世界一と言われた映画館

世界一と言われた映画館

©認定NPO法人 山形国際ドキュメンタリー映画祭

2017年/日本/67分/DCP/配給:アルゴ・ピクチャーズ
監督・構成・撮影:佐藤広一
語り:大杉漣

公式ホームページ

トークショー
初日2/9(土)14:45回上映後、大崎章さん(『お盆の弟』監督)、横浜在住の大崎監督には、横浜の映画館のこと、大杉漣さんのことも語っていただきます。

40年前、この映画館が酒田に存在していたことの奇跡
「世界一」と謳われた映画館にまつわる、証言集(トリビュート・フィルム)

上映ベルの代わりにジャズの名曲「ムーンライト・セレナーデ」が流れると、暗がりの中で大好きな映画が始まる……。「西の堺、東の酒田」と称された商人の町・山形県酒田市に、映画評論家・淀川長治氏が「世界一の映画館」と評した伝説の映画館、グリーン・ハウスがあった。
回転扉から劇場に入ると、コクテール堂のコーヒーが薫り、バーテンダーの居る喫茶スペースが迎える。少人数でのシネサロン、ホテルのような雰囲気のロビー、ビロード張りの椅子等、その当時東京の映画館でも存在しなかった設備やシステムを取り入れ、多くの人々を魅了したそこは、20歳の若さで支配人となった佐藤久一が作り上げた夢の映画館。
だが、多くの家屋や人々に被害をもたらした1976年の大火災・酒田大火の火元となり、グリーン・ハウスは焼失してしまう。それから40年余りの時を越えた今、「ムーンライト・セレナーデ」が流れるあの場所へかつて集った人々が、煌めいた思い出をもとに言葉を紡いでいく…。
2018年2月に急逝した名優・大杉漣氏のナレーションにのせて贈る、忘れ難い場所を心に持つ人々の証言集。

「生きることの悩み、苦しみ、悲しみ、
そして喜びなどの一切の縮図が映画館の中に繰り広げられる。」
         ――元グリーン・ハウス支配人 佐藤久一
佐藤久一は1930年、山形県酒田市出身。日本酒醸造元「金久酒造」を経営する名家で生まれ育つ。20歳で大學を中退し、父が経営していた映画館「グリー ン・ハウス」支配人に就任。就任当時業績不振だった「グリーン・ハウス」を上映作品の吟味、新たな映画作品をかける度に「グリーンニュース」(後のグリーンイヤーズ)という無料の小冊子の発行、古い建物を大改装する等努力を重ね、洋画専門館として知る人ぞ知る存在となっていく。中でも、映画評論家の淀川長治氏と荻昌弘氏は繰り返し足を運んでおり、淀川氏は「グリーンイヤーズ」の300回記念号で「私の拍手」というタイトルの原稿で「こんな館を持つ酒田が羨ましい」と絶賛している。また、1963年の週刊朝日では「あれはおそらく世界一の映画館ですよ」と淀川氏が記したことにより、全国的に「グリーン・ハウス」の名前が知れ渡ることとなった。

世界一と言われた映画館 世界一と言われた映画館 世界一と言われた映画館

上映日時

2/9(土)~2/15(金) 2/16(土)~2/22(金)
14:45~16:00 10:00~11:15

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1300 ¥1100 ¥800
会員 ¥1100 ¥1100 ¥800