特集 ロッセリーニ×ゴダール[2つのゼロ年]
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ロッセリーニ×ゴダール
[2つのゼロ年]
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ロッセリーニ×ゴダール
[2つのゼロ年]
2人の巨匠が描く、2つの[ゼロ年]
第二次世界大戦後の廃墟と化したベルリンを舞台に、ひとりの少年を通して戦争がもたらす残酷さを描いたロベルト・ロッセリーニの『ドイツ零年』(1948)と、ベルリンの壁崩壊の翌年、東ドイツに潜伏していた老スパイの西側への帰還の旅を描いたジャン=リュック・ゴダールの『新ドイツ零年』(1991)。1945年をドイツにとっての《ゼロ年》と示し、戦後ベルリンの“虚無の廃墟”を冷徹に描いたロッセリーニに対し、ゴダールは東西ドイツが統合された1990年を《新ゼロ年》として、ふたたび“虚無の廃墟”にもどされたドイツを見つめ直した。戦後80年、東西ドイツ統一35年を迎える2025年、思いがけない、だが必然にみちた2作品の邂逅が実現する。
公式サイト https://www.zaziefilms.com/zero/
配給 ザジフィルムズ
入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円
作品紹介
ドイツ零年
© Cinecittà Luce, CSC – Cineteca Nazionale, Cineteca di Bologna, Coproduction Office.
1948年/イタリア/74分/ドイツ語/モノクロ
原題:Germania anno zero
監督:ロベルト・ロッセリーニ
脚本:ロベルト・ロッセリーニ、マックス・コルペット、カルロ・リッツァーニ
撮影:ロベール・ジェイヤール
音楽:レンツォ・ロッセリーニ
出演:エドムント・メシュケ、エルンスト・ピットシャウ、インゲトラウト・ヒンツェ、フランツ・クリューガー
ナチス・ドイツが崩壊した1945年=[ゼロ年]
一人の少年を通して描かれる 戦争がもたらす残酷さ
ナチス・ドイツ崩壊後のベルリン。病弱で寝たきりの父、元ナチ党員で警察を恐れて家に引きこもる兄、家計を助けながら父の看病をする姉と、間借りした狭い部屋に暮らす少年エドモンドは、父と兄に代わってお金を稼ぐために、学校にも行かず、毎日廃墟のような街をさまよっている。ある日、エドモンドは小学校の担任教師だったエニングに街中で出会う。学校を追放され、今は闇商売に手を染めるエニングが説くナチス思想に、無垢なエドモンドは次第に感化され……。
新ドイツ零年
© BRAINSTORM 1991. Licensed through ECM Records GmbH
1991年/フランス/62分/フランス語、ドイツ語など/カラー
原題:Allemagne année 90 neuf zéro
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:クリストフ・ポロック、ステファン・ベンダ、アンドレアス・エルバン
出演:エディ・コンスタンティーヌ、ハンス・ツィシュラー、クラウディア・ミヒェルゼン、アンドレ・ラバルト
字幕翻訳:堀 潤之
東西ドイツが統合された1990年=[新ゼロ年]
東ドイツに潜伏していた老スパイの“西”への帰還の旅
前年にベルリンの壁が崩壊した1990年のドイツ。西ドイツ側のスパイとして東ベルリンに30年間潜伏していた諜報員レミー・コーションのもとへ、軍情報部のゼルテン伯爵がやってくる。「すべて終わった」と告げられたレミーは、彼に勧められるがまま、西側への帰還を目指して東ドイツを大きく迂回する旅に出る。トーマス・マンの小説の登場人物を思わせる娘シャルロッテや、ドン・キホーテとサンチョ・パンサなど、様々な人々と出会いながらレミーは西側にたどり着く……。