柳川

2021年／中国／112分／配給：Foggy／イハフィルムズ
監督･脚本：チャン・リュル
撮影：パク･ジョンフン
編集：オ･セヒョン　スン･イーシー　リウ･シンジュー
音楽：小河（シャオホー）
出演：ニー・ニー、チャン・ルーイー、シン・バイチン、池松壮亮、中野良子、新⾳

喪失感にとらわれた男女の心情を静かに映し出す人間ドラマ

中年になり⾃分が不治の病であることを知ったドンは、⻑年疎遠になっていた兄・チュンを柳川（福岡県）への旅に誘う。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、2⼈が⻘春時代に愛した⼥性「柳川（リウ・チュアン）」と同じだった。20年ほど前、チュンの恋⼈だったチュアンは、ある⽇突然、姿を消してしまったが、今は柳川で暮らしているという。誰にも理由を告げずに消えた彼⼥の存在は、兄弟の中で解けない謎になっていた。2⼈は、柳川でついにチュアンと再会する。

ニー・ニー×チャン・ルーイー×シン・バイチン×池松壮亮
九州・柳川を舞台に日中のスター俳優が共演

監督・脚本を⼿掛けたチャン・リュル（張律）監督は中国出⾝の朝鮮族で、これまで韓国映画を送り出し、ヴェネチア、カンヌ、ベルリンなど世界の映画祭で⾼く評価されてきた。⽇本でも『キムチを売る⼥』『慶州（キョンジュ） ヒョンとユニ』『春の夢』が劇場公開された。本作は『福岡』に続く、⽇本を舞台にした第2作であり、中国出⾝だが韓国を中⼼に活動してきたチャン・リュル監督にとって、『⾖満江』以来11年ぶりの中国語映画となる。

チュアンを演じるのは、チャン・イーモウ（張芸謀）監督の“⾦陵⼗三釵”（2011）でデビューを果たし、今や中華圏で絶⼤な⼈気を誇るニー・ニー（倪妮）。兄弟を演じるシン・バイチン（⾟柏⻘）とチャン・ルーイー（張魯⼀）は『空海 KU-KAI 美しき王妃の謎』（妖猫伝）でも共演している実⼒派俳優。さらに⽇本からは『アジアの天使』など国際共同制作作品にも積極的に参加している池松壮亮と、『君よ憤怒の河を渉れ』などで中国での圧倒的な知名度を誇る中野良⼦が出演。チャン・リュル監督にとって初めて中国スターを主演に迎えた作品であり、初めて⽇本⼈⼈気スターを起⽤した作品でもある。