柳下美恵の ピアノdeフィルム vol.3

2021.6.19(土)・20(日)

柳下美恵の<ピアノdeフィルムvol.3>

サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの生伴奏

映画が誕生して120年あまり。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。
月よりの使者画像 月よりの使者画像

フィルム提供:国立映画アーカイブ

1934年/日本/入江たか子プロダクション/147分/18fps/35mm/サイレント
監督:田坂具隆/原作:久米正雄
脚本:木村千疋男/撮影:伊佐山三郎
出演:入江たか子、高田稔、水原玲子、菅井一郎、中野かほる


ロサンゼルスの全米日系人博物館から寄贈された伴武氏の遺品「バン・コレクション」の16mmプリントから復元し、2008年に98分の作品として上映されたが、詳細不明と思われた1巻が、本作の一部分であることが判明したため統合が行われ、今回147分の作品として上映いたします。
入江たか子の代表作『滝の白糸』(1933年)の翌年に製作され、当時大ヒットしたメロドラマ。信州の高原にある療養所を舞台に、3人の男性から求婚される看護婦の波瀾万丈の人生が描かれる。1949年(加戸敏監督、花柳小菊主演)と1954年(田中重雄監督、山本富士子主演)にリメイクされている。


柳下美恵のピアノdeフィルムvol.1画像サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学有鍵楽器専修(ピアノ)卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕 リュミエール!』でデビュー。以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのフィルム・アーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、タイ・フィルムアーカイブ、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、ポルデノーネ無声映画祭やボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ)などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。ピアノで見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、同じサイレント映画作品を連日上映する“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。

チケット購入情報

6/16(水)より、オンラインは0:00~、劇場受付は9:30~、座席指定券をご購入いただけます。

次回予告
2021年11.6(土)、7(日)にvol.4を予定しています。詳細は当サイトやチラシをご確認ください。