原一男の軌跡
〈『ニッポン国VS泉南石綿村』公開記念〉
鬼才か天才か 疾走する映画監督 原一男の軌跡
4/14(土)-5/11(金) 一挙上映
『ゆきゆきて、神軍』から31年、ドキュメンタリーの鬼才・原一男監督が最新作『ニッポン国VS泉南石綿村』を公開しました。215分の大作です。横浜シネマリンでは、公開にあわせて旧作5作品プラス、短篇『亜人間 奥崎謙三』を上映し、映画監督 原一男の軌跡を辿ります。監督は映画を通して何を訴え、どこを目指しているのか、何が変わって、何が変わらないのか、そして『ニッポン国VS泉南石綿村』の先にあるものとは一体何なのか、全作品を通して探って参ります。
原一男(はら・かずお)
1945年6月、山口県宇部市生まれ。東京綜合写真専門学校中退後、養護学校の介助職員を勤めながら障害児の世界にのめり込み、写真展「ばかにすンな」を開催。72年、小林佐智子と共に疾走プロダクションを設立。同年、『さようならCP』で監督デビュー。74年、『極私的エロス・恋歌1974』を発表。セルフ・ドキュメンタリーの先駆的作品として高い評価を得る。87年、『ゆきゆきて、神軍』を発表。大ヒットし、日本映画監督協会新人賞を始め多数の賞を受賞。94年、『全身小説家』を発表。キネマ旬報ベストテン日本映画第1位を獲得。05年、『またの日の知華』を発表。後進の育成にも力を注ぎ、これまで日本映画学校(現・日本映画大学)、早稲田大学、大阪芸術大学などで教鞭を取ったほか、映画を学ぶ自らの私塾「CINEMA塾」を不定期に開催している。寡作ながら、公開された作品はいずれも高い評価を得ており、ブエノスアイレス、モントリオール、シェフィールド、アムステルダムなど、各地の国際映画祭でレトロスペクティブが開催されている。
上映スケジュール
4/14(土) | 4/15(日) | 4/16(月) | 4/17(火) | 4/18(水) | 4/19(木) | 4/20(金) |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 上映後監督トーク |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
12:30-16:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
16:50-18:20 さようならCP |
16:20-18:05 極私的エロス・恋歌1974 |
16:20-17:50 さようならCP |
16:20-18:20 またの日の知華 |
16:20-18:05 極私的エロス・恋歌1974 |
16:20-18:20 またの日の知華 |
16:20-18:05 極私的エロス・恋歌1974 |
予定表 横にスクロールできます
4/21(土) | 4/22(日) | 4/23(月) | 4/24(火) | 4/25(水) | 4/26(木) | 4/27(金) |
12:20-14:30 ゆきゆきて、神軍 |
12:20-14:30 ゆきゆきて、神軍 |
12:20-14:30 ゆきゆきて、神軍 |
12:20-14:30 ゆきゆきて、神軍 |
12:20-14:30 ゆきゆきて、神軍 |
12:20-14:30 ゆきゆきて、神軍 |
休映 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
14:40-18:20 ニッポン国VS泉南石綿村 |
予定表 横にスクロールできます
4/28(土) | 4/29(日) | 4/30(月) | 5/1(火) | 5/2(水) | 5/3(木) | 5/4(金) |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
11:50-15:30 ニッポン国VS泉南石綿村 |
15:40-17:45 ゆきゆきて、神軍 上映後 |
15:40-18:25 全身小説家 |
15:40-18:25 全身小説家 |
15:40-17:45 ゆきゆきて、神軍 上映後 |
15:40-18:25 全身小説家 |
15:40-18:25 全身小説家 |
15:40-17:50 ゆきゆきて、神軍 |
予定表 横にスクロールできます
5/5(土) | 5/6(日) | 5/7(月) | 5/8(火) | 5/9(水) | 5/10(木) | 5/11(金) |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
18:30-22:10 ニッポン国VS泉南石綿村 |
予定表 横にスクロールできます
上映作品紹介 全6作品
さようならCP
1972年/82分/16ミリ→DCP(英語字幕版) CP(脳性麻痺)者の急進的な団体「青い芝」の人々の生活と思想をカメラに収めた、原一男監督の第一作。障害者だからといって自ら片隅でこっそりする生き方は、障害者差別を容認することになると考え、その不自由な体を積極的に人前にさらしていく。「CP(障害者)=健全者という関係の共通項が身体の階級性にあり私自身の〈関係の変革〉というテーマをベースにして、被写体=演じる者を、撮る側にどこまで見ることに耐えられるかを賭けてみたかった」(原一男) |
|
極私的エロス・恋歌1974
1974年/98分/16ミリ→DCP(英語字幕版) 「私にとって映画はコミュニケーションの方法」という原監督が、かつて一緒に暮らし子どもまでをなした女を追って沖縄へ行き、彼女が自力出産を行なうまでを捉えた作品。「極私」の極致へと到達した未踏のドキュメンタリーとして、原一男の名を一躍知らしめた問題作。「生きることの原点を描ききった」「見る者を強烈にとらえてゆさぶり続ける恐ろしい映画」「真実を見ることの衝撃」などの絶賛を浴び、日本列島のいたる所で若者の強烈な支持を集めた。 |
|
ゆきゆきて、神軍
1987年/122分/35ミリ→DCP(英語字幕) 87年の日本映画界を震撼させた驚愕の作品。天皇の戦争責任に迫る過激なアナーキスト・奥崎謙三を追った衝撃のドキュメンタリー。神戸市で妻とバッテリー商を営む奥崎謙三は、たったひとりの「神軍平等兵」として、“神軍”の旗たなびく車に乗り、今日も日本列島を疾駆する。生き残った元兵士たちの口から戦後36年目にしてはじめて、驚くべき事件の真実と戦争の実態が明かされる…。平和ニッポンを鮮やかに過激に撃ち抜いた原一男渾身の大ヒット作。 *日本映画監督協会新人賞 |
|
全身小説家
1994年/157分/35ミリ 『ゆきゆきて、神軍』から7年、94年の日本映画各賞を総なめした大傑作。小説『地の群れ』などで知られる、作家・井上光晴の生を描く長編ドキュメンタリー。約40年にわたって創作=小説と格闘し、92年5月ガンに散ったひとりの小説家の「虚構と真実」が、インタビューを中心とする従来通りの記録映画的な部分と「イメージ篇」と名付けられた一種のドラマを交えて綴られる。5年もの歳月を費やした意欲作で、埴谷雄高、瀬戸内寂聴などの作家が登場するのも興味深い。 *日本映画監督賞 |
|
またの日の知華
2004年/114分/35ミリ(英語字幕) 激動の70年代を舞台に、『皆月』の吉本多香美、『M/OTHER』の渡辺真起子、金久美子、桃井かおりの4人がひとりのヒロイン・知華を演じ、田中実、田辺誠一、夏八木勲ら、4人の男たちとの愛を4つの章に分けて描き出す。4人の女優がひとりのヒロインを演じるという試みに挑戦し、ドキュメンタリー映画の原一男が手掛けた初の劇映画ということでも注目を集めた。 |
|
ニッポン国VS泉南石綿村
2017年/日本/215分/DCP/配給:疾走プロダクション 2006年、大阪・泉南地域の石綿(アスベスト)工場の元労働者とその家族が、損害賠償を求め国を訴えた。国は70年前から調査を行い、健康被害を把握していたにもかかわらず、経済発展を優先し規制や対策を怠った。原は裁判闘争や原告らの人間模様を8年にわたって記録する。原告の多くは地方出身者や在日朝鮮人であり、劣悪な労働条件の下、対策も知らされぬまま身ひとつで働いていた。国は控訴を繰り返し、長引く裁判で彼らの身体は確実に蝕まれていく…。 *釜山国際映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞 |
入場料
〈原一男特集上映〉
当日料金:一般1,500円/会員1,200円/大専・シニア1,100円/高校生以下800円
〈ニッポン国VS泉南石綿村〉
当日料金:一般2,200円/会員1,800円/大専・シニア1,500円/高校生以下1,200円