倫敦から来た男 デジタル版
2007年/ハンガリー=フランス=ドイツ/139 分/モノクロ
原題:The Man from London
ハンガリー題:A londoni férfi
監督:タル・ベーラ
原作:ジョルジュ・シムノン
脚本:クラスナホルカイ・ラースロー、タル・ベーラ
撮影監督:フレッド・ケレメン
音楽:ヴィーグ・ミハーイ
編集・共同監督:フラニツキー・アーグネシュ
出演:ミロスラヴ・クロボット、ティルダ・スウィントン、ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ
ある晩、静かな港で起こった殺人事件。
偶然にも大金を手に入れた男と失った男。
二人の人生が交錯し、運命の歯車が狂ってゆく。
推理小説家ジョルジュ・シムノンの同名小説に「これは私たちの物語だ」と一瞬にして魅了されたタル・ベーラが映画化し、タル・ベーラ監督作として初めてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品された野心作。果てることない海のそば。静かに生きる鉄道員のマロワンは毎晩、「ガラスの檻」のような制御室から、漆黒の港と駅を見下ろしている。ある夜、マロワンは偶然にも“倫敦から来た男”ブラウンが犯した殺人の現場を目撃してしまう。そして、殺された男が持っていた大金の入ったトランクを、マロワンは海中から見つけ出す。それはブラウンが必死に探していたものだった・・・。出会うはずのなかった男たちの人生が交差し、ゆっくり破滅へと向かってゆく。
「罪とは何か?」「罰とは?」と問いかけ、誰もが罪人になりえるという人間の脆さと哀れを描く物語を描くにあたってタル・ベーラは空間の概念を揺るがすカメラワーク、登場人物の心情をも見透かすような長回しを駆使し、完璧なモノクロームの世界を作り上げた。冒頭の港のシーンは、驚くことにコルシカのバスティア港に作られたセットであり、そのファーストショットを観ただけで、一切の妥協を許さないタル・ベーラの姿勢がうかがえる。インディーズ映画からハリウッド超大作まで幅広く活躍するティルダ・スウィントンが、退廃的な美しさを漂わせるマロワンの妻を見事に演じている。
この映画は、欲望について、自由で幸福な人生への人間の希求について、決して実現しない幻想的な夢について、そして、毎日眠りにつき次の日に起き上がり生き続ける私たちの強さについて、描いています。私はマロワンの物語が、誘惑に打ち勝ち、人間の尊厳を保つ勇気を持っている全ての人の物語であると確信しています。
――――タル・ベーラ
料金
| 一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
| 通常 | ¥1900 | ¥1300 | ¥800 |
| 会員 | ¥1300 | ¥1300 | ¥800 |