全国コミュニティシネマ会議2017イン横浜 関連企画

祝! 国産アニメーション
生誕100年 特別上映

2017年、日本のアニメーションが誕生して100年となります。
100年間に、日本で製作・発表されたアニメーションは、11,918作品にも上ります。今回の上映会では、この膨大なアニメーション作品から、映画史的に重要なクラッシック作品から、国際的に高い評価を得ている現代のアニメーション作品まで、日本のアニメーション100年の歴史の一端をフィルムでご覧いただきます。

主催:一般社団法人コミュニティシネマセンター/横浜シネマネットワーク実行委員会
文化庁委託事業 平成29年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業

東京国立近代美術館フィルムセンター協力:東京国立近代美術館フィルムセンター

公式サイト:http://jc3.jp/wp/

短篇アニメーション集+山村浩二監督によるレクチャー

なまくら刀(塙凹内名刀之巻)

1917|幸内純一|3分[24fps*]|白黒(染色)|無声 *最適速度は16fpsですが、この上映は24fpsになります
現存する日本最古のアニメーション。2008年にフィルムセンターが復元したフィルムに、2014年に新たに発掘された前半部分のフィルムをあわせて改めてデジタル復元された、再染色・最長版。

漫画 瘤取り

1929|村田安司|10分[24fps*]|白黒(染色)|無声 *最適速度は18fpsですが、この上映は24fpsになります
関東大震災をきっかけに横浜シネマ商会に加わり、緻密な技巧を駆使して切り紙アニメーションの頂点を極めた、横浜出身の作家、村田安司による民話「こぶとりじいさん」。登場人物たちの軽快な動きに注目!

AN EXPRESSION

1935|荻野茂二|4分[24fps*]|彩色|無声 *最適速度は32 fpsですが、この上映は24fpsになります
個人で映像作品を作り続け、国内外数々のコンクールで入賞、日本の小型映画・アマチュア映画界を牽引した荻野茂二。一コマずつ交互に赤と緑のフィルターをかけ撮影した白黒フィルムをフレーム毎に赤・緑で着色して作られた実験的な作品通常の2倍の速さ(32fps)で映すと色彩が現出する。

くもとちゅうりっぷ

1943|政岡憲三|15分|白黒
初のフィルム式トーキーアニメを生み出し、日本アニメーションの近代化に多大な功績を残した、政岡憲三の代表作。蜘蛛に誘惑されたてんとう虫の少女を、精緻な動画・音楽により、抒情的に表現している。今回は、2011年にデジタル復元された。

KUJIRA

1953|大藤信郎|8分|カラー
切り紙アニメーションの孤高の巨匠、大藤信郎による、カラーセロファンを用いた影絵アニメ。1953年のカンヌ国際映画祭で上映、ピカソやコクトーに絶賛された。大藤の死後、国産アニメの発展に貢献した作品のために「毎日映画コンクール大藤信郎賞」が創設されている。今回は、2013年にデジタル復元された。

メトロポリタン美術館

1984|岡本忠成|2分|カラー
変化に富んだ素材や技法を自在に使い分け、数多くの個性豊かな短編作品を生み出し、日本のアニメーションの歴史に大きな足跡を残した、岡本忠成による人形アニメーション。1984年にNHK「みんなのうた」で放送された、歌は大貫妙子。

頭山

2002|山村浩二|10分|カラー|Au Praxinoscope
同名の落語の演目を現代の東京に翻案した作品。アヌシーをはじめ、数多くの映画祭で賞を受賞し、日本人で初めてアカデミー賞短篇部門にノミネートされた。

講師:山村浩二(アニメーション作家/東京藝術大学教授)

1964年生まれ。90年代、『カロとピヨブプト』など、子どものためのアニメーションを多彩な技法で制作。2002年『頭山』がアヌシー、ザグレブ等、世界の主要なアニメーション映画祭でグランプリを受賞。その後、『カフカ 田舎医者』(07)、『マイブリッジの糸』(11)『サティの「パラード」』(16)などにより、国内外の映画祭で90以上の賞を受賞。2017年8月『サティの「パラード」』『怪物学抄』を含む短編集が劇場公開され、当館においても、「祝! 国産アニメーション生誕100年 特別上映」に合わせて9月9日(土)より上映。2008年より東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授。

太陽の王子 ホルスの大冒険

1968|高畑勲|82分|カラー|東映
アイヌの伝承をもとに描かれた、少年ホルスの勇気溢れる冒険を描いたファンタジー・アニメの大作。年を経るにつれてその真価が認められ、日本初の本格的商業プロダクションである東映動画(現:東映アニメーション)の代表作。テレビ・アニメの比重が高くなりつつあった当時、質の低下を懸念したスタッフたちが3年以上をかけて製作した。高畑勲の初監督作品であり、宮崎駿が初めて本格的に制作に携わった長篇作品。

GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊

1995|押井守|83分|カラー
士郎正宗による漫画「攻殻機動隊」を原作とし、天才ハッカーと草薙素子ら公安9課の攻防を通じて、アイデンティティについての哲学的思索を視覚化。ジェームズ・キャメロンやウォシャウスキー姉妹等、世界の多くのクリエイターにインスピレーションを与えた押井守の代表作。2016年には、スカーレット・ヨハンソン主演によるハリウッド映画、実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』が公開された。2017年1月、日本アニメ100周年を記念して、東京国立近代美術館フィルムセンターで行われた「自選シリーズ 現代日本の映画監督5 押井守」でも上映されている。

※上映はすべて35ミリプリント。『頭山』『太陽の王子 ホルスの大冒険』以外は東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵プリント。

上映日 9/9(土)

上映時間

上映作品

15:00~ 上映前、山村浩二監督によるレクチャー
短篇アニメーション集
16:45~18:07 太陽の王子 ホルスの大冒険
18:30~19:53 GHOST IN THE SHELL攻殻機動隊
入場料
各上映1,000円均一   ※当日券のみ、貸し館上映のため、先売りチケット対象外