人情噺の福団治
「なあ、芸人として生きるてなんや?」「売れることか?賞か?」
芸歴半世紀を超える大阪落語界の重鎮、四代目・桂福団治。福団治は常々、「スポットを浴びたいなら売れっ子の仁鶴や鶴瓶を紹介したる」と弟子入り志願者達に言ってきた。「日の当たらない、陰でずっと終わっていった、しかしながら名人的に上手い芸人。わしは、そんな生き方が好きやねん」日の当たらない道を選んで歩いてきた【月】の芸人、桂福団治。人間を「勝ち組 / 負け組」と分け、分かりやすい成功のみを求めたがるこの時代に、福団治の生き様は、静かに、だが確かなメッセージを放つだろう。 この映画は彼の長い人生の、ほんの一部分を切り取った記録であるー。
四代目・桂 福団治
(かつら ふくだんじ、1940 年 10 月 26 日~)
三重県四日市市出身。関西演芸協会第 10 代会長、上方落語協会理事、 日本手話落語協会会長。藤本義一の小説を原作とした映画「鬼の詩」に主演後、声帯ポリープが発覚し、一時期声が出なくなった。それを機に手話落語に取り組み始め、1980年、手話落語で「寿限無」を初披露。現在も意欲的に取り組んでいる。持ちネタは幅広いが、特に「蜆売り」「藪入り」「ねずみ穴」などの人情噺を得意にしている。登場人物のけなげな姿、心のひだを紡ぎ出す語り口は、他の追随を許さない。
この映画は、福団治の業の肯定である。
井上 昇(朝日新聞記者)
芸人はいつの時代も、現世(うつしよ)と常世(とこよ)を往来しながらその芸に磨きをかけていくという。この作品を観て「やはり福団治もそうだったか」と合点がいった。
瀬木 直貴(映画監督、「ラーメン侍」、「カラアゲ☆USA」)
声が出なくなり、そこからの第二の人生が、福団治師匠の本当の人生の始まりだったのではと思い、人生は物語であり、深いなぁと、つくづく感じ入りました。素晴らしい映画をつくってくださり、ありがとうございました。
麻生 八咫(活動写真弁士・1998 文部大臣賞受賞)
人情噺の映画です。映画が人情噺そのものです。一人の噺家(落語家)のドキュメンタリーですが、落語愛だけではなく、人間愛、家族愛、仲間愛、社会愛が感じられるドキュメンタリーです。
池田 賢治(福岡工業大学 教授)
賛同人の皆様
春風亭 一之輔(落語家・21人抜き真打)
井口 佳子(東京杉並・中瀬幼稚園園長)
増永 研一(プロデューサー・映画「小梅姐さん」)
葉室 麟(直木賞作家「蜩ノ記」)
※敬称略・順不同
上映日時
10/7(土)~10/13(金) | 10/14(土)~10/20(金) |
10:30~11:50 | 10:30~11:50 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |