ヨーゼフ・ボイスは挑発する
©2017 zero one film, Terz Film
2017年/ドイツ/107分/DCP/配給:アップリンク
原題:Beuys
監督・脚本:アンドレス・ファイエル
出演:ヨーゼフ・ボイス、キャロライン・ティズダル、レア・トンゲス・ストリンガリス、フランツ・ヨーゼフ・ヴァン・デル・グリンテン、ヨハネス・シュトゥットゲン、クラウス・シュテーク
第二次世界大戦後のドイツ。
美術館を飛び出し革命を叫んだ芸術家、ヨーゼフ・ボイス
白黒テレビに映し出される討論番組でフェルトの帽子を被った一人の芸術家が苛立ち、叫ぶ。「今は民主主義がない、だから俺は挑発する!」
彼の名前はヨーゼフ・ボイス。初期フルクサスにも参加し、“脂”や“フェルト”を使った彫刻やパフォーマンス、観客との対話を作品とするボイスの創造(アート)は美術館を飛び出し、誰もが社会形成のプロセスに加わるべきだと私たちに訴える。既存の芸術が持つ概念を拡張するその思想が世界中に大きな議論とセンセーションを巻き起こし、「社会を彫刻する」という、貨幣経済や権力に管理された社会を創造性によって作り直そうとする試みは、バンクシーを始めとする現在のアーティストにも脈々と受け継がれている。
今、ボイスの言葉たちが時を超え、再び私たちを挑発する
腕に抱いた死んだ野ウサギを絵画に触れさせ、その説明を行う「死んだうさぎに絵を説明する方法」(1965年)、アメリカ先住民の聖なる動物“コヨーテ”と共にNYのギャラリーに籠り1週間暮らす「私はアメリカが好き、アメリカも私が好き」(1974年)など、そのセンセーショナルなパフォーマンスや、テレビの討論番組で繰り広げた評論家たちとの挑発的な議論から、異端のアーティスト、トリックスター扱いをされた。
ボイスは自ら「芸術概念の拡張」をも体現。1971年、教授をつとめるデュッセルドルフ芸術アカデミーにて「基本的人権に反する入学許可数の制限は、公平に解決するべき」と、学生らともにアカデミー事務局を占拠。1979年には、エコロジー運動、反原発・反核運動、学生運動、フェミニズム運動を背景に結成された政党「緑の党」に参加。
世界中を撹乱し「芸術」を変えたヨーゼフ・ボイス。彼の肉声やパフォーマンス映像は、30年以上前のものであるにも関わらず、生々しく力強い。
未公開の音声や映像など膨大な数の資料と、新たに撮影された関係者へのインタビュー映像で創られた、ボイスの芸術と知られざる”傷”を見つめるドキュメンタリー
上映日時
3/2(土)~3/8(金) | 3/9(土)~3/15(金) | 3/16(土)~3/22(金) |
12:30~14:25 | 17:05~19:00 | 18:40~20:38 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |