PFFスカラシップ傑作選

日本映画界を牽引する監督たちの商業デビュー作を世に送り出してきた、ぴあフィルムフェスティバルの映画製作プロジェクト「PFFスカラシップ」。1984年の創設から38年を迎える2022年今夏、PFFスカラシップ作品の新作2作『猫と塩、または砂糖』、『裸足で鳴らしてみせろ』の連続公開を記念して、過去のPFFスカラシップ作品の名作を35ｍｍフィルム上映で振りかえる「PFFスカラシップ傑作選」の開催が決定。現在、PFFや国立映画アーカイブ所蔵の上映可能な35ｍｍフィルムから、各劇場がセレクトする≪ミニシアターセレクション≫でお届けします。

©ぴあ・ポニーキャニオン

フィルム提供：国立映画アーカイブ

［第6回PFFスカラシップ作品］1992年／日本／114分／35mm／配給：マジックアワー／国立映画アーカイブ所蔵作品
監督・脚本：橋口亮輔／出演：袴田吉彦、遠藤雅、片岡礼子、山田純世、佐藤垣治

19歳の樹（たつる）は、ごく普通の大学生の生活を送る一方、アルバイトとして少年売春クラブで身体を売っている。家族からも友達からも距離を置いて付き合いながら、常に優しい彼に、大学の先輩・頼子と、売春クラブで出会った高校生の信ちゃんは惹かれていく。 優しすぎる世代の息遣いを、日常的な風景の中で静かに描き出し、リアルな感覚が胸に響く青春映画。

橋口亮輔（はしぐち・りょうすけ）プロフィール
『ヒュルル…1985』が大島渚監督の支持を受けPFF入選。3年後、『夕辺の秘密』がＰＦＦアワード1989にてグランプリ受賞。
代表作：『ハッシュ!』（01）、『ぐるりのこと。』（08）、『恋人たち』（15）

©ＰＦＦパートナーズ

［第12回PFFスカラシップ作品］2002年／日本／118分／35mm／配給：マジックアワー
監督：李相日／脚本：李相日、松浦本／出演：沢木哲、前田綾花、光石研、村上淳、森下能幸

やる気のないタクシー運転手の黒崎は、自転車で走っていた高校生・松田を轢いてしまう。「北海道まで行く」と言い張る彼。仕方なく黒崎は行動を共にするのだが、ラジオで流れたニュースで、彼が父親を殺害し逃げてきたことを知ってしまう…。
実際に起きた事件をモチーフに、家族とのつながりに傷を持つ同士の一瞬の触れあいを描いた珠玉のロードムービー

李 相日（り・さんいる）プロフィール
PFFアワード2000にて『青～chong～』がグランプリを含む4賞を受賞。
代表作：『フラガール』（06）、『悪人』（10）、『流浪の月』（22）

©ＰＦＦパートナーズ

［第14回PFFスカラシップ作品］2004年／日本／98分／35mm／配給：マジックアワー
監督・脚本：内田けんじ／出演：中村靖日、霧島れいか、山中聡、眞島秀和、近松仁

金曜の夕方。最愛の人に去られた冴えないサラリーマンの宮田は、帰宅するなり探偵を営む友人に呼び出された。待ち合わせ場所のレストランで、彼はある女性と出会い恋に落ちる。しかしその影で、とんでもない事件が起こっていた…。
ある一夜の出来事を登場人物それぞれの視点からコミカルに描いた新感覚のタイムスパイラル・ムービー。

内田けんじ（うちだ・けんじ）プロフィール
PFFアワード2002にて『WEEKEND BLUES』が企画賞（TBS賞）＆ブリリアント賞（日活賞）受賞
。 代表作：『運命じゃない人』（05）、『アフタースクール』（08）、『鍵泥棒のメソッド』（12）