『残されたぬくもり』上映後
  • 〈トークイベント〉マリオ・ホセ・アタパウカル・オバンドさん(アンデス・ケチュア語文化研究者)

  • 2/13(日) 14:10『ペルーの叫び』上映後
  • 〈トークイベント〉片山ジェシーさん(マチュピチュ観光大使)<予定>

上映スケジュール

1/29(土) 1/30(日) 1/31(月) 2/1(火) 2/2(水) 2/3(木) 2/4(金)
わが町の映画館10:00-11:45
わが町の映画館
クッキング・アップ・ドリームス10:00-11:20
クッキング・アップ・ドリームス
残されたぬくもり10:00-11:15
残されたぬくもり
ローサ・チュンベ 奇跡の一日10:00-11:20
ローサ・チュンベ 奇跡の一日
ペルーの叫び10:00-11:300
ペルーの叫び
くもり空の下で10:00-11:25
くもり空の下で
スーパ・ライメ10:00-11:50
スーパ・ライメ
ペルーの叫び12:00-13:30
ペルーの叫び
くもり空の下で11:30-12:55
くもり空の下で
ミニライブ
スーパ・ライメ11:30-13:20
スーパ・ライメ
わが町の映画館11:35-13:20
わが町の映画館
クッキング・アップ・ドリームス11:45-13:10
クッキング・アップ・ドリームス
ユートピアクラブ 消えた真実11:35-13:30
ユートピアクラブ 消えた真実
ローサ・チュンベ 奇跡の一日12:00-13:20
ローサ・チュンベ 奇跡の一日

1/30 ミニライブフォルクローレ・グループ「ルセリート」

1/30 ミニライブフォルクローレ・グループ「ルセリート」

予定表 横にスクロールできます

2/5(土) 2/6(日) 2/7(月) 2/8(火) 2/9(水) 2/10(木) 2/11(金)
名もなき歌10:00-11:40
名もなき歌
ローサ・チュンベ 奇跡の一日10:00-11:15
ローサ・チュンベ 奇跡の一日
名もなき歌10:00-11:40
名もなき歌
名もなき歌10:00-11:40
名もなき歌
名もなき歌10:00-11:40
名もなき歌
名もなき歌10:00-11:40
名もなき歌
名もなき歌10:00-11:40
名もなき歌
クッキング・アップ・ドリームス11:50-13:06
クッキング・アップ・ドリームス
残されたぬくもり11:25-12:35
残されたぬくもり
トークイベント
忘却11:50-13:30
忘却
わたしはここにいる11:50-14:00
わたしはここにいる
ユートピアクラブ 消えた真実11:50-13:50
ユートピアクラブ 消えた真実
アンダーグラウンド・オーケストラ11:50-13:50
アンダーグラウンド・オーケストラ
ある詩人への旅路11:50-13:30
ある詩人への旅路
    アンダーグラウンド・オーケストラ13:50-15:50
アンダーグラウンド・オーケストラ
ある詩人への旅路14:10-15:50
ある詩人への旅路
わが町の映画館14:00-15:45
わが町の映画館
忘却14:00-15:40
忘却
わたしはここにいる13:40-15:50
わたしはここにいる

2/6 トークイベントマリオ・ホセ・アタパウカル・オバンド(アンデス・ケチュア語文化研究者)

2/6 トークイベントマリオ・ホセ・アタパウカル・オバンド(アンデス・ケチュア語文化研究者)

予定表 横にスクロールできます

2/12(土) 2/13(日) 2/14(月) 2/15(火) 2/16(水) 2/17(木) 2/18(金)
スーパ・ライメ14:10-16:00
スーパ・ライメ
ペルーの叫び14:10-15:35
ペルーの叫び
トークイベント
ユートピアクラブ 消えた真実14:10-16:10
ユートピアクラブ 消えた真実
忘却14:10-15:50
忘却
アンダーグラウンド・オーケストラ14:10-16:05
アンダーグラウンド・オーケストラ
わたしはここにいる14:10-16:20
わたしはここにいる
ある詩人への旅路14:10-15:50
ある詩人への旅路
名もなき歌16:15-17:55
名もなき歌
名もなき歌16:15-17:55
名もなき歌
くもり空の下で16:20-17:50
くもり空の下で
名もなき歌16:15-17:55
名もなき歌
名もなき歌16:15-17:55
名もなき歌
残されたぬくもり16:30-17:45
残されたぬくもり
名もなき歌16:15-17:55
名もなき歌

2/13 トークイベント片山ジェシーさん(マチュピチュ観光大使)<予定>

2/13 トークイベント片山ジェシーさん(マチュピチュ観光大使)<予定>

予定表 横にスクロールできます

2/5(土)~

名もなき歌

名もなき歌

ⒸLuxbox-Cancion Sin Nombre

2019年/ペルー、スペイン、アメリカ/97分/配給:シマフィルム、アーク・フィルムズ、インターフィルム
監督:メリーナ・レオン
脚本:メリーナ・レオン、マイケル・J・ホワイト
出演:パメラ・メンドーサ、トミー・パラッガ、ルシオ・ロハス、マイコル・エルナンデス

公式ホームページ

「私の赤ちゃんを返して!」
絶望の果て、母親は孤独な新聞記者と出会った

1988年、政情不安に揺れる南米ペルー。貧しい生活を送る先住民の女性、20才のヘオルヒナは、妊婦に無償医療を提供する財団の存在を知り、首都リマの小さなクリニックを受診する。数日後、陣痛が始まり、再度クリニックを訪れたへオルヒナは無事女児を出産。しかし、その手に一度も我が子を抱くこともなく院外へ閉め出され、娘は何者かに奪い去られてしまう。夫と共に警察や裁判所に訴え出るが、有権者番号を持たない夫婦は取り合ってもらえない。新聞社に押しかけ、泣きながら窮状を訴えるヘオルヒナから事情を聞いた記者ペドロは、事件を追って、権力の背後に見え隠れする国際的な乳児売買組織の闇へと足を踏み入れるが―。

新たな才能を世界が絶賛!
現代社会のさまざまな問題を浮き彫りにした野心作

実際に起きた事件を基に作られたこの作品は、ペルー出身の女性監督メリーナ・レオンの長編デビュー作。2019年カンヌ国際映画祭・監督週間で注目を集め、以来世界十数ヶ国の映画祭において作品賞他32部門で受賞。2020年アカデミー賞・国際長編映画部門ではペルー代表に選ばれ、ノミネートは逸したものの、その抑制を利かせた演出スタイル、モノクロ×スタンダードの画面に際立つヴィジュアル・センスは、新たな才能の誕生を実感させる。へオルヒナを演じたパメラ・メンドーサは、レオン監督に見出された無名の新人。その無垢な存在感、自然体の演技は高く評価され、リマ ラテンアメリカ映画祭では特別賞(女優賞)を受賞している。

赤ん坊を奪われた母親の悲哀と絶望、そして、孤独な新聞記者が内に秘めた苦悩と使命感を描いたこの作品は、貧困と格差、人身売買、民族差別とジェンダー差別、全体主義とテロリズムといった社会問題をも浮き彫りにし、それらが今の時代においても何ら変わっていないことを静かに提示してみせた野心作だ。


名もなき歌 名もなき歌 名もなき歌

1/29(土)~

十九歳の地図

十九歳の地図

1979年/日本/109分/製作:プロダクション群狼
監督・脚本:柳町光男
原作:中上健次
撮影:榊原勝己
照明:加藤勉
美術:平賀俊一
音楽:板橋文夫
出演:本間優二、蟹江敬三、沖山秀子、山谷初男、原知佐子、西塚肇、白川和子、友部正人、津山登志子、中島葵、川島めぐ、竹田かほり、中丸忠雄、清川虹子、柳家小三治、楠侑子

公式ホームページ

閉塞する時代に生きるすべての若者たちへ。
こんな時代に✖✖✖(バツ三つ)!! こんな世の中に✖✖✖(バツ三つ)!!

新聞販売所で下宿をする予備校生の19歳の青年が、日々の配達先で知る各家々の家庭構成、性格など書き止め、×印を付け、自分だけの地図を書き始める。見下されながらも見下しているような捻じれた自尊心が、日常の不満、偽善に鬱屈しながら、配達先で×印をつけた人たちに嫌がらせ電話をかけていく。主演本間優二が、夢も希望もなく鬱積する青年を見事に体現。また、卑小で無様な中年男の哀しみを演じた蟹江敬三。板橋文夫の音楽が切なく響く。

暴走族ブラックエンペラーを追ったドキュメンタリー『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』で注目を集めた柳町光男監督の長編第2作で、芥川賞作家・中上健次の同名短編小説を映画化した青春ドラマ。

【同時公開】『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』『さらば愛しき大地』

*1979年映画芸術ベストテン第1位
*1979年キネマ旬報ベストテン7位


十九歳の地図 十九歳の地図 十九歳の地図

1/29(土)~

さらば愛しき大地

さらば愛しき大地

1982年/138分/DCP
監督・脚本:柳町光男
出演:根津甚八、秋吉久美子、矢吹二朗、山口美也子、松山政路、奥村公延、草薙幸二郎、小林稔侍、中島葵、白川和子、佐々木すみ江、岡本麗、志方亜紀子、日高澄子、蟹江敬三

『十九歳の地図』公開記念 柳町光男監督傑作選

農業と工業が渾然一体となる郊外都市を舞台に、農家の崩壊を徹底したリアリズムで描く。農家を継がずにダンプ運転手として家族を支える幸雄は、最愛の息子2人を水難事故で亡くしてしまう。深い絶望の中、幸雄は弟の元恋人である順子と出会い同棲生活を始める。しかし仕事が減ると、幸雄はその不安を紛らわすため覚せい剤に溺れるようになっていく。狂気に満ち溢れ堕ちていく男の人生が、田園風景の美しさと対比する底なしの絶望感で描き出される。

【同時公開】『十九歳の地図』『ゴッド・スピード・ユー!BLACK EMPEROR』

*1982年キネマ旬報ベストテン2位
*第6回日本アカデミー賞 – 優秀監督賞、優秀主演男優賞、優秀助演女優賞
*第25回ブルーリボン賞 助演女優賞
*第37回毎日映画コンクール 撮影賞


さらば愛しき大地 さらば愛しき大地 さらば愛しき大地

1/29(土)~

ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR

ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR

1976年/91分
監督・脚本:柳町光男
出演:BLACK EMPERORのメンバー

『十九歳の地図』公開記念 柳町光男監督傑作選

暴走するバイクの群れ。夜を照らすヘッドライトとフルスロットルの排気音が鳴り響き駆け抜ける。当時勢力を拡大しつつあった暴走族「ブラックエンペラー」新宿支部に所属する若者たちの日常を記録したドキュメンタリー。暴走行為、交通機動隊との舌戦、集会、たまり場、親や仲間との日常を捉える。“暴走族=不良”というイメージはあれども、ここには血生臭さも暴力もなく、バイクと暴走に明け暮れる彼らの青春を優しいまなざしで描き出す。

【同時公開】『十九歳の地図』『さらば愛しき大地』


ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR

2/5(土)・6(日)

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.5『警察官』

2022.2.5(土)・2.6(日) 各日13:30

柳下美恵の<ピアノdeフィルムvol.5『警察官』>

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの生伴奏

映画が誕生して120年あまり。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

1933年/日本/121分[18fps](予定)/35 mm/モノクロ/スタンダード/サイレント/製作:新興キネマ京都/フィルム提供:国立映画アーカイブ
監督:内田吐夢/脚本:山内英三/原作:竹田敏彦/撮影:相坂操一/美術:水谷浩司
出演:中野英治、小杉勇、松本泰輔、森静子、桂珠子、北岡勲、三保敦美、生方一平

1932 年に実際に起こった「大森ギャング事件」を元に竹田敏彦が新国劇へ書き下ろした戯曲が原作。内務省・警視庁全面協力で製作され、東京の街や警察署で存分に撮影された。国策的映画ではあるが、犯罪ドラマとしての魅力に加え、公僕としての警察官の使命と人間的な苦悩を描いた人間ドラマの傑作。張込みや指紋照合などの地道な捜査とラストの激しい銃撃戦の対比も鮮烈に描かれる。
伊丹警官は検問で車に乗っていた中学時代の親友富岡に出会う。ある日、銀行が襲われ、恩人の宮部警官が撃たれて亡くなってしまう。憤然と立ち上がる伊丹、だが犯人を追い詰めるうちに非情な現実を知り苦悩する。そしてついに警察官としての職務を全うすべく敢然と立ち向かう。


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

チケット購入情報

2.2(水)より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。

次回予告
2022年6月4(土)、5(日)にvol.6を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご確認ください。

2/12(土)~

なれのはて

なれのはて

Ⓒ有象無象プロダクション

2021年/日本/120分/配給:ブライトホース・フィルム
監督・撮影・編集:粂田 剛
音楽:高岡大祐
調音(整音):浦田和治
デザイン:千葉健太郎
HP制作:久保田かおり
製作:有象無象プロダクション
出演:嶋村正、安岡一生、谷口俊比古、平山敏春

公式ホームページ

ここは天国か、それとも地獄か―
喧騒と熱気渦巻く生暖かいカオス、フィリピンのスラムへようこそ
帰国することを諦めた日本人男性たち―
“困窮邦人”と呼ばれる男たちの生活を7年間追い続けたドキュメンタリー!

マニラの貧困地区、路地の奥にひっそりと住む高齢の日本人男性たち。「困窮邦人」と呼ばれる彼らは、まわりの人の助けを借りながら、僅かな日銭を稼ぎ、細々と毎日を過ごしている。警察官、暴力団員、証券会社員、トラック運転手…かつては日本で職に就き、家族がいるのにも関わらず、何らかの理由で帰国しないまま、そこで人生の最後となるであろう日々を送っている。
本作は、この地で寄る辺なく暮らす4人の老人男性の姿を、実に7年間の歳月をかけて追ったドキュメンタリーだ。半身が不自由になり、近隣の人々の助けを借りてリハビリする男、連れ添った現地妻とささやかながら仲睦まじい生活を送る男、便所掃除をして軒下に居候している男、最も稼げないジープの呼び込みでフィリピンの家族を支える男…。カメラは、彼らの日常、そしてそのまわりの人々の姿を淡々と捉えていく。

何故、彼らはフィリピンでなら生きていけるのか?
“幸せとは何か”を日本にいる我々にも突き付ける

本作を監督したのは、原将人『20世紀ノスタルジア』(1997)、矢崎仁司『ストロベリーショートケイクス』(2006)、松井良彦『どこに行くの?』(2008)などの助監督を務めた粂田剛。当初はテレビ番組のディレクターとして、「困窮邦人」が番組になるのではと考え、フィリピンに通ってリサーチを続けていたが、内容的にテレビでは難しいと判断し、映画として発表することを決める。それから7年間、断続的に一人で現地に通い、彼らと交流を深めていく中でカメラを回し続けた。
それぞれがそれぞれの理由で祖国に居場所を失った男たち。日本で生きていくことができない彼らが、なぜフィリピンでなら生きていけるのか? 独居老人、孤独死の問題が日本で取り沙汰される一方、金もなく、若くもないのに裸一貫で海外に暮らす男たちがいる。明日の生活もみえず、とても幸福とは言い難いシビアな生活にも関わらず、彼らの表情は不思議と豊かだ。「自業自得」の果てに辿り着いたフィリピンのスラムで、男たちは何を見たのか?


なれのはて なれのはて なれのはて

2/12(土)~

標的

標的

2021年/日本/99分/配給:グループ現代
監督:西嶋真司
プロデューサー:川井田博幸
撮影:油谷良清、西嶋真司
音楽:竹口美紀
演奏:Viento
歌:川原一紗
監修:佐藤和雄
法律監修:神原元、小野寺信勝

公式ホームページ

真実か。捏造か。
「捏造記者」の汚名をそそぐ闘いが始まる。

1991年8月、元「慰安婦」だった韓国人女性が証言を始めているという記事を世界で初めて報じた朝日新聞大阪社会部の記者・植村隆。安倍晋三衆院議員が首相として政権に復帰した後、2014年になって「捏造記者」という執拗なバッシングが始まった。誹謗中傷は次第にエスカレートし、彼が教職に就くことが内定していた大学、そして家族までもが卑劣な脅迫の対象となったのだ。この韓国人女性が名乗り出た後、他のメディアも植村と同じような記事を伝えたが、なぜ彼だけが「標的」にされたのか?一方、不当な攻撃によって言論を封じ込めようとする動きに対抗するために、大勢の市民や弁護士が支援に立ち上がった。
本作は、植村と彼を支える人々が理不尽なバッシングに真正面から立ち向かう姿を記録したものである。2021年の第26回釜山国際映画祭へ正式招待(ワイドアングル部門ドキュメンタリーショーケース)されると、韓国メディアから高い注目を集め、監督を務めた西嶋真司は、アン・ジョンピル自由言論賞を30年余りの歴史の中で日本人として初めて授与された。


標的 標的 標的

2/12(土)~

自宅警備員と家事妖精

自宅警備員と家事妖精

Ⓒ「自宅警備員の家事妖精」製作者委員会

2021年/日本/78分/配給:太秦
監督・編集:藤本匠
脚本:潮喜久知
出演:大沢真一郎、木竜麻生、田之下雅徳(子役)、流山児祥、中島トニー、林家たこ蔵、本城祐哉、巻島みのり、函館市民の皆さん

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,500円(税込)を当館受付にて発売中!

有隣堂伊勢佐木店全国共通特別鑑賞券

世界が引きこもった時、僕は街に出る!
引きこもり満5年の中年男の生まれ育った“居場所”を巡る
ちょっと不思議な物語

世界が静まり返り、まるですべての人々が引きこもってしまったような2020年。函館の洋館に住む自称「自宅警備員(引きこもり)」を名乗る45歳独身のニート・古川稔。稔は世界の苦しみをよそに、われ関せずと快調に引きこもり生活を続け、早5年となっていた。
そんな時、母・のぶ子が亡くなり一人残された稔は、洋館の持ち主の伯父から洋館から出て行くように通告される。期限は一か月。伯父は洋館を取り壊して土地を売る算段だ。うろたえる稔の前に現れたのは、洋館に古くから住み着く家事妖精の絹(シルキー)。絹は密かに家事を手伝いながら、この洋館を守り、この街の100年の悲喜交々の出来事をつぶさに見てきた。絹は無謀にも稔に洋館を買い取って守れときつく促す。
努力や頑張ることを忘れてしまっている稔は、絹にハローワークに行くようにと洋館から追い出され、戻るに戻れず途方に暮れながら函館の街を徘徊する。そんな時、公園で妖精を見ることができる少年・冨和星一郎と出会う。星一郎の友達はこの街に古くから住む妖精たちだ。妖精と遊びながら追いかける星一郎、それを追う稔、そして辿り着いた場所は、稔の住む洋館だった。 それ以来、洋館には誰もないはずなのに、この街の哀しみを引き受けるかのような鳴き声が木魂し、稔の身辺に異変が起こり始める。売却期限が迫るなかで、稔は出来るはずはないと思いながらも自分の居場所である大切な洋館を救うために立ち上がる。

“映画を創る映画祭”函館港イルミナシオン映画祭
シナリオ大賞映画化プロジェクト第二弾!

函館港イルミナシオン映画祭は“映画を創る映画祭”として、映画に愛される街・函館で1995年に始まった。翌年1996年にはシナリオ大賞を創設、これまでに長編・短編あわせ多数のシナリオが映画化・映像化されてきた。2015年からは、函館の街を舞台にしたオリジナルシナリオからの映画創りをスタート。
第一弾は2013年度函館市長賞の西尾孔志監督「函館珈琲」(作:いとう菜のは)。本作は第二弾として、オープンセットのような街・函館を舞台に、将来が嘱望される新鋭の藤本匠監督を迎え、2019年度に荒俣宏賞を受賞した潮喜久知のオリジナル脚本「自宅警備員とフェアリーテイル」を映画化。撮影は『天国の本屋~恋火』『乱反射』『スノーフレーク』など函館の街を知り尽くしている上野彰吾。美術には是枝監督の仕事で名を馳せる松葉明子、照明には『恋人たち』の赤津淳一。音楽は映画祭のディレクターあがた森魚、サポートにSoulcolorが参加。その他、函館港イルミナシオン映画祭と縁の深い、そして函館に魅了された強力な布陣が集結。
出演は、主人公の自称「自宅警備員」古川稔役に大沢真一郎。妖精の絹役に若手実力派の木竜麻生、叔父の香川役に演劇界の重鎮流山児祥、『函館珈琲』からの連続出演となる中島トニー。その他、落語家の林家たこ蔵などユニークな俳優たち、オーディションで選ばれた子役田之下雅徳も加わり、函館を舞台とした再生と自立の物語を紡ぐ。


自宅警備員と家事妖精 自宅警備員と家事妖精 自宅警備員と家事妖精

2/12(土)~

われ弱ければ 矢嶋楫子伝

われ弱ければ

ⓒ現代ぷろだくしょん

2022年/日本/ビスタサイズ/110分/配給:現代ぷろだくしょん/配給協力:新日本映画社
監督・脚本 山田火砂子
原作:三浦綾子「われ弱ければ 矢嶋楫子伝」
出演:常盤貴子、石黒賢、渡辺いっけい、キャロリン愛子ホーランド、渡辺大、竹下景子、藤吉久美子、堀内正美、渡辺梓、森岡龍、小倉一郎、赤塚真人、森三中、駒井 蓮

公式ホームページ

使命とは、命を使うことです。
自分の命は、自分で使うのです。

矢嶋楫子(やじま かじこ)。1833年、現在の熊本県に生まれ、洗濯のたらいも男女を分けるなど、極端な男尊女卑の社会の中で苦労を重ねた。25歳の時に結婚をした武士の夫の、度重なる家族への乱暴に身の危険を感じ、末の子を連れて家を出る。その後、上京して小学校の教員になった楫子は、女子学院の院長となり、一夫一婦制、婦人参政権、禁酒、廃娼運動など、多くの活動に関わり、90歳の時にはアメリカで世界平和を強く訴えた。

天保時代に生まれ、明治・大正という、女性が一人の人間として尊重されることのなかった時代に、女子教育に力を注ぎ、女性解放運動に生涯を捧げた矢嶋楫子の生涯を、日本最高齢の女性映画監督・山田火砂子が描く渾身の一作。主演の楫子役には常盤貴子を迎え、原作となる三浦綾子の同名小説を完全映画化した。


われ弱ければ われ弱ければ

2/19(土)~

BELUSHI ベルーシ

BELUSHI ベルーシ

Belushi © Passion Pictures (Films) Limited 2020. All Rights Reserved.

2020年/アメリカ/108分/配給:アンプラグド
原題:BELUSHI
監督・脚本:R・J・カトラー
アニメーション:ロバート・バレー
声の出演:ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、チェビー・チェイス、アイヴァン・ライトマン、ジェームズ・ベルーシ、ローン・マイケルズ、ペニー・マーシャル、ジョン・ランディス、ハロルド・ライミス、キャリー・フィッシャー、ジュディス・ベルーシ

公式ホームページ

みんな、彼を好きだった。
けれど、彼を知らないままだった。
33歳の若さで亡くなった稀代のエンターテイナー、ジョン・ベルーシ
初公開となる貴重な本人の音声から辿る、栄光と苦悩

アルバニア移民の家庭に生まれ、よそ者と見られることに対しての処世術と成功への願望からか、幼少期から自然とユーモアを身につけたジョン・ベルーシ。彼は、学生時代にはバンド活動や寸劇をするグループの中心人物として周りを笑わせる存在になる。その後、シカゴの即興コメディ劇団からキャリアをスタートし、その成功を機にニューヨークへ拠点を移す。舞台、ラジオ、TVや映画の他、ライブアルバムを発売すると大ヒット。話題が話題を呼び、あらゆるジャンルで大成功をおさめる。しかし、あまりにも早くアメリカン・コメディの象徴的存在になったことは、彼に大きなプレッシャーとなってのしかかっていき……。

本作は、アメリカ・イリノイ州で育った幼少期から、コメディアン、ミュージシャン、俳優として成功をおさめるも人気絶頂の1982年に33歳という若さで薬物の過剰摂取により亡くなるまで、アメリカン・コメディ界で輝き続けた天才ベルーシの、嵐のように駆け抜けた短くも強烈な生涯を、愛ある目線で辿っていくドキュメンタリー。当時、アメリカで老若男女幅広い世代に愛された才能あるエンターテイナーは華々しい成功や偉業の裏で何を感じていたのか。監督を務めたのは、『ビリー・アイリッシュ 世界は少しぼやけている』(21)のR・J・カトラー。

「サタデー・ナイト・ライブ」、『ブルース・ブラザース』の他、『アニマル・ハウス』(78)、『1941』(79)など、輝かしい日々を振り返るアーカイヴ映像、親友で俳優のダン・エイクロイドや、弟で俳優のジェームズ・ベルーシ、映画監督のジョン・ランディスなど関係者たちへのインタビュー、ロックバンド「ゴリラズ」のMVを手掛けるアーティスト、ロバート・バレーが手掛による、人生の貴重な瞬間を表現するアニメーションで構成。さらに、高校時代からの恋人で、後に妻となるジュディスが製作に協力したことで使用が実現した、彼女の自宅の地下室に保管されていた貴重な未公開音声テープと、ベルーシがジュディスに宛てた大量のラブレターや詩が物語を牽引していく。本作は、唯一の遺族公認ジョン・ベルーシ伝記ドキュメンタリー映画である。


BELUSHI ベルーシ BELUSHI ベルーシ BELUSHI ベルーシ

2/19(土)~

ジギー・スターダスト

ジギー・スターダスト

©Jones-Tintoretto Entertainment Co.,LLC

1973年/イギリス/90分/配給:オンリー・ハーツ
原題:Ziggy Stardust and the Spiders from Mars
監督:D.A.ペネベイカー
出演:デヴィッド・ボウイ(ヴォーカル/ギター)、ミック・ロンソン(ギター/ヴォーカル)、トレヴァー・ボーダー(ベース)、ウッディ-・ウッドマンジー(ドラムス)
字幕:寺尾次郎

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,200円(税込)を当館受付にて発売中!特典:オリジナルポストカード

有隣堂伊勢佐木店全国共通特別鑑賞券

デヴィッド・ボウイ生誕75年 そして「ジギー」誕生50年記念公開!
伝説のツアー最終ライヴのドキュメンタリー
2002年サウンドリミックス・デジタルレストア版

5年後に滅びようとする地球に異星からやってきたスーパースター「ジギー・スターダスト」に25歳のデヴィッド・ボウイが扮し、ロックスターとしての成功からその没落、絶望から復活までを壮大に描いたコンセプト・アルバム『ジギー・スターダスト』。2022年は、ボウイ自身をスーパースターに押し上げた、このロック史上屈指の名盤が1972年に誕生して50周年となる。

本作はボウイが72年から73年にかけてイギリス、アメリカ、日本で行った長期ツアーの最終公演、ロンドンのハマースミス・オデオン劇場での伝説的なライヴを撮影したドキュメンタリーで、ボウイ自身が製作に関わった生涯最高のライヴ映画だ。この時のステージ衣装にはロンドンでコレクションを発表して間もない27歳の山本寛斎が参加。監督はボブ・ディランの『ドント・ルック・バック』で、音楽ドキュメンタリーの歴史に一線を画した、アカデミー賞名誉賞受賞監督D.A.ペネベイカー。全曲歌詞の翻訳字幕はシュガーベイブのベーシストだった寺尾次郎。

ボウイが2016年、寺尾次郎が2018年、ペネベイカーが2019年、山本寛斎が2020年、相次いでこの世を去っていったが、50年目の「ジギー・スターダスト」は永遠の命をさらに輝かせ、未来を見失いそうな地球人を挑発し、あらためて心を奮い立たせてくれることだろう!

不滅の『ジギー・スターダスト』

1972年6月16日に発売された、ロック史上永遠のマスター・ピース!救世のロックスター「ジギー」ことデヴィッド・ボウイは唯一無二の存在として神格化された。ラジオでジギーの曲をはじめて聴いた子どもの視点で歌った名曲『スターマン』、ジギーの絶頂から没落の物語をバック・バンドの目線で描き出した『屈折する星くず』、そして絶望からの復活を叫ぶ『ロックン・ロールの自殺者』まで、一分の隙もないドラマティックなジギー・ワールドが展開される。その後のロックシーンのみならずカルチャー全体に、今なお計り知れない影響を及ぼし続けている。

【演奏曲目】
1 君の意志のままに
2 屈折する星くず
3 あの男を注意しろ
4 フリークラウドから来たワイルドな瞳の少年
5 すべての若き野郎ども
6 ユー・プリティ・シングス
7 月世界の白昼夢
8 チェンジス
9 スぺイス・オディティ
10 私の死
11 気のふれた男優
12 時間
13 円軌道の幅
14 夜をぶっとばせ
15 サフラジェット・シティ
16 ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート
17 ロックン・ロールの自殺者


ジギー・スターダスト ジギー・スターダスト ジギー・スターダスト

2/26(土)~

劇場版 パヴァロッティ ハイドパーク コンサート

劇場版 パヴァロッティ ハイドパーク コンサート

ⒸDecca Classics2021

1991年/イタリア語、ナポリ語、フランス語、ドイツ語/98分/配給:ギャガ
原題:Pavarotti in Hyde Park
監督:クリストファー・スワン
公演日:1991年7月30日
出演:〈テノール〉ルチアーノ・パヴァロッティ、〈フルート〉アンドレア・グリミネッリ、〈演奏〉フィルハーモニア合唱団、フィルハーモニア管弦楽団、〈指揮〉レオーネ・マジエラ

公式ホームページ

三大テノールの王様、ルチアーノ・パヴァロッティ
土砂降りの中で15万人以上の観客が熱狂した
記念すべき初の野外コンサートが
5.1chデジタルリマスターでスクリーンに甦る!

20世紀の偉大なるオペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティ。1991年7月30日、ローリング・ストーンズやクイーンなどのロックコンサートで有名だったロンドンのハイドパークで、史上初のクラシックコンサートを行った。当日は大雨にも関わらず15万人以上の観客が広場に集まった。多くの人が傘を差しパヴァロッティを肉眼で確認できた人は少なかったというが、観客は太陽の歌声に耳を傾け大歓声を送った。後に彼が野外公演を積極的に行うきっかけとなった特別なコンサートが、5.1chデジタルリマスター版でスクリーンに登場!

後に親友となるパヴァロッティとダイアナ妃の出会いが収められた貴重な映像

コンサートには、チャールズ皇太子やジョン・メージャー首相、俳優のマイケル・ケインなど錚々たる面々も参加した。その中で誰よりも注目を浴びたのはダイアナ妃である。本編には、彼女の雨も厭わない凛々しい表情や、コンサートの感想を楽しそうにパヴァロッティに伝える様子も収録されている。コンサート後半、パヴァロッティがチャールズ皇太子に向けて、ダイアナ妃に曲を捧げて良いか許可を得るお茶目なシーンも。2人はこの公演をきっかけに永遠の友情関係を結んだ。

老若男女の大衆が集まる広場に響くのは
世代を越えて愛される名曲の数々

歌劇『ルイザ・ミラー』『トスカ』の名曲や、彼の代表曲『誰も寝てはならぬ』はもちろん、フィルハーモニア合唱団による結婚式の定番『婚礼の合唱』、祖国イタリアを想うナポリ民謡など、様々なジャンルを越えた誰もが楽しめるセットリストとなっている。

【演奏曲】
1.ジュゼッペ・ヴェルディ 序曲/歌劇『ルイザ・ミラー』
2.ジュゼッペ・ヴェルディ 穏やかな夜には/歌劇『ルイザ・ミラー』
3.ジュゼッペ・ヴェルディ 行け、わが想いよ、金色の翼にのって/歌劇『ナブッコ』
4.ジャコモ・マイアベーア おお、パラダイス/歌劇『アフリカの女』
5.ピエトロ・マスカーニ 間奏曲/歌劇『カヴァレリア・ルスティカーナ』
6.ジュゼッペ・ヴェルディ 私の喜びで彼女を包みたい/歌劇『十字軍のロンバルディア人』
7.ジュール・マスネ 春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか/歌劇『ウェルテル』
8.ルッジェーロ・レオンカヴァッロ ドン、ディン、ドン (鐘の合唱)/歌劇『道化師』
9.リヒャルト・ワーグナー 婚礼の合唱/歌劇『ローエングリン』
10.ジャコモ・プッチーニ 妙なる調和/歌劇『トスカ』
11.ジャコモ・プッチーニ 星は光りぬ/歌劇『トスカ』
12.フランソワ・ボルヌ/ジョルジュ・ビゼー カルメン幻想曲
13.ルッジェーロ・レオンカヴァッロ 衣裳をつけろ/歌劇『道化師』
14.ジュゼッペ・ヴェルディ 序曲/歌劇『シチリア島の夕べの祈り』
15.チェザーレ・アンドレア・ビクシオ マンマ
16.チェザーレ・アンドレア・ビクシオ 風に託そう私の歌
17.エルネスト・デ・クルティス 忘れな草
18.ジャコモ・プッチーニ 美しい人たちの中で/歌劇『マノン・レスコー』
19.ジャコモ・プッチーニ なんと素晴らしい美人/歌劇『マノン・レスコー』
20.エドゥアルド・ディ・カプア オー・ソレ・ミオ
21.エルネスト・デ・クルティス 帰れ、ソレントへ
22.ジャコモ・プッチーニ 誰も寝てはならぬ/歌劇『トゥーランドット』

※本編中に一部、オリジナル・マスターに起因するノイズがございます。何卒ご了承ください


劇場版 パヴァロッティ ハイドパーク コンサート 劇場版 パヴァロッティ ハイドパーク コンサート 劇場版 パヴァロッティ ハイドパーク コンサート

3/5(土)~

タル・ベーラ 伝説前夜

タル・ベーラ 伝説

タル・ベーラはいかにして、唯一無二の映画作家になったのか─伝説の『サタンタンゴ』以前の足跡をたどる、
日本初公開3作を4Kデジタル・レストア版で一挙上映

2022年3/5(土)~

タル・ベーラ 伝説

タル・ベーラはいかにして、唯一無二の映画作家になったのか─伝説の『サタンタンゴ』以前の足跡をたどる、
日本初公開3作を4Kデジタル・レストア版で一挙上映

2022年3/5(土)~



『ニーチェの馬』(2011)を最後に56歳という若さで映画監督から引退した後も、伝説的な7時間18分の『サタンタンゴ』(1994)が日本で初公開されるなど、熱狂的な支持者を生み出し続けているタル・ベーラ監督。ジム・ジャームッシュ、アピチャッポン・ウィーラセタクンといった映画監督たちに大きな影響を与えてきたタル・ベーラがいかにして自らのスタイルを築き上げ、唯一無二の映画作家になったのか。その足跡をたどるべく、『サタンタンゴ』以前、伝説前夜の日本初公開3作を4Kデジタル・レストア版で一挙上映。
ジョン・カサヴェテスやケン・ローチを想起させると評された初期の作品から、“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品『ダムネーション/天罰』(1988)まで、根底に共通しているのは、社会で生きる人々の姿を凝視し、それを映像にとらえる眼差しである。人々のリアルな姿を映し出すために繰り返し登場する酒場、そして酒場での音楽、歌とダンス。タル・ベーラのフィルモグラフィに一貫する共通項の萌芽を既にこれらの作品群に見て取ることができる。

タル・ベーラ

1955年ハンガリー、ペーチ生まれ。哲学者志望であったタル・ベーラは16歳の時、生活に貧窮したジプシーを描く8ミリの短編を撮り、反体制的であるとして大学の入試資格を失う。その後、不法占拠している労働者の家族を追い立てる警官を8ミリで撮影しようとして逮捕される。釈放後、デビュー作『ファミリー・ネスト』(77)を発表。この作品はハンガリー批評家賞の新人監督賞、さらにマンハイム国際映画祭でグランプリを獲得した。
その後、ブダペストの映画芸術アカデミーに入学。在籍中に『アウトサイダー』(81)、アカデミーを卒業後に“Prefab People”(81)を発表。卒業後はMAFILMに勤務した。79年から2年間、ブダペストの若い映画製作者のために設立されたベーラ・バラージュ・スタジオの実行委員長も務めた。
「秋の暦」(84)で音楽のヴィーグ・ミハーイと、『ダムネーション/天罰』(88)では作家のクラスナホルカイ・ラースローと出会い、それ以降すべての作品で共同作業を行う。 1994年に約4年の歳月を費やして完成させた7時間18分に及ぶ大作『サタンタンゴ』を発表。ベルリン国際映画祭フォーラム部門カリガリ賞を受賞、ヴィレッジ・ボイス紙が選ぶ90年代映画ベストテンに選出されるなど、世界中を驚嘆させた。続く『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(2000)がベルリン国際映画祭でReader Jury of the “Berliner Zeitung”賞を受賞、ヴィレッジ・ボイス紙でデヴィッド・リンチ、ウォン・カーウァイに次いでベスト・ディレクターに選出される。2001年秋にはニューヨーク近代美術館(MOMA)で大規模な特集上映が開催され、ジム・ジャームッシュ、ガス・ヴァン・サントなどを驚嘆させると共に高い評価を受ける。
多くの困難を乗り越えて完成させた、ジョルジュ・シムノン原作の『倫敦から来た男』(07)は見事、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映された。2011年、タル・ベーラ自身が“最後の映画”と明言した『ニーチェの馬』を発表。ベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員グランプリ)と国際批評家連盟賞をダブル受賞し、世界中で熱狂的に受け入れられた。
90年以降はベルリン・フィルム・アカデミーの客員教授を務め、2012年にサラエボに映画学校film.factoryを創設。2016年に閉鎖した後も、現在に至るまで世界各地でワークショップ、マスタークラスを行い、後輩の育成に熱心に取り組んでいる。フー・ボー(『象は静かに座っている』)や小田香(『セノーテ』)などの映画監督が彼に師事しており、2021年カンヌ国際映画祭でA24が北米配給権をピックアップして話題となった「Lamb」のヴァルディマー・ヨハンソンもfilm.factoryの出身。タル・ベーラは同作のエグゼクティブ・プロデューサーも務めている。
インスタレーションや展示も積極的に手掛け、2017年にアムステルダムのEye Filmmuseumで“Till the End of the World”、2019年にはウィーンで“Missing People”を開催している。

入場料

一般1,500円/会員1,200円/大専・シニア1,100円/高校生以下800円

上映作品紹介

ダムネーション/天罰

1988年/ハンガリー/121分/配給:ビターズ・エンド
原題:Kárhozat
英題:Damnation
監督・脚本:タル・ベーラ
原作・脚本:クラスナホルカイ・ラースロー
撮影監督:メドヴィジ・ガーボル
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
美術:パウエル・ジュラ
出演:セーケイ・B・ミクローシュ、ケレケシュ・ヴァリ、テメシ・ヘーディ、パウエル・ジュラ、チェルハルミ・ジュルジュ

クラスナホルカイ・ラースローが初めて脚本を手掛け、ラースロー(脚本)、ヴィーグ・ミハーイ(音楽)が揃い、“タル・ベーラ スタイル”を確立させた記念碑的作品。ラースローと出会ったタル・ベーラは『サタンタンゴ』にすぐに取りかかろうとしたが、時間も予算もかかるため先に本作に着手する。
不倫、騙し、裏切り─。荒廃した鉱山の町で罪に絡みとられて破滅していく人々の姿を、『サタンタンゴ』も手掛けた名手メドヴィジ・ガーボルが「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている

ファミリー・ネスト

1977年/ハンガリー/105分/配給:ビターズ・エンド
原題:Családi tűzfészek
英題:Family Nest
監督・脚本:タル・ベーラ
撮影監督:パプ・フェレンツ
音楽:スレ-ニ・サボルチ、トルチュヴァイ・ラースロー、モーリツ・ミハーイ
編集:コルニシュ・アンナ
出演:ラーツ・イレン、ホルヴァート・ラースロー、クン・ガーボル、クン・ガーボルネー

住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用い、ドキュメンタリータッチで5日間で撮影した、22歳の鮮烈なデビュー作。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を8ミリカメラで撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基にしている。「映画で世界を変えたいと思っていた」とタル・ベーラ自身が語る通り、ハンガリー社会の苛烈さを直視する作品となっている。社会・世界で生きる人々を見つめるまなざしの確かさは、デビュー作である本作から一貫している。

アウトサイダー

1981年/ハンガリー/128分/配給:ビターズ・エンド
原題:Szabadgyalog
英題:The Outsider
監督・脚本:タル・ベーラ
撮影監督:パプ・フェレンツ、ミハーク・バルナ
音楽:サボー・アンドラーシュ、ホボ・ブルース・バンド、ニュートン・ファミリー、ミネルヴァ
編集:フラニツキー・アーグネシュ
出演:サボー・アンドラーシュ、フォドル・ヨラーン、ドンコー・イムレ、バッラ・イシュトヴァーン

社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた監督第2作にして、珍しいカラー作品。この作品がきっかけで、タル・ベーラは国家当局より目をつけられることになる。本作以降すべての作品で編集を担当するフラニツキー・アーグネシュが初めて参加。酒場での音楽とダンスなど、タル・ベーラ作品のトレードマークと言えるような描写が早くも見てとれる。日本でも80年代にヒットしたニュートン・ファミリーの「サンタ・マリア」が印象的に使われている。

3/12(土)~

MEMORIA メモリア

MEMORIA メモリア

Sandro Kopp © Kick the Machine Films, Burning, Anna Sanders Films, Match Factory Productions, ZDF-Arte and Piano, 2021

2021年/コロンビア、タイ、フランス、ドイツ、メキシコ、カタール/136分/配給:ファインフィルムズ
原題:MEMORIA
監督・脚本:アピチャッポン・ウィーラセタクン
出演:ティルダ・スウィントン、エルキン・ディアス、ジャンヌ・バリバール

カンヌ国際映画祭4度目の受賞
アピチャッポン・ウィーラセタクン最新作

地球の核が震えるような、不穏な【音】が頭の中で轟く―。とある明け方、その【音】に襲われて以来、ジェシカは不眠症を患うようになる。妹を見舞った病院で知り合った考古学者アグネスを訪ね、人骨の発掘現場を訪れたジェシカは、やがて小さな村に行きつく。川沿いで魚の鱗取りをしているエルナンという男に出会い、彼と記憶について語り合ううちに、ジェシカは今までにない感覚に襲われる。

『ブリスフリー・ユアーズ』(ある視点部門最優秀作品賞)、『トロピカル・マラディ』(審査員賞)、タイ史上初のパルムドール受賞作『ブンミおじさんの森』に続き、カンヌ国際映画祭4度目の受賞となったアピチャッポン・ウィーラセタクンの監督・脚本による最新作。南米コロンビアが舞台の本作は、監督が初めてタイ国外で制作。ポン・ジュノ、ルカ・グァダニーノ、ウェス・アンダーソンら名監督とのタッグでも知られるティルダ・スウィントン、『バルバラ セーヌの黒いバラ』でセザール賞主演女優賞を受賞したジャンヌ・バリバールら世界的に活躍する俳優陣に加え、コロンビアのTVシリーズなどで活躍するエルキン・ディアス、メキシコのアカデミー賞ことアリエル賞を受賞したダニエル・ヒメネス・カチョらをキャストに迎えた本作は、第94回アカデミー賞国際長編映画賞コロンビア代表にも選出された。


MEMORIA メモリア MEMORIA メモリア

3/12(土)~

THE RESCUE 奇跡を起こした者たち

THE RESCUE 奇跡を起こした者たち

©2021 NGC NETWORK US, LLC. All Rights Reserved.

2021年/アメリカ/107分/配給:アンプラグド
原題:THE RESCUE
監督:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ、ジミー・チン
撮影:デヴィッド・カッツネルソン、イアン・シーブルック、ピチャ・スリサンサニー
音楽:ダニエル・ペンバートン
編集:ボブ・アイゼンハルト

公式ホームページ

救出不可能と言われたタイの洞窟遭難事故
国や文化、言語の違いを越えて団結した勇気ある人々の記録。

2018年6月23日、サッカーチーム「ムーパ(イノシシ)」に所属する少年12人がサッカーの練習後、コーチ同行のもとタイ北部チェンライ県のタムルアン洞窟探検に入った。しかしその日は豪雨により洞窟が浸水し、出入り口が塞がれてしまった。少年たちは帰宅できなくなり、不審に思った家族から行方不明と報告され、捜索作業が始まった。少年たちは洞窟の入り口から約5キロ入った場所に取り残されていることが確認されたが、洞窟内は増水し救助は不可能と思われた。タイ海軍特殊部隊、米軍特殊部隊に加えて各国から応援が入り数千人が集まったが、洞窟ダイビングは死のリスクが高く、特殊技能が必要であるため、少年たちの救出活動は進まない。そこで世界各地から集められたのは、民間の洞窟ダイバー達だった。彼らを中心にした決死の救出作戦が始まる―。

『フリーソロ』(18)アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門受賞
エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ&ジミー・チン最新作

『フリーソロ』(18)で2019年アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞したエリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィとジミー・チン両監督が、不可能と思われた救出劇の詳しい内容を明らかにしながら、洞窟探検のエキスパートたちの果敢な挑戦と功績を映し出したドキュメンタリー。ダイバーたちにとっても危険と隣り合わせの状況で、様々な困難が降りかかる綱渡りのような救出作戦に思わず息を呑む。ドキュメンタリーでありながら、息もつかせぬ緊張感が続き、エンターテイメントとしての面白さも兼ね備えている。今まで明かされなかった貴重な内部映像や関係者へのインタビューに加え、VFXを駆使して洞窟救助の全貌を3Dで描いたリアルな再現映像の撮影も行い、リアリティを追求。世界中から救助のために集まった民間ダイバーたちの人間性や勇気、団結力にスポットを当てたことで深い感動を呼ぶドキュメンタリーに仕上がった。2021年のトロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。同年10月にアメリカで公開されるとたちまち話題を呼び、5館でのスタートから560館に広がる大ヒットとなった。今回、日本の劇場公開に併せて素材を4K化したことで、さらに臨場感が増した圧巻の映像になっている。


THE RESCUE 奇跡を起こした者たち THE RESCUE 奇跡を起こした者たち THE RESCUE 奇跡を起こした者たち

3/26(土)~

牛久

牛久

© Thomas Ash 2021

2021年/日本/87分/配給:太秦
監督・撮影・編集:アッシュ・トーマス

公式ホームページ

【前売券】全国共通鑑賞券1,500円(税込)を当館受付にて発売中!

牛久市にある東日本入国管理センター
収容された難民申請者が 隠しカメラに向けてその実態を語る。
この国の“偽りの共生”が暴かれる

在留資格のない人、更新が認められず国外退去を命じられた外国人を“不法滞在者”として強制的に収容している施設が全国に17カ所ある。
その一つが茨城県牛久市にある“東日本入国管理センター”、いわゆる『牛久』だ。
この施設内には、紛争などにより出身国に帰れず、難民申請をしている人も多くいる。しかし、彼らの声を施設の外に届ける機会はほとんどない。
本年3月の名古屋入国管理局におけるスリランカ出身女性・ウィシュマさんの死亡事件、“入管法”改正案の国会成立断念など、日本の入国管理行政を巡る闇は深まるばかりだ。

知られざる不都合な真実
入管収容所における 人権侵害の実態

本作は、厳しい規制を切り抜け、当事者達の了解を得て撮影された。
トーマス・アッシュ監督は“隠し撮り”という手法で、面会室で訴える彼らの証言を記録し続けた。命を守るために祖国を後にした者、家族への思いを馳せる者…。「帰れない」現実を抱えた一人一人の実像。
「まるで刑務所のよう」「これが『おもてなし』かよ」、口々に驚きの実情を面会室のアクリル板越しに訴える9人の肉声。長期の強制収容や非人間的な扱いで、精神や肉体を蝕まれ、日本という国への信頼や希望を失ってゆく多くの人々。論議を呼ぶ“隠し撮り”で撮影された本映画だが、ここに記録された証言と現実は、果たして無視できるものだろうか。
世界中から注目された華やかな東京オリンピック開催の影で、露わになる日本の“おもてなしの現実”と“偽りの共生”。

「撮影の制約自体を映画的な形式に用い、観客をその現実に参加せざるをえなくすることで、ドキュメンタリーの力を示した」として、2021年9月の韓国DMZ映画祭でアジア部門最優秀賞を受賞した。


牛久 牛久 牛久

3/26(土)~

チェチェンへようこそーゲイの粛清ー

チェチェンへようこそーゲイの粛清ー

2020年/アメリカ/107分/配給:MadeGood Films
原題:Welcome to Chechnya
監督:デイヴィッド・フランス

公式ホームページ

この”ゲイ狩り”を世界は止められるか

ロシア支配下のチェチェン共和国で国家主導の”ゲイ狩り”が横行している。同性愛者たちは国家警察や自身の家族から拷問を受け、殺害され、社会から抹消されている。それでも決死の国外脱出を試みる彼らと、救出に奔走する活動家たちを追った。本作品では、被害者の命を守るため、フェイスダブル技術を駆使し身元を特定不能にしている。
世界はこの大罪を止められるか。

作家としても受賞歴があり、アカデミー賞ノミネートの経歴を持つデイヴィッド・フランス監督(『HOW TO SURVIVE A PLAGUE(疫病を生き抜く)』『マーシャ・P・ジョンソンの生と死』)。彼は本作において、これまでも重要なテーマとしてきたLGBTQ問題を前面に打ち出し、ロシアのチェチェン共和国で現在起こっている人道的危機の驚くべき実態を伝える。
フランス監督は、チェチェン共和国当局によるLGBTQ迫害の犠牲者を救出する活動家たちの中に入り、ゲリラ撮影の手法で彼らが直面する困難と日々の地下活動を撮影した。チェチェンではゲイやトランスジェンダーであることは悪とされている。当局が関与する拘留、拷問、命の危険に瀕し、LGBTQの人々は息をひそめ恐怖に怯えて暮らしている。ロシアLGBTネットワークや、モスクワLGBT+イニシアティブコミュニティセンターの活動家グループに密着して撮影された映像は、LGBTQに対する恐ろしく残忍な虐待の様子を伝え、隠されてきた残虐行為と危機的状況を暴き出す。

2016年以降、チェチェン共和国の指導者ラムザン・カディロフは「血の浄化」を方針に掲げ、チェチェンのLGBTQに対する拘留、拷問、処刑を罪に問わず、粛清を進めるという暴挙を容認している。世界的に抗議の声をあげるには情報が少なく、ロシア連邦政府からの対応も得られないため、活動家らは秘密裏にネットワークを駆使し自力で問題に取り組まなければならない。そして、既に数え切れないほどの犠牲者が殺害され、行方不明者は数百人にのぼる。
偏見と憎悪の渦中で、十分な準備も資金もないままLGBTQ活動家は経験したことのない危険な仕事に奔走する。助けを求める人のための救援ホットラインの開設や、広範囲に及ぶ支援ネットワークの提供、一時的な避難所、安全な住居、緊急避難の対応など、活動は多岐にわたる。彼らは自らの危険を顧みず、弾圧から逃れた生存者を受け入れ、検問をやり過ごし国外へ避難させることに全力を尽くす。
この映画には、助けを求める性的少数者の男性や女性が登場する。彼らは率直に勇気をもって自らの経験を語っている。フランス監督は命の危険に晒された避難者の身元を保護するため、彼らの声を変え、偽名を採用している。また、ディープフェイクの使用法を更に進化させた「フェイスダブル」を採用している。これはドキュメンタリー映画としては初の試みで、この方法で顔を変えることにより、感情のある印象的な映像が生まれ、避難者らは報復を恐れず語ることができ、彼らの苦境を直接伝える作品となっている。
撮影が終る頃までに、LGBTQ支援パイプラインを通じて151人が避難したが、それでも未だ40,000人が助けを求めながら身を隠して暮らしている。


チェチェンへようこそーゲイの粛清ー チェチェンへようこそーゲイの粛清ー チェチェンへようこそーゲイの粛清ー

3/26(土)~

ホテルアイリス

ホテルアイリス

©️長谷工作室

2021年/日本・台湾/100分/配給:リアリーライクフィルムズ
原題:艾利絲旅館
監督:奥原浩志
原作:小川洋子(©️幻冬舎「ホテル・アイリス」)
出演:永瀬正敏、陸夏、寛一郎、菜葉菜、大島葉子、馬志翔、李康生

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券1,500円(税込)を当館受付にて発売中!
特典:台湾語版オリジナルミニポスターをプレゼント!

名も知らぬ、どこか涯ての島に在る小さな海沿いのホテル。
謎めいた中年男と心に闇を抱えた若い娘。
出会ってはならない2人は、いつしか愛と死の香りに満ちた濃密な時間の淵に堕ちていく…

寂れた海沿いのリゾート地。そこで日本人の母親が経営するホテル・アイリスを手伝っているマリは、ある日階上で響き渡る女の悲鳴を聞く。赤いキャミソールのその女は、男の罵声と暴力から逃れようと取り乱している。マリは茫然自失で、ただならぬその状況を静観している。一方で、男の振る舞いに激しく惹かれているもう一人の自分がいて、無意識の中の何かが覚醒していくことにも気づき始めていた。
男は、ロシア文学の翻訳家で、小舟で少し渡った孤島で、独りで暮らしているという。住人たちは、彼が過去に起きた殺人事件の真犯人ではないかと、まことしやかに噂した。またマリも、台湾人の父親が不慮の事故死を遂げた過去を持ち、そのオブセッションから立ち直れずにいた。
男とマリの奇妙な巡り合わせは、二人の人生を大きく揺さぶり始める。

男を演じるのは、永瀬正敏。ジム・ジャームッシュや相米慎二など、時代にその名を刻む名匠たちの寵愛のもとで活躍の場を世界へと拡げ、もはや日本を代表する国際的俳優であることを誰もが疑わない。本作ではミステリアスなバッグボーンを背負いながらも、大人の男の色気をしたたかに纏うロシア文学の翻訳者を演じた。
若い娘マリを演じるのは、台湾のアップカミングスター、陸夏(ルシア)。雑誌のモデルやテレビコマーシャルに出演するタレントとしての活動を経て、本作で主演に大抜擢、映画デビューを果たした。2021年台北映画祭で本作を含む2作品の演技で超新人(Supernova)賞10人の1人に選出される。本作ではヒロインの複雑なキャラクターを可憐に、そして大胆に演じてみせた。
2人を支えるのは、個性的な俳優たち。マリの母親を演じた菜葉菜は、過剰な娘への愛と、奔放な男たちへの愛とを混在させる女の性(さが)を華やか、かつリアリティーを持たせて演じ新境地を見せる。一方、男の甥を演じた寛一郎は、異質のピグマリオンコンプレックス(人形偏愛)の対象のような存在として、その美しく古典的な容姿を存分に機能させている。マリの父親役を演じたマー・ジーシャンは映画監督としても著名で、彼が監督した永瀬正敏主演の『KANO 1931海の向こうの甲子園』は台湾で大ヒットを記録した。俳優としては最新作の『Listen before you sing』で台北映画祭で主演男優賞に選ばれている。渡し舟の船頭を演じたリー・カンションは、言わずと知れたツァイ・ミンリャン映画にとってなくてはならない存在。あまりにも映画的な存在感は、本作でも際立っている。
監督は、『波』『青い車』の奥原浩志。寡作家の彼が『黒四角』以来9年の歳月を経て発表したのが本作だ。まるでヨーロッパ映画を観ているような幽玄の世界観は、観るものを眩惑の世界へと導いていく。
その奥原監督の世界観を忠実に再現したのは、日・台の一流のスタッフたち。撮影には『少年の君』や『ソウルメイト 七月(チーユエ)と安生(アンシェン)』などデレク・ツァン監督作品で高い評価を獲得している、台湾のユー・ジンピンが参加した。『ホテルアイリス』のイメージを決定づける美術を担当したのは、『ピンポン』『火火』『前田建設ファンタジー営業部』『ミュジコフィリア』の金勝浩一。ホテルのフロントやリー・カンションの営む売店小屋など、この映画のために創り上げた美術は元からそこにあったかのようなリアリティーだ。
全編を彩る旋律はポーランド出身、『佐渡テンペスト』『君と世界が終わる日に』(テレビドラマ)、『ID-Invaded』(テレビアニメ)のスワペック・コバレフスキ。日本人にはない感性が、よりこの映画を無国籍なものへと昇華させている。
小川洋子が小説の中で描き続ける、私たちの日常の中にありながら異次元のもの、異質のものの中に見え隠れする普遍性。『ホテル・アイリス』はその世界観が最も極限的に描かれている。奥原監督は、原作のメッセージの忠実な再現を試みながらも、時間と映画的空間の歪みの中に愛と死のイメージを定着させることで、いかにも奥原監督らしい映画『ホテルアイリス』を完成させている。


ホテルアイリス ホテルアイリス ホテルアイリス

4/2(土)~

リング・ワンダリング

リング・ワンダリング

©2021 リング・ワンダリング製作委員会

2021年/日本/103分/配給:ムービー・アクト・プロジェクト
監督:金子雅和
脚本:金子雅和、吉村元希
出演:笠松将、阿部純子、片岡礼子、品川徹、田中要次、安田顕、長谷川初範

公式ホームページ

ある日、出会った 地中に埋もれた過去の記憶
迷い込み、巡り会う
過去と現在が織り交ざる、切なく幻想的な物語。

漫画家を目指す草介は、絶滅したニホンオオカミを題材に漫画を描いているが、肝心のオオカミをうまく形にできず前に進めない。そんなある日、バイト先の工事現場で、逃げ出した犬を探す不思議な娘・ミドリと出会う。転倒しケガをしたミドリを彼女の家族が営む写真館まで送り届けるが、そこはいつも見る東京の風景とは違っていた…。草介はミドリとその家族との出会いを通じて、その土地で過去に起きたことを知ることになる。東京の土地に眠る、忘れられた人々の想いがよみがえる幻想譚。

第52回インド国際映画祭(ゴア)で金孔雀賞(最高賞)受賞!
自然と人間の関係性を描いてきた監督・金子雅和が
はじめて向き合った東京とその土地の記憶。

初長編監督作『アルビノの木』が海外映画祭で20の賞を獲得し注目された金子雅和監督。自然と人間の関係性を描いてきた監督が、はじめて東京を舞台に町や人々の記憶と対峙した本作は、アジア最大級の映画祭、第52回インド国際映画祭(ゴア)で最高賞である金孔雀賞を受賞。日本映画の受賞は『あにいもうと』(今井正監督/76)、『鉄道員(ぽっぽや)』(降旗康男監督/99)についで、史上3番目の快挙となった。美術監督は『Shall we ダンス?』(周防正行監督/96)で日本アカデミー賞最優秀美術賞受賞の部谷京子、劇中漫画は水で書きそこに墨を落とす技法が特徴で『花筐/HANAGATAMI』(大林宜彦監督/17)の宣伝ビジュアル画を担当した森泉岳土が務め、現実と幻想が入り交ざる世界観を作り上げた。

主人公・草介を演じる笠松将は日本テレビ系「君と世界が終わる日に」やNetflix「全裸監督 シーズン2」、マイケル・マンがエグゼクティヴ・プロデューサーと第1話を監督するWOWOWのドラマシリーズ「TOKYO VICE」など話題作への出演が続き、注目を集める若手俳優。地に足がつかず漠然とした不安を抱える現代の若者のリアルを、絶妙なバランスで演じている。ミドリと梢の二役を演じる阿部純子は海外作品にも多数出演する国際派。本作では、幻想世界のヒロインの神秘性を体現した。ほか、主演映画が相次ぐ安田顕、金子監督の初長編『アルビノの木』でも存在感を放った長谷川初範、日本映画界に欠かせない片岡礼子らが脇を固める。


リング・ワンダリング リング・ワンダリング リング・ワンダリング

4/2(土)~

オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険

オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険

© Aichholzer Film 2020

2020年/オーストリア/88分/配給:パンドラ
原題:Austria 2 Australia
監督:アンドレアス・ブチウマン、ドミニク・ボヒス

公式ホームページ

海路を除いてその距離18,000Km
訪問国19か国、期間にして11か月!
三大陸を駆け抜ける自転車ロードムービー!

ドローンと4Kカメラを積み込み、オーストリアからオーストラリアまで自転車で走破する旅に乗り出したアンドレアスとドミニク。赤の広場やステップ砂漠、ヒマラヤ、カラコルム山脈などの絶景を通り抜け、ロシア、カザフスタン、中国、パキスタン、インドなどユーラシア大陸を横断し目的地へ。

初日から豪雨と暴風に襲われ、灼熱、水・食料の枯渇、日射病、虫、友情の危機…未経験の困難が二人を待ち受ける。好奇心と情熱に突き動かされたふたりは、果たして最終目的地オーストラリアのブリスベンまで到達できるのか―⁉
タフでクレイジーな旅の圧倒的なリアリティがここに!


オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険 オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険 オーストリアからオーストラリアへ~ふたりの自転車大冒険
シネマリンインスタグラム