いもうとの時間
©東海テレビ放送
2024年/日本/89分/製作・配給:東海テレビ放送/配給協力:ポレポレ東中野/宣伝:ブライトホース・フィルム
ナレーション:仲代達矢
プロデューサー:阿武野勝彦
監督:鎌田麗香
音楽:本多俊之 鈴木よしひさ
音楽プロデューサー:岡田こずえ
編集:奥田繁
撮影:坂井洋紀 米野真碁
音効:久保田吉根
兄の無罪を信じて64年-
いつか真実が分かるその日まで、「いもうと」は生きる。
1961年、三重と奈良にまたがる集落・葛尾で凄惨な事件が起こった。村の懇親会で振舞われたぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡。世にいう名張毒ぶどう酒事件である。犯人と目されたのは、奥西勝(当時35歳)。客観的証拠はなく、あるのは自白調書のみ。一審判決では無罪を勝ち取ったが、二審では一転して死刑判決が言い渡される。以降、無実を訴え続けるも、奥西は89歳で獄中死した。再審請求を引き継いだのは妹の岡美代子。弁護団を結成し、新証拠を出し続けるが、再審の扉は開かない。遂に10度目の再審請求も幕を閉じ、棄却され続けた月日はなんと半世紀。再審請求は配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹しかできない。美代子は現在94歳。美代子がいなくなれば、事件は闇の彼方に消える。残された時間はそう長くはない。それでも兄の無罪を信じ、長生きを誓う。あまりにも長く辛い「いもうとの時間」は果たしていつまで続くのか。
冤罪事件の理不尽さと、その苦悩を炙り出す。
東海テレビ「名張毒ぶどう酒事件」シリーズ“最終章”
1977年より名張事件を取材開始した東海テレビは、テレビだけでなく映画作品としても本事件を多く題材にしてきた。本作は、『約束~名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯~』(13)、『ふたりの死刑囚』(16)、『眠る村』(19)に続く4作目となる。事件発生以来、東海テレビが撮り続けてきた映像が惜しみなく使われている本作は、冤罪の理不尽さ、それによる当人や周りの人間の長きに渡る苦悩を炙り出す。
同じく冤罪事件としては、1966年に発生した通称、袴田事件がある。2024年9月26日に再審の判決が出たばかり。判決後の袴田巌(87歳)の姿も映画に挿入されているのも見逃せない。
そして、今作は名物プロデューサー阿武野勝彦の東海テレビ最後の作品となった。様々な話題作を手掛けた阿武野が、自らの退職前の最後の題材に選んだのが名張事件だった。『人生フルーツ』『ヤクザと憲法』『さよならテレビ』を生んだ東海テレビドキュメンタリー劇場の第16弾。取材を引き継いできたディレクターたちの思いを結集させ、裁判の非道ぶりを叫ぶ。
2024年2月に東海テレビローカルで放送された番組を追加取材・再編集した劇場版。
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |