ウィッカーマン final cut

ウィッカーマン

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2013年(1973年)/イギリス/94分/日本初公開/配給:アダンソニア
原題:The Wicker Man: The Final Cut
監督:ロビン・ハーディー
製作:ピーター・スネル
脚本:アンソニー・シェーファー
撮影:ハリー・ワックスマン
音楽:ポール・ジョヴァンニ
出演:エドワード・ウッドワード、クリストファー・リー、ダイアン・シレント、ブリット・エクランド、イングリッド・ピット、リンゼイ・ケンプ

さぁて、祝祭だ!火のフェスだ!『ウィッカーマン final cut』に参集よろしく。

2013年、監督ロビン・ハーディー自ら再編集して完成させた40周年記念ヴァージョンで、これまで流通してきた88分ヴァージョンに比べて6分長い。カルト中のカルトと評価を得てきた本作の決定版が公式にめでたく誕生したことになる。
映画で描かれるような巨大なヒトガタの木造建築物=ウィッカーマンが英国に存在した歴史はない。すべて荒唐無稽といってもいいが、18世紀までは犯罪者の公開処刑に人々が争って集い、エンタメとして存分に楽しんだかの国の気風は、サマーアイル(夏の島)のメイ・ディの祭典を描くこの映画でも実にリアルに感じられる。名手アンソニー・シェーファー(『探偵 スルース』『フレンジー』)の手になる脚本には、性革命、政治革命、自然回帰、キリスト以前の神々への回帰、ユートピア論議…こうした1960年代の問題性がすべてぶち込まれて溶け合っているが、シノプシズは、紀元前のカエサル『ガリア戦記』(近山金次訳 岩波文庫)の次の数行に集約できる。

「(ケルト人は)大きな像(注・ウィッカーマン)を作って、その細枝を編んだ四肢に生きた人間をつめ、火をつけて焔でまいて人を殺す。盗みや強奪やその他の罪でつかまったものの刑罰は不滅の神々にとりわけ喜ばれると思っている。しかし、そんな人間がいない場合は、罪のないものまで犠牲にする」
罪のないものとして、失踪少女捜査に島を訪れ、罠に落ちるのが警部というわけなのである。島に来た警部を迎えるパブの名前は〈グリーンマン〉だ。〈ウィッカーマン〉はケルト文化研究者以外にはほとんど知られた存在ではなかったが、一方、木の葉で覆われた顔として人格化された〈グリーンマン〉は、自然をつかさどる紙のような存在として、かなり一般的らしい。このあたりの配置がハーディー&シャーファーの冴えであろう。〈グリーンマン〉も豊穣をねがっていけにえを捧げる火刑人形が〈ウィッカーマン〉といっていい。
圧倒的な魅力で盛り上げるのは、劇中楽しそうに歌われるオリジナルなフォークロア的猥歌を作曲したポール・ジョヴァンニだ。
ともあれ、クリストファー・リーが支配する『ウィッカーマン』の祝祭の列にみなさん参加しましょう、ハイになって!


ウィッカーマン ウィッカーマン ウィッカーマン

上映日時

10/31(土)~11/6(金)
18:45~20:25

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1500 ¥1100 ¥800
会員 ¥1200 ¥1100 ¥800