青春 -3部作-

青春3部作

青春 -苦-  青春 -帰-

出稼ぎの若者たちを通して一つの世代の運命を浮かび上がらせる3部作。
ワン・ビンという巨大な作家とともに在る僥倖。

5/31(土)―6/13(金)

『鉄西区』『死霊魂』などで世界で最も賞賛されるドキュメンタリー作家の一人であるワン・ビン(王兵)の最新作。第1部は2023年カンヌ国際映画祭で初上映され、翌年に日本公開。第2部『青春-苦-』は2024年8月のロカルノ映画祭、第3部『青春-帰-』は2024年9月のヴェネチア国際映画祭で世界初上映。『鉄西区』以来の3部作がついにそのベールを脱ぐ!

公式ホームページhttps://moviola.jp/seishun/

青春 -苦-(第2部)

© 2023 Gladys Glover – House on Fire – CS Production – ARTE France Cinéma – Les Films Fauves – Volya Films – WANG bing

2024年/フランス=ルクセンブルク=オランダ/226分(3時間46分)途中休憩あり/配給:ムヴィオラ
監督:ワン・ビン
中国語題:青春 苦
英語題:YOUTH (HARD TIMES)
字幕:磯尚太郎

青春 -苦-(第2部)

中国の縫製工場で働く若者たちを描く『青春』第2部。
金がない。金を持ち逃げされる。泣けてくる。
もうすぐ春節がやってくる。

第2部は「苦」。中国。子供服の街・織里(しょくり)。その縫製工場で繰り広げられる若者たちの物語は、さらにドラマティックになって行く。ユンはミスばかりして仲間に呆れられ、もう働きたくない。ワンシャンは帳簿をなくしてしまい、社長に賃金は払えないと言われる。社長が取引先を殴っているのを見た。別の工場では、社長が全財産を持ち逃げした。苦々しい交渉の日々。若者たちは春節を祝うため、故郷へと帰る。


青春 -帰-(第3部)

© 2023 Gladys Glover – House on Fire – CS Production – ARTE France Cinéma – Les Films Fauves – Volya Films – WANG bing

2024年/フランス=ルクセンブルク=オランダ/152分(2時間32分)/配給:ムヴィオラ
監督:ワン・ビン
中国語題:青春 帰
英語題:YOUTH (HOMECOMING)
字幕:磯尚太郎

青春 -帰-(第3部)

中国の縫製工場で働く若者たちを描く『青春』の掉尾を飾る第3部。
故郷に帰る。結婚式を挙げる。生きていく。
生きることの途方もなさ。

第3部は「帰」。春節の休暇が近づき、織里(しょくり)の縫製工場は閑散としている。わずかに残った労働者たちも帰省する。誰もが故郷で春節を祝うために。休暇中に結婚式を挙げるものがいる。でも、故郷には仕事がない。ミンイェンの故郷の雲南は寒い。家にいても息は白く、手がかじかむ。休暇が終わり、労働者たちはまた工場に戻る。働き場所がなくなったものもいる。少年少女のまだ幼い声が響く。新しく若い世代の出稼ぎが、また工場にやってきたのだ。


青春 -春-(第1部)

© 2023 Gladys Glover – House on Fire – CS Production – ARTE France Cinéma – Les Films Fauves – Volya Films – WANG bing

2023年/フランス=ルクセンブルク=オランダ/215分(3時間35分)/配給:ムヴィオラ
監督:ワン・ビン
中国語題:青春 春
英語題:YOUTH(SPRING)
撮影:前田佳孝、シャン・シャオホイ、ソン・ヤン、リウ・シェンホイ、ディン・ビーハン、ワン・ビン
編集:ドミニク・オーヴレイ、シュー・ビンユエン、リヨ・ゴン
字幕:磯尚太郎

【再上映】
青春 -春-(第1部)

これは、アクション映画で、恋愛映画で、経済の映画で、そして何より青春映画

上海を中心に大河・長江の下流一帯に広がる、長江デルタ地域。ここだけで日本のGDPをはるかに上回る大経済地域だ。しかし、映画が描くのは、長江デルタの大企業でも大工場でもない。織里という町の小さな衣料品工場で働く10代後半から20代の若い世代の労働と日常だ。世界は彼らに注目しない。しかし、そこには驚くほどにみずみずしい青春がある。
猛烈なスピードでミシンをかける姿はアクション映画で、振り付けられたダンスのよう。恋愛をめぐる駆け引きはボーイ・ミーツ・ガール。あちこちで起こる言い争いは、暴力への沸点をはらむ。5元をめぐる経営者とのささやかな攻防。彼らがここで生きていることを徹底的に肯定し、それぞれの人物を注意深く見つめ、共感を寄せること。ワン・ビンの視線は、やがて中国という巨大な国に生きる一つの世代全体の運命を浮かび上がらせる。様々な題材に取り組んできたワン・ビンが、初めて若者にフォーカスした必見のドキュメンタリー体験。