女優 倍賞千恵子 特集上映
私は、私らしく
CHIEKO BAISHO Special Screening
■はじめに
2017年3月25日、柴又の「男はつらいよ」フーテンの寅像の隣に妹の「見送るさくら像」が完成しました。旅に出る寅さんを、心配そうに、でも温かく見送るように建てられた「さくら」の銅像。
女優・倍賞千恵子は「男はつらいよシリーズ」(1969年~1995年/全48作)の、寅さんの妹、兄を優しく見守り支えるさくら役を演じ、人気を不動のものにしました。
1960年、松竹音楽舞踊学校を首席で卒業後、同年松竹歌劇団(SKD)へ入団します。翌年、20歳の時に『斑女』(中村登監督)で映画女優としてデビューして以降、現在に至るまで映画出演本数はなんと約170本にもわたります。
篠田正浩監督、瀬川昌治監督、野村芳太郎監督、そして山田洋次監督といった名立たる巨匠監督の作品に出演し、フランキー堺、伴淳三郎、笠智衆、志村喬、高倉健、渥美清といった名優たちと共演し、様々な役を演じてきました。
多岐に渡る役柄の中にはいつも芯の強さや普遍的な等身大の女性像が光って見えます。きっと出会って良かったと思っていただける、
そして女優・倍賞千恵子の新たな一面を改めて見つけられる、そんな珠玉の17作品を揃えました。
本特集を通じて、映画館を出た後、あなたの日々がさらに色づくように、「見送るさくら像」が完成した記念すべき年に、この特集上映をお贈りします。
・心配ばかりかける兄を温かく支えた妹 (『男はつらいよ』シリーズ)
・大胆な衣装で華麗に踊るダンサー (『踊りたい夜』)
・復讐に燃える冷徹な女 (『霧の旗』)
・逆境にめげずたくましく生きる大阪の商人(『横堀川』)
・東北本線急行の専務車掌に夢中な美人芸者(『喜劇 逆転旅行』)
■倍賞千恵子(ばいしょう・ちえこ)
女優、歌手。東京生まれ。1960年、松竹音楽舞踊学校を主席で卒業、同年、松竹歌劇団(SKD)に入団。61年、松竹にスカウトされて同年『斑女』で映画デビュー。62年には「下町の太陽」で歌手デビューし、日本レコード大賞新人賞を受賞、翌年にはNHK 紅白歌合戦に初出場、66年まで4年連続出場している。現在も映画、テレビ、舞台と多方面の第一線で活躍を続けている。主な出演作には映画(今回紹介した作品以外に)『さよならはダンスの後に』『純情二重奏』『花の舞妓はん』『暖流』『家族』(『男はつらいよ 望郷篇』との2作でキネマ旬報、毎日映画コンクール主演女優賞、芸術選奨文部大臣賞)、『同胞』『故郷』『幸福の黄色いハンカチ』『駅 STATION』(キネマ旬報、毎日映画コンクール主演女優賞)、『旅路』『植村直己物語』『キネマの天地』『虹をつかむ男』『隠し剣鬼の爪』『ホノカアボーイ』『座頭市 THE LAST』『ハウルの動く城』(声優)など、テレビドラマ「太陽ともぐら」「幸福相談」「あにいもうと」「あにき」「松本清張の顔」「まんさくの花」「あまく危険な香り」「友だち」「すずらん」など、舞台『スカーレット 風と共に去りぬ』『蒼き狼』『春の嵐』『キスミー・ケイト』『屋根の上のヴァイオリン弾き』(菊田一夫演劇賞)など多数の出演作がある。歌手としても精力的に活動を続け、現在も全国でコンサートを開催している。05年紫綬褒章、13年旭日小綬章受章。
上映スケジュール 全17作品
11/4(土) | 11/5(日) | 11/6(月) | 11/7(火) | 11/8(水) | 11/9(木) | 11/10(金) |
斑女 10:30 |
水溜り 10:30 |
下町の太陽 10:30 ★上映後トークショー 倍賞千恵子さん |
雲がちぎれる時 10:30 |
下町の太陽 10:30 |
斑女 10:30 |
水溜り 10:30 |
私たちの結婚 12:15 |
雲がちぎれる時 12:15 |
私たちの結婚 13:30 |
斑女 12:15 |
水溜り 12:15 |
下町の太陽 12:15 |
酔っぱらい天国 12:15 |
予定表 横にスクロールできます
11/11(土) | 11/12(日) | 11/13(月) | 11/14(火) | 11/15(水) | 11/16(木) | 11/17(金) |
雲がちぎれる時 10:30 |
あいつばかりが何故もてる 10:30 |
二十一歳の父 10:30 |
霧の旗 10:30 |
踊りたい夜 10:30 |
霧の旗 10:30 |
二十一歳の父 10:30 |
下町の太陽 12:30 |
霧の旗 12:20 |
酔っぱらい天国 12:30 |
二十一歳の父 12:35 |
霧の旗 12:20 |
あいつばかりが何故もてる 12:35 |
踊りたい夜 12:30 |
酔っぱらい天国 14:25 |
私たちの結婚 14:25 |
あいつばかりが何故もてる 14:25 |
踊りたい夜 14:20 |
あいつばかりが何故もてる 14:25 |
踊りたい夜 14:25 |
愛の賛歌 14:25 |
予定表 横にスクロールできます
11/18(土) | 11/19(日) | 11/20(月) | 11/21(火) | 11/22(水) | 11/23(木) | 11/24(金) |
横堀川 10:30 |
愛の賛歌 10:30 |
喜劇・逆転旅行 10:30 |
横堀川 10:30 |
愛の賛歌 10:30 |
喜劇・逆転旅行 10:30 |
横堀川 10:30 |
予定表 横にスクロールできます
11/25(土) | 11/26(日) | 11/27(月) | 11/28(火) | 11/29(水) | 11/30(木) | 12/1(金) |
男はつらいよ 10:30 |
喜劇・逆転旅行 10:30 |
離婚しない女 10:30 |
遙かなる 山の呼び声 10:30 |
小さいおうち 10:30 |
離婚しない女 10:30 |
男はつらいよ 10:30 |
遙かなる山の呼び声 12:30 |
小さいおうち 12:15 |
遙かなる山の呼び声 12:30 |
離婚しない女 12:45 |
男はつらいよ 13:00 |
遙かなる山の呼び声 12:30 |
小さいおうち 12:15 |
予定表 横にスクロールできます
*全ての作品を35㎜プリントで上映致します。古い作品が多いため、画像・音の不良、上映中のトラブルなども予想されますので、どうかご容赦下さい。
企画:松竹メディア事業部
協力:松竹株式会社、東京国立近代美術館フィルムセンター
倍賞千恵子さんご来館!
★トークショー&サイン本お渡し会開催★
11/6(月)10:30『下町の太陽』上映後、倍賞千恵子さんのトークショー&サイン本お渡し会を開催致します!
※『下町の太陽』のご入場は、上映開始15分前の10:15より整理番号順でご入場いただきます。先売りチケットで早い番号をお求めになっても、時間までにご来場いただけない場合は、後の番号の方に先にご入場いただくことになりますので、予めご了承下さい。
※サイン本お渡し会は、トークショー終了後、劇場ロビー特設コーナーにて行います。
当日チケット購入時に書籍代を前金にてお支払いください。引換券をお渡しします。
※書籍は、倍賞千恵子著「倍賞千恵子の現場」PHP新書 994円(本体価格920円)のサイン本となります。
入場料金
【当日料金】
一般1,400円/会員・大専・シニア1,100円/高校生以下800円
特別料金:11/6(月)10:30『下町の太陽』+トークショー付上映会 一律2,000円※当日券は、毎朝上映開始の30分前よりご購入いただけます。上映の1週間前より劇場窓口でのみ先売りでチケットをご購入いただくことも可能です。整理番号順でのご入場、全席自由席です。満席の際は、ご入場をお断りする場合がございます。インターネットや電話でのご予約は承っておりませんので、予めご了承ください。
上映作品紹介 全17作品
©1961松竹 |
01 斑女(はんにょ) 倍賞千恵子デビュー作!夫と別れるためにその弟(佐々木)と駆け落ちした女(岡田)は、東京タワーの画を描く画家(山村)に勧められナイトクラブで働き始めるが…。倍賞は佐々木に思いを寄せる大阪からの家出娘の役どころ。夜の世界の裏側で繰り広げられる人間模様が描かれる。
1961年/87分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1961松竹 |
02 水溜り 水溜りの多い道路を挟んだ、貧弱な工場が並んでいる東京場末の工場街。そこで働く母娘をめぐる丹羽文雄の短篇原作の映画化。女工をクビになり、マッチの火で下半身を見せて小銭を稼ごうとする倍賞の役どころが切ない。それを見る渥美清との初共演シーンに注目!
1961年/88分/モノクロ/シネスコ/松竹 |
©1962松竹 |
03 酔っぱらい天国 親子二人暮らしの耕三(笠)と史郎(石濱)は、どちらも大酒飲み。ある日、史郎はバーで野球選手とケンカになり、誤ってバットで殴り殺される。史郎の婚約者・規子(倍賞)は、野球選手に復讐を誓うが…。笠智衆が小津作品の静かな父親像とはうって変わった、酒乱の男に扮する。
1962年/93分/モノクロ/シネスコ/松竹 |
©1961松竹 |
04 雲がちぎれる時 南国の陽を浴びてバスが鮮やかに悪路の峠を越して行く。運転する三崎義実(佐田)と車掌の加江子(倍賞)は近く結婚する事になっていた。そのバスの客の中に、三崎にとって忘れ得ぬ人、かつて深い仲にあった市枝(有馬)が乗っていようとは…。
1961年/93分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1962松竹 |
05 あいつばかりが何故もてる 小山田善六(渥美)は銀座で活動するスリの名人。刑事・八代(森川)から逃げる姿を写真家志望の志賀マリ子(倍賞)に目撃され、それをネタに写真のモデルを引き受けることに。しかし善六はマリ子に恋をしてしまう…。銀座ウラにくりひろげるユカイな爆笑喜劇!
1962年/84分/モノクロ/シネスコ/松竹 |
©1962松竹 |
06 私たちの結婚 松竹ヌーヴェルヴァーグ作品。圭子(牧)と冴子(倍賞)姉妹は家計を助けるため漁網会社で働いていた。職工の駒倉(三上)の姉への思いを察した冴子は、二人を何とか結婚させようと画策するが…。姉のために奔走する妹は、次第に自分の本当の気持ちとも向き合っていく。
1962年/67分/モノクロ/シネスコ/松竹 |
©1963松竹 |
07 踊りたい夜 本格的なショーダンサーとしての大舞台を目指してナイトクラブで踊る三姉妹のダンサーグループ「ピンクタイツ」は、ひょんなことから解散の危機に…。スター女優陣が大胆な衣裳で登場する、恋と夢と家族のドラマ。SKD出身の倍賞の華やかなダンスを堪能できる一作。
1963年/98分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1963松竹 |
08 下町の太陽 下町の工場で働く寺島町子(倍賞)と恋人の毛利道男(早川)は、2人の将来のスイートホームを夢みていた。そんなある日、不良っぽい青年、北良介(勝呂)と出会い町子の運命が動き出す。倍賞の大ヒット歌謡曲(レコード大賞新人賞)を基に作られた記念すべき初主演作。
1963年/86分/モノクロ/シネスコ/松竹 |
©1964松竹 |
09 二十一歳の父 一流企業の重役である酒匂彰(山形)の次男・基次(山本)はエリートの父と兄の反対を押しきって家を飛び出し、盲目のマッサージ師・延子(倍賞)と結婚した。そんな2人の間に1児の子供が生まれる。しかし、そんな2人の幸せは続かなかった…。倍賞が盲目のヒロインを熱演!
1964年/96分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1965松竹 |
10 霧の旗 殺人事件の容疑者として逮捕された兄の無実を信じる妹の桐子(倍賞)。貧しさゆえに高名な弁護士から弁護を断られ、さらに兄は獄死。兄の無念を晴らすため、桐子の壮絶な復讐劇が始まる。松本清張の名作を山田監督が映画化。庶民派のイメージを一新!倍賞の冷酷な演技に注目。
1965年/111分/モノクロ/シネスコ/松竹 |
©1966松竹 |
11 横堀川 裕福だったこぶ問屋の娘・多加(倍賞)は親の勧めもあり、とある呉服屋に嫁いだ。夫が放蕩を繰り返し苦労する中、ひょんなことから小屋を買い、興行を始める。山崎豊子の連作が原作の映画。明治の商都大阪を舞台に、逆境にめげず、たくましく生き抜いた女の半生を描く。
1966年/100分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1967松竹 |
12 愛の賛歌 瀬戸内海の小さな島の店で働く春子(倍賞)を置いて、恋人の竜太(中山)は夢のためにブラジルへと渡ってしまう。たくましくなって帰国した竜太は初めて自分の息子の存在を知るが…。仏作家マルセル・パニョルの戯曲を基に、山田・森崎が脚本を手掛けた愛情物語。 *公開50周年作品
1967年/94分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1969松竹 |
13 喜劇・逆転旅行 東北本線急行列車の専務車掌・吾一(フランキー)は、幼馴染の美人芸者・さくら(倍賞)からの猛アタックに日々悩まされ、プロポーズまでされてしまう。しかし、それも無視し、吾一は美人講師目当てに夜の料理教室に通いつめるが…。笑いと恋の珍道中!喜劇旅行シリーズ第三作。
1969年/92分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1969松竹 |
14 男はつらいよ 中学の時に家出し、テキヤ稼業で全国を渡り歩く寅次郎(渥美)、そして寅の異母妹のさくら(倍賞)。今なお日本中から愛されている「男はつらいよ」シリーズの記念すべき第一作!さくらの見合いと結婚が描かれ、倍賞の花嫁姿が美しい。本作で人気を不動のものにした。
1969年/91分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1980松竹 |
15 遙かなる山の呼び声 北海道中標津。民子(倍賞)は、一人息子を育てながら、亡夫が残した牧場を経営していた。冬、激しい雨が降る夜、一夜の宿を求めて一人の男(高倉)が訪ねてきた。男は納屋に泊まり、牛のお産を手伝い、翌朝出ていった。そして夏、男が再び訪れ、働かせてほしいと民子に頼んできた。 *日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞受賞作品
1980年/124分/カラー/シネスコ/松竹 |
©1986松竹 |
16 離婚しない女 倍賞姉妹の共演作!釧路ウェザーリポート根室支社に勤める私設予報官・岩谷啓一(萩原)は、全く違う個性をもつふたりの女性に同時に魅かれていく…。二人の女が一人の男を激しく愛する、神代監督ならではの究極のメロドラマ。“結婚”という社会通念・形態を問う女性映画。
1986年/107分/カラー/ヴィスタ/松竹 |
©2014「小さいおうち」製作委員会 |
17 小さいおうち 昭和11年、田舎から出てきたタキは、赤い屋根の小さなお家で、女中として働きはじめる。ある日、一人の青年・板倉が現れてから家族のカタチがあやしく傾いていった。60数年後の現代、晩年のタキ(倍賞)が大学ノートに綴った自叙伝には、思いもよらない真実が記されていた。
2014年/136分/カラー/ヴィスタ/松竹 |