サクリファイス
© Récolte&Co.
2019年/日本/カラー/16:9/77分/ステレオ/制作・配給: Récolte&Co.
監督・脚本・編集:壷井濯
プロデューサー:藤原里歩
副プロデューサー:柗下仁美、林海斗
撮影:柗下仁美
録音:藤原里歩
撮影助手:柳田智哉
助監督:加登谷美琴
制作:下村花
音楽:大津沙良
整音:塚本啓介
スチール:柗下知之
主題歌:ぐみ(from パスワードの人)「小譚歌」
配給協力:林海斗
宣伝デザイン:寺澤圭太郎
宣伝:髭野純
出演:青木柚、半田美樹、五味未知子、藤田晃輔、櫻井保幸、矢﨑初音、下村花、柗下仁美、青木陽南、 田港璃空、三坂知絵子、草野康太、三浦貴大
311匹目の猫が殺された時、世界は何が変わるのでしょうか
かつて新興宗教団体〈汐の会〉で東日本大震災を予知した少女・翠は、今は陸上部に所属する女子大生としての日々を過ごしていた。
同じ頃、大学周辺では三つの事件が起こっていた。神崎ソラという孤独な学生の死。三一一匹殺されるまで終わらないとされる猫殺し。若者を戦争へ駆り立てる団体〈しんわ〉の暗躍。
平凡な毎日を忌み嫌う塔子は、同じ学部に通う愛想の良い青年・沖田が猫殺しの犯人ではないかと睨み行動を共にしていた。やがて彼が、キャンパス内で神崎ソラと接触を持っていた唯一の人物であることを知り、猫殺しだけでなくソラの殺害にも関与しているのではと疑い始めるが……。
東日本大震災から九年、「死の物語」の中を若者たちが疾走する。
本作の企画は、大学の授業で「東日本大震災をテーマにした脚本を書く」という課題が出たところからスタートした。不幸の中から幸福への糸口を見出だせるのが映画だとすれば、〈つながり〉ではなく〈断絶〉を、今こそ恐れずに描くべきではないか。そして、それは現代人が目を背けがちな「死の物語」でなくてはならない。「死の物語」には他者の孤独や不幸に寄り添う力があるからだ。こうして書き上げられた『サクリファイス』の脚本は、その後、立教大学映像身体学科の第一回スカラシップ作品に選出され、映画化された。
誰にでも愛想の良い好青年でありながら、猫の死体の写真を収集しているという複雑な内面を持つ主人公・沖田を演じるのは、『14の夜』『アイスと雨音』での演技が話題を呼んだ青木柚。「普通」を拒絶し、「境界の向こう」へ憧れを抱く女子大生・塔子役には、『花に嵐』『聖なるもの』や舞台でも活躍する半田美樹。霊能力に翻弄されながらも、大切な人との記憶を武器に走り続ける少女・翠役には、これが映画初出演となる五味未知子が挑んだ。脇を固める三坂知絵子、草野康太、三浦貴大ら実力派俳優たちの芝居も見所の一つである。
ラスト三十分、生者と死者の境界が取り払われ、物語そのものが「壊れる」時、寄る辺なき若者たちはどのような生き方を選択するのだろうか。是非、あなたの目で目撃して欲しい。
併映作品
殺し屋シュウヘイ
© Récolte&Co.
2016年/日本/26分
監督・脚本:壷井濯
撮影・編集:柗下仁美
録音:五味礼一郎、飯塚啓介、小代田瞳
制作:鈴木智之、横内章人
音楽:かえる王国
主題歌:星影彩花
音響:安江史男
出演:矢﨑初音、五味孔平、五味礼一郎、飯塚啓介、壷井濯、柗下仁美
「天上の御方様」を狂信する母親に育てられた水希は、レムというもうひとつの名前を与えられていた。母親の死後、どちらも本当の名前に思えなかった水希は、形見のカメラを持って散歩に出かける。そして殺し屋シュウヘイと出会い、本当の生き方と名前を見つけ出していく。自我とは何なのか、わからない世界の中の「神」の意味とは?
セカイの終わりに静かに扉を開けるもののように
© Récolte&Co.
2011年/日本/60分
監督・脚本・編集:壷井濯
プロデューサー:小林恵美
撮影:根本剛
照明:瀬戸詩織
録音:小島かほり、三森将希
助監督:大橋亮
音楽:高尾映
出演:柗下仁美、近藤大地、矢﨑初音、中田順平、千葉美紅、パスタ功次郎、草野康太
あの巨大な飛行機が二本の高層ビルを倒壊させた日、世界に生じた裂け目は、極東の片隅でひっそりと暮らす男女の生活を静かに飲み込み始める。「それはロウソクの上で揺れる小さな炎みたいで、強い風が吹けば今にも消えてしまいそうな物語。だけど––」『サクリファイス』の壷井濯が二十歳の頃に監督した幻の自主映画。