システム・クラッシャー
© 2019 kineo Filmproduktion Peter Hartwig, Weydemann Bros. GmbH, Oma Inge Film UG (haftungsbeschränkt), ZDF
2019年/ドイツ/125分/提供:クレプスキュール フィルム、シネマ サクセション/配給:クレプスキュール フィルム
原題:Systemsprenger
英題:System Crasher
監督・脚本:ノラ・フィングシャイト
撮影:ユヌス・ロイ・イメール
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ
日本語字幕:上條葉月
後援:ゲーテ・インスティトゥート東京
入場者プレゼント
ご来場のお客様にポストカードをプレゼント!(数量限定)
ただママと一緒にいたいだけ ――
どこにも居場所のない9歳のベニーは吠え、吠え、吠え続ける。可愛くて、狂暴で、優しくて、切ない…
ぶち切れるのは愛の不足の裏返し、ただママに愛されたい少女の怒りと悲しみの物語。
嵐のような9歳の女の子ベニー。幼少期、父親から受けた暴力的トラウマ(赤ん坊の時に、おむつを顔に押し付けられた)を十字架のように背負い手の付けようのない暴れん坊になる。里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと追い出されてしまう、ベニーの願いはただひとつ。かけがえのない愛、安心できる場所、そう!ただママのもとに帰りたいと願うだけ。居場所がなくなり、解決策もなくなったところに、非暴力トレーナーのミヒャはある提案をする。ベニーを森の中深くの山小屋に連れて行き、3週間の隔離療法を受けさせること…。
ケアホームからケアホームへ、里親から里親へ、「システム・クラッシャー」とは、あまりに乱暴で行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能で攻撃的な子供のこと。監督・脚本は、本作が長編デビュー作となるドイツ出身のノラ・フィングシャイト。ホームレスを描いたドキュメンタリーの撮影中、そこで「システム・クラッシャー」と呼ばれる子供がいることを知ったことから映画化。その強烈な演出により第69回べルリン国際映画祭銀熊賞とモルゲンポスト紙審査員賞の2冠を受賞。ドイツ映画賞では作品賞、監督賞、脚本賞、俳優賞、女優賞を含む8部門を獲得、世界各国で37冠(26ノミネート)に輝く。ベニー役にはへレナ・ツェンゲル。全身全霊の演技で力演、ドイツ映画賞主演女優賞を歴代最年少で受賞。
福祉制度が整っている国でも、そこからこぼれ落ちてしまう子供は少なからずいる。システムの仕組みから外れた破壊者は社会から排除するしかないのか?世界には怒りの感情を抑えられない多くのベニーがいる。本作は、どんなに脚色されていても、決して想像上の産物ではない。甘ったるさや教訓めいたものは語らず、観客の共感を1ミリも必要とせず描き切る。ベニーは可愛らしく素敵な女の子であると同時に、錆びた鍵がついた手榴弾だ。観たからには一生忘れられない魂の映画、この強烈なストレートパンチは長い間あなたの心に残るだろう。
上映日時
6/15(土)、6/16(日) | 6/17(月)~6/20(木) | 6/21(金) | 6/22(土)~6/28(金) |
20:45-22:50 |
13:40-15:45 20:15-22:20 |
14:10-16:15 20:25-22:30 |
10:00-12:05 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |