革命する大地
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2019年/ペルー/111分/配給:ブエナワイカ/宣伝:スリーピン
原題:LA REVOLUCIÓN Y LA TIERRA
日本語字幕:比嘉世津子
監督:ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
脚本:グレシア・バルビエリ、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
撮影:エラルド・ロブレス
編集:チノ・ピント、ゴンサロ・ベナべンテ・セコ
後援:在日ペルー大使館、日本ペルー協会
イベント情報
6/8(土)10:00回上映後、新谷和輝さん(ラテンアメリカ映画研究者)のトークイベントがございます。
社会の変遷を記憶し、抗う映像たちが問い直すものとはーー 革命が取り戻す私たちの誇り
2019年にペルー本国で公開され、9万人以上を動員し、ドキュメンタリー史上最大のヒット作となった本作は、2021年の総選挙前にテレビ放映も予定されていた。しかし、この映画が大衆に及ぼす影響を恐れた保守派が放送の延期を求めたとも言われている。 1969年にベラスコ大統領率いるいわゆる軍部革命政権によって公布された農地改革法は、それまでのペルーの土地と市民権をめぐる闘争に大きな変革をもたらした。ベラスコ大統領は先住民を半奴隷状態から解放した英雄と見る人と、彼が解体した地主寡頭制に不満を持ち独裁者と見る人とで、ペルー国内を二分する存在である。
アーカイブ映像、インタビュー、映画・・・ 数々の映像から紐解く革命の歴史
ペルー革命前夜として、スペインからの独立を宣言してもなお続くスペイン植民地時代からの半封建主義的なペルーの社会構造が、アーカイブ映像と多数のインタビューや引用作品によって丁寧に語られていく。ペルーの国民的作家あるマリア・ホセ・アルゲダスや農民リーダーらが当時を振り返り告白する。 そして舞台は徐々に運命の1968年へと加速する。ペルー革命からベラスコ政権の瓦解まで、社会の変化を映画は鮮明に映し取った。この変化は、日本で初めて公開されたペルー映画の『みどりの壁』や『革命児トゥパク・アマル』、『豚と天国』など数々のペルー映画に反映され封じ込められた。それは、当時の映画をはじめとするペルーの文化形成における形式的・美的変化を浮き彫りにするアンソロジーとしても見て取れる。
現代へ脈々と受け継がれる、革命の記憶
知識人たちは「農地改革は全員が市民になれる手段だった」と証言する一方で、農地改革後にペルーを待っていたのは暴力の時代だったのも確かだ。そして、「民主的であるなら多様性への寛容さが必要だ」と警鐘をならす。現代ペルーの知識人や政治家、文化人へのインタビューによって“ペルー革命”が再構築されていく。ペルー革命から約50年、今も政治的混迷が続くペルー。この先、ペルーはどこへ向かうのか? 暴力や銃以上に記憶された映像や物語が私たちの味方であることを問い直す。本作は革命によって社会に、民衆に何をもたらすのかを突き付けるドキュメンタリーなのだ。
上映日時
6/8(土)~6/14(金) | 6/15(土)、6/16(日) | 6/17(月)~6/20(木) | 6/21(金) | 6/22(土)~6/27(木) | 6/28(金) |
10:00-11:55 | 18:45-20:36 | 18:10-20:05 | 18:25-20:16 | 19:50-21:45 | 20:20-22:15 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |