柳下美恵のピアノdeフィルムvol.11『限りなき鋪道』

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.11
限りなき鋪道かぎりなきほどう

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏

2024.2.17[土]& 2.18[日] 各日13:20

映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

1934年/日本/87分[24fps]➡※今回は105分[20fps]での上映予定/35 mm/モノクロ/サイレント/松竹蒲田
監督:成瀬巳喜男/助監督:渋谷実、山本薩夫/原作:北村小松/フィルム提供:国立映画アーカイブ
出演:忍節子(杉子)、山内光(弘)、葛城文子(弘の母)、若葉信子(弘の姉)、結城一朗(町夫)、香取千代子(杉子の友人袈裟子)、日守新一、磯野秋雄、三井秀男、阿部正三郎、坂本武、突貫小僧、井上雪子、笠智衆

名匠、成瀬巳喜男監督最後のサイレント映画、松竹の常連俳優が総出演している。成瀬はこの後P.C.L.映画製作所に移籍した。
銀座のカフェで働く杉子はボーイフレンドの町夫からプロポーズされるが、町夫の家族は裕福な家庭の女性との結婚を望んでいる。ある日、杉子は映画スタジオの新人女優としてスカウトされるが、帰り道、山内家の跡取り息子の弘の車に当てられ入院した。見舞ううち、弘は杉子に好意を抱き結婚するが、階級の違いにこだわる母親と姉の杉子への嫌がらせで弘は徐々に生活が荒れ、杉子は家を出る。自暴自棄になった弘は自動車事故に遭い入院した。

アフタートークイベント

2.17[土]村川 英さん(映画評論家)
2.18[日]太田和彦さん(デザイナー・作家)

料金一般・シニア 2,000円/会員1,700円/ユース(25歳以下)1,000円

チケット購入情報2.14[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。詳細は劇場Webサイトにてご確認ください。

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

次回予告
2024年6.15[土]、16[日]にvol.12を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご覧ください。