作家主義ホン・サンス

「作家主義ホン・サンス」

この哀しみも愛おしさも
初期の名作『カンウォンドのチカラ』『オー!スジョン』連続上映

10/10(日)-10/22(金)

「作家主義ホン・サンス」

この哀しみも愛おしさも初期の名作
「カンウォンドのチカラ」「オー!スジョン」連続上映

10/10(日)-10/22(金)

 60年代にジャン=リュック・ゴダールが、80年代にヴィム・ヴェンダースが、90年代にウォン・カーウァイがいたように、00年代以降の映画はホン・サンスによって更新され続けている。96年のデビュー作「豚が井戸に落ちた日」以来、韓国のみならず、有名映画祭を中心に世界中を驚かせてきた彼は、「反復」と「差異」に特徴付けられる独自の映画話法を使ってストーリーテリングの呪縛から軽やかに逃れ、人間という哀しくも愛おしい生き物の素顔を、乾いたユーモアを交えて描き続けてきた。その作品は、年を追うごとに深みを増し、昨年の『逃げた女』に続き、最新作『Introduction(原題)』も、ベルリン国際映画祭で受賞(銀熊賞/最優秀脚本賞)を選ばれた。
 そんなホン・サンス監督の初期名作である『カンウォンドのチカラ』(98)と『オー!スジョン』(00)は、韓国映画の新しい時代を創造した革新的な作品であると同時に、「ホン・サンスがいつホン・サンスとなったのか」が刻印された貴重な2本だ。
 世界を魅了し続ける映画作家ホン・サンスの25年におよぶ旅の始まりを目撃することは、彼の芸術性を再発見する絶好の機会となるだろう。

入場料

一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,100円/高校生以下800円

公式ホームページ

イベント情報
初日10/10(日)20:00『カンウォンドのチカラ』上映後、相田冬二さん(映画批評家)によるトークイベントが決定しました!
<ホン・サンス/「女」と「男」論>

男と女のドラマを紡いできた映画作家、ホン・サンス。『カンウォンドのチカラ』『オー!スジョン』もまた、男と女の物語である。 ホン・サンス作品がもつ「女性性」と「男性性」について、映画批評家・相田冬二が語る。

上映スケジュール

10/9(土) 10/10(日) 10/11(月) 10/12(火) 10/13(水) 10/14(木) 10/15(金)

カンウォンドのチカラ20:00-21:55
カンウォンドのチカラ
オー!スジョン20:00-22:10
オー!スジョン
カンウォンドのチカラ20:00-21:55
カンウォンドのチカラ
オー!スジョン20:00-22:10
オー!スジョン
カンウォンドのチカラ20:00-21:55
カンウォンドのチカラ
オー!スジョン20:00-22:10
オー!スジョン

予定表 横にスクロールできます

10/16(土) 10/17(日) 10/18(月) 10/19(火) 10/20(水) 10/21(木) 10/22(金)
カンウォンドのチカラ15:30-17:25
カンウォンドのチカラ
オー!スジョン15:30-17:40
オー!スジョン”
カンウォンドのチカラ15:30-17:25
カンウォンドのチカラ
オー!スジョン15:30-17:40
オー!スジョン
カンウォンドのチカラ15:30-17:25
カンウォンドのチカラ
オー!スジョン15:30-17:40
オー!スジョン
カンウォンドのチカラ15:30-17:25
カンウォンドのチカラ

予定表 横にスクロールできます

作品紹介

カンウォンドのチカラ

©MIRACIN ENTERTAINMENT CO.LTD

1998年/韓国/109分/配給:APEOPLE
原題 강원도의 힘 The Power of Kangwon Province
監督・脚本:ホン・サンス
出演:オ・ユノン、ペク・チョンハク

ホン・サンスの原点
ただどうしようもなく誰かを求めてしまう、女と男
友人たちと共に、自然豊かな江原道(カンウォンド)へと遊びにきた大学生イ・ジスク(オ・ユノン)。雪岳(ソラク)山のふもとで宿を探していた彼女たちは、親切な警察官と出会い、一緒に酒を飲む。妻帯者と付き合っていたことを友人に指摘された後、泥酔したジスクは警察官に介抱され、詰所でひと時を過ごす。それからしばらくして、ジスクは再び彼に会うため、江原道を訪ねる。一方、教え子であるジスクと別れたばかりの大学講師チョ・サングォン(ペク・チョンハク)は、後輩に誘われ、江原道へとやってくる。食堂で目を止めた美しい女性に声をかけるもうまくいかなかった彼らは、夜、飲みに出かけた店で働く女性たちを連れて、ホテルへと戻る。翌日、飛行機に乗り損ねたサングォンは、時間潰しのために訪れた寺で、ジスクの痕跡を発見する。
ホン・サンス監督の長篇第2作で、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。小説を原作としてデビュー作「豚が井戸に落ちた日」と違い、自らの着想から始まったオリジナル作品というという点でも、現在に至るホン・サンス映画の原点と言える作品。同じ時に同じ場所を訪れていながらまったく出会うことのない元恋人同士が経験する、似ているようで微妙に違う出来事と心の変化を2部形式でディテール豊かに見せるという構成が見るものを驚かせ、韓国で最も権威のある映画賞と言われる青龍映画賞で監督賞と脚本賞の2冠に輝いた。ホン・サンスの冷徹なカメラの前で、頭で考えるのではなく、ただどうしようもなく誰かを求めてしまう女と男を自然体で演じたのは、本作で映画デビューを果たした「秘蜜」(04)のオ・ユノンと「私の頭の中の消しゴム」(04)のペク・チョンハク。

*第3回 釜山国際映画祭 NETPAC賞(1998年)
*第19回 韓国青龍映画祭 監督賞、脚本賞(1998年)

オー!スジョン

©MIRACIN ENTERTAINMENT CO.LTD

2000年/韓国/126分/配給:APEOPLE
原題 오!수정 Virgin Stripped Bare by Her Bachelors
監督・脚本:ホン・サンス
出演:イ・ウンジュ、チョン・ボソク、ムン・ソングン

モノクロで描かれる、男と女の記憶
女優、イ・ウンジュの傑出した1本

ホテルの部屋で恋人であるヤン・スジョン(イ・ウンジュ)を待っているキム・ジェフン(チョン・ボソク)。画廊を経営する彼は、テレビ番組のディレクターで、先輩でもあるクォン・ヨンス(ムン・ソングン)と一緒に展覧会を訪れた構成作家のスジョンと出会い、恋に落ちたのだった。酒を飲んだ後にスジョンから「お酒を飲む時だけ恋人になりましょうか?」と言われ、交際を始めたジェフン。スジョンとセックスをしようとしたジェフンは「初めてなの」という言葉を聞き、彼女が心を決める日を待っていた。一方、ジェフンからの電話を自宅で受けたスジョンも、2人のこれまでを振り返る。ジェフンと会った当時、スジョンは妻帯者であるヨンスとの苦しい恋愛の最中で、優しくスマートなジェフンに彼とは違う魅力を感じていた。
ホン・サンス監督の長篇第3作で、前作「カンウォンドのチカラ」に続き、カンヌ国際映画祭ある視点部門に出品された。男女それぞれの記憶をもとに出会いからセックスへと至るまでの心情と行動が美しいモノクロ映像で描かれていく。16の章に分かれたエピソードが、ドライかつリズミカルに積み重なり、欲望に忠実な人間たちの姿が徐々に浮かび上がる。男性から見たスジョンと、自分の記憶の中のスジョンを前後半で演じ分けたのは当時20歳だった「ブラザーフッド」(04)のイ・ウンジュ。05年に亡くなった彼女のフィルモグラフィの中でも、傑出した1本となっている。ジェフンを「妻の恋人に会う」(07)のチョン・ボソク、ヨンスを「夜の浜辺でひとり」(17)など、ホン・サンス作品ではお馴染みのムン・ソングンが演じている。

*第45回 アジア太平洋映画祭 脚本賞(2000年)
*第13回 東京国際映画祭 審査委員特別賞(2000年)
*第38回 大鐘賞 映画祭 新人俳優賞(2000年)