柳下美恵のピアノdeフィルム vol.12『人生劇場』『愛の一家』

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.12
『人生劇場』[無声版] 『愛の一家』[無声版]

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏

2024.6.15[土]& 6.16[日] 各日13:50

映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

1936年/日本/49分[24fps]予定/35mm/モノクロ/サイレント/日活多摩川
監督:内田吐夢/原作:尾崎士郎/フィルム提供:国立映画アーカイブ
出演:小杉勇、山本礼三郎、吉田一子、古谷久雄、村田宏寿、村田知栄子

尾崎士郎の「人生劇場 青春篇」を映画化した文芸映画。1932年に日活を脱退した内田吐夢の復社第1作で、初のトーキー作品ともなった(現存するのは無声短縮版)。多摩川撮影所は、震災後京都で活動していた現代劇部の新たな拠点として1934年に設置され、とりわけ根岸寛一所長と牧野満男企画部長時代の重厚なドラマで一時代を画すこととなったが、本作もその代表作の一つ。(国立映画アーカイブ 日活映画の100年より転載)

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

(1941年/日本/61分[24fps]予定/35mm/モノクロ/サイレント/日活多摩川)
監督:春原政久/原作:アグネス・サッペル/フィルム提供:国立映画アーカイブ
出演:小杉勇、村田知栄子、大泉滉、豊田耕兒、北龍二、竹久夢子

東北の小都市にある音楽教師一家の暮らしを朗らかなユーモアで描いた家庭喜劇。監督の春原政久は本作を含め25作の監督歴を持つ中堅ながら、山中貞雄の没後、新人推奨のために制定された「山中賞」の第1回の受賞者となった。サクラグラフの16mmプリントから復元された無声短縮版。(国立映画アーカイブ 日活映画の100年より転載)

アフタートークイベント

6.15[土]山口博哉さん(映画史家)
6.16[日]椎名早苗さん(小杉勇さんの孫) 山口博哉さん(映画史家)


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

チケット購入情報

6.12[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。詳細は劇場Webサイトにてご確認ください。

次回予告
2024.11.16[土]、17[日]にvol.13を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご覧ください。