暮らしの思想 佐藤真 RETROSPECTIVE

暮らしの思想

佐藤真 RETROSPECTIVE

6/15(土)-6/28(金)

暮らしの思想

佐藤真 RETROSPECTIVE

6/15(土)-6/28(金)

17年前、49歳で突然この世を去った稀代のドキュメンタリー作家、佐藤真。
映画史に燦然と輝く傑作の数々が今蘇る。

暮らしの中にある もうひとつの世界の入り口 言葉にからめとられる前の 世界の感触
90年代~00年代にかけて数々の傑作を生み出したドキュメンタリー映画作家、佐藤真。彼は社会運動と映画を=(イコール)にしてきた日本ドキュメンタリーの系譜とは異なる独自のスタイルを探求した。ありきたりの「日常」を撮り、その中に潜むもうひとつの世界への入り口を探し、言葉にからめとられる前の世界の感触を伝えた。2007年に突然この世を去ったが、その革新的な手法と映画哲学は高く評価されており現代映画作家を始め多くの人たちに今なお影響を与え続けている。

佐藤 真
1957年青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大学在学中より水俣病被害者の支援活動に関わる。1981年『無辜なる海』(香取直孝監督)に助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家に住み込みながら撮影を始め、1992年『阿賀に生きる』を完成。ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞など、国内外で高い評価を受ける。以降『まひるのほし』(98)、『SELF AND OTHERS』(00)、『花子』(01)、『阿賀の記憶』(04)『エドワード・サイード OUT OF PLACE』(05)など映画監督として数々の作品を発表しながらテレビ作品の編集・構成の他、映画論の執筆など多方面に活躍。主な著書に『日常という名の鏡 ドキュメンタリー映画の界隈』『ドキュメンタリー映画の地平 世界を批判的に受けとめるために』『映画のはじまるところ』『まどろみのロンドン 映画作家の妄想スケッチ』(以上凱風社)『ドキュメンタリー映画の修辞学』(みすず書房)。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任教師として後進の指導にも尽力した。2007年9月4日逝去。享年49歳。

トークイベント

『まひるほし 4K』6/15(土)11:10回上映後
ゲスト:関根幹司さん(『まひるのほし』出演、撮影協力)、山上庄子さん(パラブラ代表)

公式サイト https://alfazbetmovie.com/satomakoto/

前売券 全国共通特別鑑賞券1,300円(税込)
    【1枚ご購入特典】ポストカード【3枚ご購入特典】トートバッグ+ポストカード(数量限定)

入場料 一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円

作品紹介

まひるのほし 4K

©1998「まひるのほし」製作委員会

1998年/93分/カラー/スタンダード/DCP(4Kレストア)
監督:佐藤真|製作:山上徹二郎、庄幸司郎|撮影:大津幸四郎|撮影監督:田島征三|録音:久保田幸雄

本作はUDCast対応作品となっております

知的障害者と呼ばれる7人のアーティストの世界を旅しながら、人と映画はゆっくりと自由になっていく。

表現の快楽、芸術表現の根底に迫る傑作。
登場するのは7人のアーティストたち。彼らは、知的障害者と呼ばれる人たちでもある。『まひるのほし』は神戸・武庫川すずかけ作業所、平塚・工房絵、信楽・信楽青年寮で、創作に取り組む彼らの活動を半年以上追い続け、アートと人の間を旅したドキュメンタリー映画である。無我夢中でパステルを画布に走らせるシュウちゃん、「ナサケナイ」とつぶやきながら陶器を作り続ける伊藤さん。そして一人の女性にあてて、あるメッセージを1 年間、書き続けたシゲちゃん。撮影したフィルムは40時間にも及んだ。そこには言葉にできない思いが⿁気迫るメッセージとなって溢れてくる。タイトルの『まひるのほし』には“真昼には見えなくてもそこに燦然と輝いている星がある”という思いがこめられている。

エドワード・サイード OUT OF PLACE 4K

©2005 シグロ

2005年/137分/カラー/スタンダード/DCP(4Kレストア)
監督:佐藤真|撮影:大津幸四郎、栗原朗、佐藤真|企画・製作:山上徹二郎|協力プロデューサー:ジャン・ユンカーマン整音:弦巻裕|編集:秦岳志

本作はUDCast対応作品となっております

私の人生を表現するなら、出発と帰還の連続です。出発は常に不安で、帰りはいつも不確かなのです。——エドワード・サイード

パレスチナの窮状を、真実を、和解と共生の地平を、探る。
2003年9月、パレスチナ出身の世界的知識人であるエドワード・サイードが亡くなった。後半生を過ごしたニューヨークでもなく、生誕の地であるエルサレムでもないレバノンのブルンマーナに、2004 年春、サイードの墓はつくられた。
彼の複雑な背景を物語るその墓所のエピソードから、映画は始まる。
荒れ狂う濁流のような歴史の中を流されるパレスチナの土地と人々の暮らし。周辺のアラブの国々で難民として暮らすパレスチナの人々。他方、ディアスポラとして⾧年迫害の歴史を生きてきたユダヤ人達。世界中からイスラエルに帰還してきたそのユダヤ人達が抱える、被害と加害の混在する深い矛盾。世界の核心に迫ろうとしていたサイードの精神の在り処を求めて始まった映画の旅は、イスラエル・アラブ双方の知識人たちの証言を道標に、サイードが求め続けた和解と共生の地平を探る。サイードの遺志と記憶を辿る渾身のロードムービー。

花子 4K

©2001 シグロ

2001年/60分/カラー/スタンダード/DCP(4Kレストア)
監督:佐藤真|製作:山上徹二郎|撮影:大津幸四郎|音楽:忌野清志郎、ラフィータフィー|録音:弦巻裕|編集:秦岳志

本作はUDCast対応作品となっております

花子と母のアートする毎日 アーティスト今村花子と、彼女を取り巻く家族の物語。

アートを入り口にしたこの映画の出口には家族の日常が広がっていた。
今村花子は家族4人で京都に暮らしている。知的障害者のためのデイセンターに通う毎日を送る一方、週末には油絵描きに熱中し、夕食後には畳をキャンバスにたべものを絵の具のように並べるという日課を欠かさない。 花子に寄り添うのは母、知左。花子の「たべものアート」を6年前から毎日写真に撮り始め、その数は2000枚を超えた。そんな母娘の傍らで、定年退職後の父は芝居に三味線にと忙しい。姉の桃子は微妙な距離を保ちながらそんな3人を見守っている。時には花子に手を焼きつつも、日々くり返される今村家の日常。その中で、花子はひとり毎日変わることなく「たべものアート」を作り続ける。 一人のアーティスト今村花子と家族が緩やかにつながって暮らす姿が、ときにユーモアをにじませながら淡々と描かれる。

〈特別上映作品〉
阿賀に生きる

©1992 阿賀に生きる製作委員会

1992年/115分/カラー/スタンダード/DCP
監督:佐藤真|製作:阿賀に生きる製作委員会|撮影:小林 茂|音楽:経麻朗|録音:鈴木彰二

人間の命の讃歌をまるごとフィルムに焼き付けたドキュメンタリー映画の金字塔。

新潟県を流れる阿賀野川。新潟水俣病の舞台ともなった川。川筋に住む人びとは愛情を込めて「阿賀」と呼ぶ。七人のスタッフがその川筋に住み込み、そこに住む人びとを三年間にわたって撮影した。 阿賀に暮らす人と風土をまるごとフィルムに収めた⾧編デビュー作。

阿賀の記憶 2K

©2004 カサマフィルム

2004年/55分/カラー/スタンダード/DCP
監督:佐藤真|撮影:小林 茂|録音:菊池信之| 音楽:経麻朗|編集:秦岳志|プロデューサー:矢田部吉彦|製作:カサマフィルム

不在と人と風景。過去と現在を結びつける映画の不思議さ。

『阿賀に生きる』から10年。映画に登場した愛すべき人びとの多くはこの世を去ってしまった。今は荒れ果ててしまった田んぼや、主を失った囲炉裏などにキャメラを向け、人々が残した痕跡に記憶を重ねていく。過去と現在を繊細かつ大胆に見つめた詩的ドキュメンタリー。

SELF AND OTHERS 2K

©牛腸茂雄

2000年/53分/カラー/スタンダード/DCP
監督:佐藤真|撮影:田村正毅|録音:菊池信之|音楽:経麻朗|声:西島秀俊|製作:堀越謙三|製作協力:映画美学校|製作:ユーロスペース

36歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。遺された草稿や手紙と写真そして肉声。

「もしもし、きこえますか。もしもし、きこえますか……」写真家の評伝でもない作家論でもない、ドキュメンタリー映画の新たなイメージを提示する衝撃の映画。孤独な命が全世界へ向けて声を発しているような生々しさ が胸を打つ。

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1200 ¥800
会員 ¥1500 ¥1200 ¥800