チャオ・パンタン 4K
※当館での上映は2K版
1983年/フランス/92分/カラー/配給:コピアポア・フィルム
監督・脚本:クロード・ベリ
原作:アラン・バージュ
撮影:ブリュノ・ニュイッテン
音楽:シャルレリー・クチュール
編集:エルヴェ・ド・リューズ
美術:アレクサンドル・トローネ
製作:ピエール・グルンステイン
出演:コリューシュ 、リシャール・アンコニナ、アニエス・ソラル、フィリップ・レオタール
80年代の<フレンチ・ノワール>美学の金字塔ともいうべき作品が、4Kデジタル版となって40年ぶりに日本のスクリーンに蘇る。
パリ18区。しがないアル中の中年男ランベールは、夜のガソリンスタンドで働いている。その姿は抜け殻のようで、酒をあおりながら余る人生をただ終わらせようとしているかに見える。ある晩、そんな彼のもとに、ユダヤとアラブの血を引く青年ベンスサンが逃げ込んでくる。親と子ほど歳の差のある二人だが、孤独な魂が触れ合ったのか、それからベンスサンはたびたびランベールに会いにくるようになる。ランベールもまた、何かと彼の世話を焼き始めるが、ある日そんな日々も突然の終わりを告げる。麻薬の売人をやっていたベンスサンが、オートバイに乗った二人組の男たちに殺されてしまったのだ。ランベールは、ベンスサンを死に至らしめた者たちへの復讐の決意を固め、夜の街へと歩を踏み出していく。そしてすでに死んでいるかのような人生を送っていたランベールの過去も次第に明らかになっていく。
『チャオ・パンタン』はヌーヴェル・ヴァーグだけにとどまらず「チェコ・ニューウェイヴ」とも横断的に関わった、『老人と子供』や『愛と宿命の泉』などで知られるクロード・ベリが監督した1983年の作品。フランスでは当時、400万人近くの観客を集める大ヒットとなり、セザール賞でも5部門に輝き高く評価された。
1983年と言えば、フランソワ・ミッテラン大統領の政権下で移民政策が緩和にされ、特に北アフリカ系アラブ人の流入により彼らの存在が少しずつ可視化されるようになった時代でもあった。そのような時代背景のもと『チャオ・パンタン』は、それまでの〈フレンチ・ノワール〉の美学を踏襲しつつも、後の郊外(バンリュー)映画を予見させるような、当時のフランス社会における、都市の周縁に追いやられた者たちの孤独や哀しみを描き出した作品となった。
原作は、『太陽が知っている』で知られるアラン・パージュ。脚本はパージュとベリが共同執筆。撮影は、マルグリット・デュラスの映画などで知られる名手ブリュノ・ニュイッテン。この映画の夜の撮影はあまりにも素晴らしく、セザール賞の最優秀撮影賞を受賞した。そして美術は、『天井桟敷の人々』など戦前から活躍しているベテランのアレクサンドル・トローネルが手がけ、この作品に深い詩情を与えている。
料金
| 一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
| 通常 | ¥1900 | ¥1300 | ¥800 |
| 会員 | ¥1300 | ¥1300 | ¥800 |