柳下美恵のピアノdeフィルムvol.7『女神』

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.7『女神めがみ

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの生伴奏

2022.11.12[土]& 11.13[日] 各日14:00

映画が誕生して120年あまり。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

1934年/中国/82分[24fps(予定)]/35 mm/モノクロ/サイレント/聯華影業公司上海第一製片廠
監督・脚本・美術:呉永剛
撮影:洪偉烈
出演:阮玲玉、黎鑑、章志直、李君磐

1930年代前半を席巻したスター・阮玲玉(ロアン・リンユィ)の代表作。娼婦に身を落としながらも健気に息子を育てる女(阮)は、学費まで食い物にしたヤクザ(章)を殺めて刑務所行きとなり…。
本作で監督デビューした呉永剛(ウー・ヨンカン)による緻密な演出と阮玲玉の熱演は、公開された年に<本年下半期中国映画、最大の収穫である>と高く評価され、現代でも中国サイレント映画の最高峰として賞賛されている。阮玲玉は、本作が撮られた翌年若干24歳で亡くなったこともあり、伝説の女優として語り継がれている。1991年、人気スター張曼玉(マギー・チャン)主演で香港でも映画化された。

アフタートークイベント

11.12[土]晏 妮さん(日本映画大学特任教授)
11.13[日]宮下啓子さん(映画愛好家)


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

チケット購入情報

11.9[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。

次回予告
2023年2月11日[土]、12日[日]にvol.8を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご確認ください。