テイク・ミー・サムウェア・ナイス
© 2019(PUPKIN)
2019年/オランダ・ボスニア/91分/配給:クレプスキュール フィルム
原題:TAKE ME SOMEWHERE NICE
監督・脚本:エナ・センディヤレヴィッチ
撮影:エモ・ウィームホフ
編集:ロット・ロスマーク
音響:ヴィンセント・シンセレッティ
音楽: エラ・ファン・デル・ワウデ
出演:サラ・ルナ・ゾリッチ、エルナド・プルニャヴォラツ、ラザ・ドラゴイェヴィッチ
オランダからボスニアへ 少女でも大人でもないアルマの”自分探し”の旅が始まる。
誰か連れ出して…この退屈な世界から
揺れるカーテンの隙間からのぞいたブティックのミラーが、ワンピースを選ぶ一人の少女を映している。アルマ──オランダ生まれのボスニア人。両親は戦火に揺れた祖国を離れ、オランダで彼女を育ててきた。やがて父はひとり祖国へ戻り、消息は遠ざかっていた。そんな父が入院したという知らせが届き、母に言われるまま、アルマはたったひとりでボスニアへと向かう。
ボスニアの空港で彼女を出迎えたのは、従兄のエミル。終始ぶっきらぼうな態度で、アルマをアパートに連れ帰っても言葉少な。やがて「急ぐから」とアルマを部屋に置き去りにしてしまう。キャリーケースは壊れ、荷物も取り出せないまま。居場所のない空間に身を持て余し、アルマは街へ出た。そして衝動のように、髪を金色に染める。その夜、アパートの扉の前で眠り込んでいた彼女に声をかけたのは、エミルの“インターン”を名乗るデニスだった。彼だけが、アルマの話に耳を傾けてくれる。
翌日。父のいる町・ポドべレジイェを目指し、小さなスーツケースを引いてバスに乗り込んだアルマ。だが休憩の間に、バスは彼女を置き去りにし、荷物だけを乗せたまま走り去ってしまう…。
この物語は、アルマ同様にボスニア生まれオランダ育ちのエナ・センディヤレヴィッチ監督による長編デビュー作。監督が心酔するジム・ジャームッシュ監督の『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に影響を受けて描かれた作品だ。男女3人の主要キャラクター、静的でミニマルな演出、ゆったりと流れる時間、そして余白に満ちた空間。さらにアイデンティティが不確かな主人公の”自分探し”という普遍的なテーマを追求した本作は、世界中から優れたインディペンデント映画が集うロッテルダム国際映画祭コンペティション部門でタイガーアワードを受賞し、国際的にも高く評価された。
少女から大人になるとは、どういうことなのだろうか。母と父という異なるアイデンティティを持つアルマの本当の居場所はどこなのか。オランダでもなくボスニアでもない、彼女にとっての素敵な居場所とは何だろう。
心地よい風と太陽、水の煌めき…アルマに「とびっきりの夏」はいつ訪れるのだろうか──。
料金
| 一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
| 通常 | ¥1900 | ¥1300 | ¥800 |
| 会員 | ¥1300 | ¥1300 | ¥800 |