ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~

ゲバルトの杜 ~彼は早稲田で死んだ~

©「ゲバルトの杜」製作委員会(ポット出版+スコブル工房)

2024年/日本/134分/配給:ノンデライコ
監督・企画・編集:代島治彦
原案:樋田 毅『彼は早稲田で死んだ』文藝春秋刊
撮影:加藤孝信
プロデューサー:沢辺均
音楽:大友良英
劇パート脚本・演出:鴻上尚史
劇パート出演:望月歩、遠藤琴和ほか
出演:池上彰、佐藤優、内田樹、樋田毅、青木日照、二葉幸三、藤野豊、永嶋秀一郎、林勝昭、岩間輝生、吉岡由美子、大橋正明、臼田謙一、野崎泰志、岡本厚、冨樫一紀、石田英敬

公式ホームページ

イベント情報
7/13(土)13:50回上映後、代島治彦監督の舞台挨拶がございます。

学生運動終焉期にエスカレートした“内ゲバ”の嵐――
革命を志した若者たちはなぜ殺しあわなければならなかったのか?

現在から約50年前、1972年11月8日に早稲田大学文学部キャンパスでひとりの若者が殺された。第一文学部2年生の川口大三郎君。文学部自治会を牛耳り、早大支配を狙う新左翼党派・革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派)による凄惨なリンチが死因だった。好奇心旺盛な普通の若者だった川口君は、なぜ殺されねばならなかったのか。
川口君リンチ殺人事件に怒った早大全学の一般学生はすぐに立ちあがった。革マル派を追放して自由なキャンパスを取り戻し、民主的な自治会を作ることを目的とした「早大解放闘争」が始まり、世間の注目を集める。それは「内ゲバ」の時代を終わらせ、新しい学生運動を生み出す可能性を秘めた闘いのはずだった。しかし革マル派の「革命的暴力」の前に一般学生は敗れ去り、わずか一年でその闘争は収束する。そして皮肉にも川口君リンチ殺人事件を機に革マル派と中核派の「内ゲバ」は、社青同解放派(日本社会主義青年同盟解放派)をも巻き込む形でエスカレートしてゆく。結果として、100人を超えた「内ゲバ」の犠牲者たちは、なぜ死ななければならなかったのか。理想に燃えた約50年前の若者たちが犯した失敗を、理想に燃える未来の若者たちが二度と繰り返さないために、私たちは知らなければならない。
★内ゲバ=内部ゲバルトの略。ゲバルトはドイツ語で「暴力」を意味する。一般的には日本の学生運動や新左翼党派間での暴力を行使した党派闘争を指す。

内田樹、池上彰、佐藤優と当事者たちが“あの時代”を語り、
鴻上尚史・演出の短編劇が炙り出す“内ゲバ”の不条理
死んでいった者たちと生き残った者たちの、悔恨と鎮魂を刻印するミクスチャー・ドキュメンタリー

これまでほとんど語られてこなかった「内ゲバ」の真相に、当事者の視点から切り込んだ書籍『彼は早稲田で死んだ』(著:樋田毅/文藝春秋)との出会いから本作の製作は始まった。1972年当時若者だった、現在は70代前後の当事者たちの貴重な証言が積み重ねられていく一方で、「内ゲバとは何だったのか?」という大きな疑問がひろがってゆく。その疑問を現代に手繰り寄せるために、川口くん事件を再現する短編劇パートも製作。演出は、学生運動を題材にした演劇を数多く発表してきた鴻上尚史、そして演じるのは今まさに生きている20代の若者たち。約50年を経て交差する記憶とアクションによって、その大きな疑問の答えにたどり着けるのか。
監督は、『三里塚に生きる』『三里塚のイカロス』『きみが死んだあとで』で、新左翼闘争が渦巻いた“あの時代”を描き続けてきた代島治彦。徐々に過去の歴史になりつつある時代の記憶と体験を、四たびドキュメンタリー映画に凝縮した。音楽は、代島監督作品には欠かせない大友良英が担当。激情と悔恨が織り混ざった楽曲が、本作全体を覆う暴力と無力感、そして相反する鎮魂のイメージが奏でられる。「内ゲバ」を巡る不条理と、“あの時代”の熱量と悔恨を、立体的な手法で刻印したミクスチャーなドキュメンタリー映画がここに誕生した。


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上映日時

7/13(土)~7/19(金) 7/20(土)~7/26(金) 7/27(土) 7/28(日)~8/2(金)
13:50-16:10 14:00-16:20 17:35-19:50 17:30-19:50

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1200 ¥800
会員 ¥1500 ¥1200 ¥800