いきもののきろく

いきもののきろく

©︎シネマスコーレ/ドッグシュガー

2014年/日本/モノクロ/47分/配給:ドッグシュガー
監督・脚本:井上淳一
原案:永瀬正敏
音楽:PANTA
主題歌:「時代はサーカスの象にのって」(作詞:寺山修司・高取英/作曲:PANTA)
企画プロデュース:木全純治
プロデューサー:片嶋一貴
撮影:鍋島淳裕
編集:細野優理子
出演:永瀬正敏、ミズモトカナコ

公式ホームページ

「瓦礫、瓦礫って言うけど、みんな、生活の一部だったんだ」
原案 永瀬正敏が贈る“喪失と再生の物語”

人っ子一人いない廃墟のような街で男は運河に流れ着いたゴミを拾い集める。そこに現れる女。男の日常に微かにひびが入り始める。

『戦争と一人の女』の舞台挨拶で監督の井上淳一とシネマスコーレを訪れた永瀬正敏は、支配人の木全純治よりとある企画の監督依頼を受ける。それは名古屋市内を流れる中川運河という今はもう使われていない運河を舞台とした短篇映画だった。すぐに訪れたロケハンで、永瀬は映画の舞台となる鉄屑工場と出会い、シャッターを切りまくる。その二日後、井上のもとに永瀬から一本のプロットが届く。それは、誰もいない街の廃工場でひとり筏を作り続ける男の話だった。そこにひとりの女が訪れる――。井上は永瀬のプロットに、東日本大震災後のイメージをプラスし、脚本を執筆。原発事故後の誰もいなくなった世界に取り残されたような男と女の話を作り上げた。
女を演じるのは、『福田村事件』のミズモトカナコ。当時、まだ京都造形大学の学生だったミズモトは永瀬相手に一歩も引けを取らない堂々たる演技を見せている。撮影は、『極悪女王』の鍋島淳裕。過去とも未来ともつかない世紀末的風景をモノクロ映像で見事に捉えている。プロデュースは木全純治。これは『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』コンビの初タッグでもある。そして主題歌は、2023年に亡くなった「頭脳警察」のPANTA。寺山修司と高取英による詩にPANTAが曲をつけた「時代はサーカスの象にのって」がせつなく流れる。
本作は2013年に撮影。当時は47分の短篇を上映する環境になく、翌14年にシネマスコーレのみで公開。24年、井上の師である若松孝二13回忌イベントで上映。そこでの絶讃を受け、ついに全国公開となる。幻の傑作が今ここに蘇る。


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料金

一般 大学・専門・シニア 高校以下
通常 ¥1300 ¥1200 ¥800
会員 ¥1200 ¥1200 ¥800