水俣曼荼羅
Ⓒ疾走プロダクション
2020年/日本/372分/配給:疾走プロダクション/配給協力:風狂映画舎
監督:原一男
エグゼクティブ・プロデューサー:浪越宏治
プロデューサー:小林佐智子、原一男、長岡野亜、島野千尋
編集・構成:秦岳志
整音:小川武
イベント情報
6/26(日)12:00回上映後、原一男監督の舞台挨拶がございます!
イベント情報
6/28(火)15:00回上映後、原一男監督の舞台挨拶が決定しました!
※6/26(日)にご来場いただき、整理券をお持ちの方はこちらの舞台挨拶にご参加いただけます。
急なご連絡となり申し訳ございません。
トークイベント開始予定時刻21:40ごろまでにご来場ください。
372分で物語る、20年の時と場所
原一男監督の最高傑作にして、ドキュメンタリーの凄みと興奮に満ち満ちた新境地
原一男が最新作で描いて見せたのは、「あの水俣」だった。「水俣はもう、解決済みだ」そう世間では、思われているかも知れない。でもいまなお和解を拒否して、裁判闘争を継続している人たちがいる――穏やかな湾に臨み、海の幸に恵まれた豊かな漁村だった水俣市は、化学工業会社・チッソの城下町として栄えた。しかしその発展と引きかえに背負った〝死に至る病″はいまなお、この場所に暗い陰を落としている。不自由なからだのまま大人になった胎児性、あるいは小児性の患者さんたち。末梢神経ではなく脳に病因がある、そう証明しようとする大学病院の医師。病をめぐって様々な感情が交錯する。国と県を相手取っての患者への補償を求める裁判は、いまなお係争中だ。そして、終わりの見えない裁判闘争と並行して、何人もの患者さんが亡くなっていく。
しかし同時に、患者さんとその家族が暮らす水俣は、喜び・笑いに溢れた世界でもある。豊かな海の恵みをもたらす水俣湾を中心に、幾重もの人生・物語がスクリーンの上を流れていく。そんな水俣の日々の営みを原は20年間、じっと記録してきた。
「水俣を忘れてはいけない」という想い――壮大かつ長大なロマン『水俣曼荼羅』、原一男のあらたな代表作が生まれた。
【第1部 病像論を糾す】
川上裁判によって初めて、国が患者認定制度の基準としてきた「末梢神経説」が否定され、「脳の中枢神経説」が新たに採用された。しかし、それを実証した熊大医学部浴野教授は孤立無援の立場に追いやられ、国も県も判決を無視、依然として患者切り捨ての方針は変わらなかった。
【第2部 時の堆積】
小児性水俣病患者・生駒さん夫婦の差別を乗り越えて歩んできた道程、胎児性水俣病患者さんとその家族の長年にわたる葛藤、90歳になってもなお権力との新たな裁判闘争に賭ける川上さんの、最後の闘いの顛末。
【第3部 悶え神】
胎児性水俣病患者・坂本しのぶさんの人恋しさと叶わぬ切なさを伝えるセンチメンタル・ジャーニー、患者運動の最前線に立ちながらも生活者としての保身に揺れる生駒さん、長年の闘いの末に最高裁勝利を勝ち取った溝口さんの信じる庶民の力、そして水俣にとって許すとは?翻る旗に刻まれた怨の行方は? 水俣の魂の再生を希求する石牟礼道子さんの “悶え神”とは?
ドキュメンタリーの遺志をつなぐ
今回原一男は被写体に選んだ、水俣という「場所」と、そこに流れる「時間」。それは日本ドキュメンタリー界の巨人・土本典昭が生涯をかけて記録してきた場所だった。スタッフと共に移住し、地元民と同じ魚を食べ酒を酌み交わす。そうやって水俣の人々と暮らしながら、土本は映画を連作し、世界的なドキュメンタリー作家となった。
しかし、土本が『水俣 患者さんとその世界』(1971)で記録した反公害運動の熱狂はもう、そこにはない。水俣の人たちは一見、平穏な日々を営んでいるように見える。しかし水俣病によって、いまも苦しんでいるのだ。
そこにまなざしを向けることで原一男は本作で、土本典昭の遺志を継いで見せた。
上映日時
6/25(土) | 6/26(日) | 6/27(月) | 6/28(火) | 6/29(水)・30(木) | 7/1(金) |
12:00-18:50 ※途中休憩2回 |
12:00-18:35 ※途中休憩2回 |
14:05-20:55 ※途中休憩2回 |
15:00-21:50 ※途中休憩2回 |
12:00-18:50 ※途中休憩2回 |
13:40-20:30 ※途中休憩2回 |
料金
一律 |
¥3900 |
※特別興行につきシニア・大専・会員も一律料金。障がい者割引、各曜日のサービスデー割引、ミニシアター相互割引、職能割引もご利用いただけません。