私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?
©2022 le Bureau Films – Heimatfilm GmbH + CO KG – France 2 Cinéma
2022年/フランス・ドイツ/121分/配給:オンリー・ハーツ
原題:LA SYNDICALISTE
監督:ジャン=ポール・サロメ
脚本:ジャン=ポール・サロメ&ファデット・ドゥルアール
原作:カロリーヌ・ミシェル=アギーレ著“LA SYNDICALISTE”(組合活動家)
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
出演:イザベル・ユペール、グレゴリー・ガドゥボア、フランソワ=グザヴィエ・ドゥメゾン、ピエール・ドゥラドンシャン、アレクサンドリア・マリア・ララ、ジル・コーエン、マリナ・フォイス、イヴァン・アタル
世界最大の原子力発電会社で秘された大スキャンダルが明るみに。
5万人の従業員を守ろうとした彼女に何があったのか?
世界最大の仏原子力発電会社の労働組合代表モーリーン・カーニー。会社とその未来、従業員5万人の雇用を守るため、中国とのハイリスクな技術移転契約の内部告発者となったモーリーンが、自宅で何者かに襲われるというスキャンダラスな事件が起きる。耐え難い肉体的暴力と、それを自作自演だと無理矢理供述させようとする権力側からの精神的暴力。
被害者から容疑者へという真逆の立場に追い込まれながら、屈することなく闘い続け、無罪を勝ち取るまでを描いた実話の映画化。
「エル ELLE」に続き、またも強烈な熱量をスクリーンに放つイザベル・ユペール。2023年3月仏本国で公開され大ヒットした迫真のサスペンス。
映画界の至宝イザベル・ユペールが全身全霊で挑む驚愕の実話サスペンス!
ジャン=ポール・サロメ監督は、容赦ない暴力と権力の中枢にある闇の真相やそれがもたらす政治的、経済的危機より、一人の人間であり、女性であるモーリーンが内面に得た傷、彼女の家族が直面したこと、利権と利益に固執するマッチョな保守派にとってなぜ彼女が排除すべき存在となったか、そして最悪の状況からなぜ彼女は立ち直ることができたのかを描くことに、重きを置いた。
映画には、仏最大の電力会社EDFや総合原子力企業アレバ社のCEOから当時の経済大臣アルノー・モンテブールまで、背景にあるだろう国家的スキャンダルに関与するプレイヤーが実名で登場する。にもかかわらず、政治的な映画であることよりも、モーリーンの痛みと並走したという印象が強く残るのはそのせいだ。
たぐいまれな知性と努力でアレバ社の労働組合のトップに就いたモーリーンは、正義を信じ、大勢の前で怯まずCEOを糾弾するなど率直に活動したあげく、邪魔者扱いされて地位を追われた上、暴力的な凌辱を受けて心神喪失したところに、尊厳を奪われて事件を捏造され、犯罪者の汚名を着せられる。不条理ともいえるこの状況をサロメ監督は、「モーリーンがどのように耐えきったのか」という観点から描いた。
第79回ヴェネチア国際映画祭 労働・環境人材育成財団賞受賞。
上映日時
12/16(土) | 12/17(日) | 12/18(月)~12/22(金) | 12/23(土)~12/29(金) |
14:30-16:35 | 15:10-17:11 | 14:30-16:35 | 11:35-13:40 |
料金
一般 | 大学・専門・シニア | 高校生以下 | |
通常 | ¥1800 | ¥1200 | ¥800 |
会員 | ¥1500 | ¥1200 | ¥800 |