映画批評月間 フランス映画の現在2025

映画批評月間
フランス映画の現在2025
10/18(土)-10/31(金)
映画批評月間
フランス映画の現在2025
10/18(土)-10/31(金)
日本で上映される機会のないフランスの最新作、あるいは隠れた名作を紹介する特集 「映画批評月間~フランス映画の現在」。2025年は、パトリシア・マズィ監督の初長編作『走り来る男』と最新作『ボルドーに囚われた女』、カンヌ国際映画祭をはじめとする映画祭や批評家たちから高く評価された日本未公開の4作品、また「知られざるヌーヴェル・ヴァーグの作家」リュック・ムレの作品を上映します。
主催:横浜シネマリン、一般社団法人コミュニティシネマセンター
公式サイト:http://jc3.jp/mdlc2025/
企画協力:アンスティチュ・フランセ日本
助成:アンスティチュ・フランセパリ本部、ユニフランス
アンスティチュ・フランセ日本 映画プログラム オフィシャル・パートナー:CNC、笹川日仏財団
特別協力:JAIHO 協力:プンクテ フィルム提供及び協力:レ・フィルム・デュ・ロサンジュ、MK2
入場料 一般1900円/会員・大専・シニア1300円/高校生以下800円
イベント情報
10/19(日)『ビリー・ザ・キッドの冒険』+『ウニの陰謀』上映後、葛生賢さん(映画作家・映画批評家)のトークイベントがございます。
上映スケジュール
10/18(土) | 10/19(日) | 10/20(月) | 10/21(火) | 10/22(水) | 10/23(木) | 10/24(金) |
![]() 走り来る男 |
![]() ビリー・ザ・キッドの冒険+ウニの陰謀 アフタートーク 葛生賢さん |
![]() ブリジットとブリジット+黒い大地 |
![]() メドールの帝国+映画館の座席+ロングスタッフ氏の亡霊 |
![]() パシフィクション |
![]() ゴールドマン裁判 |
![]() ジムの物語 |
![]() ボルドーに囚われた女 |
![]() カップルの解剖学+開栓の試み |
![]() 歓喜 |
![]() ジムの物語 |
![]() ビリー・ザ・キッドの冒険+ウニの陰謀 |
![]() 走り来る男 |
予定表 横にスクロールできます
10/25(土) | 10/27(日) | 10/28(月) | 10/29(火) | 10/30(水) | 10/31(木) | 11/1(金) |
![]() パシフィクション |
![]() ジムの物語 |
![]() ボルドーに囚われた女 |
![]() カップルの解剖学+開栓の試み |
![]() ブリジットとブリジット+黒い大地 |
![]() ジムの物語 |
![]() ゴールドマン裁判 |
![]() 走り来る男 |
![]() ビリー・ザ・キッドの冒険+ウニの陰謀 |
![]() 歓喜 |
![]() カップルの解剖学+開栓の試み |
![]() メドールの帝国+映画館の座席+ロングスタッフ氏の亡霊 |
予定表 横にスクロールできます
上映作品
カンヌ映画祭が選んだ傑作!
La Souriante Madame Beudet de Germaine Dulac
2022年から2024に製作され、世界的にも評価を得た優れたフランス映画から、日本で上映される機会のない作品を選りすぐって紹介します。
パシフィクション Pacifiction d’Albert Serra

©Films Boutique
スペイン=フランス=ドイツ=ポルトガル/2022年/165分/カラー
監督:アルベール・セラ
出演:ブノワ・マジメル、パホア・マハガファナウ、マルク・スジーニ
*第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品/「カイエ・デュ・シネマ」2022年ベストテン第1位
南太平洋のフランス領ポリネシアにある「デ・ローラー共和国」。高等弁務官は、完璧なマナーを身に着け、公式の場でも裏社会でも、地元住民の動向を怠りなく注視し、抜かりなく身を処してきた。太平洋上で潜水艦が目撃され、フランスの核実験再開の噂が流れる中、海軍総督らが島に上陸、不穏な気配が島全体を覆い始める。
ゴールドマン裁判 Le Procès Goldman de Cédric Kahn

©Séverine Brigeot
フランス/2023年/116分/カラー
監督:セドリック・カーン
出演: アリエ・ワルトアリテ、アルチュール・アラリ、ステファン・グラン・ティリー
*第76回カンヌ国際映画祭監督週間オープニング作品
1970年代にフランス中を騒がせた「ピエール・ゴールドマン事件」の法廷を再現した裁判映画。複数の強盗罪で起訴されたゴールドマンは、自身の罪を認めながら、薬局で起きた殺人事件だけは否認する。警察の杜撰な捜査や曖昧な証言、ユダヤ人差別など数々の問題が浮上してくる。法廷でのやり取りがドキュメンタリーのようにカメラに収められていく。
歓喜 Le Ravissement d’Iris Kaltenbäck

©DR
フランス/2023年/97分/カラー
監督:イリス・カルテンバック
出演:アフシア・エルジ、アレクシ・マナンティ、ニナ・ミュリス
*第76回カンヌ国際映画祭批評家週間出品
仕事熱心な助産師のリディアは恋愛で破局を迎えていた。同じ頃、親友のサロメが妊娠、共に出産までのときを過ごす。難産を乗り越えて新生児を取り上げ、名付け親となり、育児にも積極的に協力する。そんなある日、かつて一夜を過ごしたミロスと再会、孤独なリディアの小さな噓はやがて人生を賭けた大きな事件へ広がっていく。
ジムの物語 Le Roman de Jim

©DR
2024年/101 分/フランス/カラー
監督:アルノー&ジャン=マリー・ラリユー
出演: カリム・ルクルー、レティシア・ドッシュ、サラ・ジロドー、ベルトラン・ブラン
*第77回カンヌ国際映画祭カンヌ・プレミア出品
*カリム・ルクルー 第50回セザール主演男優賞受賞
ジュラ山脈に囲まれ街サン・クロードで、心優しい青年エメリックはかつての仕事仲間フロランスと再会する。妊娠6カ月のフロランスと暮らすようになったエメリックは、生まれきたジムを自分の子のように育て、ふたりの間には強い絆が生まれる。しかし、ある日ふたりの前に実の父親クリストフが現れる。それはメロドラマの始まり、そして父親としての放浪(オデッセイ)と冒険の旅の始まりであった。
パトリシア・マズィ監督特集
Focus Patricia MAZUY
パトリシア・マズィは、フランス映画の中でも、ユニークで力強いスタイルを確立している。アメリカ滞在中に出会ったアニエス・ヴァルダの庇護のもと、最初の短編をつくり、ヴァルダの最高傑作と評される『冬の旅』(1985)で編集を担当する。初長編監督作『走り来る男』以降、マズィは、激しい感情、あるいは断固たる決意をひめたヒロインを主人公としている。フォードとカーペンターというアメリカ映画の偉大なるふたりのジョンをこよなく敬愛し、広い空間と独特なロケーションを好み、階級闘争や、馬や牛といった動物への情熱、自然との関係を描きながら、彼女の映画は人間の紆余曲折する運命に光を当て続けている。最新作『ボルドーに囚われた女』ではイザベル・ユペールとアフシア・エルジ、ふたりの偉大な女優が演じる世代、階層の異なる女性間の友情、テンション、サスペンスが見事に描かれている。
走り来る男 Peaux de vaches

©DR
フランス/1988年/87分/カラー
監督:パトリシア・マズィ
出演:ジャン=フランソワ・ステヴナン、サンドリーヌ・ボネール、ジャック・スピエセル
*1989年カンヌ国際映画祭ある視点部門出品作品
北フランスのある田舎町、ジェラールは兄とともに酩酊し、農場に火事を起こしてしまい、たまたまそこにいた浮浪者が命を落としてしまう。10 年後、刑務所から出所した兄は、美しいアニーと結婚し、娘ができ、あらたに農場を持つジェラールのもとに戻ってくる。はたして彼は復讐を果たしに戻ってきたのだろうか…。撮影はヌーヴェルヴァーグを支えた名匠ラウル・クタール。
ボルドーに囚われた女 La Prisonnière de Bordeaux

©DR
フランス/2024年/108分/カラー
監督:パトリシア・マズィ
出演:イザベル・ユペール、アフシア・エルジ、マーニュ・ハヴァード・ブレック
*カンヌ国際映画祭監督週間出品作品
ボルドーのある屋敷に一人で暮らすアルマと、郊外に住む若い母親ミナは、同じ刑務所に留置されている夫の不在を中心に生活を組み立てていた。夫たちの面会に訪れたとき、二人の女性は出会い、波乱に満ちた、不可能な友情を育むことになる…。
知られざるヌーヴェル・ヴァーグ リュック・ムレ特集
Rétrospective Luc MOULLET
「リュック・ムレは、ブニュエルとタチの両者を継承するおそらく唯一の存在だ」――ジャン゠マリー・ストローブ(映画作家)
ヌーヴェル・ヴァーグ唯一のバーレスク映画作家であり、フランスをはじめ世界的にカルト的な人気を誇るリュック・ムレ。コメディ、冒険活劇、西部劇、日記、ロードムービー、犯罪映画、そしてカップル、地理、文学作品を題材にした作品など、あらゆるフォーマット、あらゆるジャンルで38本の映画を生んでいる。
[プログラム1]
ブリジットとブリジット Brigitte et Brigitte

©DR
フランス/1966年/75分/モノクロ
出演:フランソワーズ・ヴァテル、コレット・デコンブ
ピレネー出身の女の子とアルプス出身の女の子が上京したパリで偶然出会う。同じ名前を持つふたりは意気投合し、一緒に大学生活を満喫しようとするのだが…。ムレは首都に到着した瞬間から、自分の生い立ちを忘れ、見知らぬ世界で受け入れられるために規範に従わなければならない若者たちを観察する。フラー、ロメール、シャブロルらが友情出演。ゴダールに「真に革命的な映画」と讃えられ、イエール映画祭で審査員特別賞を受賞した。
[プログラム1]
黒い大地 Terres noirs

©DR
フランス/1961/19 分/カラー
道路がなく、ほとんど消滅しようとしているようなふたつの村、ピレネー山脈のマンテとアルプスのマリオーを探訪する。題材の深刻さと短編映画の遊び心との間に楽しいコントラストを生み出している。
[プログラム2]
ビリー・ザ・キッドの冒険 Une Aventure de Billy le Kid (A Girl Is a Gun)

©DR
フランス/1971年/78分/カラー
出演:ジャン=ピエール・レオー、ラシェル・ケステルベール
ピレネー出身の女の子とアルプス出身の女の子が上京したパリで偶然出会う。同じ名前を持つふたりは意気投合し、一緒に大学生活を満喫しようとするのだが…。ムレは首都に到着した瞬間から、自分の生い立ちを忘れ、見知らぬ世界で受け入れられるために規範に従わなければならない若者たちを観察する。フラー、ロメール、シャブロルらが友情出演。ゴダールに「真に革命的な映画」と讃えられ、イエール映画祭で審査員特別賞を受賞した。ひとりでウェルズ・ファーゴの駅馬車を襲ったビリーは戦利品を運ぶのに苦労する。そんな時、ビリーはアンと出会う…。ホークスを進んで参照しながら、砂漠、断崖、山道を舞台に、少人数のクルーとわずか6日で唯一無二のシュールな西部劇を撮り上げた。主人公を演じるJ゠P・レオーは、この多義的な側面を持つキャラクターを演じることにより、それまでの役やイメージから離れ、俳優としての新たな可能性を示している。編集はジャン・ユスターシュ。
[プログラム2]
ウニの陰謀 La Cabale des oursins

©DR
フランス/1990年/17分/カラー
北フランスの石炭鉱山跡に残る“ボタ山”が、コロラド州のグランドキャニオンやエジプトのピラミッドと同じように、観光名所とみなされたらどうだろう。地理をこよなく愛するムレがフランスを旅する。
[プログラム3]
カップルの解剖学 Anatomie d’un rapport

©DR
フランス/1976年/82分/モノクロ
出演:リュック・ムレ、クリスティーヌ・エベル
映画監督とそのパートナーが、フェミニズム思想に影響され、カップルとしての関係を分析する。ムレとパートナーのアントニエッタ・ピゾルノの共同監督作品。ドキュメンタリーとフィクションの中間に位置する本作でムレは自分自身を演じるが、ピゾルノは自分の役を「ビリー・ザ・キッドの冒険」のヒロイン、ラシェル・ケステルベール(変名でクレジット)に譲っている。カップルの親密さ、無秩序、異なるニーズを共存させることの難しさについて率直に語るとともに、軽視されがちだった女性の快楽について繊細な探求をしている。
[プログラム3]
開栓の試み Essai d’ouverture

©DR
フランス/1988年/15分
キャップがどうしても開かないとき、どのようにコカ・コーラのボトルを開けるか。
[プログラム4]
メドールの帝国 L’Empire de Médor

©DR
フランス/1986年/13分/カラー
犬、その飼い主、擬人化:都会における“人間の親友”の居場所についての辛辣な考察。
[プログラム4]
映画館の座席 Les Sièges de l’Alcazar

©DR
フランス/1989年/57分/カラー
出演:オリヴィエ・マルティニ、エリザベト・モロー、サビーヌ・オードパン
1955年、パリ。『カイエ・デュ・シネマ』誌の批評家ギィは、地元の映画館にヴィットリオ・コッタファヴィの映画を観に行く。そこで敵対する雑誌『ポジティフ』の批評家ジャンヌと会い、恋に落ちるのだが…。シネフィルの日常が痛快に描き出される。
[プログラム4]
ロングスタッフ氏の亡霊 Le Fantôme de Longstaf

©DR
フランス/1996年/20分/カラー
出演:イリアナ・ロリック、エレーヌ・ラピオヴェル、ジェフリー・キャリー
原作:ヘンリー・ジェイムズ短編集『ロングスタッフの結婚』
1880年、ノルマンディーの浜辺で、喘息で瀕死の裕福なイギリス人が、若く美しいアメリカ人女性と出会い、恋に落ちる。彼女は彼を拒絶するが、2年後、彼は再び現れる…。綿密なフレーミングと洗練された演技でヘンリー・ジェイムズの世界を見事に描き出す。