YUKIGUNI
大正15年生まれ、日本最高齢バーテンダーの半生とカクテル「雪国」の誕生秘話を描く。
平成が終わるという大きな節目の今年、くしくも誕生から60年を迎えるスタンダードカクテル「雪国」。1958年度にサントリーの前身・壽屋のカクテルコンペで優勝したカクテルは、いつしか日本各地のバーテンダーの中で愛され、作られ続けてスタンダードカクテルとして知られるようになる。
BARは人なり、あるBAR評論家が残した格言。この言葉を体現するように、井山計一さんのカクテルを飲み、話を聞くため、全国からカクテルファンが訪れる。その姿はまさに、カクテル巡礼とも呼べる光景だ。誕生から60年を迎えるカクテル「雪国」の誕生秘話、時代を超えて愛されるカクテル、そのグラス越しに映る井山さんの半生、撮影中に最愛の妻を亡くし、別れを機に家族との絆を取り戻していく姿、激動の時代を経ても古びない「美しさ」「愛おしさ」をめぐる珠玉の物語。
本映画を監督したのは、「よみがえりのレシピ」「おだやかな革命」で知られる山形県在住の映画監督の渡辺智史。撮影には2年半の歳月をかけ、今年92歳を迎えた現役バーテンダーの型にはまらない人生の輝き、魅力を余すところなく描いている。
一杯のカクテルに秘められた物語の数々に耳を傾けて
昭和30年代に生まれたスタンダードカクテルの創作者の多くが鬼籍に入られる中で、今なお現役でカクテルを作り続ける井山さんの人柄に導かれるように、映画の企画はスタートしました。半世紀以上ものライフヒストリーを昨日のことのように楽しく語りながら、カクテル「雪国」を作り続けてきた井山さんのお店は、不思議と人を幸せな気分にする場所です。取材を通して、1杯のカクテルには無数の物語が内包されているのだと気付き、その物語に導かれるように、2年半の時間をかけて取材が続きました。お酒同士が出会い混ざり合ってカクテルが生まれ、そのカクテルとマスターの話を聞きにBARに人が集い、そこで会話が生まれていく。映画という体験も、もしかすると自分の人生と映画に写っている人生が混ざり合うようにして、観客の心に物語が作られていくのかもしれません。この映画も、カクテル「雪国」のように古びない物語として、映画を見た方の記憶に残ることを願っています。そして映画を見た後は、ぜひ自分好みのBARを探しに街に出かけていただきたいです。そこには、きっと素敵な出会いがあるはずです。(監督コメント)
上映日時
6/22(土)~6/28(金) | 6/29(土)~7/5(金) |
11:30~13:05 | 10:00~11:35 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校生以下 | |
通常 | ¥1700 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1400 | ¥1200 | ¥800 |