Chime
©Roadstead
2024年/日本/45分/配給:Stranger
監督・脚本:黒沢清
音楽:渡邊琢磨
キャスト:吉岡睦雄、小日向星一、天野はな、安井順平、関幸治、ぎぃ子、川添野愛、石毛宏樹、田畑智子、渡辺いっけい
製作: Roadstead
企画:Sunborn
制作プロダクション:C&I エンタテインメント
イベント情報
8/10(土)17:55回上映後、吉岡睦雄さんによるトークイベントが急遽決定しました!
すべてはチャイムの音から始まった――。日常の異変から、世界が崩壊していく物語。
料理教室の講師として働いている松岡卓司。ある日、レッスン中に生徒の1人、田代一郎が「チャイムのような音で、誰かがメッセージを送ってきている」と、不思議なことを言い出す。事務員の間でも、田代は少し変わっていると言われているが、松岡は気にすることなく接していた。 しかし別の日の教室で、田代が今度は「僕の脳の半分は入れ替えられて、機械なんです」と言い出し、それを証明するために驚くべき行動に出る。田代の一件後のある日、松岡は若い女性の生徒・菱田明美を教えていた。淡々とレッスンを続ける松岡だったが、丸鶏が気持ち悪いと文句を言う明美に、彼は――。 松岡の身にいったい何が起きたのか。料理教室で、松岡の自宅で、ありふれた日常に異様な恐怖がうごめき始めたのだった…。
「一度でいいから、思いつくままに恐ろしいシーンが続けざまに並んでいる映画を作りたかった」 —黒沢清
今年、『蛇の道』『Cloud クラウド』と黒沢清監督作品が相次ぐ年であるが、実はもう1作品の新作が存在する。それがこの「Chime」だ。
本作はメディア配信プラットフォーム・Roadstead オリジナル作品第一弾として「自由に作品を制作してほしい」というオーダーから作られた、ホラーでもサスペンスでもない極めて純度の高い“黒沢清”の描く恐怖が詰まった作品。Roadsteadで限定販売された本作が劇場での上映を開始する。
「映画の中の三大怖いものを詰め込んだ」という本作は、今年の第 74 回ベルリン国際映画祭ベルリナーレ・スペシャル部門に出品され場内ではスタンディングオベーションを浴び話題を呼んだ。
世界的に注目を集めることになった『CURE/キュア』をはじめ、黒沢監督の初期作品である『カリスマ』『蛇の道』『蜘蛛の瞳』などを彷彿とさせる、現代の‟いびつ“が全編にわたって突き刺さる恐怖が描かれる。
【黒沢清監督ステートメント】
チャイムが鳴り、あなたはこれまでずっと続いていた何かが終わって次の何か
が始まるその時が来たことを知る。心の中に不安と期待が同時に押し寄せるが、
もう引き返すことはできない。あなたはそれを受け入れるしかないのだ。またチ
ャイムが鳴り、あなたは戸口の外に誰かが立ったことを知る。その誰かがもたら
すものが恐怖なのか祝福なのかは、ドアを開けてみるまでわからない。あなたは
どうするか?何もしないでいると絶え間なくチャイムは鳴り続けるだろう。この
映画は以上のような私の妄想から生まれた。とりたてたジャンル性も娯楽性も作
家性も持たない、たった45分のむき出しの映画だ。
私は、どこにでもいる平凡な中年男である主人公がチャイムによって突き動か
され常識と非常識のあいだを行き来する様を描いてみた。彼は終始不安だ。しか
し確信もしている。この非常識こそが、彼をがんじがらめに縛り付けている現代
社会のモラルや正義や良心の隙間からするりと抜け出すことのできる、一種の自
由でもあるのだと。
上映日時
8/10(土)~8/16(金) | 8/17(土)、8/18(日) | 8/19(月)~8/29(木) | 8/30(金) |
17:55-18:40 | 22:10-22:55 | 21:30-22:20 | 21:45-22:40 |
料金
一般・大学・専門・シニア・高校生以下 | |
通常 | ¥1500 |
会員 | ¥1500 |