独裁者たちのとき

2022年/ベルギー・ロシア/78分/配給:パンドラ
原題:Skazka
英題:Fairytale
監督・脚本:アレクサンドル・ソクーロフ
出演:アドルフ・ヒトラー、ヨシフ・スターリン、ウィンストン・チャーチル、ベニート・ムッソリーニ ※全て本人(アーカイヴ映像)

公式ホームページ

イベント情報
6/11(日)上映後、金子遊さん(批評家・映像作家)のトークイベントがございます。
※お席に余裕があれば、次の上映作品「特集上映 歴史をみつめるソクーロフ」『孤独な声』18:25回のお客様もトークイベントのみご参加いただけます。

いま、20世紀の亡霊たちが世界を覆い尽くす
ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニ
アーカイヴ映像から4人の独裁者たちが蘇る
世界が驚愕した鬼才ソクーロフによる
誰も作り得なかったおとぎ話!

煉獄の廃墟の一室。匂い立つような花に包まれた棺の中、遺体のヨシフ・スターリンが「ブーツがきつい」と目を覚ます。同室には痛みを訴えるキリストが横たわる。「早く父なる神のもとへ行け」というスターリンに、キリストは「皆と同じように列に並んで審判を待つ」と答える。それを皮肉の笑みをこぼしながら上から見下ろすのはアドルフ・ヒトラー。軍服のスターリンを脇からウィンストン・チャーチルが覗いている。「お前はすでに臭い」「お前も臭い」。3人は互いに悪態をつきながら、天国の門に向かう旅に出た。道中でベニート・ムッソリーニが合流。4人は、自らの功績を称えたり互いを罵ったり嘲笑しながら、彷徨うように歩を進める。お喋りが止むことはないが、果たして互いの言葉は聴こえているのだろうか? 既に生身の人間ではないからなのか、時に分身が現れ、正装のチャーチル、外套姿のチャーチル、軍服のチャーチルが一堂に会しては、分身同士、互いに「兄弟」と呼び合ったりもする。こうして、天国の門を目指し、煉獄を彷徨う4人の旅が始まったのだが…。

これは、おとぎ話か悪夢か
嘲笑と陶酔の晩餐がいま始まる
圧倒的な映像、震撼する音響とともに描く
まったく新しい史劇の誕生!!

ダンテの「神曲」を彷彿とさせる冥界を舞台に、神の審判を受けるため20世紀の独裁者たちが天国の門を目指し彷徨う姿が、時には滑稽に、時には暴力的にそしてシュールに我々の生きる現代を貫き、未来を予言する。
歴史上まったくあり得ないその映像、親しげに語り合い、笑い合い、罵り合う独裁者たちの姿は、気の遠くなるような量のアーカイヴ素材からのみで構築された。すべて彼らの存命中に撮影された実際の映像が使われているのだ。さらに独裁者たちの語るセリフは、いずれも過去の手記や実際の発言の引用から成っている。そう遠くない過去に死んだ4人を蘇らせ、完成まで6年の歳月を要した、鬼才ソクーロフの近現代史への最大の挑戦作。
ロシアによるウクライナ侵攻の年に完成した本作は物議を醸し、上映を予定していたカンヌ国際映画祭でのお披露目は中止になり、ロカルノ国際映画祭コンペ部門に出品され大きな話題となった。


独裁者たちのとき 独裁者たちのとき

上映日時

6/10(土)~6/16(金) 6/17(土)~6/23(金)
16:10-17:35 10:30-11:50

料金

一般 大学・専門・シニア 高校生以下
通常 ¥1800 ¥1200 ¥800
会員 ¥1500 ¥1200 ¥800