古の王子と3つの花
©2022 Nord-Ouest Films-Studio O – Les Productions du Ch’timi – Musée du Louvre – Artémis Productions
2022年/フランス・ベルギー/83分/配給:チャイルド・フィルム
原題:Le Pharaon, le Sauvage et la Princesse
監督・脚本:ミッシェル・オスロ
声の出演:オスカー・ルサージュ、クレール・ドゥ・ラリュドゥカン、アイッサ・マイガ
日本語字幕:橋本裕充
後援:在日フランス大使館、アンスティチュ・フランセ
東京都推奨映画 文部科学省選定(年少・青年・成人・家庭向き)
古代エジプト、中世フランス、18世紀トルコ、3つの都をめぐる幸せの物語。
フランスを代表するアニメーション監督ミッシェル・オスロの最新作は、美しい歴史書をひもとくように、魅惑の古の世界へと観客を誘う。3つの異なる都市と時代を舞台に、自分を信じることで運命を変え幸福を手にする3人の王子のエキゾチックな物語。
類い稀なる創造力が生み出す魔法
2022年夏にルーヴル美術館で開かれた「二つの土地のファラオ:ナパタ王家の叙事詩」展のために制作された第1話「ファラオ」。綿密なリサーチをもとに映画の世界を組み立てていく監督の手法は今回も健在だ。ルーヴル美術館の古代エジプト美術部門長ヴァンサン・ランド氏監修のもと、史実に忠実に再現された造形表現は、まるで美術館に紛れ込んだかのようだ。第2話「美しき野生児」の舞台はパリからおよそ400km、フランスの中心に位置し美しい自然に恵まれたオーベルニュ地方。監督が取材旅行で撮影した写真をもとにデザインされた色鮮やかな背景に、影絵風の黒いシルエットで野生の王子の美しさを引き立たせた。東洋と西洋が交差する独自の文化を持つトルコを舞台にした3話目「バラの王女と揚げ菓子の王子」は、監督の膨大なアイディアの引き出しから繰り出された、時代を超越した空想の物語だ。
オスロ監督は本作を「パンデミックと戦争という痛みを経験した私たちが復興するためのエネルギーとなる映画だ」という。一貫して自由と平等を追求してきた監督は「人々に自由であること、有害なルールに屈服したり従ったりすることを拒否するよう勧めています」とも語る。
不遇な環境をものともせず、勇気と知恵を糧に非暴力で自分の人生を逆転させていく3人の王子の物語は、先の見えない不安を抱えて生きる現代人に、日々の暮らしの中で忘れてしまっていた純粋で優しい気持ちを思い出させてくれる。
上映日時
12/2(土)~12/8(金) | 12/9(土)~12/15(金) |
18:25-19:50 | 10:00-11:30 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校生以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |