土を喰らう十二ヵ月

土を喰らう十二ヵ月

©2022『土を喰らう十二ヵ月』製作委員会

2022年/日本/111分/配給:日活
監督・脚本:中江裕司
原案:水上勉 『土を喰う日々 ―わが精進十二ヵ月―』(新潮文庫刊)、『土を喰ふ日々 わが精進十二ヶ月』(文化出版局刊)
料理:土井善晴
音楽:大友良英
出演:沢田研二、松たか子、西田尚美、尾美としのり、瀧川鯉八、檀ふみ、火野正平、奈良岡朋子

公式ホームページ

喰らうは生きる 食べるは愛する
いっしょのご飯が いちばんうまい

作家のツトムは人里離れた長野の山荘で一人、暮らしている。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら、原稿をしたためている。時折、担当編集者で恋人の真知子が東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子とふたり、旬のものを料理して一緒に食べるのは楽しく、格別な時間。歳の離れた恋人がいて、悠々自適な暮らしをするツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる…。

沢田研二、主演。松たか子、共演。
料理研究家・土井善晴が映画に挑む。
四季折々の食で綴る心豊かな人生ドラマ。

1960年代にデビューして以来、ミュージシャンとしても俳優としても、唯一無二のオーラを放ち続けている沢田研二が、毎日の家事をひとつひとつ丁寧にこなす性格でありながら、13年前に亡くなった妻の遺骨の処遇を今も決められないでいる主人公のツトムを、独特の色気を漂わせて演じる。昨年は代役で主演した『キネマの神様』で話題を呼んだが、実はその以前から、一年半がかりの映画の撮影に取り組んでいた。それが本作『土を喰らう十二ヵ月』である。
北アルプスを望む信州を舞台に、犬一匹と山荘で暮らす作家の一年間を季節の移り変わりと共に追った、沢田研二の今の魅力を封じ込めた待望の主演作。

彼を支える共演陣にも豪華な顔ぶれが揃った。ツトムの山荘を時折訪ねてくる担当編集者で、年の離れた恋人でもある真知子に、『ラストレター』の松たか子。ツトムの手料理を、口いっぱいに頬張る食べっぷりが愛らしい。さらに、ツトムの義母に奈良岡朋子、山歩きの師匠の大工に火野正平、恩人の住職の娘に檀ふみと、味のあるベテランが脇を固めている。そして、地元長野の人々が中江監督のワークショップを経て多数出演している。

原案は、『飢餓海峡』などのベストセラーで知られる水上勉が、1978年に雑誌ミセスに連載した料理エッセイ。少年時代に京都の禅寺で精進料理を学んだ水上は、自ら収穫した野菜や山菜を駆使して料理を作り、それを食す歓びや料理にまつわる思い出を味わい深い文章に仕立てあげた。その世界観を元に、『ナビィの恋』の中江裕司監督が脚本を執筆。自然を慈しみ、人と触れ合い、おいしいご飯を作り、誰かと食べられることに感謝する日々を送る男の姿を通して、丁寧な生き方とはどういうものか、真の豊かさとは何かを問いかける。

白胡麻はすり鉢で皮をむいて、胡麻豆腐にする。筍を炊いて木の芽をたっぷり盛って仕上げる。原案エッセイの中に登場する豪快にして繊細な料理を、目にも耳にもおいしく再現したのは、家庭料理の第一人者として知られる料理研究家の土井善晴。本作で初めて映画の料理を手がけた土井は、食材選びや扱い方、手さばきの指導や器選びに至るまで、深く作品に携わった。

タイトルの「土を喰らう」とは、旬を喰らうこと。四季の移ろいの中で、自然が恵んでくれる食物をありがたく頂くことだ。その食に向き合う精神は、今この瞬間を大切に生きることを意味している。楽しくも厳しい里山の暮らしから、そんな人生の極意を学んでいくツトムの物語は、日々の生活に追われ、旬を感じることが難しくなってしまった私たちに、人としての豊かな生き方を体感させてくれる。


土を喰らう十二ヵ月 土を喰らう十二ヵ月 土を喰らう十二ヵ月

上映日時

1/2(月)~1/6(金) 1/7(土)~1/13(金) 1/14(土) 1/15(日)~1/20(金)
10:00-11:55 18:15-20:10 11:30-13:25 11:15-13:10

料金

一般 大学・専門・シニア 高校生以下
通常 ¥1800 ¥1200 ¥800
会員 ¥1500 ¥1200 ¥800