風の電話
あの丘にある<風の電話>へ、
天国に繋がるただ一つの電話へ、
今日もまた人々が訪れる
17 歳の高校生ハルは、東日本大震災で家族を失い、広島に住む伯母、広子の家に身を寄せている。心に深い傷を抱えながらも、常に寄り添ってくれる広子のおかげで、日常を過ごすことができたハルだったが、ある日、学校から帰ると広子が部屋で倒れていた。自分の周りの人が全ていなくなる不安に駆られたハルは、あの日以来、一度も帰っていない故郷の大槌町へ向かう。広島から岩手までの長い旅の途中、彼女の目にはどんな景色が映っていくのだろうか―。
憔悴して道端に倒れていたところを助けてくれた公平、今も福島に暮らし被災した時の話を聞かせてくれた今田。様々な人と出会い、食事をふるまわれ、抱きしめられ、「生きろ」と励まされるハル。道中で出会った福島の元原発作業員の森尾と共に旅は続いていき…。そして、ハルは導かれるように、故郷にある<風の電話>へと歩みを進める。家族と「もう一度、話したい」その想いを胸に―。
2011年に、岩手県、大槌町在住のガーデンデザイナー・佐々木格氏が自宅の庭に設置した<風の電話>。死別した従兄弟ともう一度話したいという思いから誕生したその電話は、「天国に繋がる電話」として人々に広まり、東日本大震災以降、3万人を超える人々が、この場所を訪れている。
本作は、この電話をモチーフにした初めての映像作品。監督は、『2/デュオ』(97)で長編監督デビュー以来、『M/OTHER』(99)を始め、『ライオンは今夜死ぬ』(17)など日本だけでなく、フランスをはじめヨーロッパで圧倒的な評価を受けている諏訪敦彦。広島から故郷の大槌町へと旅する主人公ハルを、注目の女優モトーラ世理奈が演じ、西島秀俊、西田敏行、三浦友和ら日本を代表する名優たちが、彼女の熱演を温かく包む。現場の空気感まで切り取る諏訪監督ならではの手法によって、魂のこもった俳優たちの演技が胸を打つ本作。唯一無二の映画体験が見る人の人生に優しくそっと刻まれる、今だからこそ届けたい、珠玉の感動作が誕生。
*祝 第70回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門国際審査員特別賞 受賞!
上映日時
3/7(土)~3/13(金) | 3/14(土)~3/20(金) | 3/21(土)~3/27(金) |
11:50~14:15 ※3/11(水)は12:00-14:20 |
13:25~15:50 | 17:45~20:10 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |