魂のまなざし
© Finland Cinematic
2020年/フィンランド・エストニア/122分/配給:オンリー・ハーツ
原題:HELENE
監督:アンティ・ヨキネン
出演:ラウラ・ビルン、ヨハンネス・ホロパイネン、クリスタ・コソネン、エーロ・アホ、ピルッコ・サイシオ、ヤルッコ・ラフティ
モダニズムを代表する芸術家の一人として
近年世界的評価の著しい フィンランドの国民的画家
ヘレン・シャルフベック
ひたむきに真実を求め続けた彼女の
最後のそして終生の愛と友情
忘れられた画家、ヘレン・シャルフベック。田舎で高齢の母親と一緒に暮らしながら、それでも情熱を失わず描き続けていた。
1915年、画商のヨースタ・ステンマンが訪ねてきて、あばら家にあふれていた159枚の絵を発見、圧倒的な才能に驚嘆した。彼がヘルシンキでの大規模な個展開催を決意したことで、ヘレンにようやく転機が訪れた。
しかし、ヘレンにとって真の転機は、ヨースタがエイナル・ロイターを彼女に紹介したその時から始まった。森林保護官でアマチュア画家の青年エイナルは、ヘレンと作品の熱狂的な崇拝者というだけにとどまらず、彼女にとってかけがえのない友人そして愛の対象となっていった…。
画家として、女性として、一人の人間として自律的に生きるシャルフベックを演じるのは、第63回ベルリン国際映画祭でシューティング・スター賞を受賞したフィンランドの女優、ラウラ・ビルン。監督はビヨンセ、セリーヌ・ディオン、ケリー・クラークソンなど数々のミュージック・ビデオを手掛けてきたアンティ・ヨキネン。監督2作目『Purge』(2012)は、本作と同じくラウラ・ビルンを主演に起用し、第85回アカデミー賞外国語映画賞フィンランド代表に選ばれている。
見つめ続け、愛し続け、描き続けた
ヘレン・シャルフベック(1862-1946)はフィンランドで最も敬愛されるモダニズム画家。病気から快復した少女をみずみずしく描いた《快復期》や、死に至る晩年まで自らを見つめ描き続けた自画像の数々に代表される彼女の作品は、多様なスタイルを取り入れつつも、寄り添うような親密さとメランコリー、静謐な美しさと力強さをどれも一貫してたたえている。その時代を超越した驚くべき現代性から、近年では世界的再評価が進み、2015年には日本で初の回顧展「ヘレン・シャルフベック 魂のまなざし」が、2019年にはイギリスの国立ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで展覧会が開かれた。
本作が焦点を当てるのは、彼女の画業と人生を決定づけた1915年から1923年の時代。抑圧的な家庭や男性社会に臆せず、名誉よりも内から湧き出る情熱に従うシャルフベックの姿が、北欧の透明な光に輝く自然や街並みとともに全編美しい映像で描かれていく。
狂おしい愛に打ちのめされ生涯の友情を得る中で、自身と身の回りの存在を凝視し、個人的な痛みを芸術へと転化させたヘレン・シャルフベック。映画で描き出される彼女の人生、そしてスクリーンに映る絵画の数々は、今こそ発見されてしかるべき輝きをはなっている。
*ファジル国際映画祭最優秀女優賞受賞
上映日時
7/23(土) | 7/24(日)~7/29(金) | 7/30(土)~8/5(金) | 8/6(土)~8/11(木) | 8/12(金) |
13:45-15:55 | 13:30-15:40 | 10:00-12:05 | 20:40-22:45 |
21:05-23:07 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |