大杉漣特集
大杉漣特集 2019.1.2(水)~1.18(金)
雑魚のように、逞しく泳ぎたい――
全15作品 一挙上映
いつだって映画の中にいる大杉漣さん!
■はじめに
2018年2月21日、大杉漣さんが、突然この世を去った。亡くなられてから10ヶ月、未発表の映画が次々と公開される中、漣さんの映画を最初から観直してみたい!そう思い、本特集を企画しました。様々な監督、様々な映画会社と、ものすごい量の仕事をされて来たことがわかります。初期のピンク映画、中期の傑作映画、そして後期の大ヒット作、ごく最近の出演作、その膨大な出演作から選りすぐりの全15作品をご紹介します。 思う存分スクリーンで漣さんに再会していただければ幸いです。
■大杉漣 (おおすぎ れん)
1951年9月27日、徳島県生まれ。 役者になるきっかけは、1970年代に人気を呼んでいた、蜷川幸雄、寺山修司、唐十郎らの演劇との出会い。1973年、太田省吾の劇団研修生となり、別役実作品『門』で舞台デビュー。翌年、太田省吾創設の転形劇場入団、活動に打ち込む(転形劇場は1988年に解散)。その後、1980年、新東宝映画のピンク映画『緊縛いけにえ』で映画俳優デビュー。日活ロマンポルノや新東宝映画など多数のピンク映画に出演した。1993年、北野武監督の『ソナチネ』の演技が転機となり、『キッズ・リターン』『HANA-BI』『BROTHER』REN OSUGI IN MEMORY OF FILM『Dolls』『アウトレイジ 最終章』といった北野作品やSABU監督作、黒沢清監督作、三池崇史監督作などに出演した。出演本数も多く、バイプレイヤーの代表格として精力的な活動を行っていた。演じた役柄も幅広く、「300の顔を持つ男」「カメレオン」などの異名を取った。一方で、アマチュア映画や学生の自主制作映画など、若い映画製作者への協力も惜しまなかった。映画以外では、テレビドラマ、旅番組、バラエティなどにも数多く出演した。2018年2月21日、テレビドラマ『バイプレイヤーズ ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~』撮影後、千葉県にて急性心不全で急逝、66歳。
上映スケジュール 全15作品
1/2(水) | 1/3(木) | 1/4(金) | ||||
15:00-16:40 ソナチネ |
15:00-16:50 ポストマン・ブルース |
15:00-16:30 ネコナデ |
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16:55-18:45 HANA-BI |
17:05-18:41 アベックモンマリ |
16:40-18:45 グッバイエレジー |
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18:55-20:50 犬、走る DOG RACE |
18:55-20:51 極道の妻たち 決着 |
18:55-20:45 蜜のあわれ |
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21:05-22:15 人妻拷問 |
21:05-22:10 連続暴姦 |
21:05-22:15 変態家族 兄貴の嫁さん |
予定表 横にスクロールできます
1/5(土) | 1/6(日) | 1/7(月) | 1/8(火) | 1/9(水) | 1/10(木) | 1/11(金) |
12:40-14:40 教誨師 |
12:40-14:40 教誨師 |
12:40-14:40 教誨師 |
12:40-14:40 教誨師 |
12:40-14:40 教誨師 |
12:40-14:40 教誨師 |
12:40-14:40 教誨師 |
14:50-16:50 恋のしずく トークショー |
14:50-16:26 アベックモンマリトークショー |
14:50-17:00 恋のしずく |
14:50-17:00 恋のしずく |
14:50-17:00 恋のしずく |
14:50-17:00 恋のしずく |
14:50-17:00 恋のしずく |
17:30-19:10 ソナチネ |
17:10-19:10 恋のしずく |
17:10-19:00 蜜のあわれ |
17:10-19:15 グッバイエレジー |
17:10-19:00 ポストマン・ブルース |
17:10-19:05 犬、走る DOG RACE |
17:10-19:10 極道の妻たち 決着 |
19:20-21:10 HANA-BI |
19:20-20:50 ネコナデ |
19:10-21:05 ポストマン・ブルース |
19:30-21:10 ソナチネ |
19:15-21:11 極道の妻たち 決着 |
19:20-20:50 ネコナデ |
19:20-21:00 アベックモンマリ |
21:20-22:25 人妻拷問 |
21:05-22:15 連続暴姦 |
21:20-22:25 変態家族 兄貴の嫁さん |
21:20-22:25 人妻拷問 |
21:25-22:25 連続暴姦 |
21:05-22:15 変態家族 兄貴の嫁さん |
21:10-22:20 人妻拷問 |
予定表 横にスクロールできます
1/12(土) | 1/13(日) | 1/14(月) | 1/15(火) | 1/16(水) | 1/17(木) | 1/18(金) |
14:05-16:00 教誨師 |
13:50-15:50 教誨師 |
13:50-15:50 教誨師 |
13:50-15:50 教誨師 |
13:50-15:50 教誨師 |
13:50-15:50 教誨師 |
13:50-15:50 教誨師 |
16:05-17:57 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
16:00-17:52 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
16:00-17:52 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
16:00-17:52 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
16:00-17:52 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
16:00-17:52 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
16:00-17:52 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す |
18:05-19:45 アベックモンマリ |
18:05-19:55 HANA-BI |
18:05-20:00 犬、走る DOG RACE |
18:05-20:05 極道の妻たち 決着 |
18:05-19:55 蜜のあわれ |
18:05-20:10 グッバイエレジー |
18:05-20:00 ポストマン・ブルース |
20:00-21:10 変態家族 兄貴の嫁さん |
20:15-22:05 蜜のあわれ |
20:15-21:55 ソナチネ |
20:15-21:45 ネコナデ |
20:15-22:15 グッバイエレジー |
20:25-21:30 連続暴姦 |
20:15-22:05 HANA-BI |
予定表 横にスクロールできます
新作『教誨師』『恋のしずく』『返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す』
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |
その他の旧作
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1300 | ¥1100 | ¥800 |
会員 | ¥1100 | ¥1100 | ¥800 |
トークショー
『恋のしずく』1/5(土)14:50回上映後、瀬木直貴監督『恋のしずく』と 佐向大監督『教誨師』のトークショーがございます。
『アベックモンマリ』1/6(日)14:50回上映後、大谷健太郎監督 と 武藤起一さん(プロデューサー)のトークショーがございます。
作品紹介
人妻拷問 1980年/62分/R18+/DVD/配給:新東宝映画 雪子は、夜道で四人の男に強姦され、それを苦に自殺をしてしまう。愛する妹を失った兄は、残された者の哀しみを思い知らせるために、復讐を決意する。彼らの妻を同じように強姦して殺害するのだ。一人目、二人目、三人目と目指す女を犯してはピストルで射殺した。四人目の女も襲って犯し、彼女を殺せば復讐が終わるというとき、女から思いもよらぬ告白を聞かされる…。美しい映像美の復讐劇、漣さんは四人目の女の夫役で出演。 |
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連続暴姦 1983年/60分/R18+/35ミリ/配給:新東宝映画 冬子はOLでありながら、 “山崎千代子”というペンネームでピンク映画の脚本を執筆している。幼少期に姉・秋子をレイプ殺人で亡くした際、男の太腿に赤い蛇の刺青があるのを目撃した。成長した冬子は、男が成人映画館の映写技師であることを突き止め、殺人の様子を再現した自作のピンク映画を上映して、男をおびき出そうとするが…。漣さん扮する連続殺人鬼が勤務する成人映画館という設定で、今は無き上坂東映が登場する。 |
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変態家族 兄貴の嫁さん 1984年/62分/R18+/35ミリ/配給:新東宝映画 百合子は、間宮家の長男・幸一と結婚し、彼の家族と同居をはじめた。ところが義父は死んだ妻似のスナックのママに熱を上げ、義妹は平凡な会社勤めが空しく風俗で働くようになる、義弟は大学受験に失敗し万引きで警察の世話になり、嗜虐趣味のある夫はスナックのママがマゾであることを知るや、入りびたり、同棲を始める始末。小津安二郎にオマージュを捧げた周防正行監督デビュー作品。当時33歳の漣さんが60歳超の老人を怪演。 |
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©1993 松竹株式会社 |
ソナチネ 1993年/83分/35ミリ/配給:松竹 組長からの命令により、沖縄にある中松組の抗争の助っ人として舎弟たちと共に沖縄へと出向いた村川。しかし、事態はますます激化、男は抗争の泥沼に巻き込まれていく。漣さんはオーディションを受け合格。当初やくざ事務所の電話番という台本に台詞のない端役だったが、たけしの「全部アドリブでやって」という指示に対し、即興で演じたヤミ金の取り立ての演技に「うめえな、この人」とたけしを唸らせた。北野武作品初出演作品。 |
©1997 ブロードマークス/テレビ東京/日活 |
ポストマン・ブルース 1997年/110分/35ミリ/配給:日活 郵便配達人の沢木は、同じことが繰り返される毎日に嫌気がさしていた。そんなある日、配達中に偶然、高校時代の友人で今はヤクザの野口に再会したことから、運び屋で殺し屋と勘違いされ、警察とヤクザの両方から追われるはめになる。平凡な郵便局員の姿をコミカルでかつハードに描く。漣さんは全国殺し屋選手権大会出場の合格通知なるものを待つ謎の殺し屋ジョー役で。 |
© 1997 バンダイビジュアル・テレビ東京・TOKYO FM/オフィス北野 |
HANA-BI 監督・脚本・編集・挿入画:北野 武/音楽監督:久石 譲/プロデューサー:森 昌行・柘植靖司・吉田多喜男/撮影:山本英夫/照明:髙屋 齋/美術:磯田典宏/録音:堀内戦治/編集:太田義則/記録:中田秀子/助監督:清水 浩/製作担当:小宮慎二/製作管理:山崎義人/スチール:笹田和俊/製作:バンダイビジュアル・テレビ東京・TOKYO FM/オフィス北野/協力:JFN(全国FM放送協議会) 出演:ビートたけし、岸本加世子、大杉 漣、寺島 進、白竜、渡辺 哲、薬師寺保栄、大家由祐子、芦川 誠、逸見太郎 他 不治の病に冒された妻を見舞うため、張込みの現場を離れていた西刑事に同僚の掘部が撃たれたという知らせが届く。追い詰めた犯人との銃撃戦で、今度は部下の田中が命を落とす。次々と大切な物を奪われ、心をさいなまれていく西。下半身不随となった堀部は絵を描き始める。そんな堀部や田中の遺族、そして妻と過ごせるあと残り僅かな時間のために、西はある重大な決心をする…。漣さんは仕事一筋の刑事堀部役で。 |
© 東映 |
極道の妻たち 決着ケジメ 1998年/116分/35ミリ/配給:東映 女には女のケジメがおます。劇画的様式美と凄絶華麗なる女の美学。夫を罠にはめ、暴利を貪る傘下の悪徳ヤクザに闘いを挑む、極妻の活躍を描いた人気シリーズの第10弾にして最終作。組長殺害の黒幕を追い詰め、組のために凛と戦う井出春日、仲間を裏切った夫に三行半を叩き付ける番水彩子、夫を殺され再起を賭ける秋葉杏子、三者三様の極妻たちの多彩な生き様を鮮烈なタッチで描いた。漣さんは番水組組長役で登場 |
© 東映ビデオ 国立映画アーカイブ所蔵作品 |
犬、走る DOG RACE 1998年/110分/R15+/35ミリ/配給:東映ビデオ 新宿警察署生活安全課の刑事・中山は、韓国人の情報屋・秀吉と上海美女の恋人・桃花とつるんでは、ヤクザに情報を流して金をもらったり、ヤクに手を出しその勢いでボッタクリバーを強制調査して手柄を立てたりと、かなり危ない生活を送っていた。そんなある日、桃花が秀吉の部屋で死体で発見され…。新宿歌舞伎町を舞台に、そこに巣食う人々の生態をエネルギッシュに描いたサスペンス・コメディ。漣さんは韓国人の情報屋・秀吉役で。 |
© 武藤起一事務所 |
アベックモンマリ 1999年/96分/35ミリ/配給:武藤起一事務所 仕事バリバリの妻・美都子と主夫業バッチリのタモツ。結婚3年目のふたりに離婚の危機が。原因はタモツと若い女マユとの浮気容疑。ところがマユは中年男・中崎と不倫中で…。今時の二組の夫婦の、複雑にこんがらがった人間関係を自然な会話の中に綴る恋愛コメディ。監督は、ぴあフィルムフェスティバルで二度の入賞経験を持つ大谷健太郎。漣さんは中年男・中崎役で。タイトルの「avec mon mari」とはフランス語で“夫と一緒に”の意。 |
© 2008「ネコナデ」製作委員会 |
ネコナデ 2008年/85分/BD/配給:AMGエンタテインメント IT企業の人事部長・鬼塚太郎は、社長の指揮の元、必要のない社員を容赦なく切り捨て、一方では新入社員を取るという矛盾に苦しんでいた。ある日子猫を拾い、妻に内緒で社宅用のウィークリーマンションにかくまった。研修が始まり、鬼塚の厳しさに震え上がる新入社員たちの中で、鬼塚を勘違いする社員もいた。そんな中、ウィークリーマンションの清掃をすることになり…。子猫に翻弄される堅物のサラリーマンを漣さんが好演。 |
© 2015『蜜のあわれ』製作委員会 |
蜜のあわれ 2016年/105分/DCP/配給:ファントムフィルム 老境の作家と暮らす愛くるしい魅力が詰まった少女・赤子は、作家をおじさまと呼び、きわどいやり取りをしたり、夜は身を密着させて眠ったりしている。ほかの人間にはわからないものの、赤子は普通の女とどこか違っていた。彼女の正体は、人間の姿に変貌する、真っ赤な金魚だったのだ。そんな赤子の前に、ある日、老作家への愛を募らせた幽霊・ゆり子が現れ…。室生犀星晩年の幻想小説を映画化、漣さんは老境の作家を演じた。 |
© 2017「グッバイエレジー」製作委員会 |
グッバイエレジー 2017/118分/DCP/配給:マジックアワー 映画監督の深山晄は、中学時代の同級生・井川道臣の死を知り、数十年ぶりに故郷・北九州に帰郷、関係者を訪ね歩き、道臣の生き様を知ることになる。その胸に蘇るのは、道臣との懐かしい日々、紫川で泳ぎ、釣りをし、喧嘩に明け暮れ、大好きな映画館“小倉昭和館”に通い、銀幕のスター、赤木圭一郎に憧れて将来を語り合った。北九州市出身の三村順一が、故郷を舞台に半自伝的なエピソードも盛り込んだ映画。漣さんは映画監督役で。 |
© NHK |
返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す 2018年/100分/DCP/配給:太秦 沖縄返還の最前線にいた外交官・千葉一夫は、本土から切り離され、アメリカの統治下にあった沖縄から核兵器を撤去させ、ベトナム戦争の出撃拠点としないよう、アメリカと激しい外交交渉を重ねる。千葉は何度も沖縄に足を運び、人々の苦悩に真摯に耳を傾けた。「鬼の千葉なくして沖縄返還なし」と称された伝説の外交官・千葉一夫の姿を通して、知られざる沖縄返還の裏面史を伝える。漣さんは駐米大使・植田啓三役を熱演。 |
©「教誨師」members |
教誨師 2018年/114分/DCP/配給:マーメイドフィルム=コピアポアフィルム 漣さんが初プロデュースした最後の主演作。その長いフィルムグラフィーの中でも際立ってユニークな内容、膨大な台詞量のオリジナル脚本を、まさに全身全霊を捧げて体現し、圧巻の存在感を見せる。死刑囚専門の教誨師である牧師・佐伯は、独房で孤独に過ごす死刑囚にとって良き理解者であり、格好の話し相手だ。彼が面会する年齢、境遇、性格の異なる6人の死刑囚。佐伯は彼らに寄り添いながら、自らの人生とも向き合っていく。 |
© 2018「恋のしずく」製作委員会 |
恋のしずく 2018年/117分/DCP/配給:ブロードメディアスタジオ 東京の農大でワインソムリエを目指す“日本酒嫌い”のリケジョ・詩織の実習先は、意に反して広島にある日本酒の酒蔵に決まってしまった。渋々実習先の乃神酒造を訪れた詩織だったが、人々との出会いや日本酒造りを通じて、今までにない喜びを見出していく。日本三大酒処の一つとして有名な東広島市・西条を舞台に、幻の日本酒づくりと西条の街、人々の出会いと別れを繊細に描いた。漣さんは亡き妻の思いを秘めた蔵元役で出演。 |