近日上映作品

10/25(土)/26(日)

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.16

嵐の孤児メイン画像

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.16

嵐の孤児あらしのこじORPHANS OF THE STORM

1921年/アメリカ/150分[20fps]予定/35mm
監督:D・W・グリフィス/出演:リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏

2025.10.25[土]&26[日] 各日14:45

映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。

国立映画アーカイブロゴ

フィルム提供:国立映画アーカイブ

1921年/アメリカ/150分[20fps]予定/35mm/サイレント/ユナイテッド・アーティスツ
監督:D・W・グリフィス/原作:アドルフ・フィリップ・デヌリ、ウジェーヌ・コルモン/脚本:ガストン・ド・トロリニャック/撮影:ヘンドリック・サートフ/美術:チャールズ・M・カーク、エドワード・スコル/フィルム提供:国立映画アーカイブ/出演:リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ、ジョージフ・シルドクラウト、クレイトン・ヘール、モント・ブルー

 今年生誕150年を迎えるデヴィッド・ウォーク・グリフィス監督の後期代表作。グリフィスはモンタージュ、カットバック、クローズアップなど映画作りに欠かせない技法を編み出し、映画文法を確立した。
 リリアンとドロシーのギッシュ姉妹がフランス革命とその後のロベスピエールの恐怖政治という歴史の嵐に巻き込まれる。二人の熱演と共に18世紀末のパリを再現した大野外セットや群衆シーン、グリフィス作品の代名詞となった「ラストミニッツ・レスキュー」は見逃せない。
 ギッシュ姉妹はグリフィス監督の『見えざる敵』(1912)で鮮烈なデビューを果たした。その後、姉のリリアンはグリフィス組のミューズとして数々の作品に主演、ガラス細工の様な繊細な表現、生まれ持った芯の強さ、神のような深遠な存在感で数多くのファンを魅了した。

アフタートークイベント

10.25[土] 井上正昭さん(映画研究・翻訳)オンライン

10.26[日] 宮下啓子さん(無声映画愛好家)

入場料一般・シニア2,000円/会員1,700円/ユース(25歳以下)1,000円

チケット購入情報

10.22[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。


サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕リュミエール!』でデビュー。 以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのアーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地 域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、タイ無声映画祭、 ポルデノーネ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ) などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された 『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。音楽で見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、 サイレント映画週間“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。2025年デビュー30周年を迎える。

次回予告
2026.2.21[土]、22[日]にvol.17を予定しております。 詳細は劇場Webサイトやチラシをご覧ください。

10/25(土)~

オスロ、3つの愛の風景

第75回ベルリン国際映画祭でノルウェー映画初の最高賞<金熊賞>受賞!(DREAMS)
イングマール・ベルイマン、アキ・カウリスマキ、ヨアキム・トリアーに続く、北欧映画界の知られざる名手、ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督の長編作が日本初上陸!

ベストセラー小説家や図書館の司書といった異色の経歴を持ちながらも、長編映画デビュー作「I Belong」(英題/2012)や「Beware of Children」(英題/2019)がノルウェー・アカデミー賞(アマンダ賞)を席巻するなど、北欧映画界ではその確かな実力が評価されてきたダーグ・ヨハン・ハウゲルード。トリロジーとして発表した『SEX』で昨年の第74回ベルリン国際映画祭にてエキュメニカル賞を含む3部門を受賞、『LOVE』では第81回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に出品、そして『DREAMS』では今年の第75回ベルリン国際映画祭にてノルウェー映画初となる金熊賞という快挙を成し遂げ、世界的な映画監督の仲間入りを果たした。歴代の名匠たちに続く北欧映画界の知られざる名手の渾身の3作品が、満を持しての日本初劇場公開となる。

これまでにない感情に出会うとき、人は何を考え、どんな言葉を交わすのか――
自然と文化の美しい街、オスロから届く「恋」「愛」「性」にまつわる3つの”風景”。

女性教師に恋をした17歳の少女の赤裸々な初恋手記をめぐる『DREAMS』、2人の医療従事者が様々な愛の形を模索する『LOVE』、妻子がいる男性がとある体験から”らしさ”を再考する『SEX』。3作に共通するのは、自らの心の奥底にある欲望に気づいた人々が繰り広げる、ウィットに富んだ会話の数々。正義のジャッジを下すことなく、これまでに刷り込まれてきた価値観と内から湧き出てくる感情を、穏やかに、時には葛藤し紐解いていく人々の姿にわたしたちは共感し、戸惑い、そして未知の刺激と余韻に出会う。さらに、日常的に使用されるフェリー、ランドマークであるオスロ市庁舎、煙突のある家々など、ノルウェーの首都・オスロならではの自然と文化が融合する美しい景色が広がり、人々の優しくささやかな営みを映し出す。エリック・ロメールから多大な影響を受けたというハウゲルードが描く、現代社会で生きる人間の”おかしみ”をご堪能あれ。

上映スケジュール

10/25(土) 10/26(日) 10/27(月) 10/28(火) 10/29(水) 10/30(木) 10/31(金)
DREAMS12:35ー14:25
DREAMS
LOVE12:25ー14:30
LOVE
SEX12:25ー14:30
SEX
LOVE12:25ー14:30
LOVE
DREAMS12:25ー14:25
DREAMS
SEX12:25ー14:30
SEX
LOVE12:25ー14:25
LOVE
DREAMS14:40ー16:35
DREAMS
SEX14:40ー16:40
SEX
LOVE14:40ー16:40
LOVE
DREAMS14:40ー16:35
DREAMS
SEX14:40ー16:40
SEX

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上映作品

DREAMS

DREAMS

©Motlys

2024年/ノルウェー/110分/配給:ビターズ・エンド
原題:Drømmer
英題:Dreams (Sex Love)
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
撮影:セシリエ・セメク
出演:エラ・オーヴァービー 、セロメ・エムネトゥ、アネ・ダール・トルプ、アンネ・マリット・ヤコブセン
後援:ノルウェー大使館

女性教師のヨハンナに初めての恋をした17歳のヨハンネは、この恋焦がれる想いや高揚を忘れないようにと自らの体験を手記にする。そしてこの気持ちを誰かに共有するため詩人の祖母に手記を見せたことから、物語は思いもよらない展開へと進み始める。

第75回ベルリン国際映画祭最高賞<金熊賞>受賞(国際映画批評家連盟賞&ドイツ・アートハウス映画組合賞)


LOVE

LOVE

©Motlys

2024年/ノルウェー/120分/配給:ビターズ・エンド
原題:Kjærlighet
英題:Love
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
撮影:セシリエ・セメク
出演:アンドレア・ブレイン・ホヴィグ 、タヨ・チッタデッラ・ヤコブセン、マルテ・エンゲブリクセン、トーマス・グレスタッド、ラース・ヤコブ・ホルム
後援:ノルウェー大使館

泌尿器科に勤める医師のマリアンヌと看護師のトール。共に独身でありステレオタイプな恋愛を避けている。マリアンヌはある晩、友人から紹介された男性と対面するが、子どもがいる彼との恋愛に前向きになれない。その後乗ったフェリーで偶然トールに遭遇すると、彼はマッチングアプリなどから始まるカジュアルな恋愛の親密性を語り、マリアンヌに勧める。興味を持ったマリアンヌは自らの恋愛の方法の可能性を探る。一方トールはフェリーで知り合った精神科医のビョルンを偶然勤務先の病院で見かけー。

第81回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門正式出品


SEX

SEX

©Motlys

2024年/ノルウェー/118分/配給:ビターズ・エンド
原題:Sex
英題:Sex
監督・脚本:ダーグ・ヨハン・ハウゲルード
撮影:セシリエ・セメク
出演:トルビョルン・ハール、ヤン・グンナー・ロイゼ、シリ・フォルバーグ、ビルギッテ・ラーセン
後援:ノルウェー大使館

煙突掃除を営む妻子持ちの2人の男。ひとりは客先の男性との思いもよらない一度きりのセックスを通じて新しい刺激を覚えるが、悪びれることなく妻にこの体験を話してしまったことで夫婦間がこじれてしまう。もうひとりはデヴィッド・ボウイに女として意識される夢を見て、自分の人格が他人の視線によってどう形成されていているのか気になり始める。良き父、良き夫として過ごしてきた2人は、衝撃的な出来事がきっかけで自らの“男らしさ”を見つめ直すようになる。

第74回ベルリン国際映画祭パノラマ部門3部門受賞(エキュメニカル審査員賞&ラベル・ヨーロッパ・シネマズ賞&国際アートシネマ連盟賞受賞)

11/1(土)~

リンダ リンダ リンダ 4K

© 「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ

2005年/日本/114分/カラー/配給:ビターズ・エンド
監督:山下敦弘
脚本:向井康介、宮下和雅子、山下敦弘
主題歌:「終わらない歌」(ザ・ブルーハーツ)
出演:ぺ・ドゥナ、前田亜季、香椎由宇、関根史織(Base Ball Bear)、三村恭代、湯川潮音、山崎優子(新月灯花/RABIRABI)、甲本雅裕、松山ケンイチ、小林且弥
音楽:James Iha
製作:「リンダ リンダ リンダ」パートナーズ

公式ホームページ

過ぎていく時間
何よりもやさしい 何よりもあたたかい

⽂化祭前⽇に突如バンドを組んだ⼥⼦⾼⽣たち。
コピーするのはブルーハーツ。
ボーカルは韓国からの留学⽣!
本番まであと3⽇。
4⼈の寄り道だらけの猛練習が始まった!


ゼロ年代を代表する珠玉の青春映画がcoming back!!

公開から20年経っても色あせるどころか、世界中にファンを増やし続ける珠玉の青春映画『リンダ リンダ リンダ』。熱いファンの想いは海を越え、アメリカでは本作タイトルにインスパイアされたバンドTHE LINDA LINDASが誕生するなど、世界的な現象も!
韓国のみならず、世界で活躍する俳優ペ・ドゥナが歌う、たどたどしくも心に響くブルーハーツの名曲たち、実際にドラムとギターに挑んだ前田亜季と香椎由宇のひたむきなたたずまい、演技初挑戦ながら女優たちと渡り合った本職ミュージシャンの関根史織(Base Ball Bear)。このコンビネーションを奇跡的な作品にまとめ上げたのは当時弱冠28歳だった山下敦弘監督。4Kデジタルリマスター版では、35mmフィルムの質感は残しながらも、細部をクリアに。誰もが心に抱く青春の記憶がより一層鮮やかに胸に迫る!


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11/1(土)~

坪川拓史全作品 2025

坪川拓史全作品

坪川拓史全作品

11/1(土)-11/14(金)

坪川拓史全作品

11/1(土)-11/14(金)

坪川拓史画像

坪川 拓史(つぼかわ たくし)

1972年北海道⽣まれ。1990年上京。ホームレス⽣活を経て1991年、劇団「オンシアター⾃由劇場」に研究⽣として⼊団。同時期、独学で映画制作も始める。1996年、故郷の⻑万部町にあった映画館の解体をきっかけに初⻑編映画『美式天然』の制作を開始し9年がかりで完成させる。2007年『アリア』、2013年に『ハーメルン』を制作。国内外の映画祭に招かれて幾つかの賞を受賞する。2011年室蘭市へ帰郷。2014年より同地にて『モルエラニの霧の中』制作開始。ほぼ全ての監督作で、脚本、編集、劇中⾳楽の作曲とピアノ演奏を担当。理想通りの画が撮れるまで撮影を中断して数年待つ事も度々あり、他に類を見ない独特の制作スタイルから”孤⾼の映画作家”と呼ばれている。

入場料

通常料金 一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円/障がい者1,000円

特別料金『モルエラニの霧の中』、短編作品【演奏と活弁付きライブ上映】
一般2,100円/会員・大専・シニア1,500円/障がい者1,200円/高校生以下1,000円

上映スケジュール

11/1(土) 11/2(日) 11/3(祝) 11/4(火) 11/5(水) 11/6(木) 11/7(金)
冬へのパッサカリア第1話12:20ー13:55
冬へのパッサカリア
冬へのパッサカリア第1話12:20ー13:55
冬へのパッサカリア
冬へのパッサカリア第1話12:20ー13:55
冬へのパッサカリア
モルエラニの霧の中12:20ー16:10
モルエラニの霧の中
冬へのパッサカリア第1話12:20ー13:50
冬へのパッサカリア
冬へのパッサカリア第1話12:20ー13:55
冬へのパッサカリア
冬へのパッサカリア第1話12:20ー13:55
冬へのパッサカリア
美式天然14:40ー16:20
美式天然
アリア14:30ー16:20
アリア
十二月の三輪車14:05ー15:00
十二月の三輪車+日本人アンナ
演奏と活弁付きライブ上映
演奏
くものすカルテット
弁士
片岡正二郎さん
シェアの法則サブ画像114:00ー15:58
シェアの法則+それからの日々
舞台挨拶
小野武彦(主演)
*予定*岩瀬顕子(脚本・出演)
中西良太(『それからの日々』出演)
ハーメルン14:05ー16:20
ハーメルン
美式天然14:40ー16:20
美式天然

予定表 横にスクロールできます

11/8(土) 11/9(日) 11/10(月) 11/11(火) 11/12(水) 11/13(木) 11/14(金)
冬へのパッサカリア第1話18:15ー19:50
冬へのパッサカリア
モルエラニの霧の中18:15ー22:05
モルエラニの霧の中
冬へのパッサカリア第1話18:15ー19:50
冬へのパッサカリア
シェアの法則サブ画像118:15ー20:13
シェアの法則+それからの日々
舞台挨拶
小野武彦(主演)
*予定*岩瀬顕子(脚本・出演)
中西良太(『それからの日々』出演)
冬へのパッサカリア第1話18:15ー19:50
冬へのパッサカリア
モルエラニの霧の中18:15ー22:05
モルエラニの霧の中
ハーメルン18:15ー20:30
ハーメルン
アリア20:35ー22:25
アリア
ハーメルン20:00ー22:15
ハーメルン
美式天然20:45ー22:25
美式天然
アリア20:00ー21:50
アリア
冬へのパッサカリア第1話20:40ー22:15
冬へのパッサカリア

予定表 横にスクロールできます

上映作品

冬へのパッサカリア

2025年/90分/iPhone→DCP
脚本・監督・撮影:坪川拓史
出演:[第一話]片岡正二郎、橋本さくら、草野康太
[第二話]小野武彦、中西良太、塩野谷正幸、佐藤菜南、草野康太、大塚寧々
[第三話]坂本長利、草野康太、竹野留里、あがた森魚

冬へと向かう北の大地で描かれる、 誰かの記憶をめぐる三つのストーリー
三作品からなる連作短篇集。 世界中がコロナ禍の混乱に陥った2020年、文化芸術も大きな危機に直面した。自粛や移動制限の影響で劇場や映画館が閉鎖へ、様々なプロジェクトも延期や中止の憂き目に。その最中、「文化の灯を消すまい」と坪川拓史の呼びかけに賛同したスタッフとキャストが集まり、2020年から2025年にかけて断続的に撮り続けられてきた短編作品をまとめたのが本作。最小限のスタッフで制作できるよう全編をiPhoneで撮影。キャスト陣もスタッフとして協力しながら北海道各地で撮影された。

冬へのパッサカリア第1話

第一話 『無口なピアノ』
閑散としたフェリーターミナルの片隅、学校帰りにピアノを弾くのが里奈の日課。ある日コロナ禍による客足減少に伴い航路は廃止、ピアノも使用禁止に。落ち込む里奈に無愛想な清掃員、村岡が「うちにもピアノがある」と自宅へ招く。そこは、廃業したばかりの喫茶店だった。

冬へのパッサカリア第2話

第二話 『記憶と水音』
小さな画材屋を営む津田は、⼊院中の幼なじみ川瀬の病状が気がかりだ。やがて自宅療養になった彼と、その娘奈々を交えた思い出語りのなかで、幼少時に故郷の長万部町で河童を見た話にいきあたる。翌日、3人は故郷へ向かい朧げな記憶を辿って沼を探すのだが…

冬へのパッサカリア第3話

第三話 『昨日の煙』
かつてS Lの乗務員だった元国鉄職員の吉井は、妻に先立たれてからの一人暮らしをあきらめ⾼齢者施設への⼊所を決める。家財処分のため呼び出した引取り業者の杉⼭に「私も捨ててくれ」と言い出した彼の願いは「繰り返し夢に出てくる場所」を探すことだった。

モルエラニの霧の中

モルエラニの霧の中

2020年/214分(1部 123分/2部 91分)途中休憩あり/HD→DCP
監督:坪川拓史
出演:大杉漣、大塚寧々、小松政夫、菜葉菜、久保田紗友、竹野留里、草野康太、香川京子、坂本長利、水橋研二

北海道室蘭市を舞台に5年をかけて制作された7話オムニバス作品。香川京子、坂本長利、大塚寧々、草野康太、水橋研二、菜葉菜、久保田紗友ら俳優たちと共に、演技未経験の市民が主演を含む多くの役柄で出演。2018年に急逝した大杉漣、2020年に亡くなった小松政夫の最後の公開作品。

*第43回サンパウロ国際映画祭 「⻑編コンペティション部⾨公式招待作品」
*第17回ロサンゼルス⽇本映画祭 「グランプリ」

美式天然

美式天然

2005年/95分/16mm→DCP
監督:坪川拓史
出演:吉田日出子、髙橋喜久代、熊澤段、あがた森魚、内田紳一郎、真那胡敬二、常田富士男、山田吾一、小松政夫、高木均

1996年から2005年まで9年の歳月をかけて制作された長編第1作目。「一本の映画フィルムをめぐる、二つの時代の物語」。日本での公式劇場公開は、完成から17年目にして今回が初。主演は、吉田日出子と本作完成直前に亡くなった高木均。全ての坪川作品に出演した小松政夫との初タッグでもあり、活動弁士役としての妙技が堪能できる。

*第23回トリノ国際映画祭 「グランプリ」&「最優秀観客賞」
*第2回横浜⻩⾦町映画祭 「グランプリ」

アリア

アリア

2007年/105分/35mm→DCP
監督:坪川拓史
出演:塩野谷正幸、高橋マリ子、片岡正二郎、四谷シモン、ミッキー・カーチス、正司歌江、若松孝二、小松政夫

長編第2作目。完成から15年目にして、今回が国内初公開。「ピアノ調律師の男が、亡き妻の愛した砂浜と、人形遣いに依頼されたピアノを探す旅に出る物語」。青森から北海道各地を縦断する一大ロケーションを敢行。出演は、塩野谷正幸、人気モデルの高橋マリ子、人形作家としても知られる四谷シモン、映画監督の故・若松孝二など多彩な面々。人形遣い役で出演の小松政夫による数々の貴重な芸も記録。

*第7回ユーラシア国際映画祭 「中央アジア映画連盟選出最優秀作品」
*第4回フランスキノタヨ映画祭 「最優秀観客賞」

ハーメルン

ハーメルン

2013年/132分/HD→DCP
監督:坪川拓史
出演:西島秀俊、坂本長利、倍賞千恵子、水橋研二、二瓶鮫一、守田比呂也、風見章子

福島県の昭和村を舞台に制作された長編第3作目。2011年に発生した東日本大震災での中断を経て5年をかけ完成。奥会津の美しい風景の中、「廃校に暮らす元校長先生と卒業生との魂のふれあいを描く」。出演は、今や世界中の映画人から愛される西島秀俊。2024年3月に94歳で惜しまれつつ亡くなった坂本長利。加えて、日本を代表する女優である倍賞千恵子が出演のみならず劇中とエンドロールで歌声も披露している。

特別上映 演奏と活弁付きライブ上映

くものすカルテット

演奏:くものすカルテット 弁士:片岡正二郎
【くものすカルテット】

レトロな雰囲気を漂わせた(懐かし新しい)演奏と、オリジナルの【紙芝居】や【無声映画】の上映をも織りまぜた独創的なライブスタイルで人気を呼んでいる。 https://www.kumokaru.net/

十二月の三輪車

十二月の三輪車

1995年/25分/8mm
監督:坪川拓史/早藤まき
出演:熊沢段、片岡正二郎、内田紳一郎、綾田俊樹

早藤まきとの共同監督による初作品。「歯痛の男が森へ迷い込み、次々と現れる怪しげな者たちに歯医者の場所を尋ねるが…」。効果音も含めた生伴奏付きの上演が、イタリアやフランスでも好評を博す。

日本人アンナ「川端康成原作『掌の小説』より」

日本人アンナ

2010年/30分/16mm
監督:坪川拓史
出演:福士誠治、清宮リザ、菜葉菜、内田春菊、小松政夫、奥村公延

4人の監督によるオムニバス映画『掌の小説』から、脚本と監督を担当した第3話「日本人アンナ」。

11/5(水)、11/11(火) 限定上映

シェアの法則+それからの日々

シェアの法則メイン画像

Ⓒ2022ジャパンコンシェルジュ

2022年/107分/シネスコ/5.1ch/配給:GACHINKO Film
監督:久万真路
脚本:岩瀬顕子
  出演:小野武彦、貫地谷しほり、浅香航大 、鷲尾真知子、宮崎美子、岩瀬顕子、大塚ヒロタ、小山萌子、上原奈美、内浦純一、山口森広、岩本晟夢、久保酎吉
主題歌:「花の記憶」歌 澤田知可子
企画:日穏-bion-
後援:豊島区
製作:株式会社ジャパンコンシェルジェ
宣伝協力:マジックアワー

同時上映
『それからの日々』シェアの法則のスタッフが再結集した続編。(2024年/11分/監督・脚本:久万真路/出演:小野武彦、斉藤暁、中西良太、岩瀬顕子、宮崎美子、石倉三郎)

公式ホームページ

イベント情報
11/5(水)、11/11(火)上映後、小野武彦さん、岩瀬顕子さん(予定)、中西良太さん(『それからの日々』出演、予定)の舞台挨拶がございます。

小野武彦、映画初主演の話題作!

シェアハウスを経営する老夫婦が、様々な背景をもつ住人たちとの関わりを描いた舞台「シェアの法則」(作:岩瀬顕子/劇団青年座が上演)が映画化。主演は、『踊る大捜査線』シリーズをはじめ『鍵泥棒のメソッド』『ザ・マジックアワー』など名脇役として舞台・テレビ・映画に引っ張りだこの小野武彦。脇を固めるのは実力派俳優の貫地谷しほりさん、人気上昇中の浅香航大、名脇役の鷲尾真知子、ハリウッド作品にも出演の岩瀬顕子、そして小野武彦とはデビュードラマでの共演以来、40年来の仲の宮崎美子。舞台版に引き続き岩瀬が脚本を担当し、『うちの執事が言うことには』の久万真路が監督。

東京の一軒家で暮らす春山夫妻。自宅を改装して始めたシェアハウスには、年齢も職業も国籍もバラバラの個性的な面々がおり、彼らは互いに協力し合い、時には衝突しながらも、共同生活を営んでいる。管理人である妻の喜代子は食事会を開いたり相談に乗るなど、住人たちの母親のような存在だったが、ふとした事故をきっかけに入院することとなった。そこで、しばらくの間、夫の秀夫が妻の代わりを務めることになる。社交的な喜代子とは対照的に、人づきあいが嫌いで誰とも打ち解けようとしない秀夫は、住民からも疎まれ、息子の隆志に対しても厳しく接している。そんな中、キャバクラで働いている美穂が勤務先でトラブルを起こし呼び出されることになった。自分の価値観でのみ物事を見てきた男が、様々な境遇の人たちと関わる事によって、少しずつ相手を『思いやる』ことを学んでいく物語。

シェアの法則サブ画像1 シェアの法則サブ画像2 シェアの法則サブ画像3

11/8(土)~

ヴィターリー・カネフスキー トリロジー

ヴィターリー・カネフスキー トリロジー

ヴィターリー・カネフスキー トリロジー

11/8(土)-11/21(金)

ヴィターリー・カネフスキー トリロジー

11/8(土)-11/21(金)

人生を揺るがす映画がある
永遠なる清冽な瞬間を切りとった
伝説のカネフスキー監督3部作、一挙上映!

1990年、映画の表舞台に彗星の如く現れた54歳の新人監督、ヴィターリー・カネフスキー。
『動くな、死ね、甦れ!』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人賞)に輝き驚愕のデビューを果たした彼は、その続編『ひとりで生きる』でカンヌ国際映画祭審査員賞受賞。そして3作目となる初のドキュメンタリー『ぼくら、20世紀の子供たち』では、ソ連解体後の混沌としたロシアで社会から弾き出されたストリート・チルドレンたちの生きる姿や心の内をありのままに映し出し、世界に衝撃を与えた。
この3部作は、自身もストリート・チルドレンで不良少年だった監督の経験をもとに撮られたものであり、フランソワ・トリュフォー作品におけるアントワーヌ・ドワネルのように、主人公ワレルカを演じるパーヴェル・ナザーロフと彼の守護天使ガリーヤ/ワーリャを演じるディナーラ・ドルカーロワを追った3部作でもある。
映画と出会った悪童が起こした奇跡は、人生を揺るがす作品として人々の中で生き続ける―。

公式サイト https://www.gnome15.com/kanevsky3/

配給 ノーム

入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円

作品紹介

動くな、死ね、甦れ!〈デジタルリマスター版〉

動くな、死ね、甦れ!

1989年/ソビエト/モノクロ/104分
監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ

舞台は第二次世界大戦直後、収容所地帯と化したソ連の炭鉱町。大人でさえ自分を守ることで精一杯な世の中を、危うげながらも逞しく生きる12才の少年ワレルカ。彼の引き起こす無垢な、しかし、やってはならない悪さは、母親への反発と相まって次第にエスカレートしていく。そんな彼の前に、守護天使のように現れては、危機を救ってくれる幼馴染の少女ガリーヤ。二人に芽生えた淡い想いは次第に呼応していくが、やがて運命はとんでもない方向へ転じていくのだった…。世界を魅了し続ける少年映画の金字塔。

★第43回カンヌ国際映画祭カメラドール受賞

ひとりで生きる

ひとりで生きる

1991年/フランス・ロシア/カラー/100分
監督・脚本:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ、エレーナ・ポポワ

15才になったワレルカは少年期に別れを告げようとしていたが、大人たちの世界はますます悲劇的な様相を呈し、彼にとって唯一、ガリーヤの妹ワーリャと一緒にいる時だけが心落ち着く時だった。そんな中、ある事件をきっかけに学校を退学になったワレルカは、ワーリャの思いをよそに、ひとりで町を出る。故郷や家族と離れ、ひとりで生きるワレルカ。一方、残されたワーリャは、返事のないワレルカに手紙を送り続け・・・。幼さを見せながら、大人へと成長していく少年の心の風景をスクリーン上で開花させた傑作。

★第45回カンヌ国際映画祭審査員賞受賞

ぼくら、20世紀の子供たち〈デジタルリマスター版〉(日本初公開)

ぼくら、20世紀の子供たち

1993年/フランス/カラー/83分
監督:ヴィターリー・カネフスキー
出演:パーヴェル・ナザーロフ、ディナーラ・ドルカーロワ

国際的な評価を得たカネフスキーが次にカメラを向けたのは、社会体制が崩壊したロシアの都市に巣くうストリート・チルドレンたち。窃盗、強奪、売春、そして殺人…残忍性をエスカレートさせていく彼らの裏側に傷つきやすい感受性を見るカネフスキー。やがてカメラは、思わぬ場所でワレルカの面影を残したパーヴェル・ナザーロフの姿を捉える。そして、2本の映画で共演したのち、全く異なる人生を歩み成長していったパーヴェルとディナーラが再会を果たす。デジタルリマスター版を日本初公開!

★第44回べルリン国際映画祭ヤングフォーラム部門正式出品作品

11/15(土)~

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©Athanor Ltd.

提供・配給:ザジフィルムズ、クープ

公式ホームページ

日本では10年ぶりの特集上映!
チェコの老錬金術師ヤン・シュヴァンクマイエルが放つ
最新3作品、ついに公開!

1988年の『アリス』以来、『ファウスト』『悦楽共犯者』『オテサーネク』『ルナシー』『サヴァイヴィング ライフ』と、これまで6本の長編を発表してきたチェコのシュルレアリストにして、アニメーション&映画作家ヤン・シュヴァンクマイエル(現在90歳!)が、「最後の長編劇映画」と宣言して2018年に完成させた『蟲(むし)』、ついに一般公開!
加えて、作家のこれまでの人生、先立った妻エヴァとの思い出を振り返るドキュメンタリー『錬金炉アタノール』(2020)、さらにシュヴァンクマイエルが世界中から集めた奇怪なコレクションを約2時間、ひたすら見せ続ける驚愕の映画『クンストカメラ』(2022)も同時公開!

<ヤン・シュヴァンクマイエル Jan Švankmajer>
1934年9月4日、プラハ生まれ。プラハにある応用美術大学の舞台美術科およびプラハ芸術アカデミーの人形劇学科で演出と舞台美術を学んだことが、その後の創作活動の発展を大きく方向づける。映像と演劇を融合させたパフォーマンスの一種である「ラテルナ・マギカ(Laterna Magika)」で、特殊効果を含むいくつかの映画的手法を初めて試みた。1964年、プラハのクラーツキー・フィルム・スタジオ(the Krátký film Studio)で初の映画作品『シュヴァルツェヴァルト氏とエドガル氏の最後のトリック』を制作。映画という枠を超え、独立した自由な視覚表現の創作活動を続けている。
(参照:アタノール公式サイト)

作品紹介

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© Athanor Ltd.

2018年/チェコ・スロバキア/チェコ語/98分
原題:Hmyz
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
字幕翻訳:北村広子
字幕監修:ペトル・ホリー
字幕協力:イメージフォーラム

チャペック兄弟の有名な戯曲『虫の生活』の第二幕「捕食生物たち」に取り組む、小さな町のアマチュア劇団。遅刻や欠席するメンバーたちのやる気の無さに、コオロギ役兼任の演出家は怒りが収まらない。そしてやはりコオロギ役を務める彼の妻ルージェナはハチ役の男と明らかに不倫中……不穏な空気でリハーサルが進むなか、やがて劇の展開と役者たちの行動が交錯し、ついに舞台に惨劇が訪れる! 演劇の中の物語、それを演じる役者たちの素の姿、さらに彼らを撮影したこの映画『蟲』のメイキングも同時進行で提示される斬新な3層のメタ構造。そして例によってアニメーション技法も使われ、また本物の虫たちが目を覆いたくなるほど登場! 製作時には資金を補うためのクラウドファンディングが行われ、シュヴァンクマイエルを師と仰ぐクエイ兄弟やギレルモ・デル・トロも大々的に協力、日本のファンも含め世界中から多くの出資が得られて完成した「最後の長編劇映画」。

錬金炉アタノール

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© Athanor Ltd.

2020年/スロバキア・チェコ/英語、チェコ語/123分
原題:ALCHYMICKÁ PEC
監督:ヤン・ダニヘル、アダム・オリハ
出演:ヤン・シュヴァンクマイエル
字幕翻訳:前田理子、御囲ちあき、髙山智絵(JVTA)
字幕監修:ペトル・ホリー
字幕協力:ひろしまアニメーションシーズン

創作上のパートナーでもあった亡き妻エヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーの想い出、長年、製作を支えてきたプロデューサー、ヤロミール・カリスタとの愛憎入り交じる関係、参加しているシュルレアリスト集団の定例会、怪しげな呪物や作品の制作風景、展覧会の準備や講演、そしてスーパーで買物をする日常の姿など、あらゆる側面が赤裸々に映し出される。過去作品の抜粋や記録映像もインサートされ、彼の全貌を把握する「入門編」とも言える1本。なお「アタノール」とは錬金術で使う炉のことで、シュヴァンクマイエル自身の制作会社の名前でもある。

クンストカメラ

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© Athanor Ltd.

2022年/チェコ/120分
原題:Kunstkamera
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル

「クンストカメラ」とは「驚異の部屋」「博物陳列室」の意味で、17世紀初頭のプラハ城にルドルフ2世が作ったそれが有名だが、この映画に映し出されるのは、チェコの南西部ホルニー・スタニコフにあるお城と旧穀物庫にあるシュヴァンクマイエル自身の「クンストカメラ」。2時間、世界中から集めた絵画や彫像、動物の剥製や貝殻、自身や妻の作ったオブジェなど、一般の価値基準とは無縁の不思議なコレクションがヴィヴァルディの「四季」に乗って、ナレーションもなしに延々と映し出される。シンプルに撮影されたもののように見えて、編集、床やドアの軋む効果音にシュヴァンクマイエル臭が強烈に香る一作。

11/15(土)~

原爆スパイ

原爆スパイ

© Participant Film

2022年/イギリス、アメリカ/101分/配給:パンドラ/提供:メニーウェル
監督:スティーヴ・ジェームズ
原題:A Compassionate Spy
登場人物:テッド(セオドア)・ホール、ジョーン・ホール
日本版字幕:若林 信乃
字幕監修:新田 宗土(慶應義塾大学 / 広島大学 SKCM2)

公式ホームページ

オッペンハイマーを裏切った男
戦後80年の今暴かれる、米ソ核開発をめぐる衝撃の事実――

広島と長崎に原爆が投下された1945年から今年で80年。第二次世界大戦下、「マンハッタン計画」において、〈原爆の父〉オッペンハイマー博士の下、原子爆弾の研究・開発に最年少の18歳で参加した天才物理学者テッド・ホール。彼は開発に関わる国家機密をソ連へと密かに流していた─。米ソ間で競うように開発され、広島・長崎へと投下された原子爆弾。そして戦後激化していく軍拡競争と冷戦構造…。一人の物理学者の大胆な行動が世界をどう変えたのか?「原爆スパイ」の驚くべき人生と、核開発をめぐる大国の思惑を克明に描く衝撃のドキュメンタリー。

当時計画に携わった物理学者の多くが、米国による原爆の独占を危険視し、ソ連と情報を共有すべきだと考えていた。共産主義に傾倒しソ連へ機密を流し続けたテッド。核戦力の均衡をもたらした一方で、ソ連に禁断の兵器を握らせたとも言える彼の行動は、「正しかった」のか? 1997年、その驚くべき人生が知れ渡ると同時に米国で一大論争を巻き起こしたテッド・ホール。同じ容疑で死刑判決が下ったジュリアス・ローゼンバーグ夫妻との違いを生んだのは何だったのか?後年、動機を「思いやり」だったと語るテッドが、現代にある“警鐘”を投げかける──。

後年までFBIに追われ続けたテッド。妻と娘たちは“スパイの父”とどのように秘密を共有し、共に生きてきたのだろうか?米国で“タブー”とさえ言える「原爆投下」に疑義を突き付けるテッドを一人の人間として描き出したのは、『フープ・ドリームス』(1994年/アカデミー賞編集賞ノミネート、サンダンス映画祭観客賞)、『プリフォンテーン』(1997年)『スティーヴィー』(2002年)等で知られ、二度のアカデミー賞ノミネート、多数の受賞歴を誇る米国で最も重要なドキュメンタリー作家のひとり、スティーヴ・ジェームズである。


原爆スパイ 原爆スパイ 原爆スパイ

11/15(土)~

女性の休日

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© 2024 Other Noises and Krumma Films.

2024年/アイスランド・アメリカ/71分/アイスランド語・英語 /ドキュメンタリー/カラー・モノクロ/DCP /原題:The Day Iceland Stood Still/提供・配給:kinologue

製作:フラプンヒルドゥル・グンナルスドッティル
監督:パメラ・ホーガン
エグゼクティブ・プロデューサー:イライザ・リード
編集:ケイト・タベルナ
撮影:ヘルギ・フェリクソン
音響:ベルガー・プリズン
アニメーション:ジョエル・オルロフ
音楽:マルグリエト・ラウン・マグヌスドッティル(Vök, GusGus)
エンドクレジットソング:ビョーク「Future Forever」
出演:ヴィグディス・フィンボガドッティル (船長にはなれないと言われていたが、1980年世界初の女性大統領に) グズルン・エルレンズドッティル (諦めずに弁護士になる夢を叶え、初代女性最高裁長官に) アウグスタ・ソルケルスドッティル (農場主として認められていなかったが、140年で初の女性農業組合幹部に) グズニ・トルラシウス・ヨハネソン (「女性の休日」に初めて父親が料理をした思い出を語る前大統領)他
字幕翻訳:額賀深雪
後援:アイスランド大使館

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,600円(税込)を当館受付にて発売中!特典:ステッカーセットをプレゼント!

1975年10月24日 アイスランド全女性90%が
仕事も家事も一斉に「休んだ」
世界を変えた、知られざる運命の1日のドキュメンタリー

1975年10月24日、アイスランド全女性の90%が仕事や家事を一斉に休んだ、前代未聞のムーブメント「女性の休日」。国は機能不全となり、女性がいないと社会がまわらないことを証明した。その後、アイスランドは最もジェンダー平等が進んだ国(2025年世 界経済フォーラム発表・ジェンダーギャップ指数16年連続1位、日本は118位)となった。女性大統領と女性首相が国を治めるようになった2025年、アイスランドがジェンダ ー平等先進国となる大きなきっかけとなった運命の1日を振り返るドキュメンタリーが、 50周年を記念して公開となる。


やるの?できるの?
必ずやる!

なぜ女性は船長になれないのか。
なぜ女性は農場主として認められないのか。
なぜ女性は家事のすべてを担うのか。
なぜ女性は男性より賃金が低いのか。

祖母や母の時代から続いている多くの「なぜ」を抱えた女性たちが世界中で立ち上がった1970年代、それは、北欧の小国アイスランドでも起こっていた。最初に行動をおこしたのは「レッドストッキング」の女性たち。クリスマスの家事に疲れ切ったお母さんの人形をつくってツリーにはりつけ、 男性目線な美人コンテストの会場に白く美しい雌牛を連れて行き、ラジオ番組で生理や性生活、賃金不払いについて赤裸々にトーク。ユーモアある過激な活動で世間の注目を集めていた。男性を憎んでいるわけじゃない。ほんの少し変わってほしかっただけ。
1975年、国際婦人(女性)年。6月に全国各地から約300名の様々な女性たちが集まり、女性会議が開かれた。どうすれば、女性の存在意義を全国民に示せるのか。徹底的に話し合った結果、彼女たちが決断したのは、10月24日に一斉に仕事や家事を休むストライキを行うこと。「ストライキなんて共産主義者みたいで論外!」という右派の反対意見に 「だったら『ストライキ』じゃなくて『休日』にしたら?」という提案。それぞれに思うところがあっても、団結するには妥協も必要だ。こうして「女性の休日」は動き出した。運営委員会は組織されたが、リーダーはいない。みんなが男女平等というひとつの目的を達成するために、とにかくできることをする。男性たちは「バカだね」と笑う。しかし女性たちは本気だった。


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11/22(土)~

やがて海になる

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© ABILITY

2025年/日本/92分/カラー/ビスタサイズ/5.1ch/配給宣伝:MAP/配給協力:ミカタ・エンタテインメント/製作:ABILITY

監督:沖正人
脚本:沖正人、鈴木太一
エグゼクティブプロデューサー:伊藤崇
音楽:小山絵里奈
撮影:彦坂みさき(JSC)
照明:金子秀樹
録音:庄司寿之
出演:三浦貴大、武田航平、咲妃みゆ、山口智恵、柳憂怜、緒形敦、伊沢弘、三浦マイルド、市村優汰、 後藤陽向、川口真奈、ドロンズ石本、武田幸三、高山璃子、占部房子、白川和子、大谷亮介、渡辺哲
主題歌:「おとなになったら」作詞・作曲:オニザワマシロ、超☆社会的サンダル(Perfect Music)
制作協力:本音 ベイビーブレス クレ・マスメディア・スタディオ 
制作プロダクション:KAZUMO

公式ホームページ

【前売券】ムビチケカード 1,500円(税込)を当館受付にて発売中!

イベント情報
11/22(土)上映後、沖正人監督の舞台挨拶がございます。

あの海が憶えている—
人生に惑う《あなた》に贈る、第二の青春ストーリー

広島県の西部、瀬戸内海島嶼部に位置する江田島市。そこで生まれ、これまで一度も島から出る事なく生きてきた修司(三浦貴大)は数年前、家の畑で父親が突然死した事にずっと責任を感じ、それからはずっと、うだつの上がらない生活を送っていた。そんなある日、江田島から東京に出て映画監督として活躍している幼馴染みの和也(武田航平)が、故郷の江田島を舞台に映画を撮る事をテレビで知る。和也は高校時代、修司が思いを寄せていた同級生の幸恵(咲妃みゆ)と付き合っていたこともあり、余計に遠い関係だった。その頃、幸恵は呉市のスナックで働いていた。定期的に江田島に戻り実家の母親の面倒を見ている幸恵には江田島で水産会社を営む交際相手がいて、妻子あるその相手との交際は決して幸せなものではなかった。3人の思いが交錯する中、和也が監督する映画の撮影がスタートする。それは亡くなった母が遺した、ある願いを叶えるためでもあった……


広島県江田島市出身の沖正人監督が描くヒューマンドラマ

コロナ禍の2020年に撮影日数僅か1日、制作費0円で撮影した短編映画『ある役者達の風景』が、NHK「おはよう日本」や週刊新潮などで大々的に取り上げられ、その後長編映画として完成、同年9月に渋谷ユーロスペース他全国公開され話題となった沖正人監督。本作は、沖監督が生まれ故郷を舞台に自身の人生を投影して描いた、もう若いと言えない人生半ばの男女の《第二の青春映画》の誕生!主人公の修司役に、『国宝』『行きがけの空』「DOCTOR PRICE」など、今や映画・ドラマに欠かせない実力派俳優、三浦貴大。父親への負い目から島から出ることができず、好きな女性にも気持ちをストレートに伝えられない不器用な中年ニートを飾らずに演じた。修司の幼馴染みで映画監督の和也役に、『仮面ライダーキバ』で注目され『この小さな手』、『Floating Holidays』など主演作が続く武田航平。本作では、亡くなった母への想いを胸に秘めながら故郷で映画を撮ろうと邁進する、沖監督の分身とも言える役を爽やかに務めた。その二人に愛される幸恵役に、宝塚歌劇団雪組出身で退団後も、舞台を中心にコンサートやドラマなど大活躍中の咲妃みゆ。本作では2人の男性に愛されながら自身の生き方を貫く女性を好演。修司・和也・幸恵の高校時代を、後藤陽向、市村優汰、川口真奈が演じる他、ドロンズ石本、武田幸三、高山璃子、山口智恵、緒形敦、柳憂怜、占部房子、白川和子、大谷亮介、渡辺哲ら、個性豊かな面々が揃った。脚本は監督作「みんな笑え」が話題の鈴木太一が、沖監督と共に担当。瀬戸内海の美しいロケーションをバックに、人生に悩みながら懸命に生きる主人公たちの姿に、多くの人々が勇気をもらえだろう。


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11/22(土)~

行きがけの空

行きがけの空

©2024「行きがけの空」フィルムパートナーズ

2025年/日本/100分/製作:「行きがけの空」フィルムパートナーズ、リバーストーンワールド、日本信達
共同配給:T-artist、アークエンタテインメント
監督:西谷真一
脚本:田中晶子
音楽:谷口尚久
題字・ポスター撮影:藤原新也
出演:三浦貴大、服部樹咲、菜葉菜、藤丸千、大高洋子、神村美月、茂手木桜子、片山友希、草野康太

公式ホームページ

母の死が、少女を“真実”へと導く──
過去と向き合い、生きる意味を探す、旅の記憶。
少女の心に射しこむ、静かな光の物語。

小樽に暮らす16歳の少女・星野美歩は、母の遺品から一台の古い携帯電話を見つける。そこには、若き日の母と一人の男の写真が残されていた。その男の名は、東京で活動する舞台俳優・望月建斗。母が決して語ることのなかった“青春”の記録に導かれるように、美歩は彼に一通の手紙を送る。建斗が再び小樽の地を踏んだとき、少女と男は、過去の断片をつなぎ合わせながら、互いの喪失と向き合っていく。やがて浮かび上がる、封じられた痛みと、思いがけない“つながり”。それは、家族という言葉では語れない絆のかたち──少女の魂が羽ばたくために、空は静かに広がっていく。いま、旅立ちの朝。行きがけの空に、希望の光は射すのか──

手紙が紡ぐ、途切れた絆。心の冬を越えた先に見えるものは—

俳優として成功するも孤独な日々を送る健斗のもとに、亡き恋人から届いた手紙。その内容は、彼に娘がいる可能性を示唆するものだった。真相を確かめるため小樽を訪れた健斗は、そこで出会った高校生・美歩と運命的な繋がりを感じる。しかし、美歩は父親の存在を知らず、互いの過去と向き合おうとする中で明らかになる家族の秘密。四季折々の小樽の街並みを背景に、愛と葛藤が交差する物語が静かに展開する。


行きがけの空 行きがけの空 行きがけの空

11/22(土)~1週間限定

YOYOGI

YOYOGI

©︎Max Golomidov

2022年/エストニア・日本/73分/配給:KUDO COMPANY
監督・撮影:マックス・ゴロミドフ
プロデューサー:ヴォリア・チャコウスカヤ、イヴォ・フェルト
共同プロデューサー:ナカジマユウ
編集:ドミトリ・カラシニコフ
音楽:香田 悠真
サウンドデザイン:ドミトリ・ナタレヴィッチ
フライヤーデザイン:ショウ・モンマ、ユウト・カワムカイ

公式ホームページ

四季の移り変わりを背景に、代々木公園で繰り広げられる来園者による大芝居を、静かに瞑想的に観察するドキュメンタリー映画

今から100年以上前の1910年、日本初の航空機は現在代々木公園があるまさにその場所から空に舞い上がった。飛行場は1967年に閉鎖され、滑走路は緑に取って代わった。それ以来、代々木公園は街の発展を見守り、人間であれ動物であれ、その門をくぐるすべてを歓迎してきた。
鬱蒼と茂る竹林の脇には、柔らかなピンクの桜が咲き乱れる。緑の草原が絨毯のように広がり、若いカップルがベンチで静かにキスを交わす。二人の女性がシンバルのジャグリングを練習し、赤いズボンをはいた男がメロディーを奏で、もう一人は草の上で静かに昼寝をしている。砂埃を巻き上げながら走り回る子供たち。鎖につながれた猿が飛び上がり、頭上の枝に小さな赤い光が輝く。 来園する人間や動物たちは毎日その自然の舞台上で気づかないうちに劇を繰り広げている。
本作は、四季の移り変わりを背景に、公園で繰り広げられる来園者による大芝居を、静かに瞑想的に観察するドキュメンタリー映画である。監督は『Kontora コントラ』(2019年/アンシュル・チョウハン監督)などの撮影監督として活躍するマックス・ゴロミゾフ。エストニアで生まれた彼は2014年より日本に拠点を移し、公園を観察することで日本の文化や人々の営みをより深く理解したいとの思いでカメラを持って代々木公園に向かうようになった。
彼自身もまた遠い故郷から離れ、東京に生きる都市生活者として公園に引き寄せられた1人なのだ。
この映画では、代々木公園に訪れる人々が作り出す、絵画の様に綺麗で不条理な劇を見ることができるだろう。


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11/29(土)~

メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章

メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章

11/29(土)-12/12(金)

メーサーロシュ・マールタ監督特集 第2章

11/29(土)-12/12(金)

“東欧の奇跡”メーサーロシュ・マールタ
代表作『日記』三部作の全貌がついに明らかに
青春、家族、恋愛、冷戦……個人的な記憶と戦後ハンガリーの歴史が交錯した、
深遠なる記録の数々。

1975年、『アダプション/ある母と娘の記録』で、女性監督として初めてベルリン国際映画祭の最高賞を受賞したメーサーロシュ・マールタ。2023年、同作を含む5作品が日本でもようやく公開された。
今回の特集では、メーサーロシュの代表連作「日記」三部作を含む7作品を新たにラインナップ。孤児として育った女性が両親を追い求めるデビュー作『エルジ』、中年の危機に瀕した未亡人の息苦しさをシスターフッド的に描破した『月が沈むとき』、階級格差が男女の結び付きを蝕む『リダンス』など、初期作品には「家族」の有り様を洞察するメーサーロシュの作家性が光る。アンナ・カリーナを共演に迎えた中期の傑作『ジャスト・ライク・アット・ホーム』では、血の繋がらない男と少女の、親子のような親密さにカメラが向けられ、やはりここでも「家族」の形が問い直される。
そして「日記」三部作には、冷戦下の恐怖政治を生き抜いた、メーサーロシュ自身の記憶が刻まれている。軍靴が耳をつんざくなか、生き別れた両親への思いがこだまするパーソナルな一大叙事詩が、ついにその全貌を現す。

メーサーロシュ・マールタ

1931年、ハンガリー生まれ。同国を代表する名匠ヤンチョー・ミクローシュの手引きで、長編劇映画デビュー作となる『エルジ』を監督。当時ヤンチョーとは配偶関係にあり、彼の息子ヤンチョー・ニカはその後、「日記」三部作の撮影監督を務めることになる。
監督作には、サボー・ラースロー(ラズロ・サボ)やアンナ・カリーナ、イザベル・ユペール、デルフィーヌ・セリッグなどの名優がこぞって出演し、アニエス・ヴァルダに至っては自身の映画制作の参考にするなど、その影響は計り知れない。

公式ホームページhttps://meszarosmarta-feature.com/

配給 東映ビデオ

後援 駐日ハンガリー大使館、リスト・ハンガリー文化センター

© National Film Institute Hungary – Film Archive

入場料 一般1900円/会員・大専・シニア1300円/高校生以下800円

作品紹介

エルジ

エルジ

1968年/ハンガリー/84分/スタンダード/モノクロ/HDデジタルリマスター
英題:The Girl
原題:Eltávozott nap
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ソムロー・タマーシュ
出演:コヴァーチュ・カティ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

児童養護施設で育ったエルジは、24年ぶりに小村で暮らす実の母を訪ねる。再婚していた母は、娘の来訪に戸惑い、彼女を姪と偽って新しい家族に引き合わせた。家族関係の修復も曖昧なまま街へ戻ったエルジは、行きずりの男と交際しながら、鬱々と日々を過ごす。ある日、素性の知れぬ中年男性がエルジの前に現れ、「君の両親は死んだ」と告げる。長編デビュー作であり、のちに繰り返し描かれる“養子”をテーマとした自伝的作品。

月が沈むとき

月が沈むとき

1968年/ハンガリー/86分/シネマスコープ/モノクロ/2Kレストア
英題:Binding Sentiments
原題:Holdudvar
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ケンデ・ヤーノシュ
出演:トゥルーチク・マリ、コヴァーチュ・カティ、バラージョヴィチ・ラヨシュ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

政治家の夫に先立たれたエディトは、保険金や邸宅の相続を頑なに拒む。父の名声が汚されることを恐れた息子は、母エディトを別荘に軟禁した。息子の婚約者も「看守」として手を貸すが、壊れていくエディトを見るうち、結婚という結び付きに違和感を募らせていく。「家」に囚われた女性の苦しみと、彼女に寄り添う女性の交流が描かれたシスターフッド映画。

リダンス

リダンス

1973年/ハンガリー/81分/スタンダード/モノクロ/4Kレストア
英題:Riddance
原題:Szabad lélegzet
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:コルタイ・ラヨシュ
出演:クートヴェルジ・エルジェーベトゥ
字幕翻訳:高橋文子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

工場勤務のユトゥカは、ダンスパーティーで出会った大学生アンドラーシュと恋に落ちる。彼に拒絶されることを恐れたユトゥカは、自分も学生であることを装い、名前も偽る。やがてアンドラーシュはユトゥカの素性を知るが、両親には真実を告げられずにいる。両家合同の食事会。アンドラーシュ家の階級意識が剥き出しになっていく。
アニエス・ヴァルダがそのシャワーシーンに強く魅了されたという、労働者階級とインテリの格差を背景に女性の選択を描く静かな力作。撮影はジュゼッペ・トルナトーレ作品で知られるコルタイ・ラヨシュ。

ジャスト・ライク・アット・ホーム

ジャスト・ライク・アット・ホーム

1978年/ハンガリー/109分/ビスタ/カラー/4Kレストア
英題:Just Like at Home
原題:Olyan, mint otthon
脚本:コーローディ・イルディコー
撮影:コルタイ・ラヨシュ
出演:ヤン・ノヴィツキ、ツィンコーツィ・ジュジャ、アンナ・カリーナ、サボー・ラースロー(ラズロ・サボ)
字幕翻訳:高橋文子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ

アメリカからハンガリーへ帰国したアンドラーシュ。根無し草状態の彼は、放し飼いにされていた犬に惚れ込み、飼い主の少女から強引に買い取った。わだかまりを残したふたりは、やがて親子とも言い切れぬ親密な関係を育んでいく。アンドラーシュのかつての恋人アンナも、そんなふたりを気に掛けている。彼女はアンドラーシュに、愛を告白するが……。
父への献辞で始まる本作は、メーサーロシュにとって非常に個人的な父との物語だといえる。アンナ・カリーナがふたりの関係に揺らぎを与える人物を好演。

日記 子供たちへ

日記 子供たちへ

1980-83年/ハンガリー/108分/スタンダード/モノクロ/4Kレストア
英題:Diary for My Children
原題:Napló gyermekeimnek
脚本:メーサーロシュ・マールタ
撮影:ヤンチョー・ニカ
出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾

1947年、ソ連からハンガリーへ帰国したユリは、共産党員の養母マグダの保護下で育つ。父は秘密警察に捕らわれ、母はこの世を去っていた。恐怖政治が布かれるこの国で、ユリは不安定な生活を強いられる。ある日、ユリはヤーノシュと名乗る男と出会う。彼は父と瓜二つの人物だった。
「日記」三部作の第一部。冷戦下の自身の苦難を描き、1984年のカンヌで審査員グランプリを受賞。撮影は義理の息子ヤンチョー・ニカが担当した。

日記 愛する人たちへ

日記 愛する人たちへ

1987年/ハンガリー/132分/スタンダード/カラー・モノクロ/2Kレストア
英題:Diary for My Loves
原題:Napló szerelmeimnek
脚本:メーサーロシュ・マールタ、パタキ・エーヴァ
撮影:ヤンチョー・ニカ
出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾

マグダの元を離れたユリは、織物工場で働いている。映画監督を志すユリは、モスクワの大学で映画制作を学ぶことになった。スターリンの死後、ユリは卒業制作として、労働者の実情を捉えたドキュメンタリー映画を完成させたものの、反-社会主義リアリズム的な内容から、再編集を命じられた。そしてユリは父がすでに死去したことを知らされる。
「日記」三部作の第二部で1987年のベルリンで銀熊賞を受賞。モスクワ留学から1956年のハンガリー事件前夜までを描く。ユリが父と瓜二つの男に抱く愛情は複雑になり、ふたりの関係は次第にメロドラマ性を帯び始めていく。

日記 父と母へ

日記 父と母へ

1990年/ハンガリー/117分/スタンダード/カラー・モノクロ/2Kレストア
英題:Diary for My Father and Mother
原題:Napló apámnak, anyámnak
脚本:メーサーロシュ・マールタ、パタキ・エーヴァ
撮影:ヤンチョー・ニカ
出演:ツィンコーツィ・ジュジャ、ヤン・ノヴィツキ、トゥルーチク・マリ
字幕翻訳:森彩子
字幕監修:コロンツァイ・バーバラ、秋山晋吾

1956年10月23日、ブダペシュトで民衆が蜂起する。モスクワで足止めを食っていたユリは、12月に入りようやくハンガリーへの帰国を許された。ユリはカメラを手に、荒廃した街並みや犠牲者を見つめていく。その年の大晦日、ユリたちは一堂に会する。政治的立場を異にする者たちも、仮装や音楽、ダンスに耽る。しかし反動分子の弾圧はとどまるところを知らず……。
「日記」三部作の最終作。1956年のハンガリー事件から民主化運動の挫折までを描き、戦争の余波と闘いの行方を問う。

11/29(土)~

こんな事があった

こんな事があった

©松井良彦/ Yoshihiko Matsui

2025年/130分/日本/配給・宣伝:イーチタイム
監督・脚本・企画・製作:松井良彦
プロデューサー:窪田将治、江守徹
ラインプロデューサー:宮下昇
撮影監督:髙間賢治(JSC)
照明:上保正道
録音:浦田和治、藤本賢一
美術:畠山和久
美術(福島班):山本伸樹
特殊造型:松井祐一
ヘアメイク:東なつみ
スタイリスト:森内陽子
助監督:山口雄也、YAMAOKA
音楽:菅沼重雄 編集:藍河兼一
制作プロダクション:フェイスエンタテインメント
制作協力:ふればり
出演:前田旺志郎、窪塚愛流、柏原収史、八杉泰雅、金定和沙、里内伽奈、大島葉子、山本宗介、波岡一喜、近藤芳正、井浦新

公式ホームページ

原発事故で離散した家族と、青春を奪われた青年たちが向かう先は––––

2021年、夏、福島。17歳のアキラは、母親を原発事故の被曝で亡くし、父親は除染作業員として働きに出、家族はバラバラに。拠りどころを失ったアキラを心配する友人の真一も、深い孤独を抱えていた。ある日、アキラはサーフショップを営む小池夫婦と店員のユウジに出会い、閉ざしていた心を徐々に開いていく。しかし、癒えることのない傷痕が、彼らを静かに蝕んでいく――。


松井良彦監督、18年の沈黙を破り世界に叩きつける、心揺さぶる魂の映画
前田旺志郎×窪塚愛流×井浦新ほか日本映像界を牽引する実力派俳優が集結

舞台は、東日本大震災から10年後の福島。原発事故で離ればなれになった家族と、青春を奪われた青年たちの姿をまざまざと映し出す。監督・脚本は、79年のデビューから監督作は5本と寡作ながらも、代表作『追悼のざわめき』(88年)など日本のみならず世界中の映画ファンから支持されている松井良彦。震災から1年後に訪れた福島の惨状を目の当たりにし、映画制作を決意。自らの足で何度も福島を訪れ、多くの取材とリサーチを重ね、オリジナルストーリーを書き上げた。構想から13年、美しいモノクロームの世界の中に、社会への痛烈な怒りと切実な祈りを込め、観るものの心を揺さぶる魂の映画が今解き放たれる。
主人公のアキラを演じるのは、是枝裕和監督『奇跡』(11年)で映画デビューにして初主演を飾り、以降、映画やドラマ、舞台を中心に俳優として着々とキャリアを積む前田旺志郎。アキラの友人・真一役には、18年に俳優デビュー後、篠原哲雄監督『ハピネス』(24年)で映画初主演を果たし、映画やドラマ、CMなど活躍の場を広げる窪塚愛流。期待の若手俳優2人の共演によって、行き場のない怒りを抱えた青年たちの感情がリアルに浮かび上がる。さらに、家族の再生に苦心する真一の父親・篤人役には、今の日本映像界を牽引する俳優、井浦新。さらに、柏原収史、波岡一喜、近藤芳正ら実力派俳優が集結。傷痕が深く残る福島の地で、それぞれの立場で苦しみもがく市井の人々の姿を露わにしている。


こんな事があった こんな事があった こんな事があった

11/29(土)~

ひとつの机、ふたつの制服

ひとつの机、ふたつの制服メイン画像

Renaissance Films Limited ©️2024 All Rights Reserved.

2024年/109分/台湾/原題:夜校女生/カラー/中国語/配給:ムヴィオラ、マクザム
監督:ジュアン・ジンシェン(荘景燊)
脚本:シュー・フイファン(徐慧芳)、ワン・リーウェン(王莉雯)
出演:チェン・イェンフェイ(陳妍霏)、シャン・ジエルー(項婕如)、チウ・イータイ(邱以太)
提供:マクザム
後援:台北駐日経済文化代表処台湾文化センター

公式ホームページ

⼤ヒットメーカー、ギデンズ・コーが⼤絶賛の⻘春コンプレックス・エンタテインメント!
90年代・台北。夜間部の私が同じ机を共有したのは全⽇制の可愛くて優秀な彼⼥だった。

受験に失敗し、強引な⺟の勧めにより名⾨⼥⼦校「第⼀⼥⼦⾼校」の”夜間部”に進学した⼩愛(シャオアイ)。同じ教室で同じ机を使うことになった全⽇制の成績優秀な⽣徒、敏敏(ミンミン)と、⼩愛は机に⼿紙を⼊れるやりとりから “机 友(きゆう)”=デスクメイトになる。夜間と全⽇制。制服は同じでも、胸の刺繍の⾊が違う。やがて⼩愛と敏敏はお互いの制服を交換し、ふたりで遊びに⾏くようになる。ある日、同じ男⼦校⽣を想っていることに気づき……。

昨年の第29回釜⼭国際映画祭でのワールドプレミアで評判を呼び、特別上映された第61回台北⾦⾺映画祭では、⽇本でもリメイクされたヒット作『あの頃、君を追いかけた』(2011)などで知られるギデンズ・コーが⼤絶賛したことで、さらに⼤きな話題となった台湾映画『ひとつの机、ふたつの制服』。⼤⼈には懐かしく、現在進⾏形の若者にはちょっぴり痛い。90年代の台北を舞台にした⻘春コンプレックス・エンタテインメントの誕⽣です!


「泣けるほどに懐かしい」
90年代の台北の魅⼒をぎっしり詰め込んだディテール。

映画は、⼩愛たちが第⼀⼥⼦⾼校に⼊学する1997年から彼⼥たちの⼤学⼊試、卒業、そして台湾⼤地震の1年後となる 2000年9⽉までを描く。90年代後半のどこか懐かしさを感じさせる街並み。当時の写真資料などから再現したヘアスタイルやファッション、キャラ⽂房具などのレトロ可愛いさ。また今やアジアを代表する世界的バンドで、90年代はまだ インディーズバンドだったMayday(五⽉天)や、当時の台湾でも⼤⼈気だった⽇本のバスケアニメ「SLAM DUNK」やテレビドラマドラマ「ビーチボーイズ」などが登場⼈物たちのキャラクター描写に効果的に使われ、映画の魅⼒を輝かせる。さらに、⼩愛の成⻑物語の鍵を握るのは、当時は新世代の⼥優として注⽬されていたハリウッド⼥優ニコール・キッドマンの存在と、90年代の台湾を語るときに絶対に⽋かせない1999年の921地震だ。そのほかにも90年代台北のリアルがたくさん詰め込まれ、当時を知る観客から「泣けてきちゃうほど懐かしい!」と拍⼿喝采が送られたディテールの素晴らしさにも注⽬を。


ひとつの机、ふたつの制服サブ画像 ひとつの机、ふたつの制服サブ画像1 ひとつの机、ふたつの制服サブ画像2

12/6(土)~

ザ・フー キッズ・アー・オールライト

ザ・フー キッズ・アー・オールライト

©Who Group Ltd

1979年/イギリス/110分/英語/配給:オンリー・ハーツ
原題:The Kids Are Alright
監督:ジェフ・スタイン
音楽監督:ジョン・エントウィッスル(ザ・フー)
出演:ザ・フー(ロジャー・ダルトリー、ジョン・エントウィッスル、キース・ムーン、ピート・タウンゼント)、リンゴ・スター
字幕:福永詩乃

公式ホームページ

【前売券】全国共通特別鑑賞券 1,300円(税込)を当館受付にて発売中!

老いる前に死にたいね
ロックをロックたらしめた最高最強の4人組
すべての反抗と冒険を肯定した魂のドキュメント

ビートルズ、ローリング・ストーンズと共にブリティッシュ・ロックの黄金期を牽引し、ロックを革新し続けたスーパーバンド、ザ・フー。それにもかかわらず全盛期の来日がかなわなかった彼らの1964年から1978年までの代表曲のライブパフォーマンスを中心に、プロモーションフィルム、インタビューなどを含む、ロック・ドキュメンタリー映画史上の傑作。
数多い歴史的なシーンの中でもとりわけ、本作のために1978年5月にシェバートン・スタジオで撮影された、伝説的天才ドラマー、キース・ムーン最後の渾身のパフォーマンス(32歳での死の3か月前、メンバー全員が死力を尽くした)がフィーチャーされているのは貴重。
監督ジェフ・スタインは、「直線的で年代順のドキュメンタリー」ではなく、「フィルムによるロックンロール復活集会」や「スリル満点のジェットコースター」のような作品を創り出そうと試みたという。
映画はキース・ムーン死後の1979年、73年のアルバム『四重人格』を原作とした映画『さらば青春の光』と同時公開されたが日本では未公開。
ザ・フー レコード・デビュー60周年、そして、彼らのほぼすべての曲を作ったピート・タウンゼントが80歳を迎える2025年、完成から46年を経て、全曲歌詞字幕付きで日本初劇場公開!


ザ・フー キッズ・アー・オールライト ザ・フー キッズ・アー・オールライト ザ・フー キッズ・アー・オールライト

12/6(土)~

はだしのゲンはまだ怒っている

はだしのゲンはまだ怒っている

© BS12 トゥエルビ

2025年/日本/90分/配給:アギィ
企画・監督・編集:込山正徳
プロデューサー:高橋良美、木村利香
共同プロデューサー:大島新、前田亜紀
制作:東京サウンド・プロダクション
制作協力:ネツゲン
宣伝協力:リガード
製作:BS12 トゥエルビ

公式ホームページ

一作の漫画が、なぜ、いまなお私たちを熱くするのか?
その〈誕生〉から〈現在〉を見つめるドキュメンタリー

アメリカが広島に落とした原子爆弾で被爆し、家族を失った少年ゲンが、貧困や偏見に苦しみながらも力強く生き抜く姿を描いた漫画「はだしのゲン」。主人公のモデルは6歳で原爆を体験した作者の中沢啓治さん自身です。「週刊少年ジャンプ」での連載が始まった1973年から半世紀、25ヶ国で翻訳出版され、2024年には漫画のアカデミー賞とも呼ばれるアメリカの「アイズナー賞」を受賞。手塚治虫さんや宮崎駿さんらに続き、殿堂入りを果たしました。しかしいっぽうで近年は、「描写が過激」「間違った歴史認識を植え付ける」などと、学校図書館での閲覧制限を求める声が上がったり、広島市の平和教材から消えるなどして、大きな議論を呼びました。なぜ、いまなお一作の漫画がこれほどまでに私たちを熱くするのでしょう?

戦後80年を経ても消えることのない怒りと悲しみ、そして優しさ

本作は、メディア・アンビシャス映像部門大賞、第15回衛星放送協会オリジナル番組アワード番組部門〈ドキュメンタリー〉最優秀賞などを受賞したBS12スペシャル「『はだしのゲン』の熱伝導 ~原爆漫画を伝える人々~」の映画化です。監督は「春想い 〜初めての出稼ぎ〜」「われら百姓家族」など数々の傑作ドキュメンタリー番組を手がけてきた込山正徳。映画化に際して、込山監督を敬愛してやまない大島新(『香川1区』『国葬の日』)と前田亜紀(『NO選挙,NO LIFE』)が共同プロデューサーとして参加しました。
“戦後80年”を迎えたいまもウクライナや中東では戦火が続気、核の脅威は決して過去のものではありません。映画は不朽の反戦漫画の誕生から現在を見つめ、私たちが生きているこの世界に溢れる、怒りや悲しみ、そして優しさを映し出していきます。


はだしのゲンはまだ怒っている はだしのゲンはまだ怒っている はだしのゲンはまだ怒っている

12/20(土)~

ネタニヤフ調書 汚職と戦争

ネタニヤフ調書 汚職と戦争

©2024 BNU PRODUCTIONS LLC ALL RIGHTS RESERVED.

2024年/イスラエル・アメリカ/英語、ヘブライ語、アラビア語/115分/カラー/配給:トランスフォーマー
原題または英題:The Bibi Files
監督・製作:アレクシス・ブルーム
製作総指揮:アレックス・ギブニー
製作:ラヴィヴ・ドゥルッカー(兼・出演)、カラ・エルヴァーソン、デヴィッド・ラーツ
撮影:アヴネル・シャハフ
編集:アンディ・グリーヴ、ハリル・エフラト、グレイム・バトラー
音楽:ウィル・ベイツ
日本語字幕:額賀深雪

公式ホームページ

はじまりは小さな贈り物だった…。
極秘リークされたイスラエル首相の警察尋問映像により<恐るべき真実>が暴かれる!

いまなお終わりの見えないガザ・イスラエル紛争。この紛争のキーマンとされるのがカリスマ的なリーダーシップを持ちながらも、強硬的な政治姿勢で物議を醸すイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフだ。
しかし、彼が在任中に刑事起訴された史上初のイスラエル首相であることを国外の多くの人々は知らない。2017年、彼の汚職捜査の過程で秘密裏に制作チームにリークされた未公開の警察尋問映像には、メディアや財界との贈答や利益供与の実態が記録されていた…。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した『「闇」へ』(07)や同賞ノミネートの『エンロン 巨大企業はいかにして崩壊したのか?』(06)などで知られ、米エスクァイア誌にて「現代で最も重要なドキュメンタリー作家のひとり」と称されるアレックス・ギブニーが製作総指揮を務め、ユダヤ人の父とドイツ人の母の間に生まれ、『アニタ 反逆の女神』(24)の公開も控えるアレクシス・ブルームが監督を手掛けた本作は、ネタニヤフが有罪回避のため極右勢力と結託し、長期政権の下でイスラエルを分断し民主主義を危機にさらした過程を描き出す。
警察の尋問に対して高圧的に接し、自分に対する疑惑を徹頭徹尾「嘘」だと決めつけ、時には余裕たっぷりに映画『ゴッドファーザー』の有名なセリフ「友を近くに置け、敵はもっと近くに置け」を引用する、普段のニュースでは見ることのできない人間ネタニヤフの姿を垣間見ることができる。また、彼の汚職がいかに国家の腐敗を招いていったのかを証言するのは、イスラエルの国内諜報機関シンベトの元長官、ネタニヤフの元広報担当、著名な国内の調査報道ジャーナリストたちだ。
本国では上映禁止、親イスラエルの米国でも劇場公開されていないにも関わらず、国際的に注目を集め、昨年度のアカデミー賞ショートリストに選出されるなど大きな話題を呼んだ。


人間はなぜこうも権力に弱いのか? 権力者の“力への欲望”を白日の元に曝す、いま必見のドキュメンタリー!

はじまりは小さな贈り物だった…。極秘リークされたイスラエル首相ベンヤミン・ネタニヤフとその側近たちの警察尋問映像には、ニュースの裏側にある彼らの隠された私生活が描き出されていた。その疑惑が公になったとき、ネタニヤフの権力への欲望は肥大化し、やがて恐るべき悲劇がもたらされる。


ネタニヤフ調書 汚職と戦争 ネタニヤフ調書 ネタニヤフ調書

12/20(土)~

石井隆Returns

石井隆Returns

石井隆Returns

12/20(土)―12/26(金)

石井隆Returns

12/20(土)―12/26(金)

劇画家、脚本家、映画監督として、女と男の愛の物語を描き続けた、
唯一無二の映画作家・石井隆が、スクリーンに還ってくる

石井隆が、2022年5月22日に永眠してから今年の5月で、まもなく3年という月日が経つ。劇画家、脚本家、映画監督として、これまで数々の男と女の愛の物語を描き続けた、唯一無二の映画作家。この間、イギリス、フランス、北米などでワールドセールスが続々と決まるなど、海外で再評価が高まり、こうしたムーブメントを受けて90年代の傑作4本を一挙HDリマスター版上映が実現!石井隆の世界が、再びスクリーンに還ってくる!!

石井隆プロフィール

1946年7月11日生まれ。宮城県出身。映画監督を目指して早稲田大学映画研究会に入るために早大商学部に入学、在籍中に監督助手のバイトでダイニチの現場で映画を体験するも、諸般の事情で断念。在学中、劇画家デビュー。「天使のはらわた」(77年)が大ヒットし、78年から日活ロマンポルノにてシリーズ映画化され、原作者・脚本家として映画の現場に舞い戻り、88年、『天使のはらわた 赤い眩暈』で監督デビュー。大竹しのぶ、永瀬正敏、室田日出男出演『死んでもいい』(92)では、第33回テッサロニキ国際映画祭最優秀監督賞受賞、第10回トリノ国際映画祭審査員特別賞など国内外映画賞多数受賞。『ヌードの夜』(93)年ではサンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー’94グランプリなどを受賞。 『GONIN』(95)はロカルノ国際映画祭、トリノ国際映画祭など数々の映画祭に出品され国内は勿論、海外でも非常に高い評価を受ける。他主な映画監督作品に『夜がまた来る』(94)、『GONIN2』(96)、『黒の天使 シリーズ』(98·99)、『フリーズ・ミー』(00)、『花と蛇』(04)、『人が人を愛することのどうしようもなさ』(07)、『ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う』(10)など。13年は『フィギュアなあなた』、『甘い鞭』2本を監督、『GONINサーガ』(15)が遺作となる。

公式サイト https://mapinc.jp/ishii-takashi/

配給 ムービー・アクト・プロジェクト

配給協力 ミカタ・エンタテインメント

協力 ファムファタル、キングレコード、日活、キネマ旬報社、中央映画貿易、ダブル・フィールド

入場料一般1,900円/会員・大専・シニア1,300円/高校生以下800円

作品紹介

死んでもいい

死んでもいい

©サントリー/日活/ムービー・アクト・プロジェクト

1992年10月10日公開/117分
監督・脚本:石井隆
原作:西村望『火の蛾』
出演:大竹しのぶ、永瀬正敏、室田日出男、清水美子、岩松了、竹中直人

西村望『火の蛾』を原作に映画化。石井監督は本作のテーマについて「女と男の愛のありか(在り所)を三角関係という愛の形の中で探ろうとするものです」とコメント。純愛としての三角関係が招いた悲劇を描く。大竹しのぶが、2人の男から愛される人妻・名美を演じる。挿入歌に、ちあきなおみの「黄昏のビギン」が使用されている。第33回ギリシア「テッサロニキ国際映画祭」で最優秀監督賞を受賞。

ヌードの夜

ヌードの夜

©日活

1993年12月18日公開/110分
監督・脚本:石井隆
出演:竹中直人、余貴美子、椎名桔平、速水典子、岩松了、根津甚八

ヤクザを殺した女・名美と、その女に惚れた何でも屋・紅次郎によるハードボイルド・サスペンス。石井隆監督が劇画家時代から描く名美のイメージにそっくりな余貴美子が、監督第2作『月下の蘭』(90)に続き出演。石井監督のデビュー作から出演する竹中直人が、紅次郎(実は村木)を演じる。サンダンス・フィルム・フェスティバル・イン・トーキョー’94グランプリを受賞。

夜がまた来る

夜がまた来る

©テレビ東京/キングレコード/ムービー・アクト・プロジェクト

1994年10月22日公開/108分
監督・脚本:石井隆
出演:夏川結衣、根津甚八、寺田農、椎名桔平、竹中直人、余貴美子、永島敏行

ヤクザ組織に潜入した麻薬Gメンの夫が殺され、組織に復讐しようとする未亡人・名美と、その彼女を助けるヤクザの男・村木によるネオ・ノワール作品。名美役を映画デビュー間もない夏川結衣、村木役を、監督第2作『月下の蘭』(90)から石井作品の常連となる根津甚八が演じる。ほぼナイトシーン、長回しで展開する、名美と村木の物語の集大成的な作品。

天使のはらわた 赤い閃光

天使のはらわた 赤い閃光

©テレビ東京/キングレコード/ムービー・アクト・プロジェクト

1994年9月10日公開/87分
監督・脚本:石井隆
出演:川上麻衣子、速水典子、鶴見辰吾、根津甚八

忌まわしい過去に悩まされ、男性恐怖症となった雑誌編集者・名美をヒロインにした、エロティック・サイコミステリー。泥酔しラブホテルのベッドで目が覚めると、隣には見知らぬ男の死体があった…。現実と妄想に翻弄される名美を川上麻衣子、その相手役となるフリーライターの村木役を、同年に公開された『夜がまた来る』と同じ根津甚八が演じている。

12/20(土)~

チャップリン

チャップリン

©The Caravan Trail, A.I.E, Kwanon Films Limited, and Submarine Sublime 2024
Charlie Chaplin™ © Bubbles Incorporated S

2024年/スペイン・ベネルクス・イギリス・フランス/90分/配給:アンプラグド
原題:CHAPLIN SPIRIT OF THE TRAMP
監督・脚本:カルメン・チャップリン
音楽:ナサニエル・メカリー
撮影:ケネス・オリベ
編集:フーリア・フアニス
出演:マイケル・チャップリン、ジェラルディン・チャップリン、ジョニー・デップ、トニー・ガトリフ、エミール・クストリッツァ、ストーケロ・ローゼンバーグ、リタ・カベルト、ファルキート
日本語字幕:渡邉一治

公式ホームページ

【チャップリン家初の公認ドキュメンタリー】
“放浪紳士”の原点はここにあった――
チャーリー・チャップリンのルーツに迫る新たな物語

ドタバタ喜劇に庶民の哀愁や社会風刺を巧みに組み込んだユーモア溢れる作品を多く生み出し、世界中の人々を魅了してきたチャーリー・チャップリン。ちょび髭にだぶだぶのズボンと大きなドタ靴、ステッキと山高帽がトレードマークの“放浪紳士”に扮し、笑いの中にさみしさや孤独を抱え、社会のなかで弱い立場の人に寄り添う心優しいキャラクターで愛されてきた。そんな放浪紳士に垣間見えるのは、ロマのアイデンティティ。本作では、チャップリンがロマの血を1/8引き、そのことを誇りに思っていたことが明かされる。極貧の少年時代からアメリカを追放されスイスで過ごした晩年まで、映画の神様チャップリンのルーツに迫る新たな視点の物語。

チャップリンに関する作品や映像は数多く作られてきたが、本作はチャップリン家が全面的に協力し公認した唯一のドキュメンタリー。製作を担当し、劇中でチャップリンの足跡を辿るのは息子マイケル・チャップリン。父の名声と親の七光りという重圧に苦しんだマイケルが父子断絶を経て、その関係を見つめ直す。『ドクトル・ジバゴ』(65)などで知られる俳優で娘のジェラルディン・チャップリンらも出演し、家族だけが知る素顔を語る。本作の監督を務めるのも、孫カルメン・チャップリン。世界的な人気者でありながら、一人の人間で父親だったチャップリンを綴る。

さらに、ジョニー・デップやエミール・クストリッツァら、チャップリンを敬愛する各界の著名人も登場。『キッド』(1921)、『街の灯』(31)、『独裁者』(40)、『ライムライト』(52)など名作の引用に加えて、本邦初公開となる家族が撮影したプライベートフィルムや貴重な記録映像を交えながら、作品に投影されるチャップリンの幼少期の記憶やユダヤ人・共産主義者のレッテル、そして放浪紳士に通じるロマの特徴や文化までをも掘り下げる。


チャップリン チャップリン

12/27(土)~

蘭島行

蘭島行

©KAMADA FILM

2024年/日本/84分/配給:鎌田フィルム
監督:鎌田義孝
脚本:中野太、鎌田義孝
音楽:山田勳生
撮影:新宮英生、田宮健彦
編集:中村和樹
出演:木村知貴、輝有子、足立智充、竹江維子、大橋哲郎、磯貝圭子、松橋勝巳、山野久治

公式ホームページ

北緯四十三度 さまよう

東京に住む売れないパンクロッカーの佐々木芳夫(木村知貴)は、母が自殺を図ったという連絡を受けた。芳夫は妻のふりを頼んだ黒沢真紀(輝有子)を連れて、生まれ故郷の北海道蘭島に駆けつける。エリート建築デザイナーの弟・悟史(足立智充)を加えた3人は、母が目を覚ますまで奇妙な時間を過ごす。芳夫は母の日記に、「死んだら父の遺骨と一緒に海に散骨してほしい」と書いてあるのを目にした。母の願いを悟史にも告げ、芳夫たち3人は母の散骨場所を探しに出かけるが・・・。

人生の悲哀と明日へのかすかな希望が織りなす帰郷譚

本作は、運に見放されたパンクロッカーとその妻のふりをする天涯孤独の女、そして何年も会っていなかった弟との数日間を描く人間ドラマ。
監督は、『YUMENO ユメノ』『TOCKA [タスカー]』に続く、長編三作目となる鎌田義孝。前二作品と同様に本作も北海道で撮影、小樽市近郊の蘭島をロケ地に選んだ。音楽は山田勳生(『EUREKA』『はるねこ』)、共同脚本を中野太(『二人静か』『蒲団』)が担っている。
2025年2月に開催された世界三大ファンタスティック映画祭のひとつ、ポルト国際映画祭に出品され、監督週間部門コンペティションで主演男優賞(木村知貴)を受賞。ポルトガルの人々の心を魅了した。


蘭島行 蘭島行 蘭島行
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