マーティン/呪われた吸血少年

マーティン/呪われた吸血少年

©1977 MKR Group Inc.

1978年/アメリカ/96分/配給:ビーズインターナショナル
原題:Martin
監督・脚本:ジョージ・A・ロメロ
特殊メイク:トム・サヴィーニ
出演:ジョン・アンプラス、リンカーン・マーゼル、クリスティーン・フォレスト、エレイン・ナデュー、トム・サヴィーニ、ジョージ・A・ロメロ、リチャード・P・ルビンスタイン

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誰も創造しえなかった 新たな吸血鬼伝説

ピッツバーグ行きの夜行列車で、青年マーティンは女性客を襲い、睡眠薬を注射して眠らせると生血をすすった。翌朝、犯行の証拠と死体を隠蔽し、通路にあふれる乗客たちをすり抜けてホームに降り立った彼の前には、白いスーツに身を包んだ老人が待ち構えていた。彼の名はクーダ。とても同年代には見えない2人だが、関係性は“いとこ”であるという。支線に乗り換えさらに小さな町に降りると、マーティンはろくに話しかけられることもないままクーダの自宅へと導かれる。マーティンの吸血行為を知っているクーダは、彼を自宅に住まわせ、行動のすべてを監視することにしていた。マーティンを“悪魔”だと考え、「町の人間には手を出すな」と警告するクーダは、室内に十字架やニンニクを掲げてマーティンを牽制するが、彼は「病気に過ぎない」と、十字架やニンニクが何の効力もないことを示す。クーダの経営する食料・日常雑貨店の手伝いをすることになるマーティンだったが、時おり湧き上がる血を求める衝動を抑えることができず、夜に家を抜け出しては凶行を続けていく。その一方で、クーダの孫であるクリスティーナと打ち解けた彼は、彼女の提案で部屋に電話を引く。孤独を抱え、自らが何者であるか思い悩むマーティンは、ラジオの身の上相談に匿名で電話。自分が吸血鬼であることを告白すると、彼は次第にリスナーの人気者となっていく。互いに孤独を抱える者として共感し、マーティンは唯一、町で暮らすサンティーニ夫人と心を通わせていく。吸血衝動が次第に抑えられ、マーティンは、このまま普通の生活を送っていくかに思えた。だが、夫人が突然自殺したことをきっかけに、物語は衝撃的な結末を迎える。

『ザ・クレイジーズ』 (1973)に続いてロメロが監督した劇場用映画。現代を舞台に、人間の血を求める少年(自称84歳)と、彼を監視するいとこの老人との確執を軸に、ドラキュラに代表される吸血鬼伝説を新たな視点・角度から描いた作品である。ロメロは本作を「自身の手掛けた作品の中で、最も気に入っている」と公言している。

本作には、後のロメロ作品に関わる出演者やスタッフ、いわゆる“ロメロ・ファミリー”が多々集まっている。カメオ出演している製作者のリチャード・P・ルビンスタインは、本作よりロメロとパートナー提携を行いローレル・グループを設立、本作以降のロメロ作品をプロデュースしてゆく。特殊メイクアップアーティストのトム・サヴィーニは本作がロメロ作品への初参加で、卓越した技術でリアルなスプラッター描写を披露した。また彼は俳優としても本作に出演している(アーサー役)。主演のマーティンを演じたジョン・アンプラスは、本作以降のロメロ作品に出演、『ゾンビ』ではキャスティング・ディレクターも務めている。クリスティーナ役のクリスティーン・フォレストもロメロ作品へ多数出演、『ゾンビ』ではアシスタント・ディレクター、『死霊のえじき』ではキャスティング・ディレクターなども担当。1981年にロメロと結婚した(後に離婚)。バイカーの恋人でチョイ役出演したゲイラン・ロスは『ゾンビ』『クリープショー』に出演。DJ役で声のみで出演し、本作の撮影監督を務めたマイケル・ゴーニックは『ゾンビ』以降も撮影監督として参加。その他、『ゾンビ』に関わるドナ・シーゲル、トニー・ブーバ、パスカル・ブーバなども出演している。


上映日時

11/14(日)・16(火)・18(木) 11/20(土) 22(月)・24(水)・11/26(金)
15:50-17:35 20:55-22:35 レイト割画像 20:50-22:35 レイト割画像

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1200 ¥800
会員 ¥1500 ¥1200 ¥800