焼け跡クロニクル
Ⓒ2022『焼け跡クロニクル』プロジェクト
2022年/日本/84分/配給:マジックアワー、yakeato-movie.com
監督・撮影・編集:原まおり、原將人
製作:原正孝
プロデューサー:有吉司
音楽:原將人
タイトル音楽:原まみや
エンディング音楽編曲・演奏:遠藤晶美
出演:原將人、原まみや、原かりん、原鼓卯、原まおり、佐藤眞理子
68歳映画監督、ある日突然家が焼けた。
わずかに生き残った8ミリフィルムに刻まれた家族の歴史。
そして、再生の物語。
2018年7月、昔ながらの町家が残る京都西陣。路地奥にあった映画監督・原將人の自宅が不慮の火事で全焼した。幸い家族5人は無事だったものの、すべての家財道具と保管していた映画フィルムや機材が焼失してしまう。原は新作のデータを救いに火の中へ戻り、やけどを負って入院。夫を安心させようと、妻のまおりはとっさに家族の様子をスマートフォンで撮影した。
今夜寝る場所は?着る服や靴は?火災保険は?明日からの仕事や学校は?
呆然とした夜が明けて、嵐のような日々がはじまったーー
あの日 あの時の、なんでもない日常の記憶が、生きる力になってゆく。
ゼロから再び立ち上がるまで、カメラを通して見つめ続けた
セルフドキュメンタリー
慌てて買った炊飯器で作ったほかほかのおにぎり。家族揃ってのラジオ体操。双子の妹をあやす兄。そこにあるはずのものが無い悲しみ。他人の優しさ。カメラ=母の眼差しは、非日常のなかの家族の風景をつぶさに捉えていく。屈託のない笑顔を見せる子どもたちにつられ、大人たちが前を向き始めた頃、家の焼け跡から奇跡的に生き残った「あるもの」が見つかって…。
喪失から創造へ。夫婦2人で切り拓いた新たなステージ
監督は、第1回フランクフルト国際映画祭観客賞受賞『MI・TA・RI!』、広末涼子デビュー作『20世紀ノスタルジア』等で知られる原將人と、公私ともにパートナーである原まおり。伝説の映画として語られる『おかしさに彩られた悲しみのバラード』『初国知所之天皇』以来、自身とその周囲にカメラを向け続け、その独自のスタイルで海外からも注目される原は、今回の火事で全ての作品のオリジナルフィルムや脚本、創作メモを失うという想像を絶する痛手を負う。しかし、原の元で研鑽を積んできたまおりとの共同制作により、焼けた8ミリフィルムとiPhoneで撮影したデジタル映像を組み合わせ、斬新な表現を生み出すことに成功。喪失の傷を創造の力へと変え、夫婦ともに新たなステージを切り拓いた。 生き残った8ミリフィルムに写っていた日常の記憶が、過去と現在、未来をつなぎ、家族の歴史を紡いでいく。痛みの物語でありながら、包み込まれるような優しさと懐かしさに満ちた、驚きの傑作が誕生した。
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |
伝説的映画監督、原將人特集上映
4/23(土)-29(金)
伝説的映画監督、原將人特集上映
4/23(土)-29(金)
70年代、若者たちの間に自主映画ブームの熱狂を巻き起こし、現在も私映画の最前線を走り続ける「伝説的映画監督」原將人。
最新作『焼け跡クロニクル』公開を記念して、未ソフト化作品含む代表作を一挙上映!
1968年、麻布高校在学中に『おかしさに彩られた悲しみのバラード』で第1回フィルムアートフェスティバル東京グランプリとATG賞をW受賞。10代で大島渚監督『東京战争戦後秘話』の脚本と予告編の演出を手掛け、73年にインディーズ映画の傑作と語り継がれる『初国知所之天皇』を発表。瀬々敬久、大森一樹、犬童一心らが「映画監督を志したきっかけは『バラード』と『初国』」と公言するなど、当時の若者世代に多大な影響を及ぼした伝説の映画監督、原將人。97年に公開した広末涼子の映画デビュー作『20世紀ノスタルジア』以後、商業映画と距離を置きインディペンデントな映画作りを貫いたため、鑑賞の機会が限られていた原將人の珠玉の作品群を、25年ぶりの劇場公開作となる『焼け跡クロニクル』公開記念として特集上映いたします。
公式ホームページ
イベント情報
4/24(日)16:50回上映後、金子遊監督の舞台挨拶がございます。
上映作品
- 20世紀ノスタルジア35ミリ上映
- 初国知所之天皇2022デジタルリマスター版
- 双子暦記・私小説
- 映画になった男
上映スケジュール
4/16(土) | 4/17(日) | 4/18(月) | 4/19(火) | 4/20(水) | 4/21(木) | 4/22(金) |
15:25ー16:55 焼け跡クロニクル |
15:15ー16:45 焼け跡クロニクル |
15:15ー16:45 焼け跡クロニクル |
15:15ー16:45 焼け跡クロニクル |
15:15ー16:45 焼け跡クロニクル |
15:15ー16:45 焼け跡クロニクル |
15:15ー16:45 焼け跡クロニクル |
予定表 横にスクロールできます
4/23(土) | 4/24(日) | 4/25(月) | 4/26(火) | 4/27(水) | 4/28(木) | 4/29(金) |
16:50-18:30 20世紀ノスタルジア |
16:50-18:30 映画になった男 |
16:50-18:20 焼け跡クロニクル |
16:50-18:30 映画になった男 |
16:50-18:40 双子暦記・私小説 |
16:50-18:40 初国知所之天皇 |
16:50-18:30 20世紀ノスタルジア |
18:40-20:10 焼け跡クロニクル |
18:40-20:30 双子暦記・私小説 |
18:40-20:30 初国知所之天皇 |
18:40-20:20 20世紀ノスタルジア |
18:50-20:20 焼け跡クロニクル |
18:50-20:30 映画になった男 |
18:40-20:10 焼け跡クロニクル |
予定表 横にスクロールできます
上映作品 紹介
20世紀ノスタルジア35ミリ上映
ⒸOffice Shirous
1997年/日本/93分/製作:株式会社オフィス・シロウズ
監督・音楽:原將人/脚本:中島吾郎、原將人/撮影:馬場順一/照明:金子高士
出演:広末涼子、圓島努、余貴美子、根岸吉太郎
高校2年生の遠山杏(広末涼子)は、ある日自分を宇宙人だと名乗る不思議な転校生片岡徹(圓島努)と出会う。意気投合した2人は、滅亡へと向かう地球人の記憶を集めて映画にしようと東京中を撮影してまわる。だが徹は突然オーストラリアへと去ってしまい…。本作が映画デビューとなった広末涼子の圧倒的な輝きは必見!フィルムに刻まれた20世紀末の東京の風景、すべての瞬間がまぶしく切なく愛おしい、90年代青春映画の金字塔。
初国知所之天皇2022デジタルリマスター版
1973年・1994年/日本/108分/カラー/デジタル
監督・脚本・撮影・音楽・編集:原將人
出演:原將人、宮崎延夫、桜庭美帆子、川勝十二
当時23歳の原將人が、8ミリを手に北海道から九州まで日本縦断の旅をするロードムービー。全共闘運動が終焉を迎えた70年代、国家の起源を根底から考えようと始まった原の旅は、いつしか映画の起源をめぐる旅へと変貌していく。同世代の映画を志す若者たちに熱狂的に支持され、伝説のフィルムと呼ばれた本作。18年の自宅火災でオリジナルを焼失するが、イマジカラボに保管されていたネガからデジタルリマスター版が制作された。
双子暦記・私小説
2018年/日本/110分/カラー/デジタル/配給:マジックアワー
監督・脚本・撮影・音楽・編集:原將人
出演:原將人、原まみや、原かりん、原鼓卯、原真織
63歳にして双子姉妹の父親となった原は、生活費を稼ぐために人生初のフリーター生活を始める。だが行く先々でトラブルに巻き込まれ…。雅やかな古都京都を舞台に、現代日本のブラックな労働環境に翻弄される己の姿を「私小説」として赤裸々に、時にユーモラスに描く。双子誕生をきっかけとした原將人の新たなフェーズ「双子暦記」シリーズ第一作目にして、最新作『焼け跡クロニクル』の前日譚となる作品。
映画になった男
ⒸOffice Shirous
2018年/日本/98分/デジタル
監督:金子遊
出演:原將人、大島渚、早川義夫、キドラット・タヒミック他
09年『マテリアル&メモリーズ』制作時より8年間にわたり原將人の活動を追ったドキュメンタリー。麻布高校在学中の衝撃的デビューから2000年代に至るまで、幻の作品や生演奏付き上映などのレアなフッテージを交えて映画作家・原將人の軌跡を綴っていく。自主映画ブーム黎明期となる70年代当時の熱気を肌で感じる貴重な映像、証言も。監督は『森のムラブリ』が公開を控える金子遊。