フレディ・M・ムーラー特集 マウンテン・トリロジー
映画史に燦然と輝く“山”映画の最高峰、『山の焚火』。
巨匠フレディ・M・ムーラーの伝説の傑作が、35年の歳月を経てデジタルリマスターで甦る!
日本初公開の『我ら山人たち』『緑の山』を合わせた三部作一挙公開
ダニエル・シュミットやアラン・タネールらと並び、1960年代後半に起こったスイス映画の新しい潮流「ヌーヴォー・シネマ・スイス」の旗手として知られる、フレディ・M・ムーラー。『山の焚火』は、1985年に発表され、ロカルノ国際映画祭で金豹賞(グランプリ)を獲得し、世界にムーラーの名を轟かせた。
本特集では、『山の焚火』とあわせて「マウンテン・トリロジー」を構成する2本のドキュメンタリーを同時公開。民話と山に惹かれたムーラーが、吸い寄せられるように生まれ育ったスイス・ウーリ州の山岳地帯に戻り、長期取材を敢行。そこから生まれた三部作は、人と自然、そしてまるで現代を予知したかのような今日的問題を驚くほど大胆な創意と圧倒的な映像で描き出す。
山の焚火
我ら山人たち─我々山国の人間が山間に住むのは、我々のせいではない
緑の山
山の焚火
1985年/スイス/117分/スイス・ドイツ語/配給:ノーム
原題:Hohenfeuer
監督・脚本:フレディ・M・ムーラー
撮影:ピオ・コラーディ
録音:フロリアン・アイデンベンツ
編集:ヘレーナ・ゲルバー
出演:トーマス・ノック、ヨハンナ・リーア、ロルフ・イリック、ドロテア・モリッツ、イェルク・オーダーマット、ティッリ・ブライデンバッハ
広大なアルプスの山腹。人々から隔絶された地で、ほぼ自給自足の生活を送る4人家族。10代半ばの聾啞の弟はその不自由さゆえに時に苛立つこともあるが、姉と両親の愛情を一身に受け健やかに育つ。ある日、草刈り機が故障したことに腹を立てた弟は、それを投げ捨て父の怒りを買う。家を飛び出し山小屋に隠れ、一人で生活をする弟。そこに食料などを届ける姉。二人は山頂で焚火を囲み楽しい時間を過ごすが、やがて姉の妊娠が発覚し…。
雄大な自然に囲まれた美しく神話的な世界。その閉ざされた空間の中に潜む人間のリアリティがスクリーンから溢れ出す。巨匠フレディ・M・ムーラーの伝説の傑作。
我ら山人たち─我々山国の人間が山間に住むのは、我々のせいではない
1974年/スイス/108分/スイス・ドイツ語/配給:ノーム
原題:Wir Bergler in den Bergen sind eigentlich nicht schuld, dass wir da sind
監督:フレディ・M・ムーラー
原案:フレディ・M・ムーラー、ジャン=ピエール・オビー、ゲオルク・コーラー
撮影:イワン・シューマッハー
編集:フレディ・M・ムーラー、エヴェリーネ・ブロムバッハー
録音:リュック・イェルサン
ムーラーの故郷、スイスのウーリ州。変わりゆく山岳地帯にすむ山人たちの生き方と精神世界に迫るドキュメンタリー。1974年ロカルノ国際映画祭国際批評家賞受賞。
緑の山
1990年/スイス/128分/スイス・ドイツ語/配給:ノーム
原題:Der grune Berg
監督、原案:フレディ・M・ムーラー
撮影:ピオ・コラーディ
編集:カトリン・プリュス
録音:フロリアン・アイデンベンツ
アルプスの山間で持ち上がった放射線廃棄物処理場の建設計画。土地と自分たちのルーツを守ろうとする反対派と賛成派の住民たちを追ったドキュメンタリー。
上映日時
6/20(土)~6/23(火) | 6/24(水)~6/26(金) | 6/27(土)~6/30(火) | 7/1(水)~7/3(金) | |
山の焚き火 | 13:50~15:50 ※6/21(日)のみ14:00~16:00 |
13:50~15:50 | 12:00~14:00 | 18:25~20:25 |
我ら山人たち | 16:10~18:00 | 18:40~20:30 | 14:20~16:10 | 13:45~15:35 |
緑の山 | 18:20~20:30 | 16:10~18:20 | 16:30~18:40 | 15:55~18:05 |