沖縄久高島のイザイホー

沖縄久高島のイザイホー

2022年/日本/110分/制作:文化財映像研究会/東京シネマ新社
学術指導:仲松弥秀・谷川健一・本田安次
協力:西銘シズ、比嘉康雄、宮里千里
ナレーター:草野仁
監督:岡田一男
演出補・録音:後藤雅毅
撮影:谷口常也、草間道則、堀田泰寛、高山永一
録音:羽田野泰志 
ネガ編集:川岸喜美枝
プロデューサー:岡田桑三

公式ホームページ

イベント情報
9/24(火)、27(金)、30(月)、10/3(木)上映後、岡田一男監督の舞台挨拶がございます。

伝承が途絶えて40数年
いま鮮烈に甦るイザイホーの記憶

この映画は16㎜カラーフィルムで撮影した映像をデジタル化し、16:9の画面に変換したものである。2021年初夏、文化財映像研究会はクラウドファンディングでの支援により1978年に撮影された全映像を高精細画像にデジタル化することに成功した。

「イザイホー」は沖縄の久高島で12年に一度、午年におこなわれる祭礼で、600年以上前から続いてきた重要な神事のひとつである。久高島は、首里の東に位置し、神聖な島と信じられ、ノロと呼ばれる巫女を中心とした神女組織で継承されてきた。久高島で生まれ育った女性は祭祀を執り行う役割を与えられ、その就任儀礼がイザイホーである。
沖縄の社会では、女性が中心となって祭祀を行い、男性が政治的な役割を持つという伝統があった。これらは、日本古来の祭祀の原型を留めているのではないかとされ、多くの研究者の注目を集めてきた。しかし社会の変化にともない、1978年を最後に祭礼は途絶え、その存続と継承が危ぶまれている。

この映画では、祭礼が始まるひと月前の御嶽廻り、御願立(ウガンダティ)から、祭場の準備、香炉の継承、4日間の本祭、祭場の撤去、終了祝い、一年を締めくくる「フバワク」の祭りまで、儀礼家庭が詳細に記録されている。収録された祭祀歌謡に、原音カタカナ表記、現代語訳をつけ、「イザイホー」の祭祀歌謡の世界をより深く理解できるよう字幕をつけた。

この映画は110分だが、カットされたシーンを含めると、全体の長さは17時間に及ぶ。イザイホーには多くの記録映像があるが、16㎜カラーフィルムの同期録音撮影の例はなく、儀礼の手順や神謡のすべてを記録した映像は他にはない。半世紀近くの月日が流れ、このままでは、島の中で脈々と受け継がれてきた儀礼は、失われてしまう可能性が高い。この映像は、もしも将来、イザイホーを復活する日が来るならば、その復元において、なくてはならない参考資料となり得るだろう。


沖縄久高島のイザイホー 沖縄久高島のイザイホー 沖縄久高島のイザイホー

上映日時

11/26(土)、11/27(日) 11/28(月)~12/2(金) 12/3(土)~12/9(金)
11:45-13:35 11:45-13:40 10:00-11:55

料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1800 ¥1200 ¥800
会員 ¥1500 ¥1200 ¥800