白痴 デジタルリマスター版

白痴

©手塚プロダクション

1999年/日本/147分/DCP/配給:ネオンテトラ
監督・脚本・編集:手塚眞
原作:坂口安吾
撮影:藤沢順一
美術:磯見俊裕
音楽:橋本一子
録音:浦田和治
出演:浅野忠信、甲田益也子、橋本麗香、草刈正雄、藤村俊二、江波杏子、松岡俊介、あんじ、岡田眞澄、小野みゆき、荒井紀人、川村かおり、筒井康隆、原田芳雄

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ふたりだけの、孤独

過去とも未来とも思える終末戦争下の日本。映画制作を志す伊沢は歪んだ長屋が並ぶ場末の路地裏に間借りをしている。娼婦やスリ、大陸浪人たちが自堕落な生活を送る路地で、隣に住む木枯とその妻、サヨの無垢な生き方に、伊沢は羨望と畏怖の念を抱いていた。
テレビ局「メディアステーション」にアシスタントディレクターとして勤めている伊沢は、戦意高揚番組と安直な歌謡番組の仕事に幻滅していた。現場は視聴率70%を誇るカリスマ的アイドル銀河のわがままな言動に振り回されてばかりだ。伊沢は粗暴なディレクターの落合と、銀河のサディスティックな仕打ちの標的となり、身も心も打ちのめされる毎日だった。 そんなある日、伊沢の部屋の押し入れに、隣家のサヨが潜んでいた。伊沢を求めての行為だった。その夜から、サヨを押し入れにかくまう秘密の生活が始まった。戦争にも仕事にも疲れ果て自殺願望に取り憑かれていた伊沢にとって、サヨの存在だけが救いだった。しかし、そんな生活にも容赦なく空襲の脅威は訪れる。伊沢の住む路地の上空にも爆撃機の影が現れ、街は激しい爆撃と焼夷弾によって炎に包まれる。覚悟を決めていた伊沢だったが、ついにサヨの手を取り燃え盛る炎の中を駆け抜けてゆくのだった。 極限の状況で、恐怖の果てに彼らが見えたものは…。

戦後の無頼派・坂口安吾の短編小説を、ヴィジュアリストの手塚眞監督が映画化した『白痴』(1999年作品)が、今年で20周年を迎えます。

現代の日本映画には希有な美術的な映画であり、ヴェネチア国際映画祭をはじめ世界の映画祭で評価され、ヨーロッパでは劇場公開もされました。戦時中の日本を描いた原作を、手塚監督は時代を限定できない設定にして、普遍的なテーマを浮き彫りにしました。世界の終末と新たな創造を描いたこの作品の意図は、令和のいまだからこそ強く伝わるでしょう。


白痴 白痴 白痴

上映日時

1/16(土)、1/17(日) 1/18(月)~1/22(金) 1/23(土)~1/29(金)
14:05~16:31 14:00~16:30

上映中止

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1500 ¥1100 ¥800
会員 ¥1200 ¥1100 ¥800