柳下美恵のピアノdeフィルムvol.16

柳下美恵のピアノdeフィルムvol.16
『嵐の孤児』ORPHANS OF THE STORM
1921年/アメリカ/150分[20fps]予定/35mm
監督:D・W・グリフィス/出演:リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ
サイレント映画の35ミリフィルム上映 × ピアノの即興生伴奏
2025.10.25[土]&26[日] 各日14:45
映画が誕生してまもなく130年。最初の約40年間の作品は今ではサイレント映画と呼ばれています。映写機のフィルムがスクリーンに映し出され、語りや音楽伴奏と共に上映していました。トーキーは映写速度が24コマ/秒ですが、サイレントは作品によって違っています。トーキーのスクリーンサイズは作品によって違っていますが、サイレントは1.33×1でした。デジタル上映が主流になる今、映画が誕生した頃の形にこだわった上映を試みます。


フィルム提供:国立映画アーカイブ

1921年/アメリカ/150分[20fps]予定/35mm/サイレント/ユナイテッド・アーティスツ
監督:D・W・グリフィス/原作:アドルフ・フィリップ・デヌリ、ウジェーヌ・コルモン/脚本:ガストン・ド・トロリニャック/撮影:ヘンドリック・サートフ/美術:チャールズ・M・カーク、エドワード・スコル/フィルム提供:国立映画アーカイブ/出演:リリアン・ギッシュ、ドロシー・ギッシュ、ジョージフ・シルドクラウト、クレイトン・ヘール、モント・ブルー
今年生誕150年を迎えるデヴィッド・ウォーク・グリフィス監督の後期代表作。グリフィスはモンタージュ、カットバック、クローズアップなど映画作りに欠かせない技法を編み出し、映画文法を確立した。
リリアンとドロシーのギッシュ姉妹がフランス革命とその後のロベスピエールの恐怖政治という歴史の嵐に巻き込まれる。二人の熱演と共に18世紀末のパリを再現した大野外セットや群衆シーン、グリフィス作品の代名詞となった「ラストミニッツ・レスキュー」は見逃せない。
ギッシュ姉妹はグリフィス監督の『見えざる敵』(1912)で鮮烈なデビューを果たした。その後、姉のリリアンはグリフィス組のミューズとして数々の作品に主演、ガラス細工の様な繊細な表現、生まれ持った芯の強さ、神のような深遠な存在感で数多くのファンを魅了した。
10.25[土] 井上正昭さん(映画研究・翻訳)オンライン
10.26[日] 宮下啓子さん(無声映画愛好家)
入場料一般・シニア2,000円/会員1,700円/ユース(25歳以下)1,000円
10.22[水]より、横浜シネマリンオンラインチケット予約サイト、劇場受付にて、座席指定券を販売いたします。

サイレント映画ピアニスト。武蔵野音楽大学ピアノ専攻卒業。1995年、山形国際ドキュメンタリー映画祭のオープニング上映、映画生誕百年祭『光の生誕リュミエール!』でデビュー。 以来、国立映画アーカイブや神戸映画資料館などのアーカイブ、映画の復元と保存に関するワークショップ、全国コミュニティシネマ会議、東京国際映画祭、京都国際映画祭、アップリンク、シネマ・ジャック&ベティなどの映画館、海外は韓国映像資料院、SEAPAVAA(東南アジア太平洋地 域視聴覚アーカイブ)マレーシア会議、タイ無声映画祭、 ポルデノーネ無声映画祭、ボローニャ復元映画祭(イタリア)、ボン無声映画祭(ドイツ) などで伴奏。日本、イギリス、アメリカ、デンマークで出版された 『裁かるゝジャンヌ』のDVDやブルーレイの音楽を担当した。音楽で見せる欧米スタイルの無声映画伴奏者は日本人初。映画を楽譜として映画に寄り添い続ける。映画館にピアノを常設する“映画館にピアノを!”、サイレント映画×ピアノの生伴奏“ピアノdeシネマ”、 サイレント映画週間“ピアノ&シネマ”などサイレント映画を映画館で上映する環境作りに注力中。2025年デビュー30周年を迎える。