フレデリック・ワイズマン傑作選〈変容するアメリカ〉

フレデリック・ワイズマン傑作選
〈変容するアメリカ〉

11/2(土)-11/15(金)

フレデリック・ワイズマン傑作選
〈変容するアメリカ〉

11/2(土)-11/15(金)

現存する最も偉大なドキュメンタリー監督と言われるフレデリック・ワイズマン。1930年ボストン生まれの94歳の巨匠は、今年も新作『至福のレストラン 三つ星 トロワグロ』が日本公開され、フィルム時代の作品33本が4K復元デジタル化されるなど話題を提供しています。1967年の第一作以来、半世紀以上にわたって発表したドキュメンタリーは全44作。その中でも、ほぼ大半を占めるアメリカ社会の記録は、繁栄と矛盾に満ちた大国の姿を伝える偉大な足跡と讃えられています。
今年11月に行われるアメリカ合衆国大統領選挙。ドナルド・トランプ前大統領の動向によって「もしトラ」「ほぼトラ」という言葉がニュースを賑わせる今、ワイズマン作品を通して〈変容するアメリカ〉を見る特集上映を企画しました。
上映作品は、記念すべき第一作、1967年に完成させながら合衆国裁判によって1991年まで一般上映が認められなかった『チチカット・フォーリーズ』、 オバマ政権からトランプ政権へ、かつてない変化を経験した2010年代のアメリカ社会を記録し、民主主義の価値を問うた5作、近年の大ヒット作『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』『ボストン市庁舎』、劇場未公開の『大学 -At Berkeley』『インディアナ州モンロヴィア』、年内が最終上映となる後期の傑作『ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ』を上映いたします。 あらためてフレデリック・ワイズマン傑作選を通して、〈変容するアメリカ〉をご覧ください。

主催 ムヴィオラ、ミモザフィルムズ、チャイルド・フィルム

公式ホームページ https://moviola.jp/wiseman_america2024/

入場料一般1,800円/会員1,500円/大専・シニア1,200円/高校生以下800円
※リピーター割:半券提示で一般料金が300円引き

上映プログラム

A チチカット・フォーリーズ Titicut Follies劇場未公開

A チチカット・フォーリーズ

1967年/84分/白黒/作品提供:コミュニティシネマセンター

ワイズマンの記念すべき長編ドキュメンタリー第一作。精神異常犯罪者のための州立刑務所マサチューセッツ矯正院の日常を記録。収容者だけでなく、看守やソーシャル・ワーカー、心理学者たちがそこで何をしているかを見ることができる。合衆国裁判所で一般上映が禁止された唯一の作品で、永年に渡る裁判の末、91年にようやく上映が許可された。

B 大学 At Berkeley劇場未公開

B 大学

2013年/244分/カラー/作品提供:コミュニティシネマセンター

カリフォルニア大学バークレー校。アメリカで最も古く権威のある総合大学で、世界有数の研究教育機関で、学生運動の拠点にもなったリベラルな校風でも知られる。授業や研究活動から、学費に対するデモ、運営のための無数の会議や行政との折衝など多視点で“大学”を記録した。

C ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ In Jackson Heights日本最終上映

C ニューヨーク、ジャクソンハイツへようこそ

2015年/189分/カラー/配給:チャイルド・フィルム、ムヴィオラ

世界中からの移民とその子孫が暮らし、167の言語の言語が飛び交うジャクソンハイツ。ワイズマンの視線はあらゆる場所、人に向けられる。教会、モスク、シナゴーグ…セクシャル・マイノリティ、不法滞在者、商店主不法滞在者、商店主、そして再開発の波に飲みこまれかける街を守ろうと闘う人々…。後期の傑作と名高い一作。

D ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス Ex Libris-The New York Public Library

D ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス

2017年/205分/カラー/配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ

世界で最も有名な図書館のひとつを記録した大ヒットドキュメンタリー。本を探すだけでではなく、多種多様なサービスや機会を提供するこの図書館を「政治情勢がどうであれ、この図書館は今なお、社会的包摂民主主義、表現の自由のひとつの理想形であり続けている」とワイズマンは語る。

E インディアナ州モンロヴィア Monrovia, Indiana劇場未公開

E インディアナ州モンロヴィア

2018年/143分/カラー/作品提供:山形国際ドキュメンタリー映画祭

ドナルド・トランプが勝利した2016年アメリカ大統領選の結果を受け、ワイズマンは、保守的な共和党支持者が多いことで知られる中西部インディアナ州の小さな農村モンロヴィアを映画にする。農場、高校、教会、銃砲店など様々な場所や活動を撮影し、“善きアメリカ人”が暮らす町の実像を記録する。

F ボストン市庁舎 City Hall

F ボストン市庁舎

2020年/274分/カラー/配給:ミモザフィルムズ、ムヴィオラ

多様な人種と文化が共存する大都市ボストンの市庁舎。そこでは、警察、消防、保健衛生、高齢者支援、ホームレスの人々の支援、同性婚の承認など数百種類ものサービスを提供している。トランプ時代のアメリカで、市民のための市役所であろうと奮闘するマーティン・ウォルシュ市長の姿が印象に残る。