生誕100年記念映画祭 市川崑 光と影の仕草
その出会いは永遠に色褪せない
「巨匠」と呼ばれながらも常に時代の先端を軽やかに駆け抜けた日本を代表する映画監督・市川崑『おとうと』『雪之丞変化』『炎上』デジタル復元版を含む選りすぐりの14作品、一挙上映!
【はじめに】
この度、KADOKAWA映画が開催した“市川崑の生誕100年記念映画祭「市川崑 光と影の仕草」”では、監督として更なる進化を遂げた大映時代の作品を中心に、市川崑を語る上では外せないと思われる作品を中心にラインナップされました。横浜シネマリンでは、そのラインナップ全てを上映することはできませんが、選りすぐりの14本を上映いたします。
1948年市川崑はデビュー作『花ひらく』以降、新東宝を皮切りに東宝、日活、大映と各社をまたにかけ、『ビルマの竪琴』『東京オリンピック』『犬神家の一族』などジャンルにしばられることなく常にエポックメーキングとなる話題作を世に送り出しました。そのいずれの作品においても徹底した美意識が貫かれ、大胆な実験精神とスタイリッシュな演出スタイルは多くの観客を魅了し、日本映画界に独自の地位を築きました。1997年には『黒い十人の女』がリバイバル上映されると、若い世代から絶賛され大ヒットを記録するなど、そのスタイルは時代を超えて愛されています。
現在活躍するクリエイターに与えた影響もはかり知れず、山田洋次をはじめ、三谷幸喜、庵野秀明、岩井俊二など現在第一線で活躍するクリエイターで市川崑ファンを公言する人は少なくありません。
「映画は所詮、光と影だと思います。光と影がドラマなのです。その光と影は、尽き果てることのない永遠のものだと思います。」光と影を駆使し、漆黒の闇の世界に儚くも美しい家族の愛を照射させ、まばゆい光の中に人間の孤独を描いた市川崑―デジタル復元を施した『おとうと』『雪之丞変化』『炎上』など日本映画史に燦然と輝く傑作の数々を是非ご堪能頂ければ幸いです。
※KADOKAWA公式より抜粋・引用あり
1915年11月20日三重県生まれ。33年に京都J.O.スタジオ(東宝の前身)にアニメーターとして入社。企画、脚本、作画、撮影、編集を学び短編アニメ「新説カチカチ山」(36)を監督。その後、助監督部に転籍し上京。45年に短編人形劇「娘道成寺」を監督するがGHQの事前検閲制度の為未公開となる。48年、新東宝の「花ひらく」で監督デビュー。同年、和田夏十と結婚。
51年に東宝に移り、「結婚行進曲」(51)、「足にさわった女」(52)、「プーサン」(53)など、大胆な実験精神を発揮し、都会的センスに満ちた社会風刺コメディーなどを手掛け評価を得る。56年、日活に移籍して監督した「ビルマの竪琴」で、ヴェネチア国際映画祭サン・ジョルジョ賞を受賞。次いで大映では、「炎上」(58)、「鍵」(59)(カンヌ映画祭審査員特別賞受賞)、「野火」(59)、「おとうと」(60)(カンヌ映画祭フランス映画高等技術委員会賞受賞)、「黒い十人の女」(61)、「雪之丞変化」(63)など、多彩で鋭い映像感覚の名作、話題作を連発する。
65年の「東京オリンピック」(カンヌ映画祭国際批評家協会賞
76年、角川映画第一作の「犬神家の一族」、それに続く金田一シリーズが爆発的ヒットとなり、変化する映画界の前線で活躍する。その後も、「細雪」(83)、「おはん」(84)、「四十七人の刺客」(94)、「八つ墓村」(96)、「新選組」(2000)、「どら平太」(2000)等、精力的に作品を発表。自作の再映画化にも挑み、「ビルマの竪琴」(85)、「犬神家の一族」(2006)では、新たな世代の観客を獲得する。
82年紫綬褒章受章。88年勲四等旭日小綬章受章。94年文化功労者となる。2008年正四位受位、旭日重光章受章。
2008年2月13日、92歳で死去。75年に渡る生涯現役の映画人生であった。
上映スケジュール 全14作品
7/23(土) | 7/24(日) | 7/25(月) | 7/26(火) | 7/27(水) | 7/28(木) | 7/29(金) |
F日本橋 12:20-14:20 |
Jぼんち 12:20-14:15 |
A炎上 12:20-14:10 |
L破戒 12:20-14:25 |
A炎上 12:20-14:10 |
I野火 12:20-14:15 |
Bおとうと 12:20-14:10 |
A炎上 14:35-16:25 |
L
破戒 14:25-16:30 |
Jぼんち 14:25-16:20 |
F日本橋 14:35-16:30 |
L破戒 14:25-16:30 |
Jぼんち 14:25-16:20 |
H鍵 14:25-16:20 |
7/30(土) | 7/31(日) | 8/1(月) | 8/2(火) | 8/3(水) | 8/4(木) | 8/5(金) |
I野火 12:20-14:15 |
Eビルマの竪琴 12:20-14:25 |
Bおとうと 12:20-14:05 |
H鍵 12:20-14:15 |
Eビルマの竪琴 12:20-14:25 |
N悪魔の手毬唄 12:20-14:45 |
N悪魔の手毬唄 12:20-14:45 |
Bおとうと 14:30-16:15 |
H
鍵 14:35-16:30 |
Eビルマの竪琴 14:25-16:30 |
I野火 14:30-16:25 |
Bおとうと 14:40-16:30 |
M私は二歳 14:55-16:30 |
Gあなたと私の 14:55-16:30 |
8/6(土) | 8/7(日) | 8/8(月) | 8/9(火) | 8/10(水) | 8/11(木) | 8/12(金) |
M私は二歳 12:20-13:55 |
Gあなたと私の 12:20-13:55 |
M私は二歳 12:20-13:55 |
K黒い十人の女 12:20-14:15 |
C雪之丞変化 12:20-14:25 |
K黒い十人の女 12:20-14:15 |
Dあの手この手 12:20-14:00 |
C雪之丞変化 14:10-16:15 |
N悪魔の手毬唄 14:05-16:30 |
N悪魔の手毬唄 14:05-16:30 |
Gあなたと私の 14:30-16:10 |
K黒い十人の女 14:40-16:30 |
Dあの手この手 14:30-16:10 |
C雪之丞変化 14:20-16:25 |
※『悪魔の手毬唄』上映時は予告編がございません。
※『犬神家の一族』は、7/30~角川シネマ新宿の「角川映画祭」で上映のため、横浜シネマリンでの上映はありません。
料金
一般 | 大学・専門 | 高校以下・シニア | |
通常 | ¥1500 | ¥1300 | ¥1000 |
会員 | ¥1200 | ¥1000 | ¥1000 |
上映作品 紹介
©KADOKAWA1958 |
A炎上デジタル復元版 初デジタル化
1958年/モノクロ/99分/シネスコ/大映京都/DCP/ 誰も解ってくれない!“絶対美”への屈折した愛憎が生んだ悲劇! |
©KADOKAWA1960 |
Bおとうとデジタル復元版 初デジタル化
1960年/カラー/98分/シネスコ/大映東京/DCP
人間の孤独と家族の愛のかたちを見つめた日本映画の至宝! |
©KADOKAWA1963 |
C雪之丞変化デジタル復元版 初デジタル化
1963年/カラー/114分/シネスコ/大映京都/DCP
大映スター総出演で描く、モダンで斬新な時代劇の大傑作!! |
©KADOKAWA1952 |
Dあの手この手
1952年/モノクロ/92分/スタンダード/大映京都/BD
アコちゃん演じる久我美子の美しさは国宝級!? |
© 日活 |
Eビルマの竪琴
1956年/モノクロ/116分/スタンダード/日活/35ミリ※英語字幕版
全編に流れる隊員たちの合唱と竪琴の音色の美しさが心に染みる不朽の名作! |
©KADOKAWA1956 |
F日本橋
1956年/カラー/111分/スタンダード/大映東京/BD
1人の男をめぐる2人の美しい芸者…激しくも哀しい情念! |
©KADOKAWA1959 |
Gあなたと私の合言葉 さようなら、今日(こんにち)は
1959年/カラー/87分/シネスコ/大映東京/BD
恋、仕事、家族そして結婚…揺れる女心を描いたメロドラマ |
©KADOKAWA1959 |
H鍵初デジタル化
1959年/カラー/107分/シネスコ/大映東京/DCP
猥褻か芸術か!?耽美なエロスとブラックな笑いが漂う奇妙な関係! |
©KADOKAWA1959 |
I野火初デジタル化
1959年/モノクロ/105分/シネスコ/大映東京/DCP
死屍累々のフィリピン戦線!魂を喪った人間の彷徨の先には… |
©KADOKAWA1960 |
Jぼんち初デジタル化
1960年/カラー/105分/シネスコ/大映京都/DCP
女を糧に、一人前の男へと成長していく放蕩男を描いた文芸大作! |
©KADOKAWA1961 |
K黒い十人の女初デジタル化
1961年/モノクロ/103分/シネスコ/大映東京/DCP
ゴージャスでクール!モダンでスタイリッシュ!!大傑作を見逃すな! |
©KADOKAWA1962 |
L破戒初デジタル化
1962年/モノクロ/119分/シネスコ/大映京都/DCP
悶え、苦しみ、愛し…運命に耐え続ける被差別民の果てしなき孤独! |
©KADOKAWA1962 |
M私は二歳初デジタル化
1962年/カラー/88分/スタンダード/大映東京/DCP
主役は赤ちゃん!今も昔も変わらない、普遍的な親子の在り方 |
©1977 東宝 |
N悪魔の手毬唄
1977年/カラー/144分/1:1.15/東宝映画/35ミリ
手毬唄をなぞった猟奇殺人!美しい沼畔に沈みゆく悲しき因果 |