チャルカ~未来を紡ぐ糸車~
「100,000年危険な核のゴミ 捨て場は何処に」
「巡る因果は糸車」と例えられる仏教の教えは、自分のした行いは、良いことも悪いこともやがて自分に返ってくるといわれるものです。私たちが体験している悲惨な原発事故も、人間の過去の行いが巡り戻ってきたと考えられるかもしれません。しかし、そうであるならば、私たちはいまをどう生きて、なにを未来へと繋げていくのか―
東日本大震災は私たちにとって本当に大事なものは何なのかを問いかけ、福島原発事故は経済優先社会が行き着いた惨状を見せつけました。それでもなお、人類の環境破壊は止まりません。その究極は何10万年以上も毒性が消えないという放射性廃棄物=核のゴミを産み出してしまったことでしょう。それは遠い先の子孫たちの住処までも奪っていることにほかなりません。
本作品には、高レベル放射性廃棄物の地層処分研究施設のある北海道幌延町の隣町で酪農を営む久世薫嗣(しげつぐ)さん一家の生き方を軸に、もう一つの研究施設がある岐阜県東濃地域、そして世界で初めて地下処分施設が建設中のフィンランド、原子力大国フランスの処分計画地ビュール、さらには新しいエネルギーや生き方が織り込まれています。人類が直面している“核のゴミ処分”の問題。『チャルカ』という映画を通してともに考えていきたいと願っています。
【推薦コメント】
小出裕章 (元京都大学原子炉実験所助教)
核のゴミは無害化できない。その毒性が、もともとのウラン鉱石の毒性まで低下するには、10万年~100万年の歳月が必要となる。原子力利用は、未来永劫と言える未来の子どもたちに対する犯罪である。
武藤類子 (福島原発告訴団団長)
人類は未だ解決できない核のゴミを、なぜ出し続けようとするのだろう。福島に生きる者としても、放射性廃棄物の問題は深刻だ。3.11後、福島と六ケ所村を撮影した島田監督の、核のゴミ問題を正面からテーマとした新作に期待したい。
鎌田慧 (ルポライター・ノンフィクション作家)
島田恵監督はしなやかな、執念のドキュメンタリストである。悲劇の核燃の村『六ケ所』に12年も棲み着いて前作の映画作品を生み出し、今回の『チャルカ』では、原発のない社会を紡ぎだす人びとの抵抗と希望を指し示した。
上映日時
9/23(土)~9/29(金) | 9/30(土)~10/6(日) |
10:00〜11:40 | 10:00~11:40 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1500 | ¥1100 | ¥800 |
会員 | ¥1200 | ¥1100 | ¥800 |